125 【身内】実波シークレットパラダイス【R18】
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#男子会「実はこう見えて俺にも妹が居るらしい。
残念ながら兄と違って実に真っ当な人間だよあいつは」
兄妹揃って人外ならやりやすかったのになー。
呟くのは大した感情も無い、何処までも単なる願望形だ。
「人間、あんまり変だと一周してすぐ受け入れるんだよな〜。
俺も大抵は『変な奴』で片付けられてたし」
人、半端に馴染もうとするよりも目に見えて個性が強い方が
個性のキャラクター化が容易なのかもしれない。
#男子会「……にゃむにゃ……
……あ、あれ…?……いつの間に、寝て…?」
気絶していたとも言う。
枕を抱き抱えながら布団の上に触り直した。
「恋……え、……普通に
適任
がいる、じゃないですか……
……久瀬先輩。
……子孫って、ことは……孫までいるし……
前世では、…愛人3人もいたー…って、言ってました、し……
………………。」
何故かちょっと照れてる。
#男子会「俺が死んだ後愛人まで作ってたとかとんでもねぇ悪女だよアイツ」
「まぁ……確かに経験はいちばんあるか、あのセンパイ……そらそうだな……
だがなぜ不破が照れる」
どうして?
#男子会「……ぁ、いや……なんて言うか、……んん……」
枕で口元を隠して体育座りをしている。女子か何かか?
「……三年の、先輩達……みんな、凄いから……
こう……モテそう、だなぁ……と言うか…憧れと言うか……
……好きな人が、好かれてるの……嬉しいなぁ、って……」
要するに、先輩達だいすき!ってことらしい。
#男子会「……三年の、先輩達……みんな、凄いから……
こう……モテそう、だなぁ……と言うか…憧れと言うか……
……好きな人が、好かれてるの……嬉しいなぁ、って……」
「へえ〜勉強になるな〜。
好きな人が他人に好かれてると嬉しいんだ?
やきもち焼くとか気に食わないとかじゃなくて?」
スマホの録音アプリで録音されたものがリピートされた。
人の心が無い?
「そうそう、魔法少女みたいなやつとか、
今日みたいな…神様とかのファンタジー?みたいなやつとか。
確かに三年生の人達も気にはなるんだけど、迷うなあ…」
「今のところ気になるのは義兄氏なんだけどね。
ん〜、いやね、今日の先はどうしようかなとかそういう…
相談未満なこと、ついでに世間話みたいなノリだったんだ。
ちなみに僕は花子くんを推しまーす。だって可愛いし。」
#男子会噂をすればなんとやらだ!
「な、ななななんで録音してるんですかぁ!
せ、先輩もいるなら早く言って
ぶへっ
」
頭に枕が不意打ちで殴られて前に倒れて布団に顔を埋めたままスンスン鳴いてる。暫くしてからむくりと顔をあげて、ダブル枕を抱えて座り直した。
「……視点が、久瀬先輩はこう…変に高いですからね……
累くんとまたこう……違う意味で、違和感を覚えるのかも……
……まあ俺にとっては割と2人共、同じ組なんですけど……」
雪を突っ込もうとしてきたズだし。
録音には恥ずかしいが、しかし事実なのは事実だし、一番聞かれたくない先輩その3には今直接聞かれたので、割とまだ黙ってる。
「……えっ、嬉しく……ない、ですか?
だって、好きな人が嬉しいと…何となくこう…温かくなりません?」
……累くん、気に食わない派?」
何となく周囲に視線を向けた。「好きな人が他に好かれてると、ヤキモチ焼いたり気に食わない?」と言うのを説いたげに。
#男子会「なんか面白い事言う気がしたから……」
さいあく。
「俺は俺の気に入った人間にちょっかい掛けられてたら
祟りやしないにしても少なからず気には食わないと思うけど?
それって人間もそういうもんじゃないの?」
神は一歩退いて好きな人の幸せを願うとか、しないらしい。
嫉妬だとか独占欲というよりこれはただただ傲慢なだけ。
#男子会「変な事ってなんですか…人を面白人間にしないで下さい…
……うーん……?嫉妬、嫉妬……
いや、感情とか発生する仕組みはわかるんですけど……」
棗の暗号の時に、心理を考察していた。
つまりその辺りは考えれば想像できる範囲らしい。問題は、己にそれが適応されるかと言うとまた別の話だ。
「……そう言われると、俺なんか…人間じゃないみたい……」
なお、この魔法少女の最も強い加護を受けてるのは「縁結び」の能力だ。つまり、本人ではなく他者である。
その面の影響を受けているのか、或いは不破彰弘と言う人間がその気質が強かったから選ばれたのかは、定かではないが。
あとこのせいでリボンは結ばれてる。
#男子会「キリ良く人間じゃなくなってみる?レッツ人外。
人間辞めると人生の様々なお悩みや
したくもない労働から解放される事ができるんだぜ」
堂々とカスみたいな誘いを掛けている。
人生の様々なお悩みや労働から解放される代償として
人として大切なものを失うので、ならない方がいいよ。
「まあ一般的な人間がどうかは俺は存じ上げないけどね?
俺は気に食わないね。そんだけ。
俺の気に入ったものなんて俺だけ気に入ってりゃいいじゃん?
神様のもの横取りする馬鹿なんてそう居なかったしね〜」
スマホを枕元にぽいと投げてぼすんと布団に寝転がった。
言うだけ言って投げっぱなしで終わらせるつもりだ。
「おれも君のことは気になるねえ。相思相愛。……これ他の誰かにも言ったねぇ。
て言うか気づいちゃったけど、かさねこくんがゲームから退場したからイマココきょうだいしかいないじゃん。家族の空間になっちゃったねえ」
「気になるのはみんな気になるって前提で、山田さんは確かに気になる。想像つかないし」
#男子会「俺も好きなやつが好かれてるのは嬉しいけど、自分のポジション奪われそうになったらカチンとくるかも」
眠くなってきたかあくびをして。
「親友とか恋人は俺なんですけどー! みたいな?
好かれる度合いにもよるのかね、あんまりモテモテだとさー
俺ここにいていいんかなってなるかもしれないな」
好きだから近くにいるってだけで良いんだけど。
嫉妬が絡むとややこしいな、と思うのだった。
#男子会「ここは皆自分の秘密で手いっぱいなとこあるしな」
自分もおかしいのに相手の方がよりおかしいとか、そんな風には思えない。
周りからおかしいとは思われていながらも、これが自分にとっては普通なんだけど。
「あ、俺は大体誰からも納得されるけど一人っ子だぜ」
「ふふ、僕達が恋人同士だったらよかったのに、ざあんねん。
そうなんだよね。かさねこくんがいなくなっちゃったから…
ペット不在の家族二人ってかんじです。
何だか不思議。もう家ってこと?」
「お。奇遇だな義兄よ。気が合いますなあ。
縫い包みといい他といいさ、謎めいてるよな」
「恋人同士になるには色々とめんどくさそうだねえ。あまりお互いの親に手間かけさせたくないから今はいいかな。それはまあ良いとして。
なんだろうねえ彼女は。実はぬいぐるみが本体で人の体は偽物、とかでも驚かないよね。なんとなく、そうではない感じがするけれど。
他にはなーんとなく察しがつく子もいるんだよね。偉智センパイは体弱そうなことが関係してそうだし、蛇神センパイは体の外見に出るようなものなんじゃないだろうか。水銀さんはたぶん……アレだと思うし。
察しがつくだけで、具体性は何ともだけど」
「そうだね。っていうか兄と妹で兄弟だと余計こんがらがる…
あ!この話って他の人にも聞こえてるんだっけ?
他の人が聞いててきまずくなってたらおもしろいね。
……あ〜、なんかそれありそう。可愛い感じ。」
実際どうなのかは分からないけれども、想像するのはタダ。
話をしながらお菓子とか食べとこ。
「要くんはそんな感じ。阿門くんは…うん。
何だかおおよそ同じかも。想像。莉桜くんはわかんないけど。」
「あーあ。一日にいっぱいの人の秘密を暴けたらいいのにね。
ゲームとは言えども何だか効率わるくない?
ぼく、もっと色々しりたいよ〜」
#男子会「俺も俺以上に可愛がられる動物人間が出てきたらちょっと妬むかもしれない。それでもしただ一人の。親友か番なら……」
「──ひとおもいに攫ってしまうかも。」
「でもみんなは山の暮らしが合わないだろうし、生きているうちに連れていくのもどうかと思う、から。できるだけ我慢しよう。
ただもし心から好いた相手が土に還るときは、連れて一緒に帰ろうと思う」
進んで口を開けば、妖怪特有の愛が重いトークだ。
『寿命で勝てる妖狐はアド』みたいなニュアンスも含まれている。見かけによらず、重いところちゃんと重い。
#男子会「昔は兄弟もたくさんいたんだけどな」
「長く生きるのはやっぱりさみしい。
奪われるくらいなら俺が持っていく」
どっちかというと人外的だからこそ気に入ったものに執着するのかもしれない。一歩身を引く奥ゆかしさなんてどこへやら。
「めんどくさいからきょうだいって言っちゃうけど、兄妹が正しいね。
ああ、そうなんだよな。一葉くんとか聞こえてたみたいだし? 他にもいるのかな」
同じくお菓子をつまみ。
「おれもねえ、みんなの秘密が見れたら良いんだけどね。ゲーム終わったら全員公開されたりしないかな?」
#男子会「お……お前が言うと冗談に聞こえねぇー」
むしろ全部本気だろう、一葉の言うことは。
「まぁ……動物の暮らしと同じように出来る人間はそうはいないからなぁ。
とはいえ、今は人間が行けない場所って少ないから、趣味が合う人間なら山で暮らしてくれるかもな?」
こいつにしろ、累にしろ。
人外が本気になったときの愛ってのは末恐ろしいなと納得してしまった。
女子に対抗して恋バナしてみようと思ったけど、こいつらを前にそんな物盛り上がるわけがないと悟った。
#男子会「やっぱお前もそのうち俺と似たようなもんになるかもなー。
どっか一つ所に居着いて縄張り持ったらさあ。
そこに来た人間に気まぐれにちょっかい掛けるだけの
怠惰で悠々自適な暮らしが待ってるぜ」
色々な意味での後輩の言葉にそんな茶々を入れていたとか。
とはいえこいつの掛けるちょっかいは多分悪質な方だし。
こうして人里に降りて来ている辺り、そんな暮らしもきっと満ち足りたばかりのものでもないんだろうけど。
「俺は俺が欲しいものは全部持って行くよ。
世間体はちょっと気にするけど、我慢なんてしたくないね。
『神隠し』ってのは元来そういうもんだし?」
人外の愛がろくでもないのは、ほんとにそう。
神の愛はただの愛玩だから、狐の方がまだ良いだろうけどね。
#男子会「連れて行くなよまじで」
流石にここの中から誰か神隠しで連れ去っていかれたら大分ショック。
「ってか、誰か気になってるやつでも居るのかよ?
累の場合お気に入りって感覚なんだろーけどさ……」
#男子会「縄張りがかぶったら争奪だ掠奪だ」
「お稲荷様とかのご先祖さまに目一杯頼っていきます」
先輩、俺たちは絶対気に入った相手が被らないようにしような。山での暮らしより人としての生活を選んでいる怪異ってのは、巻き込まれる人間にとって迷惑な話である。
「俺は優しくされるとすぐ気に入っちゃうから、
なかなか一人を選ばないという点で安心していい」
#男子会「あ〜お気に入り。いいね、そこそこ適切な表現だ」
お気に入りでいいらしい。
「俺もちょっと面白そうだと思ったらすぐ気に入るから安心だ。
その理屈で言うとここに集まった人間人外大体そうだけどね?
俺は一人を選ばない。欲しくなったら全部貰う。
つまり棗ちゃんも他人事じゃないんだぜ〜?」
たちが悪い。ほんとうに迷惑千万な話だこと。
「実は君の義妹は寝ぼけていて、
恋人と言いたかったところを兄弟と言ってしまったらしいな。
まあそれはさて置き、そう、…聞こえてる人いるんだろうなあ。
他の人、きこえてますか〜?って聞いても答えてくれなさそ。」
何だか普通の団欒シーンになりつつある…。
もっとあくどい会話とかしとくべきかな。
悩みはしたものの浮かばず、結局お菓子を齧るだけ。
「え゛。全員公開されたらボクは困るよぅ。
僕が可愛い人魚であり魔女でありその他諸々だということが
全員にばれてしまうなんて!考えただけで鳥肌立っちゃう!」
「えっ、というか鷗助くん鷗助くん。
全員のが公開されるってことは君も公開されるってことじゃん?
……鷗助くんはいいの?秘密大公開されるの、嫌じゃないの?」
「あら、おれのほうが意識したみたいになっちゃったよ。忘れてね」
ひょっとしたらちゃぶ台囲んでミカンでも剥いているのかも。
「そういうってことはきみはそれらじゃないんだろうなあ。
……あ、おれ? なんか他の秘密見てたらおれの秘密って大したことない気がしてきてねぇ。バレてもどうとでもなる気がしてきたしねぇ。
あんま嫌じゃないかなぁ」
お蜜柑を積み上げておくね。
もう、こたつがありそうだからこたつがあるということでいいんじゃないかな。
「いやあ分からないぞ。実はこのうちのどれかかも。
義兄氏は気楽だな〜、……でもまあ、バレても、うん。
確かにどうにかなるような気はしてきてるんだよね。実際。
でも仲良くなった子からの視線が少し変わったりするのは、
少しこわいものだとも思うからむずかしいね。みかんおいし」
みかんを剝いて口に運んでた。次第にどうでもよくなる。
じゃあこたつとなりました。寒いからね最近。暖かくしましょう。ぷちぷちとスジをとりましょう。
「……おれは義妹が極悪非道の大悪魔じゃない限り対応変えるつもりはないけど。ま、気にするんなら内緒が良いのかもね。
おれ以外に仲良しさんができてるかもしれないし。友達と楽しく暮らしてるみたいで義理の兄も嬉しいです」
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