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人狼物語 三日月国


111 【身内村】あの日の、向こう側【R18】

情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


プロローグ

【人】 とある書物

 
 
 ぱらり、と
 ページが捲られる。
(0) 2021/11/30(Tue) 19:23:33
到着: 木峰 海斗

【人】 木峰 海斗

 
 
 心の奥底で、ずっと粘つき、燻っていた。
 ―――― 許されない
心。

 あの日、
てようとした想いは、
 あの日、掬われ繋がり
なった。
 
 
(1) 2021/11/30(Tue) 19:41:54

【人】 木峰 海斗

 
 
 
 枯れさせなければ、いけなかった
草は、
 季節を超えて、未だ綻んだまま――…
 
 
 
(2) 2021/11/30(Tue) 19:41:56

【人】 木峰 海斗

 
 
 絵本や童話なら、ハッピーエンド
 めでたし、めでたしで終わる物語。

 だけど、俺たちが生きている世界は、現実だから。
 幸せな物語のままで、放っておいてはくれない。

 あれから先も、物語は、続いている。
 これは、そう奇跡のようなあの夏の日、
 
 
(3) 2021/11/30(Tue) 19:41:58

離脱: 木峰 海斗

到着: 木峰 海斗

【人】 木峰 海斗

― あれから ―

[ ホテルであった奇跡的なできごと。
  それから、わりとすぐのこと。

  項につけられた
は、まだ薄く残っていて
  自分の目では見えない位置のせいで忘れていた。


  大学に行って、
  いつも通り賑やかな友人たちと、一緒にすごしていれば

  ふいに、一人がぽつりと言う。]
(4) 2021/11/30(Tue) 19:59:47
到着: 天海谷 睦月

【人】 天海谷 睦月

 
 
   あれ、海斗…… 彼女でもできた?
   こんなとこにキスマークなんかつけちゃって
 
 
(5) 2021/11/30(Tue) 20:00:01

【人】 木峰 海斗

 
[ やらしー、と、揶揄うようにケタケタ笑う友人。
  一瞬で、なんのことか理解して、顔が熱くなる。

  『海斗にも、ついに春がきたかー』なんて
  茶化す声に、頭をがしがし掻いて]
 
 
   はぁ!? いや、別に……いーだろべつに
   はいはい、そんなかんじだよ


[ 適当に肯定した。
  “彼女”ではないけど、間違いでもない。

  でも、こういう風に茶化されるのは、面倒だから
  あとで兄貴に言っておかねーとな


  そんなことを考えていると、
  ぞく、と何か悪寒がした。


  まわりに視線を向けるが、何もない
  ケラケラ笑っている友人たちがいるだけだ。

  その時は、気のせいだってことにして、
  そのことは、すぐに忘れてしまっていた。]
 
(6) 2021/11/30(Tue) 20:00:56

【人】 木峰 海斗

[ その後、肌を重ねた時は、ただ戯れていた時か。

  兄貴が、痕をつけようとしている気配を感じたら
  そっと身を捩り、手で隠して。]
 
 
    痕…… つけんの、禁止……
    この前、ダチに見られて、――…



[ 恥ずかしかったから
  なんて言って、拒んだけれど、
  さて、言うことを聞いてくれたか、どうか

  わざと目立つ所なんかにつけられたら
  顔を真っ赤にしながら、
  ふざけんなと、怒っただろうな*
]
(7) 2021/11/30(Tue) 20:01:10

【人】 天海谷 睦月

[ ある日、友人の項に赤い痕を見つけてしまった。

  『やらしー』と、>>5
  けらりと笑って茶化したけれど
 
  俺の胸中に落ちたのは、
  じわり、と広がる仄暗い感情。


  海斗は、女に興味がないと思っていた。
  同時に、誰にも興味がないと思っていた。


  一緒に笑って、騒いで、楽しくて
  ちょっと触ると嫌がる癖に、拒む仕草は優しくて
  ―― 根が真面目な可愛い奴


  友人として好きだと思っていた。
  だけど、この感情はなんだろうか。

  白い項に散った赤い痕を見つけてしまって、
  それをつけたのは、誰なんだよ、と
  怒りに似た感情が湧き上がってくる。]
 
(8) 2021/11/30(Tue) 21:01:01

【人】 天海谷 睦月

 
 
 
[ 海斗は、誰のものにもならない。
  そう、思ってたから――…   ]

 
 
 
(9) 2021/11/30(Tue) 21:01:08

【人】 天海谷 睦月

 
   
   ふーん、この前の年上美人とか?


[ 『そんなかんじだよ』と肯定が返ってくれば>>6
  湧き上がる感情の色は濃くなった。

  いつもより、少し低い声で問い返したが、
  海斗は、鬱陶しいというように、
  手をひらひらさせるだけで、答えてはくれない。

  海斗の周りにいる女で、         
  動きを確認できていないのは       
  あの謎の年上美人くらいだから、     
  やはりあの人が相手だろうか。      


  これ以上、海斗に探りを入れても
  情報は得られ無さそうだ。

  一瞬だけ、暗い瞳で見つめてしまったが、
  何かを察知したような海斗がこちらを見たから
  ケラケラと、他の仲間と同じように笑って
  今は、この感情に名前をつけるのをやめた。
]
(10) 2021/11/30(Tue) 21:01:12

【人】 木峰 海斗

[ 痕をつけるのを禁止と言い渡してから
  しばらく時間が経った頃のこと。

  まだまだ、残暑厳しい蒸し暑い季節のこと。

  何度かは、痕をつけるのを阻止したり、
  いつのまにか、つけられたり、
  そんな攻防を繰り返していたりもした。
  ―― かもしれない


  ここ数週間は、両親が珍しく出張だとかがなくて
  たぶん、そういうやり取りはなかったから
  俺の首やらには、赤い痕はなくなっていたはず。

  それでいいはずなのに
  少しだけ、寂しいような、物足りないような
  ―― いろいろ毒されてる気がするけど、


  兄貴の色に染まっていく自分が、嫌じゃなかった]
(11) 2021/11/30(Tue) 21:01:49

【人】 木峰 海斗

[ 午前中、最後の講義を終えて、
  昼食後、次の講義までそこそこ時間があったから

  昼寝でもするか、と
  サークル棟に向かうことにした。
 
  名前だけ貸して欲しいと頼まれて所属している
  『アウトドア研究会』

  キャンプも真面目にやってるらしいが
  飲むのが、割とメインそうな内容だったから、
  あまり参加したことはない。

  今日も確か、サークルの殆どのメンバーは
  どこかの山のキャンプ場に行っていたはず。

  サークル棟の受付で、鍵の所在を確認して、
  共有の鍵が返されているのを確認すれば、
  鍵を受け取って一人、部室の中へと入れば、

  窓を開けて、空気を入れ替えている間に
  部室の3分の1を占めいているハンモックに
  身体を預けて、鍵をかけ忘れたけれど
  どうせこの時間は、誰もこないだろうと
  スマホのアラームを設定すれば、
  ゆっくりと瞳を閉じた。]
 
(12) 2021/11/30(Tue) 21:01:54

【人】 天海谷 睦月

 

   あれ? 海斗?


[ 次の講義までの間、少しだけ時間があったため
  構内の喫茶店で時間でも潰そうかと思っていたら
  サークル棟の方へと歩いていく海斗を見つけた。

  サークルには、殆ど参加していないと言っていた。
  そんな覚えがあるが、珍しく参加するんだろうか。

  友人の珍しい行動に興味が惹かれて
  後を追った
―― 悪戯心がむくりと起き上がって


  『アウトドア研究会』の部室がどこか
  探すのに手こずりつつ、
  やっと部屋の前までやってきたが
  扉の向こうから、人の声が聞こえてこない。

  少なくとも、海斗はいると思ったが、
  いないんだろうか?

  好奇心でドアノブをひねれば、簡単に開いて、]
(13) 2021/11/30(Tue) 21:02:07

【人】 天海谷 睦月

[ そこで、海斗は―― 眠っていた。

  眠っていると、普段の小生意気な表情が消えて
  少し幼く見えるから、寝顔は可愛らしい。

  本人に言うと怒られるだろうから言わないけど
  初めて見たわけでもないのに、
  なぜか、―― どきり、とする。

  ハンモックの上で、器用に丸まって寝ている姿は
  普段懐かない凶暴な猫が、無防備に寝ているようで
  吸い込まれるように、足が動けば、
  眠る海斗の目の前までやってきていた。

  白かった首筋は、少しだけ焼けていて
  暑いのだろう、
  僅かに、しっとりと汗をかいていて――


  普段見ることはない光景が、妙に色っぽく見えて、
  ぞくり、と身体の奥底が
いた。]
(14) 2021/11/30(Tue) 21:02:14

【人】 天海谷 睦月

[ 僅かに身じろぐも、起きる気配がなくて

  ――――
が差した 


  耳元に寄せた唇で、そのまま耳裏を擽って
  起きないか様子を伺いながら、
  いつだか、赤が散っていた場所まで辿る

  ―――― なぁ、誰につけられたんだよ


  今は、痕のひとつもない綺麗な場所に
  ―― 一片、仄暗い笑みを浮かべて ]       
(15) 2021/11/30(Tue) 21:02:28

【人】 天海谷 睦月

 
[ ちゅ、ぢゅ、と下品な音を
  誰が来るかもわからない部室の中に響かせて、
  いつ起きるかもわからない友人の項に痕をつけた。

  誰のものにも、ならないと思ってた。
  そんな海斗が、誰かのものになった。
  子ども染みた、僅かな
嫉妬
心――…


  罪悪感と、背徳感に、ぞくぞくとする。

  悪いとは思ってる、
  でも、止める気にはならなくて
  同じ場所に、なんども赤を重ねた。

  最初は、薄かった赤は、重ねれば濃くなって
  罪悪感は、より増していく。

  何度目か、色を重ねていれば、
  海斗が、もぞもぞと動いて、
  僅かに、色香が漂う吐息を零す。]
 
(16) 2021/11/30(Tue) 21:02:33

【人】 木峰 海斗

 
 
   ……ッ、ん……つ、き――?


[ 首筋に感じる甘い刺激に、
  身動ぎをして、吐息を漏らしながら名前を呼んだ。

  こんなことをするのは、兄貴しかいないから
  『夏生』―― と、微睡みの中で、寝ぼけて、


  大学の、しかも、誰もいない部室に
兄貴がいるわけがないのにな。  
]     

 
 
(17) 2021/11/30(Tue) 21:02:37

【人】 天海谷 睦月

[ 心臓が、どくり、と脈打った。
  たぶん、緊張のせい
―― そう思いたい


  海斗の口から、漏れた吐息に
  興奮を覚えたとかではなく。

  『睦月』と、俺の名前を呼んだ気配に
  たぶん、気付かれたと焦ったんだ。

  慌てて顔を上げて、数歩後ずさる
  起きる気配がしなければ、引き際だと判断して、
  そっと静かに部室を後にした。

  これは、悪戯心だ。それと、
  海斗を手に入れた奴に対して、ちょっとした警告
  ―― アンタの恋人、凄い無防備なんだよ という


  そう自分に言い聞かせなければ、
  今の関係が崩れそうで、越えてはいけないラインを
  飛び越えてしまいそうだったから。
  え? もう越えてるって? バレなきゃ良いんだよ。
]
(18) 2021/11/30(Tue) 21:02:44

【人】 木峰 海斗

[ 少しずつ覚醒していけば、周囲に視線を向ける
  だが、そこには誰もいなかった。]
 
  
   ……ん? 誰も、いない……?


[ 夢、だったのか。
  そう思いながら、首筋を撫でれば、
  僅かに湿っていて、でも汗をかいているだけと
  その時は、深く考えもしなかった。

  それ以前に、いやらしい夢を見てしまったと
  一人恥ずかしくなってしまって、
  そのことは、むしろ忘れようとしていた。
]
(19) 2021/11/30(Tue) 21:03:37

【人】 木峰 海斗

 
 
   やべ、そろそろ行かねーと


[ 羞恥に頬を染めていれば、
  スマホが現実に引き戻すようにアラームを鳴らす。

  自分に言い聞かせるように、声に出せば
  ハンモックから降りて、次の講義へと向かった。

  今日は、これが終わったら
  真っ直ぐ家に帰るつもりだ。

  久方ぶりに、両親のいない週末だから
  ―― 兄貴に、触れたいと思っていた。


  だから、変な夢も見てしまっただろうと思う。
  そう思って、部室であったことは記憶から消した
  憶えたままなのは、恥ずかしいだろ?
]
(20) 2021/11/30(Tue) 21:03:42

【人】 木峰 海斗

― 自宅 ―

[ 慣れた手つきでドアのカギを開けて、扉を開けば
  誰もいないのに『ただいま』と律儀に声をかけて
  乱雑に靴を脱ぎ捨てて、洗面台に向かう。

  顔を洗った、
  今日は、本当に暑かったから、
  頬が暑さで少しだけ赤くなっていた。

  鏡の向こうにいる自分は、いつも通りで
  首に何か違和感があるとか、
  そんな気配は、一つもなくて、気付かない。


  ただ、外の暑さのせいで、少し頬が赤いだけ。

  夕飯の準備をする前に、シャワーを浴びようか
  だが、せっかくだから湯船に浸かりたいと思って
  風呂の栓を抜いて、手洗いうがいと、
  母さんに小さな頃から言われていた習慣を済ませ、
  荷物を置きに、一度自室へと向かった。]
(21) 2021/11/30(Tue) 21:03:46

【人】 木峰 海斗

[ 自室に入って、荷物を置いて
  クローゼットの中の引き出しから
  いくつか準備のための道具を手にすれば
  すぐに部屋を出て行って、トイレの中に置く。

  風呂を洗って、ボタン一つで湯を沸かし始め、
  その間に、台所で夕飯の準備を始めた。

  昔から、二人っきりの時は、兄貴に任せることが
  多かったけれど、俺も料理ができないわけではない
  簡単なものしか作れないけどな。

  今日は暑いから、冷やし中華。

  トマトやきゅうり、
  ハムとか切るだけの簡単な作業。
 
  全部が終われば、ラップをつけて冷蔵庫へ
  中華麺も茹でたら、冷やしてから同じ場所に

  まだ夕食には早い時間。
  兄貴が帰ってくるのも、まだ数時間はあるから
  トイレですることを済ませれば、風呂にいった。]
(22) 2021/11/30(Tue) 21:03:48

【人】 木峰 海斗

[ 逆上せる一歩手前くらいで、風呂をあがれば
  赤い頬を覚ますように手でパタパタと顔を仰ぐ。

  乾ききっていない髪をタオルで、
  がしがしを拭きながら、
  台所に向かって歩いていれば、そろそろ
  兄貴が帰ってくる時間だったろうか―― **]
(23) 2021/11/30(Tue) 21:03:51
到着: 木峰 夏生

【人】 木峰 夏生


[ たん、と薄いキーボードを叩いた小気味良い音が
指先から伝わるのを合図にして、ふと軽い息を吐き出した。

凝り固まった肩を上下させて、首をぐるりと回す。
ようやくひと段落した仕事を確認しながら、
手元に置いてある煙草を一本引っ張り出して咥えた。

生温いリモートワークにすっかり馴染んだ身体は、
堂々と煙草とコーヒーを相棒に据えて。
咎める人は今ここには居ない。
喫煙者には肩身の狭いご時世、けれど町外れに
ぽつんと忘れ去られたように建つ
この小さなカフェでは当たり前のように
白い陶器の灰皿が置かれていて、俺の格好の溜まり場、
もとい居心地の良いオフィスになって久しい。 ]
 
(24) 2021/12/01(Wed) 8:24:36

【人】 木峰 夏生


[ シルバーのジッポライターはカチンと
透明な金属音を立てる。
火をつけた煙草をゆっくり、深く肺の隅々まで
行き渡らせるように吸い込んで、
細く、長く吐き出してからちらりと時計に目をやった。

相変わらず仲の良い両親は少し前から不在。
だから仕事だって家でやりゃあいいんだけれど、
仕事そっちのけで夢中になるものがすぐ近くに
存在してるもんだから一向に捗りはしないわけで。

そりゃまあ長年ドス黒く渦巻いて、
どうにも消化できずにいた想いが、神の悪戯か気まぐれか
通じ合うなんて奇跡が降って湧いたというのだから、
少しくらいはしゃいでしまうのは仕方がないと思う。

初めて恋人が出来た中学生となんら変わりはしない。

呼吸をするよりも触れたい、なんて。
 ]
 
(25) 2021/12/01(Wed) 8:27:44

【人】 木峰 夏生


[ 俺の自制心とか貞操観念とか社会的道徳とか
懸命に保ってきたものはあっという間に
絹ごし豆腐より脆く柔らかくなっていて、
さすがに少し物理的な距離を置かないと、
当の本人以前に猿にさえ呆れられてしまいそう。

ゆらりとのぼっていく紫煙を目で追って、
それからスマホを手に、メッセージを送った。 ]


   『しごおわ♡』
   『まだ学校?』
   『今から帰るけどメシどうする?』


[ 事務的な短い吹き出しをいくつか並べて。
ちょっと考えてから、ころんとしたフォルムのうさぎが 

おとうとがかわいい♡


と呟くスタンプを添えた。


海斗。
───おれの、大切な人に。
  ]
 
(26) 2021/12/01(Wed) 8:34:48

【人】 木峰 夏生


[ 同期もぽろぽろと結婚して、父親になっているやつも
少なくはない。そんな年代。
当たり前とされる幸せに身を置いて、
当たり前のような幸せに包まれて、
当たり前に祝福されて。

柔らかな陽だまりに似た光景を見るたびに、
心の片隅に本当は、小さな苦味が込み上げる。

俺は、なによりも大切な弟から、
そういう機会を奪ってしまったのではないだろうか、と。

本当に、これで良かったのだろうか、と。


あいつの心がいつか、俺から離れて、
真っ当な道を歩む日が来ることを、
実は心のまた違った片隅でも願ってしまう。 ]

 
(27) 2021/12/01(Wed) 8:38:00

【人】 木峰 夏生


[ とは言え、家に帰れば。
えらく早い時間だというのにすっかり風呂上がりの
海斗が台所へ向かって歩いているわけで。>>23
しっとりと水気を含んでハリのある肌は
ほんの少し赤く火照っていて。
がしがしと髪を拭く手の動き、水しぶきがきらりと跳ねて
いい匂いが、して、


───理性なんて簡単に吹っ飛びますよね知ってた。 ]
 
(28) 2021/12/01(Wed) 8:39:37

【人】 木峰 夏生



  ただいま。


[ 頬が緩む。だらしないほどに。
締まりのない口元を動かして、早かったなと付け足した。

夕食をどうするかと考えていたのだけれど、
海斗から冷やし中華の言葉が聞けたのなら、
さらに唇は弧を描くだろう。  ]


  メシ作ってくれたの?
  悪りいな、嬉しい。
  ありがとな。
 
(29) 2021/12/01(Wed) 8:41:16

【人】 木峰 夏生


[ 着替えもせず、手さえ洗わず、このまま
押し倒してしまいたくなる。
どうせ大暴れして、手を洗え、うがいをしろ、
そして着替えろって言われるだろうから、
ぐっと堪えて洗面所へ向かうのだけれど、それでも
一度、足を止めて、 ]



  ───そんでもう風呂まで入ったんだ?



[ にや、と意地悪な笑みを浮かべるくらいは許されたい。]
 
(30) 2021/12/01(Wed) 8:45:04

【人】 木峰 夏生



  『おかえりなさい!ごはんにする?お風呂にする?
   それとも、あ・た・し?』

  
  ───って言ってもらうの
  男のロマンなんだけどダメ?



[ くつくつと笑いながら、海斗に向かって
両手を伸ばせば、さて気まぐれな王子様のご機嫌は
いかがなものか。
どんなことでも、仰せのままに。


お前が望むならなんだって全部、やるから。
 ]**
 
(31) 2021/12/01(Wed) 8:46:55

【人】 木峰 海斗

[ 風呂上り、タオル越しに髪を乾かしながら、
  ぺたぺたと、裸足で廊下を歩く。

  片手でスマホをつければ、
  兄貴からいくつかメッセージが来ていた。>>26]
 
 
   ……ッ、


[ ハートも見慣れて、動揺することも
  殆どなくなったけれど。

  最後に追加されたうさぎのスタンプに、
  思わず、かっ、と頬が熱くなる。

  てか、こんなスタンプあるのかよ。
  ―― いや、リアルにあるからそうだんだけど


  呼吸を整えるように、ふぅと一息つけば、
  残念ながら、今回は10回に1回や、
  5回に1回、3回に1回の気まぐれな日ではなくて。

  そのまま、既読をつけただけ。
  どうせ、すぐ帰ってくるだろう。]
(32) 2021/12/01(Wed) 19:56:57

【人】 木峰 海斗

[ 相変わらず、俺は、
  そっけない態度を取ることの方が多い。

  それでも、想いが重なっていることを知っている。
  それでも、兄貴が嫌ってくれないのは分かってる。

  相変わらず、俺は、
  そんな態度で、兄貴に甘えていた。
 

 
  兄貴に周りで、結婚したとか、     
  子どもが生まれたとか、        
  そういう話を聞く度に、        
  早く、この手を離さないと、      
  そう思うのに、放せないでいた。    

  
  お伽話みたいに、
  このまま、ずっと一緒にいられたらいいのに


  いつかこの恋草が枯れる日がくるってこと。
  分かり切っているというのに、
  まだ、心の片隅で子どものように願ってしまう。]
(33) 2021/12/01(Wed) 19:57:00

【人】 木峰 海斗

[ そう思っていれば、予想通り
  玄関の扉が開く音がした。>>28
 
  火照った顔を隠すように、
  髪を拭くタオルを引き寄せて、
  真っすぐに、だらしない顔で近づいてる方を、
  何でもない風を装って、ちらりと視線を向けた。]
 
 
   ん、……夕飯、冷やし中華あるから
   いや、まぁ……たまには、な


[ ただいま、と言われても、
  おかえり、なんて可愛らしく迎えたりはしない。

  お互いの気持ちを理解していても、
  兄貴みたいに好意を表現するのは、
  やはり、恥ずかしくて、苦手で、


  ふい、と顔を反らせば、
  手を洗って、うがいをして来いと、
  ひら、と手を揺らせば、

  意地悪げな笑い声が、鼓膜を揺らすものだから、]
(34) 2021/12/01(Wed) 19:57:02

【人】 木峰 海斗

 
 
   今日、暑かっただろ
   汗かいたから、さっさと入っただけだよ


[ 小生意気そうな笑みを浮かべて、
  へら、と笑って返してやった。

  ―――― だけど、続く言葉に、>>31   
]    

  
(35) 2021/12/01(Wed) 19:57:04

【人】 木峰 海斗

  
 
   
ばっ
、か、じゃねーの……
   さっさと、手洗って来いよッ


[ 新婚さんの定番台詞というやつ。
  誰が、そんなこっぱずかしい言うかよ。

  片方の手の甲を口元に寄せて、
  一瞬で、風呂上りというだけではない色を
  頬の乗せて、一歩後ずさる。

  それから、ちら、と視線を寄越せば、]
(36) 2021/12/01(Wed) 19:57:06

【人】 木峰 海斗

 
 
[ ぼそ、と小さく一つ落とせば、
  逃げるように、ぱた、と足音を鳴らした。*]
 
  
(37) 2021/12/01(Wed) 19:57:10

【人】 木峰 夏生


[ W普通の幸せWを得る権利なんて、
とうに捨てたつもりでいる。
自分の想いを自覚すると同時に
それは手に入らないものだと理解したから。

代わりにあいつの幸せを願う。そりゃあもう心から。
全身全霊をかけて世界中の誰よりも
幸せになって欲しいと希っているのも、嘘じゃない。

決して重ならない、ふたつの想望。 ]
 
(38) 2021/12/02(Thu) 8:11:03

【人】 木峰 夏生


[ 自分の未来など髪の毛ほどもどうでも良いというのに
このままでいいはずがないと知りながら、
滾る欲を曝け出しぶつけてしまう俺は、

やっぱり人としてどうかしているのだろう。 ]
 
(39) 2021/12/02(Thu) 8:11:51

【人】 木峰 夏生



[ 求めるように、受け止めるように、差し出した手に
愛しい熱は来なかったから、行き場のない掌は空を握る。

それでも、その頬に、風呂のせいではない赤が
さっとさしたのが、隠した手の向こうに
はっきりと見えたので>>36 気分は上々。

母親よりもうるさいお叱言に、はいはいわかりましたと
吹き出しながら足を動かそうとすれば、
ぽそりと鼓膜を震わせるのは、

可愛げのない、捻くれた、照れ隠しの…… ]
 
(40) 2021/12/02(Thu) 8:13:10

【人】 木峰 夏生


[ 片眉をぎゅ、と持ち上げて、こみ上げる笑みを口元に
浮かべたまま、逃げるように背を向ける海斗に
視線を投げた。 ]



  マジ?
  じゃ、とっととごはんにして、おふろにして、
  それから
あ・な・た♡
にしよ。



[ にんまり笑いながら口にすればまた叱られるだろうか。
その先の夜を思えば少しの文句どころか
二、三発殴られたところでぜんぜん構わないから、
さっさと手を洗っていそいそと食卓へ向かおうか。 ]
 
(41) 2021/12/02(Thu) 8:15:48

【人】 木峰 夏生




  美味そう、いただきます。



[ トマト、きゅうり、ハムがきちんと大きさを揃えて
切られ並んでいる、お手製の冷やし中華。
もしかしたら簡単なものだと言うのかもしれないが、
何種類かの具材を切ること、暑い最中に湯を沸かすこと、
やはり手間はかかる。

自分でも料理はやるからこそわかること。
感謝と喜びは自然に湧き上がって、
しっかり両手を合わせて目を閉じた。 ]
 
(42) 2021/12/02(Thu) 8:17:30

【人】 木峰 夏生



  マヨネーズかけていい?



[ 冷やし中華にマヨネーズ。
賛否両論あるけれど俺は譲れない派。
ただし作ってくれた人に敬意と感謝が先立つから、
一応確認してからにしよう。

学校はどうだったとか、こんな仕事をしてきた、とか、
かわいいスタンプを発見した、とか。
俺からの食事中の会話はもっぱらそんな感じ。
海斗からの返事があれば箸を止め、
昔から変わらない日常を楽しむ。 ]
 
(43) 2021/12/02(Thu) 8:18:34

【人】 木峰 夏生



[ ふたりはいつまでも、いつまでも
  しあわせにくらしました。


そんな御伽噺のエンディングを
うっかり望んでしまうのは、意外にも乱れた夜以上に
こんな時なのかもしれない。 ]
 

(44) 2021/12/02(Thu) 8:19:55

【人】 木峰 夏生


[ 食事が終わったら俺が片付けを申し出よう。

構ってくれるらしい気高い彪は
本日はなにをお望みか。

その言葉尻から捕まえるのは少し難しいから
───なにせツンデレが極まっているので


風呂に入るついでに諸々準備も済ませるつもり。 ]*
 
(45) 2021/12/02(Thu) 8:22:10

【人】 木峰 海斗

[ 可愛げのない言葉を落として、
  逃げる背にかかる声に、うるさいという様に
  ひらひらと、手を振れば、赤い頬を隠すため、
  さっさと、一人台所へと足を向けた。


  素直に、あの腕の中に入る          
  それくらいできたら、そう思うけれど、    
  長年の癖や矜持が邪魔をする         


  代わりに、少しだけ、
  以前は、邪険に払っていた
  触れてくる手を避けることは減ったし、
  時折、自分から触れることは増えた方。]
(46) 2021/12/02(Thu) 18:48:48

【人】 木峰 海斗

[ 冷蔵庫から取り出した冷やし中華。
  誰が作っても、そう味は変わらないが、
  美味そう。と言われれば、悪い気はしない。]
 
 
   ……ん、いただきます


[ 自然と、頬が緩み、
  仄かに浮かべた笑みに気付かぬまま、
  刻んだ具材と、麺と、スープを箸で混ぜていれば、
  わざわざ、俺に聞く必要はないだろうに、
  マヨネーズをかけていいかと、問いかけられて]
(47) 2021/12/02(Thu) 18:48:50

【人】 木峰 海斗

 
 
   好きにしろよ
   俺は別に、気にしないし


[ 俺は、マヨネーズかけない。
  だけど、否定するつもりもない。

  つるつると、何でもないように麺をすすった。
  酸味のある独特の香りと風味、
  トマトやきゅうりで、少し緩和されて、
  程よい味わいに、悪くない出来、と一人笑う。

  学校は、いつも通り。
  授業が少ない日だったから、少し帰りが早かった。
  あのスタンプなんだよ、とか。
  他愛もない会話をする。

  少し前までは、こんな会話をすることも
  あまりなかった気がするけど、どうだったか。

  最近では、会話をすることが増えて、
  それが、当たり前になってきていた。

  こういう、何でもない日常が、
  実は、少しだけ幸せだ。
  なんて思っているのは秘密だ。
]
(48) 2021/12/02(Thu) 18:49:08

【人】 木峰 海斗

 
[ いつか、"普通"の兄弟に戻る日が来ても、
  このしあわせは、つづけばいい。

  神話だって踏み入れていない許されない領域に、
  足を踏み入れてるっていうのに、
  こんな時すら、望んでしまうんだ。


  ―――― 都合の良い、
い夢 
]
      

 
(49) 2021/12/02(Thu) 18:49:32

【人】 木峰 海斗

[ 食事を終えて、
  片づけを申し出るなら、
  それを断る理由は、俺にはないから。

  素直に任せて、
  それでも、隣に立って、
  食器洗いくらいは手伝っただろう。

  きゅ、と最後の一つを拭いて、
  籠の中に置けば、

  とん、と、わざと肩を触れさせて、
  ちら、と、見上げて、にやりと笑みを浮かべた。]
(50) 2021/12/02(Thu) 18:49:44

【人】 木峰 海斗

 
 
   じゃ、俺の部屋で、な


[ 今日は、どっちの気分。とか、
  そういうのは、ないけど。

  先ほど、風呂でしていたことを思い起こすと、
  腰の奥が、僅かに疼くの感じて、
  ほんのり熱を帯びた瞳を緩く細めていた。

  離れる間際に、
  ひょい、と背伸びをして、頬に唇を寄せたが、

  それも、一瞬のことで、すぐに
  するり、と気まぐれな猫のように
  離れていこうとしたけれど、兄貴が捕まえようと、
  伸ばした手から逃れられたことなんて、
  そう多くないことは、お互い知ってるよな。**]
(51) 2021/12/02(Thu) 18:49:59

【人】 木峰 夏生


[ 俺の記憶の中の夕食の光景は、ずいぶんと昔に遡る。

父と母と、今よりずっと小さな海斗。

今日の出来事を矢継ぎ早に喋っていたら
母が呆れたように、
口にご飯入れたまま話さないの、と笑う。

他愛もないことで海斗が笑ってくれるのが嬉しくて
注意されたしりからまた喋って、叱られて、笑って。 ]
 
(52) 2021/12/02(Thu) 22:45:23

【人】 木峰 夏生


[ 海斗が俺を避けるようになった頃の食卓を囲む
記憶は、不思議にあまり残っていなくて。

幸いなことにこの頃は、ぶっきらぼうではあるけれど
返事が返ってくるから。

間を流れる空気に沈黙がないことは、
こんなにも心を穏やかに揺らしてくれる。 ]
 
(53) 2021/12/02(Thu) 22:46:58

【人】 木峰 夏生



  ごちそうさまでした。
  あー、美味かった。



[ 短く千切れた中華麺の欠片さえ残さず
綺麗に食べ終えてまた、両手を合わせて頭を下げた。

片付けを申し出れば、
この場を後にすることなくすっと自然に
隣に立ってくれる姿にふふ、と笑んで。

2割り増しのスピードで皿を洗った。
疑いの眼差しがあるかも知らないけれど
ちゃんと洗ったよ。

何も言わずに皿を拭いて、籠にしまってくれる。
それだけの動きで肩が触れるから>>50
にやりと笑って視線を投げた。

海斗も、よく似た表情で、にやりと笑っていて。

─── やっぱり似ているのだろうか、俺たちは。 ]
 
(54) 2021/12/02(Thu) 22:49:16

【人】 木峰 夏生


[ 色気のない言葉で最高のお誘いをくれた海斗は>>51
去り際には頬に唇のおまけまでつけてくれた。
だというのにいつものように、
思い通りにならない猫に似た動きでするりと体は翻り。

追えば逃げる。
易々と捕まえさせてはくれない。

けれど、そこはキャリアで埋めようか。
頭より先に体が、腕が動いた。
すんでのところで握った海斗の手首を、
優しく引き寄せる。 ]
 
(55) 2021/12/02(Thu) 22:51:40

【人】 木峰 夏生



  ざんねん、つかまえた。


[ 前も言ったろ?お前の兄貴、
何年やってると思ってるの、って。

抵抗されないなら、少し力を増して、
さらに離れないように、
よっこいせ、とじじくさいかけ声で
海斗を抱き上げて、シンク台に座らせてみようかな。

さっき綺麗に拭いたから尻は濡れないと思うし、
上手く座ってくれそうなら足の間に
自分の身体を入れて、距離を潰して。
俺より目線が僅かだけ高くなった海斗を
至近距離で見上げることが出来たら、

下からそっと口付けを。
冷やし中華味に、欲と熱と、マヨネーズを添えて。 ]**
 
(56) 2021/12/02(Thu) 22:53:38

【人】 木峰 海斗

[ 小さな頃の記憶。
  『にいちゃん』と、無邪気に笑い、
  『大好き』と、素直に好意を口にしてた。

  兄がすること、話すこと、
  そのすべてが、楽しくて、嬉しくて。

  兄の中心は、俺で、
  俺の中心も、兄で、

  それが、当然であると、
  何の衒いもなく、愛情を受け入れていた。


  その時は、まだ。
  この感情が、兄を慕う。
  "普通"の感情だと思っていたから。]
(57) 2021/12/02(Thu) 23:33:15

【人】 木峰 海斗

[ 美味かった。と聞いても、
  そりゃ、良かった。と、嬉しいくせに、
  肩を竦めてみせて。
  それでも、口元が微笑んでいるのだから、
  最近は、感情を隠すのが下手になったかもな。
  それは、隠す必要がなくなったから。


  挑発的な、よく似た笑みを浮かべて、
  ちょっとした悪戯をして、逃げようとしても、
  やはり、素早さだけでは逃れられない。

  いつかのように、手首をとられて。
  無理やり払えば、逃げられる程度の優しい力に、
  抗うこともなく、引き寄せられる。]
 
 
   ッ、捕まってやってんだよ
   って、おい、ちょっと……


[ 負け惜しみを口にしながら、
  くすり、と笑っていれば、
  年寄り染みたかけ声と共に、身体が浮く。

  少し慌てた声をあげたが、
  綺麗に拭かれたシンクの上に腰を置く形になって、
  いつも高い位置にある、兄の瞳を上から見つめて。

  頬が、熱くなっていくのを感じながら、
  この距離では、隠すことなんてできないし、]
(58) 2021/12/02(Thu) 23:33:17

【人】 木峰 海斗

[ 微笑み交じりの悪態を落として、
  合わせた柔らかい感触に、瞳を閉じた。

  ゆっくりと、味わうように、食めば、   
  ―――― しょっぱいのに、
い。
    ]
(59) 2021/12/02(Thu) 23:33:21

【人】 木峰 海斗

 
 
   ん、ッ……
   何、もうガマンできねーの?

 
[ 何度か、重ねては、食んでを繰り返して。
  甘さの残る吐息を漏らして、
  ふふ、と悪戯っぽく笑えば、そんなことを言って。

  覗き込むように、首を傾げる。
  そのまま、すり、と甘えるように、
  抱きしめ返して、耳の裏に唇を寄せて。

  兄貴の目の前に、僅かにしっとりと汗に濡れた
  少し焼けた肌の上、いつか兄貴が痕を残した場所に
  一片、虫刺されにしては鮮やかな
が散ってた。**]
(60) 2021/12/02(Thu) 23:33:24
村の設定が変更されました。

【人】 木峰 夏生


[ 体重を、ゆっくりとシンクに腰掛けた
海斗の身体に預けていくと、甘い悪態が降ってきて。
伏せられた睫毛がふる、と震える。

下から押し付ける口付けは拒まれなかったから、
衝動的に噛みつきたくなる衝動をなんとか堪えて。
唇が食まれれば同じように食み返し、
何度も、優しく重ねて。 ]



  ……誘ってくれたのは海斗だろ?
 
 
(61) 2021/12/03(Fri) 9:41:34

【人】 木峰 夏生


[ 我慢するつもりなんてさらさらなかったけれど、
軽いキスにさえ吐息を甘く変える愛しい人を
己の腕の中に閉じ込めて、そのままおあずけ、なんて
仙人でもなきゃ、出来るわけない。

悪戯っ子の笑みにこちらもにやりと意地悪く返せば、
気まぐれな猫を思わせるしなやかな動きで
言葉とは裏腹、素直ぬ抱きしめ返してくれる。

耳の後ろに柔らかな唇の感触を感じて、ぞく、と
湧き上がる熱に体勢を変えようとした時、

───ふと目に入る、
>>60 ]
 
(62) 2021/12/03(Fri) 9:43:26

【人】 木峰 夏生


[ 自分でも驚くくらい、ぎくりと体が一瞬強張った。
虫刺されに似て非なる赤。

友達に揶揄われるからつけないでくれと言われた

所有者の証。

たとえば誰か他のやつと体を重ねていたのだとして、
海斗は俺に隠すつもりなら初めから
つけさせることなどない人間だと思う。

情け無いことにつきんと心臓が痛む。


静かに身体を起こして、いつもと変わらない笑みを
口元に貼り付けた。 ]
 
(63) 2021/12/03(Fri) 9:45:15

【人】 木峰 夏生



  ─── 風呂、入ってくるわ。


[ 何事もなかったように、するりと離れようとした。
けれど、頭と体が乖離して、
上手く言うことを聞かなくて。 ]



  ……海斗、  ここ、



[ 気づかないフリすればいいだけなのに。
結局俺は少し焼けたみずみずしい肌に咲いた赤を
そっと人差し指で撫でてしまうのだ。 ]
 
(64) 2021/12/03(Fri) 9:46:49

【人】 木峰 夏生



  ……─── 挑戦状?



[ くす、と微かな笑みを落としてゆっくり瞬きをした。
怒りでもない、悲しみでも、激しい嫉妬でもない。

何と表現すれば良いのかわからない、
強いて言えば困った顔で、海斗の瞳を覗き込んだ。 ]*
 
(65) 2021/12/03(Fri) 9:47:55

【人】 木峰 海斗

[ 誘ったと言われれば、さぁ?と
  惚けたように、ただ笑みだけ浮かべて返し、
  そのまま、重なった唇が与えてくる感触を
  大切そうに味わった。

  ふいに、抱きしめ返した身体が強張るのを感じた。

  不思議そうに、視線をあげれば、
  何かを見ている様子だけを知った。

  貼り付けられた笑み。
  それが、自然なものか、違うのか。

  ―― それくらいは、分かるつもり 
]    
(66) 2021/12/03(Fri) 17:12:23

【人】 木峰 海斗

 
 
   え、あぁ……わかった


[ ゆっくりと、
  この季節に触れ合うには熱い感触が離れていく。

  普段なら、もっと触れ合う時間は長ったはず。
  だけど、今は違って、
  ほんの少し胸の奥に違和感を憶えるが、
  ふいに、示された
モノ


  首筋を撫でる指の感触に、
  ぴくり、と肩を揺らしながら、
  "挑戦状"という言葉に、首を傾げた。]
 
 
   ……? 挑戦状って、何だよ?


[ 本当に、何も分からないというように、
  困った顔で覗き込まれて、
  よく似た困惑の色濃い瞳を、不安そうに揺らした。]
(67) 2021/12/03(Fri) 17:12:26

【人】 木峰 海斗

 
 
   はぁ、ちょっと待て


[ 真っすぐに見つめ返して、
  ふざけている様子もないのを、確認して、
  ポケットからスマホを取り出すと、インカメで
  兄貴が触った場所を移してみると、見知らぬ
が、
  見間違いというには、はっきり過ぎるほど、
  鮮やかに、一片だけ散っていた。

  どきり、とする。
 
  見覚えはないし、された記憶もない。
  それでも、気付いてしまえば、気まずい。]
(68) 2021/12/03(Fri) 17:12:28

【人】 木峰 海斗

  
 
   …………覚えは、ねーな


[ カチリと、
  スマホの画面から、その赤を見えなくする。

  その音が、妙に響いた気がして、
  鼓動が一つ、また早くなる。

  悪いことをした覚えはないのに、
  悪さをしたような気になる焦燥感に、
  困った様子で、瞳を揺らして、記憶を辿る。

  兄貴が、怒っている様子がなければ、
  ほんの少しほっとしたけれど。
]
 
 
   その、なんだ……
   とりあえず、風呂行ってこいよ


[ すぐに思い出せなくて。
  肩を押せば、そっとシンクの上から降りようと、
  身体を身じろいだ。**]
(69) 2021/12/03(Fri) 17:12:31
 




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