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【人】 紅柱石 アンドレアス旅はまだここからだからね。 [>>27馬車の旅故に、観光らしい事もまだ出来ていない。 英気を養って、彼と旅を満喫する心算だった。 市場でも、と提案すれば、横たえていた身体を起こす。 肉が食べたい、という言葉の後に鳴った腹の音に、青年はいつもよりも笑ってしまった。 その笑い声は、彼の羞恥心を煽ってしまったかもしれない。] ふ、あはは! ごめんごめん。 シャシリクだと思うから、市場で売ってると思うよ。 腹と背中がくっつく前に行こうか。 [笑った事を詫びつつ、紐が付いた財布を懐に収めるとウインクをしてみせた。]* (30) 2021/09/28(Tue) 20:26:54 |
【人】 紅柱石 アンドレアス―市場― [その中に一歩踏み入れる前から、雑多な匂いが鼻を擽るだろう。 鮮やかな色をした織物。保存食に果実。 土産物の食器、装飾品。 そういったものが所狭しと並べられている。 首都と比べると雑多な印象を与えるだろうが、それがこの場所の味だ。 商人の呼び掛ける声や、値段交渉をする声があちこちで聞こえてくる。] シャシリクは……、ほら、あそこで売ってるね。 [青年は心持ち声を張りながらシャシリクの屋台を指さした。 ここからでも、肉の焼けるよい匂いがして、食欲を刺激する。 酢やワイン、オリーブオイルなどを混ぜたものに香辛料や調味料を入れ、長時間漬け込んだ羊や牛の肉を串に刺して炭火などで焼いたのがシャシリクだ。 ミンチやレバーなど肉の種類もいくらか異なるものがあるし、店によって配合が違うので味が違ったりする。] 試しにそこで一本買ってみるかい? [彼なら二本くらいは食べられるだろうか、などと考えながら奢る心算で胸元の財布を引き寄せる。]* (31) 2021/09/28(Tue) 20:28:59 |
【人】 学生 ガラーシャ― 市場 ― こ、これ…だ! [大通りと交差する広めの路地に入ろうかというところで、既にあの匂いが道に溢れてきた。 大通りもテントが張られて賑やかだったが、こちらの道も負けてはいない。 むしろ、少し狭めになったことで、大通りよりも人がひしめきあっている。 売られているものは土産物に、保存食、果実… どうやら、食べ物の市場も近い通りのようだ。 そして、奥に進めば今度は屋台がひしめきあっている。] もう結構昼も過ぎてるのに…すごい、人います…ね。 [商人の呼び声につられるように辺りを見回しながら、屋台の並ぶ方へと向かって行く。 そしてとうとう、アンドレアスの少し張り上げた声が聞こえた>>31 匂いの元はやはり、シャシリクの屋台だった。] (33) 2021/09/28(Tue) 21:32:46 |
【人】 学生 ガラーシャうま、そー… [ふらーっと、案内してくれた彼を追い抜かすように屋台へと導かれていく。 店先では、串に刺さった肉が焼かれ、がんがんに煙が上がっている。] え、買いましょう。 [彼の言葉>>31にあっさり頷くと、屋台の主に、自分と彼の分の二本、串を注文する。 言葉は訛りもあるが、さすがに同じ国内、問題なく伝わる。 そして… と、そこで、すっと横からアンドレアスが財布を開いて会計を済ませてしまった。 なんともスマートだ。] …夜、僕が出します、よ。 [年下とはいえ奢られっぱなしはなしだ、と釘を刺すように言ったそのすぐに、屋台の主からシャシリクを手渡される。 まあとりあえず、食べるしかない。 早速まだ油がじゅうじゅう言っている、その肉にかぶりついた。] (34) 2021/09/28(Tue) 21:33:52 |
【人】 学生 ガラーシャ… [熱い。 そして旨い。 無言でもぐもぐした後、また無言でもう一口にかぶりつく。 香辛料がかなり効いている。 漬け込みの表面への染み方もばっちりだ。] …これは、ビールが… [と言いかけた所で、狭い道の真ん中を小さな荷車のような屋台が通っていく。 フレッシュジュースの移動販売だ。 パイナップルそのものがいくつかと、パイナップルをジュースにしたものが、大びんに入れられた上で、水に浸かっている。 そうだ、ここの辺りの水は、山脈の雪渓から溶け出ているのだ。 きっと夏でもひんやりと冷えているのだろう。 びんが冷えて汗をかいているように見えれば、そちらに無言でふらーっと寄って行っただろう。] (35) 2021/09/28(Tue) 21:37:24 |
【人】 学生 ガラーシャ― 大通り ― [さて、どのくらい市場にいただろうか。 色々食べ歩いたり、ちょっとしたものを買ったりしているうちに、すぐに西日が強くなってきたことだろう。 そもそも最初に来た時間が遅めだったのだ。 大通りの人出も一旦落ち着いてきている。 さあ、昼が遅かったせいかそこまでお腹は空いていないが、夜も軽くどこかに飲みに行きたい。 彼も飲むのが嫌いではないことは、今までのグラジアでの付き合いの中でもよく分かっていた。 と、その前に、と、ここに着いた時に思った事を思い出す。 散財する前に、帰りの馬車の予約を取っておくのだ。] アンディ、さん。 手配所が閉まる前に、先に、切符、買いに行きません、か? グラジアに帰る、馬車の、切符です。 僕、この調子でこの街に居たら、完全に馬車代使い果たしそう…ですし。 ぎりぎりに頼んで席が一つしか取れないとかで、グラジアに、一人で帰るはめになったら、寂しい…ですよ。 [冗談を言って、笑った。]** (36) 2021/09/28(Tue) 21:50:23 |
【人】 紅柱石 アンドレアス―宿― そりゃあ、私も成人男性だしね。 [>>32恨めし気に見つめてくる彼には肩を竦めてみせる。 中性的な見た目だが、青年は普通の青年男性と同じ程度は食べる。 体力がないと旅は続かないものだし、人間と少々つくりは違うが活力を生むのはやはり食事だ。 腹の音が鳴らなかっただけで、青年も空腹を感じている。 何食わぬ顔で過ごせるかどうかの違いだ。 ガラーシャも乗り気のようなので、青年はそのままドアへと向かった。*] (37) 2021/09/28(Tue) 23:12:49 |
【人】 紅柱石 アンドレアス―市場― [>>33他の匂いも混ざっているが、肉の香りが際立つのは屋台売りのシャシリクだろう。 彼の反応的にシャシリクで問題なさそうで。 行き交う人々と肩がぶつかりそうになるのを器用によけながら中へと進む。 張り合うように客に呼び掛けているので、目立つのが屋台のある場所だ。] 此処は中継地でもあるからね。 正午に皆行儀よくとはいかないんだ。 その代わり、適度に分散はするから並ぶ事は少ないよ。 [喧騒に紛れてしまわないように声量を上げて応じる。 そうしてようやく目的の屋台を見つけた。] (38) 2021/09/28(Tue) 23:13:48 |
【人】 紅柱石 アンドレアス[>>34香りの虜になったのか。 ガラーシャは追い抜かすように屋台の方へ歩いていく。 その場で焼くので、効果も高いだろう。 少し人の少ない場所では立ち食いをしている客の姿が幾らかあった。] よし来た。 [店主に話しかけて注文する彼の隣について、会計を済ませてしまう。 さりげなくを装ったのだが、] ……えぇ、夜の方が高くつかないかい? [釘を刺された青年は窘められた子供のような顔をした。 そんなやり取りをしている間に、焼きあがったばかりのシャシリクが差し出される。] (39) 2021/09/28(Tue) 23:14:10 |
【人】 紅柱石 アンドレアス[少し息を吹きかけて、かぶりついた。 調理方法は単純だが、漬け込まれていた下味と肉のうまみ、脂が口いっぱいに広がる。] んんー。美味しい。 [ガラーシャの方は無言で二口、三口と食べ進めている。 どうやらお気に召したらしい 良かった、と思いながら食べていると、横合いを移動屋台が通っていく。 南の方から届けられたのだろうか。 パイナップルを使ったジュースを商っている様子。 良く冷えたジュースはさぞ美味しいだろう。] ビールも良いけど、ジュースも良いね。 って、ガラーシャ? [無言で屋台に寄っていく彼を青年は笑って追いかけた。]* (40) 2021/09/28(Tue) 23:14:40 |
【人】 紅柱石 アンドレアス―大通り― [>>36その後は、パイナップルジュースやバウルサクを買ったり、小物屋を冷やかしたりした。 花を売る子供に女性に間違われたのに、そんなに女っぽく見えるだろうかと笑ったりして。 集落への土産も考えなければならないが、もう少し後でもいいだろう。 もう旅は四度目になるし、ガラーシャと別れた後でもいい。 そうしている内に太陽は段々と地に近づいてゆく。 夕食はもう少し後でもいいが、この後はどうするかと考えていると、ガラーシャから声がかかった。] ……切符。 [グラジアに“帰る”馬車の切符。 そう言われて、一瞬、アンバー色の瞳に動揺が浮かぶ。 彼は自分がグラジアに帰ると疑っていない。 先延ばしにして、旅立つ日を明確に伝えていなかったのが災いした。] (41) 2021/09/28(Tue) 23:16:18 |
【人】 紅柱石 アンドレアス[この賑やかな街で別れてしまうのも悪くはないのではないか、と思っていた。 青年は故郷へ、ガラーシャは家のあるグラジアへ。 貸家は前日に引き払っていて、荷物も全て持ってきていて、青年はいつでも故郷に戻れる。 けれど彼が無事に帰れるように一緒にグラジアに戻り、見届けた方がいいかもしれない。 急いで引き返せば何とかなるだろうか。 頭の中で忙しなく思考が進む。] おや、そんなに散財する気かい? [答えの出ぬまま、口をついたのは揶揄う言葉。 冗談を言う彼に合わせるように。 ──けれど、彼のようには笑えなかった。] (42) 2021/09/28(Tue) 23:17:06 |
【人】 紅柱石 アンドレアス[俯いて、話す。 出会った頃の彼のように。] ……実はね。 此処から、別の場所を目指すのも良いかもしれないと思っていたんだ。 サルハドからは、北や南に馬車も出ているし……。 いきなりこんな事を言って、ごめん。 確かにグラジアに君一人で帰らせるのも可哀想だ。 売り切れると困るから、切符は買っておこう。 だけど、ちょっとだけ考えてもいいかな? [旅人の奔放さと捉えられるか。 あるいは不誠実と受け取られるか。 視線は上げる事の出来ないまま。]** (43) 2021/09/28(Tue) 23:19:12 |
【人】 学生 ガラーシャ― 大通り ― [帰りの馬車の予約を取ろう。 結構当たり前のことを言ったつもりだったのに、アンドレアスの態度は煮え切らないものだった。>>41 そんなに散財する気かい、という軽口>>42にもいつもの飄々さがない わかるでしょう。と重ねて言って笑った。 結局シャシリクを食べた後、パイナップルジュースに惹かれ、そのまま併せて砂糖のふられたバウルサクを買って道端の塀に座って食べている時に、歩き売りの商人に声を掛けられふらふらと壁に精霊の影が映るように加工されているランプを買いそうになっていた自分の姿をみれば… テンションが上がっているのが自分でもわかる。 それだけに、帰りの旅銀だけは先にしっかり確保しておかないと危ういのも感じていた。 しかし、次に彼に告げられた言葉は、あまりに唐突なものだった>>43] (44) 2021/09/29(Wed) 10:01:37 |
【人】 学生 ガラーシャえ… [すぐには次の句が出てこない。 そのまま彼の話を聞く。 最後まで聞いて、呟いた。] いや、帰らないなら、切符代勿体ないから、いい…です。 自分の分だけ、買うんで… [確かに、旅人が、グラジアを拠点にちょっとした旅行をする、というわりには荷物が多いなとは思っていた。 けれども、それにしたってもう戻る気がないことに気が付くほどの量ではなかった。 …旅人というのは、こんなものなのかもしれない。 ある日ひょいっと現れて、ある日ふっと居なくなる。 だけど、それでも、2年以上も付き合いがあったのに。 少なくとも自分は、彼を…一番の友人だと思っていたのに。 そこで小さく息を吐いた。 きっと、彼にはそれこそグラジアにも他にたくさんの友人がいるのだろう。 暗くて、精霊はいます、とか変な戯言言ってくる、これと言った友人もいない自分とは違う。 彼にとって、自分は特に、出立の見送りも期待していない、その他一人と言ったところだったのだ。 たまたま旅程があったからここまで着いて来てくれただけなのに、誘って良かった、と喜んでいたのが、我ながら滑稽だった。] (45) 2021/09/29(Wed) 10:04:09 |
【人】 学生 ガラーシャ― 夜の街 ― [夜。 大通りのテントのいくつかは店じまいをしている一方、いくつかは残って、ランプの灯りで商売をしている。 そして、あの屋台街の方からは、相変わらずいい匂いが漂っていた。 昼には感じなかった匂いまで漂ってくる。 そして、街の建物も、酒場や宿屋のような店が入っていると思しき建物以外は、それぞれ小さな灯り一つ二つで生活をしているようで、既に真っ暗になっている建物も多い。 やはりグラジアよりは、大分夜が長いようだ。 そしてその分、今の時間でも広い空に遠くまで星が見えた。] 星、綺麗です、ね。 今日は、山や…砂漠ではもっと、綺麗に見えるでしょう…ね。 [街を二人で歩く。 一旦宿に戻り、少し休んでから、街を歩き始めたのだ。 大分お腹もこなれてきた。] どうしま、す? どこか、行きたいとこあったら、そこにしましょ…う。 [隣の彼に、笑って聞いた。]** (47) 2021/09/29(Wed) 10:06:15 |
学生 ガラーシャは、メモを貼った。 (a5) 2021/09/29(Wed) 10:07:14 |
紅柱石 アンドレアスは、メモを貼った。 (a6) 2021/09/29(Wed) 19:53:08 |
【人】 紅柱石 アンドレアス―大通り― [>>44彼はその直前まで笑って旅を満喫していた。 青年は時々無言で何処かへ行ってしまいそうになる彼を追いかけていた。 旅慣れない者は財布の紐が緩みやすい。 彼が無事に帰れるように、見ていてあげなければと思っていた。 そうして、思い出話を肴にまた次を、と約束出来たならどんなに良かったか。 >>45サルハドで別れようと考えていると告げれば、彼は暫く何も言えなかった。] ……あぁ、そうだね……。 [呟くような声に視線を落としたまま、肯く。 王都に渡る旅人は多い。 払い戻しをすればすぐに買い手がつくだろうがそれを口に出来なかった。 もっと早くに言っていれば、楽しい旅に水を差すような事にはならなかったのに。 自分の勝手で、ひどいタイミングで伝えてしまった。 彼が息を吐くのに、肩を震わせる。 呆れられただろうか。 怒られるだろうか。 もう一緒にいられるか、と言われるだろうか。 顔が上げられないまま、青年は拳を握り締めた。] (48) 2021/09/29(Wed) 21:11:05 |
【人】 紅柱石 アンドレアス[>>46けれど、彼はどれでもなかった。 少なくとも、青年に窺える表面上は。] ありがとう……。 [祝わせて欲しい、という言葉に、今度は肯いた。 気にしていない、と青年に伝えて手配所に向かうガラーシャの背中を、ようやく顔を上げて見送って。] ……あぁ、馬鹿だな、私は。 彼よりずっと長生きなのに。 [壁際に寄り掛かると、被った布を引き下げて、呟いた。 これまでは、いつも事前に別れを告げていた。 また来る、とは言わなかったが、元気で、と言って、笑顔で。 彼らはきっと出会った青年が自分と同じように年を重ねていると疑わなかっただろう。 こんなに別れが辛くなる人は初めてだった。] (49) 2021/09/29(Wed) 21:11:37 |
【人】 紅柱石 アンドレアス[とん、と誰かにぶつかって、よろけそうになる。 慌てて謝るのは、同じように布で髪を隠した少女だった。] あぁ、大丈夫。 気にしないで。 君こそ大丈夫? [青年よりも厳重に隠されて色は窺えない。 双眸は美しいターコイズグリーンとバイオレット。 まるで宝石のような。 彼女も何か悟ったようにまじまじと青年の顔を見つめていた。] ……よい旅を。 [互いにそう言って、別れた。 誰が聞いているとも分からない場所で正体を確かめる事はしない。 連れはいないようだったが、彼女の旅が良いものである事を願った。]* (50) 2021/09/29(Wed) 21:13:08 |
【人】 紅柱石 アンドレアス―夜の街― [>>47陽は落ちて、空には星と月が浮かんでいる。 夕方までの営業の店は閉まり、夜に開いている店にはランプの明かりが灯されていた。 市場の方では酒の肴にもなりそうなクイルダクの匂いがする。 シャシリクも昼間ほどではないが、幾らか焼いているのだろう。 それらの混ざった匂いが風に乗って漂っていた。 グラジアと比べれば、此処は暗い。 いつだったかに、ガラーシャが夜が短くなった、と言っていたのを思い出していた。] そうだね。 [空を見上げながら、青年は同意した。 彼の思い出のある砂漠であれば、きっともっと星が見やすいのだろう。] ……そう、だな。 酒場にでも行こうか。 [笑う彼に、青年は考える。 この時間に、ある程度の品数が出るのは酒場だろう。 せめて、彼が楽しめるような場所に連れて行かなければ。 そんな思いから、記憶を手繰って舌鼓を打った店を探した。]* (51) 2021/09/29(Wed) 21:13:45 |
【人】 紅柱石 アンドレアス―酒場― [年季の入った店内にはテーブルが幾つか並び、背凭れのある椅子が並んでいる。 中には既に沢山の客がいた。 それでも二人くらいなら席を譲り合って座る事が出来るだろう。 酔漢達は快く椅子を詰めてテーブルを空けてくれた。] ……何にしようか。 馬乳酒でも飲むかい? 此処はマンティとラグマンが美味しかったよ。 [切符の話をした時よりは幾分か明るい声で彼に希望を聞いてみる。 以前に訪れたのは数十年前。 変わらぬ味であったらいいが。]* (52) 2021/09/29(Wed) 21:14:01 |
【人】 金緑石 アレクシア[サルハドに到着した少女は宿屋に荷物を預け、大通りを歩いていた。 四人部屋になってしまったが、仕方ない。 故郷に帰る為には西のラバン山脈の麓を迂回するか、 北のチャルビ砂漠を抜けてから国境を二つ横断しなくてはならない。 同じ方向へ行く人を探していたが、生憎とまだ見つかっていない。 人に頼めばもう少し早く見つかるだろうが、少女はそれをしなかった。 此処は交通の要衝。 もしかすれば、彼と会えるかもしれない。 まだそんな思いを捨てきれていなかった。 それにしても此処は人が多く、目移りするものが並んでいる。 そんな風に他所見をしていた所為か、>>50誰かにぶつかってしまった。] ……っ、ごめんなさい。 [慌てて謝ると、相手は男性のようだった。 中性な顔立ちにアンバー色の瞳。 オリーブグリーンからアンバーに移り変わる不思議な色合いの髪色。 染めている事も考えられるが、同族であると考える方が自然だった。] (53) 2021/09/29(Wed) 21:31:53 |
【人】 金緑石 アレクシア大丈夫です。 他所見をしていて、本当にごめんなさい。 [まじまじと見ていた事に気付いて、謝罪を重ねる。 少女は金緑石の宝石人間(ジェム)以外をを見た事がなかった。] ……貴方も、良い旅を。 [言ってくれた言葉に同じものを返せば、彼は少しだけ哀しそうな顔をして笑った。 少女は一度頭を下げると、雑踏の中に戻っていく。*] (54) 2021/09/29(Wed) 21:33:39 |
【人】 学生 ガラーシャ― 酒場 ― [どこか行きたいところに、とアンドレアスに伝えると、やはり彼は心当たりがあるのか、あまり迷う様子もなく、路地を進んでいく。 ぽつり、ぽつりと明るい光の灯った家が立ち並ぶ、そのうちの一つに入ると、店内は、外からは窺い知れないくらいの喧騒に包まれていた。 店内はさほど広くない。 しかし、どうやら長年やっている店のようで、地元の人間や、旅行客らしき一団、なんにせよ常連のような少し年上の客が多かった。 アンドレアスが彼らに軽く声を掛けて、席を空けてもらう。>>52 丁度2人座れるくらいの広さが出来た所に、二人で並んで腰かけた。 彼のおすすめを聞けば、うむ、と悩む。] 僕、馬乳酒って、飲んだことない…ですよ。 ジュースみたいな、ものです…か? …誰か、飲んでる人、いま、す? [アンドレアスにぐっと顔を近づけて、囁いた。 あの人のあれ、などと目で示されれば、それとなく店内を眺めまわしながら物を特定していった。] (56) 2021/09/29(Wed) 23:50:44 |
【人】 学生 ガラーシャマンティ… あ、あの人が食べてる奴、ですか。 あれ、いいですね。 ラグマン、は… あー、普通に、つまみにも、なりそう… [と、店内をきょろきょろしていれば、ついさっきまで結構食べていたにもかかわらず、大分お腹が空いてくる。 思わずじゃあ全部、そしてビール、と言いそうになり、首を振った。] いや、いや…! この飲みは、アンディさんの、旅出を祝う、会ですよ。 アンディさんが好きなの、頼んでくださ…い。 (57) 2021/09/29(Wed) 23:53:24 |
【人】 学生 ガラーシャ[辺りがそれなりに煩いため、顔を近くするなり大き目の声を出すなりしないと隣ですら良く聞こえない。 自分にしては大きな声を上げつつ、隣を見ると、彼の表情がどこか…彼が別れを告げた時より、どこか明るくなっているのがわかった。 思わず小さく微笑んで、彼に言った] 良かっ…た。 すいません、自分も、ちゃんと、昼間は祝えなかった…から。 その…驚いて、しまって。 でも、ちゃんと、お祝いします。 だから、アンディさんも、笑っていてください。 さあ、アンディさん、飲みたいもの、食べたいもの、全部頼んでくださ…い! 乾杯しましょ…う。 [自分はとりあえずビールを頼む。 飲み物が先に来れば、まずは彼と乾杯を交わしただろう。] (58) 2021/09/29(Wed) 23:54:05 |
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