52 【ペアソロRP】<UN>SELFISH【R18G】
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| [黒い天馬に任せた責務は、国の境界を跨ぐまで。 さんざ重荷を押し付けられた国家の動物に、これ以上の負担を背負わせることなどできなかった。 するりと背中から降り立ち地を踏めば、轡を外してやる。 硬い鬣をゆっくりと一撫でしてやれば、一歩下がって指笛を吹いた。 甲高い嘶きと共に、再び青空へと舞い上がる。 もう二度とその背に誰かを乗せることはない。 解放された自由な世界で逞しく生きてほしい。 心からそう願ってしまった。 姿が見えなくなるまで見送って、軍服のポケットから小型の薬品ケースを取り出した。 赤色の錠剤をひとつ摘み取り、口に含んで噛み砕く。 酷く酸っぱい味わいと、激しく揺らぐ視界に一瞬ふらつき反動に耐える。] (96) 2020/12/03(Thu) 19:36:44 |
| [ 「獣化解放薬」 抑える薬があれば、促進させる薬も存在している。 寧ろ戦争国家であれば其方の方が都合が良かった。 遺伝子を活性化させ、満月無しにその身を変えさせる。人外並の力も手軽に引き出すことが可能であった。 その効力も些か完璧とは言えず、飢えが湧き出る程に悪化もしなければ自我も落とされることはない。 殺戮に戸惑いが生じることは国としては都合が悪いが──速度だけ欲しい彼女にとっては都合がいい。 無理やり身体の組織を捻じ曲げる副作用は酷いもので、倦怠感、頭痛──その他数多のダメージは避けられないが、背に腹は変えられない。] [残された時間なんて限られているから、辿り着くまで薬を重ねて誤魔化して──その後のことは考えない。 口内に残る酸味と共に、鱗に覆われる身体の変化が終わりきるよりも先に足を踏み出しかけ出した。] (97) 2020/12/03(Thu) 19:37:14 |
[元より安らかな死など約束されない身であった。
抗うことを辞めてしまえば己は真のひとでなしとなり、全てを破壊し尽くすのみの血に飢えた化け物と成り果てる。
有象無象に興味がなければ
己のことだってどうだって良かったのだ…今までは。
何もかも壊す前から自分自身で手放してしまえば苦痛なんて湧かない筈だと信じていた癖に、結局あるのは変わらない地獄だ。]
(自分の道を決めた、たったひとつの人間性が
今度こそ手放しはせぬと握りしめた──唯一無二。)
[歯車を自ら狂わせた者同士、
噛み合ってしまうのは必然の道理。]
[借りものの命なら、使い込んで返せ。]
[幕引きくらいは───望んだ通りの結末を。]
| [野を越えた。 山を越えた。 川を越えた。 数多の障害を経る。 計り知れない苦痛を更に酸味を飲み込むことで相殺し、悲鳴をあげる四肢を絶え間なく働かせる。 どんな苦痛よりも、降り頻る雨が寒かった。 鱗に注いだ水滴は乾くことを知らず、 空気の冷気に冷やされ、体温を下げていく。 ───何れ見えた砦の軍幕に見覚えがあれば、ラストスパートのように速度が上がった。 誰彼の視線も気にすることなく、巨体を外壁へ凭れかけ、鉤爪をめりこませ、荒い呼吸に合わせるように攀じ登る。] (ひとつの賭けのようなものだ。 「待っている」とは言ったものの、 どこに居るかがわからない。
権力者様なら高いところにいるのだろうと 捻くれた偏見は───どうやら当たっていたらしい。) (98) 2020/12/03(Thu) 19:39:17 |
| [濁った赤目が窓を隔ててひとつひとつ、砦の内部を覗き込む。 その中に───身知った 赤 を見つけた気がした。] [かん ッ と、尾を硝子が割れない程度に強く叩きつける。 応じて窓が開けられるのなら、倒れ込むように開けた相手を押し倒していたかもしれない。] ………………………… 無事 か。 [薬の効果が切れかけてしまえば、重ねた苦痛が一気に押し寄せて仕方がないから。 アイスブルーを取り戻せない濁った赤目が、魂が抜けかけたように揺れていた。 脇腹を抉った傷口は未だに癒えず、清めもしなかった身体からは死臭と鉄臭さが消えてくれない。 ……屍のように凍えていた。 不意に感じた温もりに、縋り付くように抱きしめて。 ────鉤爪で傷つけない程度にその背を撫でたりしたかもしれない。]* (99) 2020/12/03(Thu) 19:39:54 |
[ 男の言葉に内心舌打ちをしつつも
この場を切り抜けるには致し方ない事。
押し付けられる靴先。
今すぐにでも男の首の骨を圧し折りたい。
そんな事を思いつつも、相手は魔術師だ。
下手に手を出したら
更なる災難に見舞わされるかもしれない。
今は堪えろ、堪えるんだと
胸の裡で何度も繰り返し唱え
溢れ出そうになる激情を押し留めていた]
[ 迫って来ていたオークたちは
男の魔術…なのだろうか。
突然現れた巨大な、何か生き物の口のような
深い暗闇の中に呑み込まれた。
地下室に再び静寂が訪れる。
醜い怪物たちが姿を消した事により
束の間の平穏、肩の力が抜けて
手術台の上に上半身を凭れさせた]
[ そうして身体を休めていれば
仕事の話が男の口から告げられて
顔を持ち上げては視線を向けよう]
魔王なら何でも簡単に
手に入ると思ったのだがな。
……以外にそうでもないのか。
それに取り返す、と言う事は
その悪魔にむざむざと奪われてしまったと?
[ 取り返すだけだと、簡単な話に見えて
色々引っ掛かる事があった。
少し皮肉気に問いを投げ返してみたが
彼はどんな反応をしただろう]
[ 説明された直後に伸びてきた蔦には
思わず昨夜の出来事を思い出し
上半身をびくっと震わせては硬直してしまう。
また何かされてしまうのかと身構えていれば
蔦は怪我した脚に絡みつき、
表面を舐めるように這っていく。
訝し気にその様子を眺めていれば
何度もそれは這っていくにつれて
脚の痛みが次第に薄れていくのを感じた。
( まさか……治癒魔法? )
胸の傷が消えたのが蔦のお陰と知らなかった俺は
思わず目を瞠り、唖然としてしまった。
尚、悪趣味な回復方法だと思った事は
胸の奥に仕舞っておく
]
願いをなんでも、な……。
[ 正直願いを叶えてやると言われても
相手は魔王。そう易々と信じられる筈もなく。
しかしながら例えとして出されたそれに
片眉がぴくりと反応した。
当然出来るなら男に戻して欲しいし
解放されて自由の身になりたいのが
己の心情というもの。
元に戻して貰った後で
奴の息の根を止めるのが一番だろうか。
そんな事を思っていれば、
首を引っ張られ無理矢理上を向かされる]
[ 何でもいう事を聞く。
先程自分自身口にした言葉。
一体どんな命令をしてくるのかと
身構えて睨みつけるような視線を向ければ
意外な内容を告げてくるのであった。
( 俺の事を知ってどうするというのだろう。
元々殺そうとしていた癖に。
奴隷の事を理解しようとする主など
普通はいない……何が狙いだ? )
どんな心変わりがあったのやら。
正直に答えてやる義理などなく。
とはいえ、下手に答えて
散々な目に遭わされるのもごめんだ]
[ 俯き、顎に手を当て思案を巡らす。
暫しの間が空いた後、口を開き]
元々貧しい生まれだからな。
人の物を奪う事でしか生きる事が出来なかった。
出来なければ死ぬだけだ。
他の生き方なんぞ知らん。
貴様みたいに家があって金もあって
力のある者には理解出来ようもない。
[ まるでお説教をするかのような言い方に
きっぱりと些か強い口調で答えた。
声色には少し苛立ちが
滲んでいるのが分かるだろう]
[ 聞きたい事があればの話には
お前に聞きたい事など何もない、と言おうとして
ハッとしてはそれを喉奥に押し留めてから]
……お前みたいに、
どうすれば"力"を持てるか、だな。
魔族じゃないとやはり難しいのか。
[ 魔王と呼ばれるからには魔族だと
こちらは何の疑いもなくそう思っている。
実際そうかそうではないかは知らないが
これから先の事を考えて、より強くなりたい。
そう思っての問い掛けであった。
尤も、素直に答えてくれるとは
全くもって思ってもいないのだが]
[ 無理矢理爪先で頬を持ち上げられ
片目を眇めて不機嫌な顔。
質問の内容に眉根が寄った。
馬鹿にしてるのかと思いつつ
此処は正直に答えよう]
あるに決まってるだろ。
[ ぶっきら棒な言い方で言葉を返す。
金で買う事もあれば、
仲間内(仲間だとは思ってもいないが)
の女を抱く事もあった。
とはいえ、すぐに飽きるし
恋人のような存在がいた事はなかった]*
[ 父親はアル中で殴る蹴るの暴力を振るう。
母親は男の尻を追い掛けて、
子供たちはほったらかし。
食事は僅かな残飯だけ。
そんな家庭に育った男には
異性と恋をして、子供を作り家庭を作る。
そんな考えなど生まれる筈もなく。
愛を知らない心は歪むばかりであった]*
[
長く伸びた赤みがかった黒髪に
均整の取れた細身の躰。
愛想も化粧っ気も無いが、
その分素の睫毛の長さやら
瞳の大きさがよく判る。
黙って笑ってりゃ
落ちねぇ男はいないだろうってなもんなのに
いやー、今にも素っ首掻っ切られそうな
すげぇ眼差しで見てくるんだもんなぁ。
ったく、こえーこえー。
たまんねぇなぁ、おい
]
言うねぇ。
ま、そういうワケだ。
元々俺様が造ったダンジョンで、
俺様が召喚したその迷宮の主だった筈なんだがなー。
[言いながら、片目を隠す前髪をかき上げた]
[瞼の奥。
眼球があるべき部分に広がるのは
光すら飲み込むような暗黒の虚空で。
痛くも痒くもねぇんだが、
当然こっちの方じゃなんも見えやしねぇ]
口達者なやつでさ。
ついうっかり盛り上がって、
あいつが言った
"ダンジョン全部を見渡す事ができると良いんですが"
って、呟きに
"おー?良いぞー?"
って返事しちまったんだよなぁ。
そしたらあの野郎、本性あらわしやがってよ。
水晶玉の一つでもくれてやるつもりだったんだが、
俺様の目玉そのものを持っていきやがった。
[お手製ダンジョン内を観察できる
特別な魔力回路を組み込んだ自分の眼。
アレが無けりゃ、こちとら商売上がったりだ]
つうか無謀な冒険者ちゃん達の
断末魔をじっくり間近で見たいからこそ
ダンジョンマスターやってる所もあるからなー。
あー……
すっげぇ辛いけどしょうがない。
目の前の奴隷ちゃんが苦しむ姿で
我慢するしか無いかー、という現状だな!
[最後はひっひっひと意地悪く。
蔦に絡まれ回復中のアシュレイちゃんに
残った片目でウインクを送るのだった]
[そんな訳で、色んな意味でデバフ中の今。
頼りになる相棒ちゃんを
絶賛生産中だったんだが────
まさか自分からやって来てくれるとはなぁ……
これも俺様の日頃の行いって奴か]
へぇ、貧しい生まれん中、
腕一本でのし上がって来たって訳か。
道理で歳に似合わず
修羅場慣れしてると思えば。
[ひゅぅ、と軽く口笛を吹き。
続く言葉にはぱたぱたと軽く片手を振った]
まー、確かに俺様には
家も金も力もあるけどさ。
その俺様の所有物な奴隷ちゃんも
この家を自分ちだと思ってくれて構わないし。
[オークとか徘徊してるし、
そこら辺中事故物件だが]
おちんぎんだって欲しけりゃあげようか?
[使える所に行けるかは別として]
そんで"力"を手に入れるにゃ、
やっぱ経験とマジックアイテムっしょ。
だからこそ魔術師は開発に心血を注ぐし、
冒険者の皆様方は、奪い取ろうと躍起になるし。
ちな、俺様も人間だぜぇ?
うっかり悪魔に騙されて、
眼玉を取られちまうレベルには善良な。
[俺様が魔族だと思ってたのか、と
カラカラと破顔して。
まぁ、モンスターを使役してっからなぁ。
要はちょいと才能のある召喚師なんだが
魔術系統に詳しくなけりゃ
魔族と思っても仕方がないだろう。
いやしかしこいつ、素直なやつだな……]
だから俺様の言う事を聞いて
がんばって経験を積みゃあ
お前さんだってこの程度にゃなれるってこった。
[首輪から伸びる魔力の鎖を、
チャリチャリと指先で揺らし遊びながら。
少しばかりセクハラな質問を
アシュレイちゃんに一つ。
……いやだってだな。
すげぇ真面目な顔で会話してっけど、
格好、すごいからな!?
服というよりもはやボロ布ってな有り様だし、
そのせいもあって、動くたんびに
手の平で握れるくらいのたわわな何かが
ふるふるしてやがるしさぁ。
これが元男の無防備さってやつか……
アシュレイちゃん、恐るべし……]
ま、色々知識があるのは助かる。
恋人ちゃんがいたんなら悪いがな。
お前さんはもう、俺様のだから。
[魔王様は独占欲が強いのである]
そんじゃさっそくご主人さまからご命令だ。
……俺様を誘って、性奴隷として満足させてみろよ。
別に貞操観念なんざ、持ち合わせちゃいないんだろう?
上手くできたら、
美味しいご飯と新しい武器防具をくれてやるよ。
別にその格好のままダンジョンに突撃したいんなら
俺様はそれでもかまわないしなー。
[下手な真似をするようなら、魔力の首輪を締めるも良し。
さっきみたいに宝石越しに身体をいじってやるも良し。
鞭と飴をチラつかせてみれば、果たして──…*]
| [平民なら兎も角、兵士相手ならば斬り捨てられてもおかしくはない。 さんざ人を喰らった獣の見た目は禍々しいものだったからこそ───元からあった銃痕以外、此処に無傷で辿り着けたのは奇跡に近いのではないか。] [自身が経てきた時間は彼と比較すると激動と言うには程遠いのかもしれない。 大半を診療所で過ごしてきた。 勝負に出たのは最後の一年間のみだというのに 祖国を崩壊させた人生は、屍の数が多すぎる。 酩酊したかのように揺れる意識を支えるように抱えれば、 彼に初めてこの姿を曝け出した時のように倒れ込む。 見た目の変化こそあれど、相変わらず打たれ弱い身体だと思った。] ……喧しい。 月に頼らずお前の元に辿り着く等酷にも程があるわ。 一定時間だけ力を解放しただけだ……直に戻る。 [軋む絨毯に唸り声をあげ、手を床につき、軽く上半身を起こそうとする。 濡れた髪を鬱陶しそうに揺らし乍ら不機嫌そうな声を返した。 >>106] (109) 2020/12/04(Fri) 0:01:15 |
| [瞼が下りそうな怠惰感が全身を襲っているのに、開きっぱなしの窓から吹く風は刺すように冷たく、湿った鱗に叩きつけてくる。 「寒い」と抗議の声を漏らせば相手を片手で抱えたまんまよろよろと立ち上がり、雑な動作で再度閉め下ろす。 温もりを探すように雫を落とし、無抵抗のまま目眩と戦う相手を半ば引きずるようにして彷徨い───寝台を視界に入れればそのまま放り投げた。] ………………怪我は。 (あの子はいつも傷だらけだったから。) [相手に息があったのはひとつめの幸運。 命こそ存在されど、受けた傷の程度をこの目で確認しなければ満足できなかった。 ナイトガウンを邪魔臭そうにはだけさせれば、器用とはいえない鉤爪さばきで相手の身体を暴こうとする。 彼女に下心は皆無ではあれど───側から見れば夜這いと勘違いされていてもおかしくはない。 具合を直接見えなくとも、証明のように包帯が巻かれているのを見ることが出来たならば、そのかんばせは酷く歪んだに違いない。] (110) 2020/12/04(Fri) 0:01:47 |
| (なんだこの怪我は。 お前は私の獲物だと前にも言った筈ではないか。 文句は決壊したダムのように溢れて止まらない癖に 久しぶりに得た人肌の温もりが酷く身に沁みる。
……何れはそれも反応が涎を垂らす一因にもなる癖に。 もう与えられる資格などないに等しいはずなのに。) …… 良かった …… [枯れきって流さない涙の代わりに、雨粒が髪を、鱗を伝って滴り落ちる。 文句の代わりに安堵の四文字を並べたのは、隠された本心が漏れ出たもの。最後に残ったたったひとつが失われていないことがただただ嬉しかった。] (111) 2020/12/04(Fri) 0:02:24 |
| [ぐうらぐうら。 何重もの副作用が襲う頭はまともな思考回路を保ってくれない。 中途半端に暴きかけた据え膳のような状態のまま、力尽きたように倒れ込み、そのまま抱え込んで胸に顔を埋めてしまった。 幼児のように擦り寄れば、大きく息を吸う。 混ざり合った体温がいつも以上に心地が良い。 触れても触れても命なき冷たさばかりに触れていれば そこに燃えている熱に縋ってしまうのは当然のこと。 「……ん、」と小さく声を漏らせば、密着するように身体を文字通り重ねようとした。 変化時に衣服が破れてしまえば、鱗に覆われていれど裸体同然の姿なのだが麻痺した頭は碌に気にもしないまま。 足りない熱を補うことだけに意識を向けて、まだ薬の効果が残り続ける長い尾までもを巻きつけた。] (112) 2020/12/04(Fri) 0:02:52 |
| (相手のことを異性としてみたこともなければ 下心さえも存在していない故───── これは一種の気の迷い。
彼女自身も深く考えちゃいない、熱を求めるが故の行為。 冷えた身体は通常の人肌の温度では足りなくて、 更に温もりを享受したいと本能が叫ぶ。
自我も忘れてそれに従ってしまうのならば…… 今、満月は昇ってこそいないが、 今夜だけは───欲張りな獣に成り果ててしまおう。)* (113) 2020/12/04(Fri) 0:03:35 |
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