230 【完全RP/R18G】アダムとイヴにさよなら
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| >>134[一瞬、振り返って答える。] 僕らは、 (私たちは、) 僕らだよ。/私たちよ。
「人間」と「植物」。 (138) 2023/11/30(Thu) 20:00:59 |
| [ >>136>>137物陰から、雷恩と緋雁どのが談笑する様子を見守る。 僕らのこと、必要だと、思ってくれてるのかな。 少しくすぐったい気持ちになったけれど……僕らの葉脈がどうのこうの、と言い出したときは流石に飛び出して小突いた。 緋雁どの、にも。咲いていることをみとめてほしいな、なんて思いながら別れた。]** (139) 2023/11/30(Thu) 20:06:10 |
[受け入れる準備はできていたとはいえ、初めて、で味わうにはそれは苦しくて。]
ーーーーーッ!!!
[言葉にならない悲鳴をあげてしまった。最大限、気遣ってはくれているんだろうけど。元よりかなり体格差がある身では限度はあるだろう。
だけど、
すごく苦しいのに、
すごく気持ちいい。
花と、樹木と、ヒトが交わる匂いで部屋が満ちていく。植物の交わりではなく、ヒトの交わりでもなく……動物のようだ。片隅に過ったものはすぐに交合の歓喜に飲み込まれてゆく。貪られるだけ、貪られたなら、昇りつめるのはすぐだった。]*
[悲鳴ごと君の呼気を絡めとり
華奢な肢体を枝葉の腕に閉じ込める
中を熱で抉り、叩き込み
体液なのか、樹液なのか。わからぬもので満たされる。
混じる精の香が、雌の香が
植物同士の交わりでないことを、教えてくれる。
彼女が昂り、頂に至ったのちに
最奥を蹂躙しながら熱を吐き出して
穿ったものはそのままに、唐草模様にもみえる文様を抱く背を
優しく撫でていた。]
……これは。良いものだ。
[ぽつ、と零した言葉は、感嘆を孕んでいる。
――ああ、よいものだ。とても、とても*]
…………はぁ…………
[胎内へと注がれたそれに、彼の方も達せたのだと知る。恍惚とした余韻に浸りながら、優しく撫でる手の感触を味わう。]
…………よか、った…………
[彼の呟きへの返答か、自身の感想か。どちらともつかない台詞を吐く。しばらく、そうやって抱き合っていただろう。お互いに体温を分け合いながら。]
[……そのうちに、彼は僕らから繋げた性器を引き抜いただろうけど。]
…………まっ、て…………
[俯きがちに伝える。……我ながら、本当に、恥ずかしいことに。]
…………も、少し、だけ…………したい。
[一度だけでは僕らの方が、足りないと、訴えている。彼の方はもう満足しきってしまっているかもしれないから、情事後の昂った身体も合わせて、いっそう赤くなってしまっていたかもしれない。]
…………雷恩、『種子』を、もっと、ちょうだい…………
*
[肉体的には満足した様子だと、思ったが
――まだまだ足りぬときみはいう。
それは植物の本能か
動物の、生物としての本能なのか
或いは、両方なのか
顔を赤らめる君。
つられてか葉脈を彩る薄紅に染まる肌は美しい。
まだまだほしいと君は言うのなら。]
いいよ、君が望むなら。
[そのまま再び、樹の腕の中。
――狡いのは承知の上だ。自分から欲しがるのではなく
相手から求め違られる。
それが俺の、きっと”エゴ”なんだ
*]
……ありがとう。
[再び腕の中へと収まる。愛おしい熱を全て洩らさず受け止めるために。
『種子』は要らないと、そう思うことにしていた。きっと、一度欲しがってしまったなら、更に求め続けてしまうだろうから。そういう“エゴ”が僕らには根付いていた。きみを知ってしまったから、これからもずっと、僕らはきみを欲するのだろう。
実を結んでも、その後も、ずっと。]
[腕の中に閉じ込めて、己の欲望を受け止める君との間
種子が、できたのならば
可愛い子 生まれる
一体どんな色の、花が 咲く のだろう
できるなら。己のように
人の形を最初保てなかった子にならなければいい
君のように美しい葉脈を抱けばいい
何時かこの世界に、自分で居場所を見つけられる子になればいい
と、いうのは気が早すぎるか。]
――可愛いよ。君は。
[美しいよ、貴女は。
熱を混じらせ、息を整える唇に顔を近づける
触れるか触れまいか、ぎりぎりのところで。問いかける君に
小さく、笑って。]
[与えられた言葉へ、花を綻ばせる。
睦言もなにも要らないと、強がっていたこころが今ではすっかりと開いていて。
未だに臆病な僕らは、幾度も疑ってしまうかもしれないけれど。
これだけは、嘘偽りのない本心を告げる。]
[──この施設って誰が掃除してるのかな。
仮の部屋主が不在となったこの部屋から一歩外に出て、僕は点々と描かれるピンクの液体を見つける。そしてそれを、追いました。
脳とか胎児とか脳髄だとかを映えさせるためなのかなってくらい清潔なこの場所の扉と扉のあいだは間隔が広くて。ああ、大きな施設なんだなぁなんていまさら気づく。なつかしい記憶のなかの白さと重ねて游ぐ。
床に咲いていた桃色は、大きな硝子扉の中へ続いていった。
ああ、ここは。]
─ 『paradis』 ─
……リヒトーヴさんの、庭
『
しかし、誤った論理を入力されたり、
命令が翻されることは、決して珍しい話ではありません
故に、己はあれを裏切りとは見ていない……筈です
裏切られたと、己は、まだ……
』
[ふと再生される音声は霞みがかりながらも煌めきを発してる。
フローライトからアズライトへのグラデーションを瞼に再生していたら、景色は春の優しげなミントグリーンから真っ青な──
突き刺さる『夏』の庭へと変貌を遂げていた。
むせ返る目映さに目を細めて採光を弱めると、一段気温が下がる場所がある。その一帯から、朝露を思わせるような匂いが満ちてく。]
…………ああ、── 『蓮』 だ……
[白や桃といった蓮が浮かぶ水面に近づく。
──見事、だね、って口にして。
この池は、汚れても穢れてもいないみたい。
水面を覗き込む。無い片眼に光るライムグリーンの硝子石が、
夏を反射して網膜を射した。]
[この硝子石を。
押し込んでも引き千切っても『僕ら』は咲く。
指で、つ、と其れをなぞれば、冷たい。
引っ張って、みる。
──およそ外れそうにはなかった。]
……ふふ。
あは、は、?
[ひとしきり玩んで、かくり、と全身からちからが抜けた。膝を着く衝撃に髪が揺れる。力なく膝に投げ出される指先は爪が、割れていた。
そうなんだ? と、思う。
ああ。僕は僕を なんにも知らないんだ。]
『己に存在意義が与えられている事には、感謝しています
無駄な思考も事象もひとつもないと、そう在れる事を
『幸福』と云うのだと俺は、そう理解しています』
『
──己の存在や行動に意義が生じている限り、
すべての"己"と言う存在には常に価値が存在している。
……己も、そう思います。
それは確かに己らの『幸福』の形であると
』
『
どのような姿形でも構いませんが
強いて言うば、強かな種であると有難いですね
楽しみにしています。あなたに再会する日を
』
ひたあお、 くん、 直青君──…………、
[僕の神さま、『幸福』の形。
僕のなまえに意味なんてない。ただそこに在るだけの。それは完璧だったんです。それで完璧だったんです。僕の座標だったんだ。
ああ、『神』よ。僕はあなたのものでも
────おまえは決して僕だけのものにはならないんだろ
ついに喉が絞まる。この手で絞めた。叫ばない様に。
どうして、どうしてどうしてどうして??僕だけが奪われて喪ってどうして君は何ひとつ損なわれない。愛って、愛ってなんですか。与えることじゃないんですか。与えることじゃないんですか? 苦しい。苦しいよ見返りを求めずに捧げるだけの命でもこの苦しみこそが『生きること』だって君がいうなら僕は僕は、ぼくは─────……!!!]
苦しい『生』などは、ありませんよ。
もし『生きること』を苦しく思うのなら、
それはキミに『罪が在る』からだね。
悪魔とは、人類の不従順を魅力的に語る。
けれどそれはすべて偽りでまやかしの、
────“ 掬い ”です
覚えておいください。
僕はいつでも、キミのなかにいます。
さぁ、言ってごらん…………キミの『名前』は?
どのように飼おうか
、と考える。
ひたすらに甘やかしてしまおうか。
欲しがるものならば何でも与えよう。
嫌と言う程注ぎ込もう。
漸くだ。
漸く、手に入れた。
[音も無く、扉を開いて、閉じた。
横たわる身に被さるように唇を合わせる。
さあ、その名を呼ぼうか。
俺だけの、
]
**
| ー どこかの地 ー [……あの日から、色々あって。僕らは雷恩のいる組織への同行を許可された。痛み止めは雷恩がいればどうにかなるし、ある程度の調剤も用意できるとの事だったから、少し戸惑いながらもそちらへ行くことにした。研究所のみんなはお祝いしてくれたし、外の貴重なデータを送るための機材も用意してもらった。 初めて見た、外の景色は『楽園』とは程遠い様相だったけれども。興味深いものがたくさんあって、退屈はしなかった。 不安だった共同生活も、なんだかんだで受け入れてくれるAIたちがいて。血と硝煙に塗れた彼らの生き様を直接見ることはほとんどなかったけれど、それでも僕らなりに馴染めていたと、思う。 …………外の空気は、澱んでいて、あちこちに危険な機械が跋扈していて。『旧人類』の犯した罪とは、ここまでのものだったのだろうか。考えても分かりそうにはない。ただ、僕は、僕らは。 新しくできた居場所で、あの人の隣で咲く。それだけだから。] (164) 2023/11/30(Thu) 23:58:02 |
| [差し込んできた日光を浴びて、光合成をする。無機炭素がいくつか酸素になって空気に溶けていく。 僕ら1人ではこの世界を変えるなんて事は出来ないし、そもそも僕らがどうにかできるとも思っていない。『楽園』で真似事の失楽園を演じてみたりもしたけど、新たな礎なんてものになれる様な器でも、きっと無い。 ただただ、僕らは愛した人のために息をする。] …………さよなら。 [なんとなく口を吐いて出た言葉が、誰かに伝わるでもなく消えてゆく。いったい誰に別れを告げたんだろうか。かつて生きてきた『旧人類』へなのか、それとも僕らが僕らへと成る前の存在にだったのか。 ……僕らの 雷恩が 僕らを呼ぶ声がしたから、応えるようにそちらへと向かった。 彼らが失った楽園を、再び取り戻す日まで。その日まではさよなら。 ]** (165) 2023/12/01(Fri) 0:11:11 |
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