【人】 大富豪 シメオン[止まぬ拍手、そして祝福と称賛の声。 男は観客に向けて礼をすると。 女の方へと近づいていく。 その足取りは覚束ない。 さっきまで美麗な剣舞を披露した者とは思えぬほどに。 顔は青ざめ、玉のような汗が引っ切り無しに顔を伝って落ちていく。] …………… [口を動かそうとしてそれは声にならない。 けれど、男の表情は穏やかだった。 そのまま女の目の前で膝をつく。 まるで女に向けて跪くかのようで、狂騒の中にある観客の誰も男に何が起きているのか気づいていなかった。*] (102) 2022/11/27(Sun) 22:31:59 |
画術師 リュディガーは、メモを貼った。 (a39) 2022/11/27(Sun) 22:44:26 |
【人】 奏者 イルムヒルト[それに気づいたのは、眼前で貴方を見つめる女だけであったのか。 面を外した貴方の顔は嘗て見たもの。 ――競い、奏でた際に見えたもの。 其れだけではない。あの太刀筋も、 交わした演舞も確かにあなたのものであった。 此方へ向かう貴方の顔は 競演を終えた満足ではなく、青ざめていて。 その不調を具に表していた。 故に女の口は貴方の名を紡ごうと、して。 跪くようにして膝をつくその人へと 女はリュートを手から離し、その体に触れる。 支えようとして>>102 端から見れば、跪く男へと 女が顔を合わせ、抱きしめたようにも見えるだろう 遠くで演奏を聴いていた者>>96にも 何が起こっているかが伝わるまでは。未だ遠くか。*] (103) 2022/11/27(Sun) 22:47:39 |
【人】 踊子 リリー[ その問いはいつかの再演のようだった。>>90 女もそれを理解して、苦く笑いながら肩を竦める。 忘れていいと言ったのに、 ──寧ろ忘れて欲しいと思っていた程には。 ある意味では、そこも彼の自由さかもしれない。 人々の拍手の音はどこか遠くに聞こえて、 ただ、促されるままにどうにか足を伸ばすだけ ] ……いつ聴いても、素敵ね。貴方の歌。 [ ちいさく微かに、呟いた。 そんなにも綺麗ならきっと、大きな舞台も夢ではない。 未だに名を語られる演者たちのように。 ────なんて、流石にそこまでは言わずとも。 言外に含ませ、僅か、睫毛を伏せた。 ] (104) 2022/11/27(Sun) 23:04:40 |
【人】 踊子 リリー[ ──…この二日間で何度目かの浮遊感。>>91 どこに連れられてももう驚きはしないだろうけれど、 先手を打って全てを明かす様は なんだか随分と、女の相手に慣れたような。 ] ……ご丁寧にどうもありがとう、怪人様? [ よく手入れのされた部屋と、日の差し込む窓。 品の良いアンティークの調度品が置かれた室内は、 使用人でも雇っているような清潔感だ。 流石に家主のベッドに座るのは、…と思ったけれど 結局は、促されるままに柔いベッドへ腰を下ろす。 喧騒から遠のいた室内に 投げられた問いかけはよく響いた。 ……微かに、けれど確かに、肯いて。 ] (105) 2022/11/27(Sun) 23:04:45 |
【人】 踊子 リリー────良いよ。 自由なんてまだ、……何にも分からないもの。 貴女が隣で、教えて。 [ 私を私とは見てくれない人の為に踊るのは、 もう、したくないけれど。 貴方だけの、舞姫。 ──…なってみたいなって、思ったの。* ] (107) 2022/11/27(Sun) 23:04:57 |
踊子 リリーは、メモを貼った。 (a40) 2022/11/27(Sun) 23:06:57 |
【人】 大富豪 シメオン大丈夫だ、 ……年寄りの冷や水というやつだな。 今すぐ死ぬような訳ではない。 [女が触れた男の体は高熱を上げていた。 そして、若く美しかった顔は見る間に肌は弛み皺を刻んでいった。 それは確かに女の知る男の顔で、だけどそれよりもずっと老いて見えたことだろう。] 自慢の顔だったのだがな。 [男は肩で浅く呼吸をしながらそんな軽口を叩いた。] (108) 2022/11/27(Sun) 23:14:43 |
【人】 大富豪 シメオン[年齢にしておよそ30。 全盛期の肉体を取り戻すにはそれだけの年月を遡らなければならなかった。 だが、失った時間を取り戻す方法などない。 それは神の定めた摂理に反すること。 もしも魔女ならばもっと上手くやる方法をしっていたかもしれない。 もしも会えていたのであれば、事も無げにそれが可能だと伝えられたのだろう。>>68 しかし、不運にもその歯車は噛み合わなかった。 だから男は危険な方法を取った。 とある辺境に伝わる薬と魔法による肉体の若返り。それも長くは持たない上に、体に大きな負担をかけるという余りにも割に合わないものだった。 それに……男の体は病魔に蝕まれていた。 そうと気づいた時には、病巣は全身のあちらこちらに転移しており、完全に治癒することは難しかった。 若返りの秘術はその病魔をも活性化させてしまうのだった。] (109) 2022/11/27(Sun) 23:15:02 |
【人】 大富豪 シメオン[その後、男は面を再びつけると力なく崩れ落ちる。 それは極度の疲労と、薬の反動によるものだった。 それは想定された通りの結果で、命に別状はないはずだ。 ただ薬が抜けるまでしばらくの静養が必要であり、 少なくとも数日は目を覚さないだろう。 それと、おそらく寿命は大幅に縮めたのは確かな事。 従者は主人の体を抱えて屋敷へと向かう。 聴衆は未だ喧騒の中で次の『美』を求めていて、男がどうなったかなど気にも留めていなかった。*] (110) 2022/11/27(Sun) 23:18:32 |
「怪人」 ファントムは、メモを貼った。 (a41) 2022/11/27(Sun) 23:24:31 |
【人】 奏者 イルムヒルトそれでも。貴方様が今。 苦しいのには変わりありますまい。 [触れた体は、交わりの時よりも熱く。 軽口には少しばかり寂しそうに笑み] 舞い踊る貴方のかんばせも、 過ごした年月を刻んだ顔も。何方も美しいわ。 [女は、男が何を対価にしたかを知らず。 されど自然の摂理に反するものには 対価があることを、母の一件にて知っていた。 ――何かを貴方は捧げ、そして 私に美を見せてくれた。 私にすべてを、みせてくれた。 美の祭典にて。今宵。 知己に幸せを願われていると知るならこう告げただろう その事実で私は、十分幸いであるのだと。] (111) 2022/11/27(Sun) 23:32:05 |
大富豪 シメオンは、メモを貼った。 (a42) 2022/11/27(Sun) 23:48:07 |
奏者 イルムヒルトは、メモを貼った。 (a43) 2022/11/27(Sun) 23:50:17 |
【人】 人造生物 ユスターシュ[心残り、と言われたとき。>>100 …少しだけ、虚を突かれたような、 驚いたような顔をしたかもしれない。] ―――…。 [自分の胸元に片手を添えて うーん?と微かに眉根を寄せて首を傾げる。] …心残り、は。ないと思うんです。 [困ったような顔のまま、それでも 自分の中の気持ちを整理しながら言葉を紡ぐ。] (113) 2022/11/27(Sun) 23:56:13 |
【人】 人造生物 ユスターシュこの街に来なかったら、僕はきっと、 あの森でずっと独りぼっちでした。 [森の奥を覆う薄闇に紛れて、主様の屋敷跡に 身を潜めたままでいれば。 もっと、長く生きること"だけ"はできたかもしれない。 でも、それは主様に与えられた命が尽きるまで ただ闇に身を隠して息をして眠るだけの生。 誰にも存在を認識させず、言葉を交わすこともできない。 ――それは、本当に生きていると言えるのだろうか。 少なくとも、僕は生きてみたかった。 誰かの傍に、いたかった。 温もりを感じてみたかった 自分の産みの親の望みを叶えることも、 生みの親の仇を討つこともできなかった。 そんな『失敗作』の僕の大それた願いを、 目の前の店主さんは叶えてくれた。] (114) 2022/11/27(Sun) 23:56:56 |
【人】 人造生物 ユスターシュ[感謝はしている。寧ろしたりないくらい。 望まれたなら、残りの寿命の全てを差し出したいくらい。 それも本当。なのに。] 僕、この街でいろんな人に会いました。 沢山、親切にしてもらったんです。店主さんも含めて。 ……さっき、店主さんに心残りはあるかって聞かれたとき。 沢山の人たちに、いっぱい親切にしてもらったのに。 「ありがとう」って言葉で返しきれないくらい、 とても嬉しかったのに。 僕、そんな人たちの誰にも、 ちゃんとお礼ができていないなって、思ったんです。 店主さんにだって。 …元々、お土産を買ったお金は店主さんに貰ったものだし 本当は、自分でお金を作って手に入れてくるべきだったのかなって。 [これが、心残りなのだろうか? はじめてここに来たときは、こんな気持ちは知らなかった。 そしてそんな気持ちに驚く。] (115) 2022/11/28(Mon) 0:00:33 |
【人】 人造生物 ユスターシュちゃんとできてなかったと思うことはたくさんありますが。 でもね、僕の命、ちゃんと貴女に渡したいです。 [心残りがあることに気づきはしたけれど、 それでも約束を違えたいとかそういう気持ちはない。 いっそ、望まれるなら命を全部差し出してもいいくらい。 ただ、それだと店主さん以外にお礼ができなくなってしまうな、と。それだけが少し悩ましい。]* (116) 2022/11/28(Mon) 0:07:10 |
【人】 「怪人」 ファントム「――もっと舞いを観ていたい。 改めて一目惚れしてしまうよ。 いや、それは一目惚れでは無いか? まぁ、いいさ。 これから何度でも魅せてくれるんだろう?」 これまでが如何に不自由なものであったとしても、これから何度でも舞える。 彼女が自らの舞姫でいてくれる限り、自分が、そして首元の印が彼女を守る。 (117) 2022/11/28(Mon) 0:23:11 |
【人】 「怪人」 ファントム「いいとも、私が君に全てを教えてあげよう。 代わりに、君の全てを私に教えてくれ。」 ゆっくりと、唇を重ねていく。 けれど、それはいつかの軽く啄むような口づけとは違う。 彼女を怯えさせないよう、緩やかに、しかし深く舌を絡めあう。 前回、彼女と口づけた時に寂しそうにしていたから。 「私の色に染まりなさい。 そして、君も私を貪るといい。」 僅かに命令の意図を込めた。 彼女が従う意思を見せれば、印が彼女に幸福をもたらすはず。 それに、自分だけが彼女を責める事を避けたくて、彼女が私から奪うようにも命じた。 (118) 2022/11/28(Mon) 0:23:49 |
「怪人」 ファントムは、メモを貼った。 (a44) 2022/11/28(Mon) 0:28:19 |
画術師 リュディガーは、メモを貼った。 (a45) 2022/11/28(Mon) 1:00:57 |
(a46) 2022/11/28(Mon) 1:03:02 |
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