人狼物語 三日月国


246 幾星霜のメモワール

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【人】 寡黙 エミール

>>6 ディルク

何だ同じかと。
少しだけ呆気にとられて、きょとり。
最初の軽薄なイメージ同様、もっと明るく賑やかな事を好むのだと思っていたけれど、どうやら少し違う人物像を持っているようだ。

「……奇遇だな。
 俺も街の人達の視線が億劫に思っていたところだ」

とはいえ、食事や遊びとなれば街に戻らなければならないし、光らない痣がふたつも揃えば余計に視線を集めてしまうだろう。
それならば少し、喧騒を離れた静かな場所でのんびりするくらいがちょうど良いだろうかと思案する。

「……そもそも華やかな場所に戻るのは面倒だろう、お互い……。
 高台にでも昇って町並みでも眺めてみるか?」

デートに似合いの場所を提案するものの、ようするに。
人気のないところのほうがお互いマシだろうという意見だ。

「それか、いっそ楽しくしてるところを見せつけてみるか」

男としては、どちらでも構わない。
(7) 2024/02/09(Fri) 21:41:54

【人】 遊蕩 ディルク

>>7 エミール

「あ、今僕に対して偏見持ってたでしょ」

表情で分かると言いながら気にはしていなさそう。
からかいでもするような軽い口調だ。慣れているのだろう。

「僕も人間だからね、面倒なものは面倒。
 そりゃ賑やかなのは嫌いじゃないけどさ。
 別に人の中心に立って注目を浴びたい訳じゃないって」

楽しく気ままにやりたいように、なりたいように。
許される範囲でふらふらと生きていきたいだけ。

「…高台か、いいね。足りない華やかさが追加されるかも。
 見せつけるのも悪くないけど今はその気分じゃないかな」

そうと決まれば向かおうかと、影から出て貴方の近くに。
…今なら、向かう途中空に舞う花びらは見られるだろうか。

あの魔女は今、何を思うのだろう。
(8) 2024/02/09(Fri) 22:28:46
「言われるまでもないわ」

そう言い残し、次の目的地へと飛ぶ──その前に。
身体を大きく使って揺らめき、
花吹雪を纏った腕を広げて広場を見下ろしたかと思えば。

「あなた達にも、華やかさがまだ足りないわね!」

天高くに掲げたフィンガースナップが響くと、
街の人々の頭上目掛けて赤いポインセチアが落ちていく。

いつか昔にやった子供だましの手品ではない、
与えられた命に宿った、こんなにも素敵な魔法。
一番見せたい相手はいないけれど、それでも。

抱えきれないほどの幸運は、確かにこの胸にあるのだから!

驚き、喜びの声、自分の笑い声、
それらを置き去りにどこかへと一直線に。

白いポインセチアを三つ編みに挿して、またおかしそうに笑った。

 エリー

一度広場の様子を見たところから真っすぐに、
魔女はドレスの相談に仕立て屋を探しに行く。

「この辺りで見かけたような気がするけど……
 まだ居るかしら。お店の方に帰っちゃったかな?」

暫くはふらふらと辺りを見回っていて。
さて、あなたの姿は見つけられるだろうか。

プリシラ

少し探せば、適当なところで座っているエリーが見つかるだろう。

「……あ、どうしたのプリシラ。
 何か用事でもあった? わざわざ降りてきて」

声が聞こえて、顔を上げればやはり彼女の声だった。
痣が光ったというのに、あなたは随分と明るい雰囲気だ。

 エリー

「ええ、頼みたいことがあって……
 ……って、あなた、もしかして怪我してるの!?」

ふわり流れるように箒から舞い降りて、
肩口に覗く包帯を見れば慌てたように駆け寄っていく。

「処置、はちゃんとしてるみたいだけど、
 無理しないでね。してほしくないですし」

身体を心配する様はいつも通りの表情で、
まるで何事もなかったかのようにそこにある。
掲示も、祝福も、決して気のせいではないというのに。

「……パーティを開くつもりで、
 そのためのドレスがほしかったの!
 痣のある場所──背中を曝けるような物がどうしても。

 勿論エリーさんも誘うつもりなのだけど……」

怪我のことも、痣についてのことも考えて、
やはり無理はしなくていいという心情が滲み、言い淀む。
ドレスのことだって、今は頼むのを迷っているくらいだ。

 プリシラ
「……あぁ、気にするようなことじゃないよ。
 大したことでもないし」

ただ、無意味な行動をした結果だ。
心配するようなあなたの言葉の後に、痣を曝け出すようなドレスをと伝えられる。
……もしかして、あなたは仲間ではなく本当にこの世界の住人だったのだろうか。

「どんな状態でも依頼は熟すよ、任せて。
 詳細なリクエストを聞けるかな?
 あと、パーティは……気が向いたらかな。
 一応前向きに考えたいとは思っているよ」

未だ、割り切れるだけの強さが自分にないだけで。

【人】 寡黙 エミール

>>+8 ファリエ

「……そうだな。
 祝福かどうかなんて、人によって感じ方も変わるんだろう」

だから、迷いも疑問もある不透明な今の状態では、自分の答えは出せないように思う。
全部終わった時、自分にとってどうだったか。
その答えはちゃんと出さねばならない。

「……わかった。
 ……アンタが待つって言うなら、ちゃんと考えてみることにする」

ふいに覗かれたその表情が、なんとなく少し幼気に見えて。
それが案外好ましく思えた事は、黙っておくことにした。
(9) 2024/02/10(Sat) 1:53:21

【人】 寡黙 エミール

>>8 ディルク

「まぁ少し………」

嘘はつかないが言葉は濁した。
明確にこう思ったとは言わない。だがまぁ、大体予想はつくはずだ。

「ふぅん……まぁ、よく見たら案外アンタ」

ひとつ、間をおいて。

「……笑わないんだな」

ぽつりと言う。
正確に言えば笑うことは出来るんだろうけれど、目が笑ってないようにみえるというか。
心から笑ってるように見えないと言うか、そんなところで。

「じゃあ行くか、高台」

男同士の逃避行と言った所。
ここからなら、街中をあまり通らないでも済む。
ずっと寄り添っていた猫に別れを告げ、二人で高台へと向かうだろう。
(10) 2024/02/10(Sat) 2:04:09

【人】 遊蕩 ディルク

>>10 エミール

正直すぎるのは玉に瑕だが、正直者は好ましい。
寧ろそう見えているなら結構結構。
評価もイメージも何ら間違いではない。
今回はたまたま、こうであっただけだ。

「……おー、指摘しちゃう?いいけどね」
「笑顔って心からじゃなくても出来るもんだよ。
 そりゃ楽しい時はちゃんと笑ってるけど」

よく見てるんだなという印象。
しかしここで長話もなんだから、それじゃあ向かおう高台へ。

向かう途中は適当な話を続けただろう。
例えば、今日は何を食べたか。例えば、昨日は何を食べたか。
そもそも食欲あった?よく寝れた?行き道で何か買ってく?

その程度の、適当な話。


高台周囲は街とは異なり静かで、
逃避成功だねと男は笑って街を見下ろしていた。
(11) 2024/02/10(Sat) 6:04:56
 エリー

「大したことないあれこれを気にしちゃう性分で。
 ……何もないようならそれでいいんですけど」

癒しに造詣が深いわけじゃなし、
適切な処置がされているならそれでいい。
自分を棚に上げて、他人ばかりを気にしている。

そちらの問い、表情を窺って、
何か考え込む様子を見せては、軽く息を吸った。

「……あたしね。わかってるの。
 なんで祝福を受けた皆が萎れていくのか。

 お話で嘉すべきとされる素敵な出来事が、
 どうして当事者の笑顔を枯らしていくのか」

「早く、この夢から醒めたかったのよね」

だいたいの人にとっては悪夢と呼ぶだろうが。
それこそが紛れもない現実として焼き付いてしまうのは、
耐えがたいことに違いない。魔女はなぞらえて。

「それでも……誇りたいと思ったから。
 どんな状況でもこうべを上げて咲くように。

 あたしは本当に、現実に置き忘れたもの沢山あるけど、
 それでもこの夢に精一杯生きて……
 夢見た魔女で居られて、とっても楽しかったの!」

  エリー

魔女は両手を合わせて、ただ微笑む。
能天気に何もかもを受け入れたわけじゃない。
苦悩して、譲歩して、その先に浮かんだ答がこれなのだ。

「だから、強く悲しんだりして否定したくなかった。
 ……誰かが祝福したからじゃない。

 あたしが皆の分までこの夢を望むから、
 光る痣を晒して、皆の為のパーティを開きたい」

誰も参加しなかろうと、ただ独りでもそこに立つだろう。
深い事情も知らぬままどこまでも独善的に咲き誇って、
現在を肯定して、いつか踏み出すための土壌を作る。

「なんであいつは平然と受け止められるんだって、
 痣を持った誰かから疎ましく思われるくらいでいい。

 ずっと先のいつか、他の皆の心がまた芽吹くとき、
 憎たらしい大魔女の姿を絶対に思い浮かばせるわ。

 それぐらい──綺麗なドレスを、あたしに纏わせて」

葉と蔦のストールを靡かせて、えらく抽象的なイメージを。
大魔女の希望することは、それだけの大きな野望だった。


むかし、むかし。
まだ聖女とも呼ばれてもいなかったその子供は、
その力でひとつの世界を創り上げました。


  
――― 幾星霜のメモワール。



その世界を模したことだって、
何の意味もないわけではありません。

だってその世界は、誰もが知るほど愛されているはずでした。
…… 愛されている、
はず
だったのです。


例えば、だ。

自分の大好物がケーキであったとする。
そのケーキが"食べられないこと"を不幸と呼ぶのならば、
そのケーキを"他の誰かに食べられてしまうこと"という
更なる不幸が生まれると俺は思う。

だから、事故のことを、俺は未だに許せない。
隣に座る明るく意気投合した女も。
目の前に座っていた髪の長いいい匂いがする女も。
後ろに座った足を俺の座席に掛けてきた女も。
全部、自分が選ぶことが出来る"ケーキ"だったはずなのに。

それら全てを奪って行ったその瞬間。
せめて隣に居る女だけでもと手を伸ばした細首が。
そこに巻き付く自分の掌の感触が。
こんなハリボテのような体になっても、
未だに俺を俺たらしめてさせているのだ。

だからきっと。
俺の"刻印"は、その時
"親指を強く捻じ込んだ""顎"に浮かんだんだと思う。
――そうだろう、女神様。

こちらの世界で俺はその運命の相手を探していた。
俺の"人生"で唯一殺せなかったその女は、
きっと俺と同じ境遇で世界のどこかに居るはずなんだ。
温度のない肌と血の流れていない身体に残る、
その感覚だけが荒唐無稽で温度のない
自動人形の中に封印されていてなお、
自分が血の通った殺人鬼である事を思い出させてくれたから。

ありとあらゆる方法で他人に近寄った。
人は、その人だけが知っている情報を明らかにされると、
急激に距離を縮めてくれる。
俺にとって言葉は警戒を解くための呪文で、
俺にとってこの図体は
警戒を解くための前準備でしかなかった。

まあ、魔女ちゃんやシヴァピッピみたいに、
簡単には靡かない人もいて、そういう相手は丁寧に丁寧に
時間を掛けて解していかないといけなかった。
そんな時には逆にこの朽ちない身体が、
その邪念を上手く包み込んでくれた。
そうして時間を掛ければ、
相手の首に手が届くか、
相手の首に手を掛ける必要がないかの二拓で、
その相手との関係は殺人鬼にとって"正常化"された。

武骨な武人でありながら本性は軽快。
軽薄な態度でありながら本性は沈思。
男性的な側面を持ちつつ本性は女性。
大人のような身の丈でも本性は子供。

様々な仮面を纏うには、
嘘が表情に現れないこの自動人形の身体は、
随分と味方してくれたように思う。

その仮面も、この祭りが終われば用済みだ。
グノウという名も、今の立場も捨てて、
またどこかの街で獣の自動人形として、
人々の心の隙間に滑り込もうと思う。

その時はどんな仮面を被るだろうな。
今回覚えた、何人かのような振る舞いをすれば、
少なくともそいつがこの祭りで勝ちえた信頼くらいは、
自分も勝ち得ることができるだろうか。
そしてその仮面でなら、
あの時手を掛けようとした運命の相手は、

――俺に喜んで殺されてくれるだろうか。
――俺に殺されて悦んでくれるだろうか。

なあ。
多分、もうこの思念の共有も、
既に切れているだろうけど。

最後にここで、
一つ言えることがあるとすれば。


もし、運命の相手がキミであるならば。
大人しく俺に、首を絞めて殺されてくれ。

世界中の、感覚共鳴者に向けて。
俺は笑顔で思念を送った。



さあ。
次は誰と会話を試みよう。

【人】 薄荷 アンジュ

予定していた仕事のノルマを終えて、広場へと足を運ぶ。
相変わらず人々は楽しそうに歩いていたり、開けた場所では踊っていたり歌っていたりと様々だった。
民衆の熱気から逃げるように彼らを横目に過ぎていく。
尾引くようなローズの香りが彼女の跡を辿るようにふわりと舞っていた。
(12) 2024/02/10(Sat) 16:56:12
 プリシラ
「へぇ……強いんだね、プリシラは。
 羨ましいよ。僕はそんなに強くなれないから」

だって、この悪夢で起きた地獄のような出来事が今も自らを苛んでいるのだから。
過去を思い出さなければ、こんなに心が壊れそうになんてならなかっただろうに。

「……でも、うん。承った。
 仕立て屋は仕立て屋らしく、最高のドレスを仕立ててみせるよ。
 目に焼き付いて離れない、そんな鮮烈で美しいドレスを」

眩しい。そんな感情を抱きながら、無意識に胸元を掻き毟った。

 エリー

「強いわよ。魔女なんですし。
 ……というより、慣れてるのもあるわね。
 数ある嫌なことの中で、きっとこれが最後だから」

やはり人によっては奇妙に映るかもしれない。
あれこれ言っていても結局は耐えてしまってるから。
だから率先して立つ。好き放題する。

「ええ、ありがとう……!楽しみにしているわ。
 何度も言うけど無理はしないでね?

 辛いことを強いてしまうようであれば意味がないわ」

 アンジュ

「あ、アンジュ。なんだかいい香りがするわね……」

通りすがったあなたを見かけた女は頬についたパンくずを拭い話しかけに近寄った。
見知った仲であってもこの祭りの間は互いに稼ぎどき、それでも時間が取れればと約束していたあれは成せるだろうか。

「よかったら一緒に食べ歩きしたいんだけど、どう?
 あなたのために買いすぎたわ」

【人】 寡黙 エミール

>>11 ディルク

指摘したのはなんとなくだ。
別に、そこに興味が少しだけ湧いたという話し。
それもこの祭りに毒された気がしていて、気持ちが少なからず動くようになったことを自覚してバツが悪い思いだ。

さて、道中で飲み物くらいは買っただろうか。
適当な話しに適当に答えながら着いた頃、眼前に広がる町並み、広場が賑わう様子を見下ろして、より自分が置かれている立場がわかりやすく見える。

自分は最初からからこんな距離感で、賑わう祭を眺めていたらしい。

「……悪くない。
 普段はここに来ようなんて思わないしな……」

蟲使いはどうだか知らないが、自分は街中よりも、森で動物とともに居るほうが好ましい。
村から外に出ようと思わなかったのも、人との関わりを最低限にしていたからだ。
手に持った飲み物をぐいっと喉に流し込んで、隣に立つ男に流し目を送って小さく鼻を鳴らした。

「……アンタは、普段は何してるんだ。冒険者でも?」
(13) 2024/02/10(Sat) 20:28:49
 エミール

「忘れちゃだめですよ?」

終わったことはどうにもならない。
現実逃避じみたやり方だとしても、不確定の未来に思考を明け渡してしまえば気は紛れた。

「お手数をおかけしました。
 ……孤児院に行くんでしたよね。今日も子供達をよろしくお願いします」

勢いをつけて立ち上がる。
跳ねた髪が落ち着くころにはもう孤児院の先生としての顔を張り付けていた。
すれば世間話でも交えながら孤児院までの道を辿り、祭りの最中の日常を過ごしたことだろう。

【人】 遊蕩 ディルク

>>13 エミール

問われて視線は街から貴方。
手にした飲み物は未だ口を付けずに。

「…んー、イメージ通りのこととか」

適当に人を誘って食事したり、
適当に人を誘ってデートしたり。
別に女の子に限らず今のように男でも。

「あとは冒険もそう。ソロで暇つぶしにね。
 体を動かすにも丁度いいからさ」

「そっちはどうなの?普段ここに来ないって言うけど」

それじゃあどこに、どのように。
名前以外は知らないばかりで、問いが浮かぶ。
最も、興味というよりは話のネタとして。
(14) 2024/02/10(Sat) 23:05:14
 プリシラ
「数ある嫌なこと、か……
 どんなことがあったかはわからないけど、そうなるといいね」

そうなるのなら、あなたにとってはいいのだろう。
自分はそうなることはできない。
咎を背負ってしまって逃げることができなくなったから。

「まぁ、無理をするつもりはないよ。
 仕事程度なら無理にはならないしね。
 むしろ、作業をしている方が気が紛れるよ」

【人】 寡黙 エミール

>>+19 ファリエ

「……あぁ、わかった」

忘れない、と頷く。
とってつけたような先生の顔は気になるが、子どもたちの前では笑ってないといけない。
それはわかるから、先生というのは難儀な職業だなと呟いた。

「泣きたいときは泣けば良い。
 ……”先生”してる時は無理でも、また……付き合う。」

別に今まで泣いていた訳では無いが、愚痴を言いたいときは言えばいいとそう思う。
だからそう告げたけれど……それが最後。
その後は他愛もない話をして、ぎこちない顔を少しほぐすようにして孤児院へと向かった。
待ちかねたように出てきた子供たちにもみくちゃにされながら、その日は祭りから離れてのんびりと過ごしただろう。
(15) 2024/02/11(Sun) 0:49:06

【人】 薄荷 アンジュ

>>+18 カリナ
「カリナさん、こんにちは。
 今日はちょっとだけオトナっぽい感じに背伸びしています。商売人ですから、身だしなみはきちんとしたいので」

駆け寄ってきたあなたを見止めると歩みを止める。
あなたからの誘いに、ああそうだったと言いたげに反応した。

「勿論良いですよ。食べ歩きに行きましょう。
 ……既に色々食べていらっしゃったようですね。香ばしいパンの匂いと甘い匂いがしますから」
(16) 2024/02/11(Sun) 2:14:05
「それなら、期待して待ってるわ」とだけ笑って、忙しなく次の目的地へと向かうだろう。

 アンジュ

「大人っぽく? なにか大事な取引の最中なの?」

単に背伸びをしているだけならば可愛らしいと思う。
自分も気に入った香りを教えようかと思いを巡らせつつも、今日もたらすのは団子の方だ。
あなたの身の振る舞いと違って風情には欠けさせたそれは大っぴらに見せびらかすようなものではないとわかっているのだけれど。

「忙しそうだったら差し入れしようとしたのよ。
 あとは、昨日ちょっとご飯食べてなかったからお腹すいてて……」

一気に食べたら太るかもしれないわねと、体型に変化がないことをお腹を撫でて照れながら笑いかけた。

【人】 薄荷 アンジュ

>>+21 カリナ
「あ、いえ全然。こう……お祭りの期間ですから、華やかなほうが雰囲気としては良いかなって。
 小さいですし未熟な身ですが、それっぽく見せた方が売り上げも伸びるかななんて」
 
 概ねあなたが思考を巡らせた内容と合致するものだった。
 自分なりの効率的な手法でもあるのだけど。
 とはいえ、もう仕事も終わったところ。色気より食い気、花より団子のタイミングだ。

「あ、ありがとうございます。
 実はアドバイスを受けて、店構えや出している品物を変えてみたら結構繁盛してて、今日もてんやわんやでして」

ご飯を食べ損ねていたことも思い出して、真似するようにお腹を撫でて苦笑いを浮かべた。
(17) 2024/02/11(Sun) 20:24:48

【人】 寡黙 エミール

>>14 エミール

「外の世界は暇つぶしになったか?
 行こうと思えば行けただろうが、あんまり楽しさとか必要ないと思ってたからな……」

適当に人と接する代わりに動物と接していたと言えば想像は容易いだろうか。
獣使いなだけあって、動物は好きで癒やされる。
動物は自分たちで生活もできるから、深入りし過ぎないで済む。
少し心配になるのは、魔物よけがなくなった後の老人くらい。

「だから俺は村で動物や年寄の相手しながら、月に数回ルフトまで買い出しに行かされる毎日だった。
 まぁ、ルフトまで来たら知り合いのガキどもに会いに孤児院に寄るのが気晴らしっちゃ気晴らしだったが……」
(18) 2024/02/11(Sun) 20:42:52
 




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