人狼物語 三日月国


159 【身内RP】旧三途国民学校の怪【R18G】

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視点:


[犠牲者リスト]
トリカイ

二日目

事件:幽界の歪み

本日の生存者:ネコジマ、シロマ、クリス、ユメカワ、ライカ、ミナイ、ウラミチ、カナイ、マユミ以上9名



天のお告げ(村建て人)

【〜本日の吊り占い〜】

今日のラッキーパーソンは<<クリス>>whoさん!

高い所だとよりラッキーかも?
みんなで登らせてあげよう!
(#0) 2022/07/06(Wed) 21:03:46

陽葉 シロマ(匿名)は、メモを貼った。
2022/07/06(Wed) 21:30:21

友達 ネコジマは、メモを貼った。
(a0) 2022/07/06(Wed) 21:39:54

【人】 友達 ネコジマ

>>a0

「ねこや」

「どした」

「………」

「どこ?」

「誰の?」

「知らんか」

「知らねぇすよね」

「そりゃそう」
(0) 2022/07/06(Wed) 21:40:38
友達 ネコジマは、メモを貼った。
(a1) 2022/07/06(Wed) 21:41:50

ネコジマは、猫のあとをついてった。道案内はたぶんしていないなと思うけれど、なんとなく。
(a2) 2022/07/06(Wed) 21:42:27

陽葉 シロマ(匿名)は、メモを貼った。
2022/07/06(Wed) 21:48:51

 
 
出席を取ります

 

どこかの教室で、少女が教鞭を執っていた。

鳥飼
。」

「……
夢川
。」

名前の増えた出席簿を満足気に読み上げ、閉じる。
前回との違いは、名前が増えたことと──鳥飼の麦わら帽子が無くなり、首元に無数の引っ掻き傷ができたことだろうか。

「わざわざ死体の喉から引っ張り出す子もいないだろうし……正に一石二鳥だったね」

うんうん、と頷いている。

【人】 陽葉 シロマ

>>ライカ

「……うん?」

どこかの廊下。ふと、校庭を見ていると。
何か違和感があった。
指折り数えて、また数えて。

「…………」

そうして階段を降りようとした矢先、見慣れた後ろ姿が目に入った。

「夏彦、一人でどうしたんだ?」

少し通り過ぎ、窓から差す月明かりの下に出る。
(1) 2022/07/06(Wed) 22:20:59

どこかの教室。
並べられた机。
ひとり。机に突っ伏す青年と違い、ただ普通に座っている。

「はあい」

教師が生徒の名前を読み上げ、生徒が返事をする。
何の変哲も無い朝の光景の模倣。
青年の様子と、ここが既に廃れた場所である事を除けば。

「一石二鳥。
 喉から……中に何か隠したの?」

鳥飼だけに?

そんなしょうもない言及はしないでおくとして。
別れる前に言っていた言葉から、何かを隠した、と推測した。

「……ああ、そうだ。これ、稔から借りて来たんだけど…
 骨と一緒にあの缶に入ってたんだ。
 先生、何か知らない?」

連想ののち、取り出したのは誰かの名前らしきものが書かれた布。
あなたと最年少の少年が掘り返した缶に入っていたものだ。

【人】 憂愁 ライカ

>>1 シロマ

「…………白間センパイ」

崩れていく、変わっていく日常。
それをW見出すW余裕もなく、階段に腰を下ろした小さな自分。


「やなこと、あって。
 多分、自分の、せい………で。」

見上げた先───優しい月光に照らされるは
自分が尊敬と信頼を寄せる、貴方だった。

潤みかけた目元を袖で乱暴に拭って
そっと立ち上がれば、貴方月明かりの元へと一歩。

「……センパイ、一人なの。
 僕、一緒に居ても良い……?」

ひとりでは、歩く勇気が出ないから。
隣に温もりが一人分、欲しかった。
(2) 2022/07/06(Wed) 22:44:04

【置】 君の ライカ


朝、おはようって挨拶しあって。
昼、一緒にお弁当を食べて。
夕、色んな所でデートして。
夜、ときどき電話で君の声を聴くのが、寝る前のささやかなご褒美。

「……うん、遅くにごめん。
 たまには……良い、でしょ。」

僕の方が朝早いから、帰ってシャワーを浴びるとすぐ眠くなる。
君の方がちょっぴり夜更かし。

「今日?
 うん、楽しかったね。」

朝になったらまた挨拶しあって、
背伸びで君の寝癖を直してあげて、
転ばないように君の手を握るWいつも通りWが始まるのに。

「……ありがと、
 じゃあ、うん……おやすみ。」

それでも待ちきれなくて、寝るのが勿体無く思えるくらいに
君がすごく好きで仕方ないんだ。

「また明日。」

君と過ごす優しくて甘い日常が
ずっと続くものだと、信じてる。
(L0) 2022/07/06(Wed) 23:16:43
公開: 2022/07/06(Wed) 23:30:00

【人】 かれがれ ユメカワ


職員室の横、来客用の玄関。

普段は使う事が無いし、せっかくだから。
そんな理由でそこを通って校庭へ向かう。

その途中、ふと廊下に設えられた大きな鏡が目に入って。
夜の学校、鏡、いかにもな組み合わせだな。
ほんのすこし足を止め、そんな事を一人思った後。
鏡から視線を外し、その前を通り過ぎていった。

通り過ぎていった。その後も、
鏡の中の夢川は、暫し立ち止まったままそこにいた。
(3) 2022/07/07(Thu) 0:54:01

【人】 かれがれ ユメカワ


ざりざりと、校庭の砂を靴底が踏む。

足音は今はひとつきり。
夢川深雪という人間はきっと自他共に認める寂しがり屋で、
普段から、基本的に他者の存在する場に居る事が大半だけど。
今は誰かと居ても物寂しいばかり、一人とそう変わらない。

だから構わないのだと自分に言い聞かせて。
未だ姿を見掛けない友人は、
単に何か忘れ物でも取りに戻ったのではないか、と。
そんな些細な疑問を解消すべく、一人校庭へ向かう事にした。
(4) 2022/07/07(Thu) 0:55:03

【人】 かれがれ ユメカワ


そうして、校庭に停められた自転車の前まで来たけれど。

……はて、いったいどれが誰の自転車だっただろう・・・・・・・・・・・・・・・・・・
これでは皆で捜している友人が、
今ここに居るのか居ないのかさえ定かじゃない。

「…………あれ、」

そもそも、なんで探してるんだっけ。

そういえば。皆でここに遊びに来て随分経った気がするのに
今日の月は、まだ随分高い所にある気がするような。


────ざあ、

湿気を帯びた風が一つ吹いて、空を見上げた。
答えの無い疑問は、ひと気の無い校庭に転げていくばかり。
(5) 2022/07/07(Thu) 0:58:01
ネコジマは、触れるもののなくなった手をそのまま伸ばしかけて、結局、ただおろした。
(a3) 2022/07/07(Thu) 1:54:30

友達 ネコジマ(匿名)は、メモを貼った。
2022/07/07(Thu) 2:20:05

マユミは、霊感の類が… 72くらいある。
(a4) 2022/07/07(Thu) 4:03:37

【人】 元弓道 マユミ

>>【一日目・校舎裏】 >>1:130

夏といえど日は落ちて、更には木々がその身を重ね光を遮る。
どことなく陰鬱とした空気に満ちる校舎裏、けれどそんなの知ったこっちゃねえと言わんばかりに堂々と土を踏み締め歩く人影がひとりぶん。

「梢ー!こーずーえー!倉庫から戻ってきました。拙は準備万端ですよ、出陣しましょーう!」

スマホの扱いが苦手なわけでもないのに、楽だからという理由で声を張り上げ一時的な探索の相方を探していた。
勇者の剣に見立てた土間箒は置いてきた。代わりに、スコップとシャベルをそれぞれ一本ずつ持ってきている。
(6) 2022/07/07(Thu) 6:09:49
元弓道 マユミは、メモを貼った。
(a5) 2022/07/07(Thu) 6:27:45

マユミは、クリス宛にスタンプ爆撃。ぴこんぴこんぴこんぴこんぴこん。蟷螂animal animal パンダanimal 金魚animal
(a6) 2022/07/07(Thu) 6:40:57

奔放 クリス(匿名)は、メモを貼った。
2022/07/07(Thu) 8:49:47

【人】 陽葉 シロマ

>>2 ライカ

「私が断ると思ったかい?」

青白い明かりに照らされた顔は、いつも通り自信に溢れている。
全てを自分の力で解決しようという意思と行動力。
勿論、それだけじゃ上手くいかないこともある。


「嫌なこと、ね。
 ……もしかして、深雪のことかな」

違っていたらごめんね、と付け加えて少女は貴方の顔色を伺った。
とはいえ、殆ど確信はしていたが。

「解決策が出るとも限らないが……言葉に出して気付くこともある。
 どうだろう?」

導く様に、片手を差し伸べた。
(7) 2022/07/07(Thu) 11:31:31

【人】 陽葉 シロマ

>>【一日目・校舎裏】 >>6

「お、案外道具があったね。よーし、出陣だっ」

少女の抑揚は弾んでいた。
白間だって、幼い頃はお転婆娘と呼ばれていたのだ。

そうして見取り図を見ながら進み、鉄製の取手が地面から生えているのを見つけ。
道具を使って、蓋の上にある土を掘っていく。

「……昔さ、あるかもわからない埋蔵金を探したことがあっただろう。
 何だかあの日を思い出すね」

金があれば、きっと皆喜ぶ筈だからと。
幼いあの日、手当たり次第に地面を掘っていた。
(8) 2022/07/07(Thu) 11:46:20

【人】 友達 ネコジマ

【屋根裏】

一番上、屋根裏のスペースは、下の方にある倉庫とは違って、
すぐに使われるような物はあんまりなくて。
長く長く、ただしまっておかれるだけの物が収められている所だった。


天井の一部が崩れてできた穴は、月明りを広く取り込んでいる。
今日の月は少し眩しいくらいに明るくて。
なんだかとっても近くに見えていて。
まるで誰かを呼んでるみたい。

「ねこや?」

階段みたいに積み上がった箱や瓦礫たちの上、
その向こう側に、猫は行ってしまった。
(9) 2022/07/07(Thu) 11:53:03
友達 ネコジマは、メモを貼った。
(a7) 2022/07/07(Thu) 11:53:52

【人】 友達 ネコジマ

【屋根裏】

「ねこや、ねこや」

「そっちに行っちゃいけないよ」

「落ちたらすごくいたいです」

痛いで済まないかもしれない。

「ねこや、ねこや」

「・・・・・・」

「もしかして、お前も猫島がいいですか?」

「…なんて。猫島はもういなくなるんですよ」

「とらや、とらや」

「そっちも別にいらんでしょう」

「ねこや、ねこや」

「お前は三途の猫ですよ」
 
(10) 2022/07/07(Thu) 11:54:58
友達 ネコジマは、メモを貼った。
(a8) 2022/07/07(Thu) 11:55:58

ユメカワは、校庭から見上げる視線の先、校舎の屋根の上。
(a9) 2022/07/07(Thu) 12:11:12

ユメカワは、小さな影が動いた、ような気がした。見間違えかもね。
(a10) 2022/07/07(Thu) 12:11:28

ネコジマは、期待通りを期待している。
(a11) 2022/07/07(Thu) 12:21:54

ネコジマは、話したいことを話すのに回り道をする。けっこう。たくさん。
(a12) 2022/07/07(Thu) 12:22:21

【人】 元弓道 マユミ

>>【一日目・校舎裏】 >>8

「倉庫ですからね、この手の道具はちゃんとありましたよ」

弾む声を聞いて、大きく変わりこそしないものの瞳がほんの少し細められた。
ああ、なんだか昔何も難しいことを考えず無邪気に遊んでいた頃のよう。

「ああ、そんなこともありましたね。それらしいものを見つける前からお金の使い道考えてたの覚えてますよ。
 拙は『ぴっかぴかのトラクターやトラックが欲しい』とか考えてましたね。拙の家のトラクター、あれ共同購入したものですから」
「梢はあの時どんなお願いしていたのでしたっけ」

半分意識を手元に向けつつ、そんな質問をした。
ザクザクとシャベルを使って草を取り払い、土をどかし、蓋の輪郭を明らかにしていく。

「せーのっ」

全体が見えるほどに土を掘ったら、力任せに蓋を開けた。ぽっかりと、暗闇が口を開けて自分たちを見つめている。
(11) 2022/07/07(Thu) 16:58:05

【人】 チャラ男 ウラミチ

端っこで座り込んでスマホをひたすらタップしている。
夢中でチュムチュムを消し続けている理由は周りを見たら怖いからであるが、肝試しに興味ないという体裁を保っている。
(12) 2022/07/07(Thu) 17:36:20

【人】 長女 カナイ

>>1:144 ウラミチ
えらかとこねぇ、と都会の話を神妙に聞いている。
相槌がのろいのはいつものことで……そのうち、面食らったような顔をして。

ぁえ、え。 
…な、
なおる…かいね


一段と小さな声で呟いたあと。
「たくさん友達できたんね」とかなんとか、言ったあと。

なんとなく、ふつりぽたりとこの会話は潰えることになる。
カナイは話すのが人一倍に、へただから。

その後は、スマホに夢中そうな裏道のそばで。
ぼろっちいベーゴマを弄りながら、ぽけっと座っている時間があったりした。
(咎められたりしないなら、そうなる。)
(13) 2022/07/07(Thu) 18:12:50
貴方の疑問へ頷きを一つ返す。

「名簿に私の名前書かれてたからさ、そこだけ破り取ったんだけど……。
 暗いから燃やすと見つかりそうだし、破いたり埋めたりするのも、やっぱり見つかりそうだったから」

「牧夫に手伝ってもらったんだ」

何の悪びれもなく、少女は語った。
死んだことは結果論であり、自分にそんな意図は無かったとでも言う様に。

貴方の席へ近付き、取り出された布を見つめる。
そっと手に取れば、名前を見て「ああ、」と小さな声を漏らす。

「匠さんのだね。今も住んでるかは知らないが、神社の横に住んでた宮大工の三男坊」

懐かしそうに布の名前を読む。
敬称が付いているあたり、歳上なのだろう。恐らく、数歳以上離れている。


「本人は赤紙が来て行ったきりだから、その前……んー…………」

灯りのない天井を見上げ、暫し考え込む。

「……あ、思い出したぞ。
 それ、空襲で焼けた子達の骨だ。
 部落民だったり、引き取り手がいなかったりしてさ。
 でも匠さんはそういう差別が好きじゃなくてね……」

曰く、彼はそのまま棄てられそうになった友人達の遺骨を一部ずつ盗んで来たという。
帰還してから、しっかりとした供養をするつもりだったのだろう。
それとも、せめてもの供養のつもりであったのか。

「すっかり忘れてよ。
 隠した場所を聞く前に出征してしまったからなぁ……」

【人】 チャラ男 ウラミチ

>>13 カナイ

カナイが傍に居てもウラミチは咎める事はない。
寧ろだれか一緒にいてくれないと困るのはこの男の方だ。
話が途切れても、それはカナイにはよくあることなので特に居心地が悪いこともない。
傍に誰かがいる事に安心してまた話し掛けられるまでスマホをいじっているだろう。
(14) 2022/07/07(Thu) 18:56:44
ネコジマは、凍り付いた。
(a13) 2022/07/07(Thu) 19:12:47

ネコジマは、人を殺そうとしている。
(a14) 2022/07/07(Thu) 19:14:49

【人】 憂愁 ライカ

>>7 シロマ


「……思わない。」

この女性が、誰かの頼みを断っている所を見たことがない。
そして、想像も付かなかった。

それがW貴方Wだ、と、
安堵の息と、小さな笑みを漏らす。

「……違ってない。」

貴方ならば、何でも頼らせてくれるし
なんだって解決してくれるのだろう。
 
────お金のことでも?なんて、浮かんだ思考を振り払う。

きっと、大丈夫だから。


貴方の元へと、もう一歩。そっと手を取る。
そうして、導かれるままに
ゆっくり前を向いて、にっと笑ってやった。
(15) 2022/07/07(Thu) 19:43:51

【人】 憂愁 ライカ

>>7 シロマ

「ね、白間センパイ。
 深雪、引っ越すんだって。もう聞いた?」

月光に照らされて、揺れる二人分の影。
古びた廊下に、足跡が二つ鳴る。

「僕はさ、それ聞いて
 別の世界のことみたいに思えて……
 自分事じゃない、ような感じでさ?
 どうしたら良いか分かんなくて、何も言えなくて。」

あてもなく歩く。歩く。
向かうべき場所なんてない。
ただ足を動かした先にあるのは、
どこかの空き教室だろうか。


「……なのに、深雪が他の奴と居ると嫌なんだ。
 嫌なのに、言えなくて、なんか自己嫌悪、かな……。」

へらり、自虐的に笑う。
愛想尽かされても、仕方ないよな。なんて、ひとりごちて。
(16) 2022/07/07(Thu) 19:45:25
友達 ネコジマは、メモを貼った。
(a15) 2022/07/07(Thu) 19:51:04


「名簿。ずっと持って歩くのもだしね」

もはや机に体重を預けるばかりとなった青年を横目に見遣る。
その動作の中にあるのは、何らかの感慨と言うよりかは納得だ。
あなたが彼を死に至らしめた事そのものは、
やはりこの場に於いて、非難するような事ではないらしかった。

怪異が人に危害を加える事を躊躇うだろうか。
怪異が人を殺める事を躊躇うだろうか。
個々の性質的なものを除けば、きっとそんなことはない。
これはたったそれだけの事。


「………神社の横、あそこかな。ふうん…」

そうして、ぽつりと声が降れば視線はあなたの方へと戻る。
あなたの知る神社は今も健在なまま在って、子供達も知っている。
となればそれと結び付きの深い職業である宮大工の一家も
きっと絶える事無く、健在で居ることだろう。

「じゃあ、ちゃんと埋め直してあげないとだ。
 色々やらなきゃだから、すぐにはできないかもしれないけど。
 ……あと、埋め直す理由も考えておかなきゃね
 あの骨、稔には違うものに見えてたみたいだから」

埋めた誰かが取りに戻って来るかもだとか、そんなのでいいかな。
持ち出されてしまった幾つかも、戻せたらいいんだろうけど。


「……なんでここに埋めたんだろうね?」

そういえば、と。
付け足すようにそんな疑問をふと零した。

その由縁を聞いても、その理由は未だ想像が及ばなくて。
埋めた人や、埋められた人々に何かゆかりがあっただとか
寂しくないようにかな、なんて推測くらいしかできない。

ただ掘り起こされないようにするだけなら、
学校の敷地内より、もう少し外れの方が良いはずなのにね。

カナイは、昇降口にいる。
(a16) 2022/07/07(Thu) 20:21:48

【人】 陽葉 シロマ

>>【一日目・防空壕】>>11

「お母さんの病院代とか言ってた気がする。
 ……でも、本当はね。
 進学の為のお金とか、そんな感じだったんだ。
 今思い返すと、随分可愛げのない子供だったなって思うよ」

勿論、それはお互い様。
苦笑すると、スマートフォンを取り出して録画を開始した。

「今私達は防空壕に来ているよ。
 まずは階段を降りていきま〜す……」

実況しながら、ゆっくり進んで行く。
一人がギリギリ通れる程の通路を降りれば、ぱきんと何かを踏んだ音がした。

「ん、何か踏んだ。
 ……マユちゃーん、明かり頂戴〜っ。何も見えない〜!」
(17) 2022/07/07(Thu) 20:22:58
シロマは、頭蓋骨を踏んだ。
(a17) 2022/07/07(Thu) 20:23:20

【人】 長女 カナイ

【昇降口】

1階、正面入口。ここは、生徒のためのとば口。
並ぶ下駄箱の数が嘗ての在校生の多さを表している。
今となっては見る影もなく、埃を被って朽ちかけているのだが。


ぽちり。スマホのライトを消す。
そうしてしまえば、頼りない空の光だけが残る。
射し込む月あかりが、打ち付けられた板の形に欠けている。

「ぁう…」


暗がりの中、びくびくと怯えるカナイは。
手近な靴箱から、あらためはじめるのだった。
(18) 2022/07/07(Thu) 20:26:48
友達 ネコジマは、メモを貼った。
(a18) 2022/07/07(Thu) 21:01:18

【人】 陽葉 シロマ

>>15 >>16 ライカ

「いいや、初めて聞いた」

貴方が月明かりの下に出れば、すんなりと手は解かれた。
あくまで歩かせるだけだ、とでも言う様に。
自分の足で歩くことを、促す様に。

「うーん、話を聞くに。引っ越しをきっかけに別れ話を出された、って感じかな。
 そして受け入れられてないねぇ、少しもさ」

昇降口が見えてくる。
目指すは隣の空き教室。音楽室や理科室のような、特別な教室はもう誰かが行ったから──理由は只それだけ。

「夏彦がどう思おうと、深雪の気持ちは変わらないわけだし……素直にその気持ちを言っても構わないだろう。
 言っても言わなくても結果が変わらないんだから」

だったら、行動して後悔したい。
白間梢は、そういう人間だった。

「……言えないのは、さ。
 深雪の言葉を聞くのが怖いから、だったりしない?」

貴方と自分はきっと、あまり似ていない。だから、予想だ。

(19) 2022/07/07(Thu) 21:20:00

【人】 陽葉 シロマ

>>15 >>16 >>a18

かしゃん、小さな物音。

「……ん?」

ふと、足を止めて貴方の横顔を見やる。
この暗闇では全貌まではわからないが、昇降口から聞こえて来た気がした。
(20) 2022/07/07(Thu) 21:20:24

【人】 長女 カナイ

>>a18

 
ビクッッ!!


肩を震わせて振り向くと。
ふわ、と夏らしい煙が鼻をつく。
……あ、匂い。
言葉を待たずに、
んぇ。にゃんこだ。
トラ柄が目に入る。

「にゃんこー」


ころり転がって、じきにぱた、と。
倒れ伏すであろう腰吊りの蚊取り線香をよそに、
猫ちゃんのそばにそろーっと、近づいてみたりとか。した。
(21) 2022/07/07(Thu) 21:27:11
友達 ネコジマは、メモを貼った。
(a19) 2022/07/07(Thu) 21:39:15

【置】 いつかの ユメカワ


────追想。



自室。散らかった机の上。
出しっぱなしのラジオペンチ、細かな金具、様々なパーツ。

「…………」

君とお揃いにするならどんなのが良いだろう、と思って。
幾つか作ってみていたピアスの内の、まだ作りかけのもの。
それらを纏めて全部、乱雑に引き出しに入れてしまって。
だってもう必要なくなったから。

渡せもしないものを作ったって意味がない。
楽しかったはずの趣味はどれもこれもつまらない。

だから夜更かしをする理由もなくなったのに、
一度習慣になった就寝の遅さはすぐには変わらなくて。

だから今日も、無意味に液晶を眺めて時間を浪費する。
この頃はずっとそんな空虚な夜を過ごしている。



あんなに何をしていても楽しかったのに。
あんなに明日が来るのが楽しみだったのに。
今じゃ全部全部、嘘みたいだ。
(L1) 2022/07/07(Thu) 21:43:21
公開: 2022/07/07(Thu) 22:00:00

【人】 長女 カナイ

>>a19

「こ こら…」
(覇気ゼロ)

傍にしゃがんで、ねこパンチする腕白を抱える。
ひょいっ。にょーん。猫、伸びる。

やや不安定な膝の上に抱き上げて、ぽしょぽしょ。
毛並みにもうほとんど、顔を埋めるみたいな感じで。


「………ろ、ひと………ろ――ちゃ」
「……、―――て…って、……ぞ。 く…」
(22) 2022/07/07(Thu) 22:02:20

【人】 憂愁 ライカ



「う………、」

ぱっ、と離される手。
大丈夫だ、自分の足で歩かないと。分かってる。

「変わらない、としても、
 深雪の答えを聞いちゃうと、ハッキリW別れ話Wになるでしょ。
 それが………うん、怖くて。」

──そうか、怖いんだ。
自分のことなのに、全然分からなかった。

「結果は変わらない……か。
 それなら、気持ち伝えた方が……良い、の、かな……。」

君の真隣。連れ添って歩く。

「いや………
 でも、今更、だし………、」



──────
カシャン


「え、なに、なに……」

はっ、と貴方と共に足を止めれば
向けられる視線にひとつ頷いて、そっと顔を伸ばして昇降口を覗いた。
(23) 2022/07/07(Thu) 22:06:27
ライカは、カナイと猫が居るなあ、と思った。
(a20) 2022/07/07(Thu) 22:07:54

ライカは、アレ撮ったらダメですか?とシロマへアイコンタクト。
(a21) 2022/07/07(Thu) 22:08:38

シロマは、頷きを一つ返した。撮っちゃえ。
(a22) 2022/07/07(Thu) 22:15:22

ライカは、フラッシュをオフにしてから、シャッターを切った。
(a23) 2022/07/07(Thu) 22:18:07

友達 ネコジマは、メモを貼った。
(a24) 2022/07/07(Thu) 22:19:49

「あ、場所については簡単だ。
 昔はこんなに校庭が広くなくてね、あれくらいの場所が敷地の外れだったのさ。
 後は私に託すつもりだったのかもしれない。
 だからわかりやすい場所に埋めたのかも」

戦後の一時期、増えた生徒数に対応して広げたのだ。
まさか未来であんなに賑やかになるとは思わなかったものだから。
時間も無かったし、きっと急いで埋めたのだろう。

「まあ、どうして地表近くに出て来たのかは知らないけど……。
 賑やかだから、起きちゃったのかもね」

その口振りからは、あまり追求する意思は感じられない。
理由が何であれ、こうして顕になったことは事実だ。
解明することへの利益があるとは思えなかった。

「……そういえばさ、全員って話したけど。
 夏彦も含んじゃって良いのかい?
 準別れ話してる、みたいな話聞いたよ」

準、と付けたのはきっと曖昧な空気であろうことを察してのことだ。

「別に夏彦のこと、嫌いになったわけじゃないんだろうに。
 優しいね、深雪は」

そうじゃなきゃ、一緒にいたいなんて思わない筈だから。
矛盾する貴方の言動を、思い返した。

友達 ネコジマは、メモを貼った。
(a25) 2022/07/07(Thu) 22:39:37

【人】 長女 カナイ

>>a24

 スーーーーッ

これはついつい猫吸いしちゃうカナイ。
ちょっとのあいだ堪能させていただいて……いけね。

「……んぇ」


もたもた、にゃんこを掲げた(?)。
月光を背負いし猫になったりしたと思う。
(24) 2022/07/07(Thu) 22:44:44
カナイは、にゃんこを掲げている。にょーん。
(a26) 2022/07/07(Thu) 22:45:41

ライカは、再びシャッターを切った。パシャ
(a27) 2022/07/07(Thu) 22:59:00

【人】 長女 カナイ

【昇降口】>>a27
ひとけのない……はずだった、昇降口。
ぱしゃ、と紛れもない人工の音が耳に届く。
その方角が、猫パンチを受けた蚊取り線香の行き先だということ。
もうすっかり、カナイの頭からは抜けていた。


「な 
なん……


ゆるゆると転がっていた円盤は、恐らくとっくに倒れている。
はじめに目に入ったのは手前のそれで、
その次に、

月明かりをぬらりと反射する―――


……ひぅ





カメラのレンズ。

(ここで1カメ、2カメ、3カメ)

(25) 2022/07/07(Thu) 23:11:57

【人】 長女 カナイ

【昇降口】>>a27 >>25

―――カメラを構えたライカ。
―――の、隣に佇んでいるシロマ。

―――にゃんこを掲げるカナイ。


「あぇあぇああぁ…」



情けない、よわよわしい悲鳴が昇降口に響いた。らしい。
(26) 2022/07/07(Thu) 23:14:39
カナイは、にゃんこを取り落とし
(a28) 2022/07/07(Thu) 23:15:15

友達 ネコジマは、メモを貼った。
(a29) 2022/07/07(Thu) 23:21:53

【人】 陽葉 シロマ

【昇降口】 カナイ/ライカ

転がって来た蚊取り線香を拾い、こちらに気付いた貴方へ近寄って片膝をつく。

「これ、カナ姉のだよね」

はい、と先程まで猫を抱えていた手に蚊取り線香を乗せて、悪戯っぽく笑った。

「ふふ……この写真をバラ撒かれたくなければ、私達に従うのだ!」

冗談を言うその抑揚は、今は後輩に見せない顔のひとつ。
幼い頃は、外で男の子達とごっこ遊びをする様な子供だった。

「カナ姉、多分教室に引き篭もってあまり出歩いてないだろう?
 ちょっとそこまで行ってみない?」

そこ、と昇降口近くの教室を指差した。
(27) 2022/07/07(Thu) 23:29:55

【人】 憂愁 ライカ

昇降口 >>26 >>27 >>a29 カナイ/シロマ


「安心してくださいよ。
 ちゃんと可愛く撮れてまーす。」

ちょっと暗いけれど、しっかり撮れている2枚のデータを確認しながら
シロマと共に君の元へ歩み寄る。

「……従うのだ〜」

こんな元気なシロマを見るのは初めてかもしれない。
ぱち、ぱち、瞬きしながらもノっておいた。
(28) 2022/07/07(Thu) 23:46:47
ネコジマは、屋根裏の方の倉庫を探索。いい感じ度が1くらいのものを見つけたよ。
(a30) 2022/07/07(Thu) 23:47:46

【人】 長女 カナイ

【昇降口】>>27 >>28

かわ……ぁう。
 ! そ、そぉ」

手渡された、ほんのりあたたかい円盤。
腰に巻くための紐がてろんと垂れ下がる。

「んん、ぃ。いいよ……」

悪戯っぽい……芝居がかった抑揚に、きょとん、として。
それが誘い文句に繋がれば、簡単に頷く。
カナイねーちゃんは昔からけっこう、そんな感じ。

とろとろ立ち上がる。
王子然とした彼女の手を借りて、かもしれない。
(29) 2022/07/07(Thu) 23:54:56

「そっか。頼りにされてたんだ、昔から」

あっさりと返った答えには、素直に納得したようだった。
こうして山地が大きく切り拓かれたのは後の事だろうし、
あなたを頼りにした、というのも有り得そうな話だと思って。

「誰かに見付けてほしかったのかも」

長い間待って、それでも誰も迎えに来なかったから。
それぞれの思いでもってこのような形で留まり続け、
こうして皆の前に姿を現すに至った自分達のように。
そんな事もあるだろうと結論付けた。骨は何も語らないから。


「………夏彦も入れて、全員だよ」

続く問いには目を伏せて、それでもはっきりと言い切った。

「嫌いになれるわけない。
 叶うならずっと一緒に居たかったけど、簡単には言えなくて。
 夏彦の気持ちもわからなかったから、余計に、何も。
 ……俺は、最期のあの日をやり直したくて」

ただ互いにすれ違ってしまっただけなら、やり直せるはずで。
離れ離れになるにしたって、もっと良い形があったはずで。
わからなかった事が、聞きたかった事があって。

せめて、綻びが修正不可能なものになってしまう前に。
やり直そうとしたはずなのに、その前に全てが終わってしまった。
願わくば、そんな最期の日をもう一度だけ。


何れにしたって、自分はもう答えを変えられないのだろうけど。

「だから……夏彦の事は、俺が迎えに行ってもいい?」

本当に好きなら、一緒に来てくれるでしょ?
それとも、もうどうでもよくなっちゃった?
そうだとしたら──それでも、俺はずっと一緒に居たいよ。

カナイは、……というわけで、後輩たち と探検する に従う  こととなった。
(a31) 2022/07/07(Thu) 23:59:37

【人】 陽葉 シロマ

【昇降口】>>28 >>29

勿論、立ち上がる時は王子の様に手を貸した。
こうした所作が自然に出るくらい、白間は昔から世話焼きで。

「ふふ、まあ軽く一階の教室を見て回るだけだから。すぐ戻るよ」

同時に、お転婆娘でもあった。

まずは小手調べと言わんばかりに、隣の教室へのんびりとした足取りで向かう。
雰囲気などあったものではない。
ゲームで言えば最初の町であって、重要なイベントなど起こりうる筈がないのだから。
だから無警戒に、気軽に軋む扉を開けたのだ。

(30) 2022/07/08(Fri) 0:24:05

【人】 陽葉 シロマ

【???】>>28 >>29

立ち止まる。

「…………」

動かない。

「……、……」

先頭に立つ少女は、貴方達より一回り以上背が高く。
故に教室の中は、彼女の背中で見えにくい。

その表情は、ともすればわざとらしく見える程に苦々しかった。
(31) 2022/07/08(Fri) 0:25:29

【人】 憂愁 ライカ

【???】>>29 >>31



歩く、歩く。足跡は三人分。
先導する先輩と、一歩後ろをゆっくり着いてくる先輩。

この先にあるものが、普遍的な日常であると
疑うことすら知らずに歩く。

「司馬センパイ、猫好きなんですね。
 僕も猫結構好きで───、」


──ぎし、がら。 ……きぃ。
開くドア。足を止める貴方。

「………白間センパイ?」
(32) 2022/07/08(Fri) 0:47:05

【人】 憂愁 ライカ


さて。その瞳に何を映すのかと見上げ、
そっと背伸びして、視線の向かう先を覗けば
我々が探していた張本人が居るではないか。

「アー、お前こんなとこに、
 居……た、の……………、」

夜の闇。長身の貴方。
それらが遮る光景を、目を凝らしてよぉく見れば。

「………───ッ、!?」



 地に伏す麦藁帽子。
 机に項垂れる男。

 それが異常であることは、遠目でもわかる。

がたん!ぱき。
大きく後退れば、床が激しく鳴いた。

「なんッ…………、
 う、嘘………………!!」

動揺。混乱。
頭はすっかりパニック状態だと言うのに
その体は。手指は。そうするのが当然だとでも言わんばかりに
肌身離さず持ち歩く、大事なカメラを構えた。
(33) 2022/07/08(Fri) 0:49:01
ライカは、─────パシャ、
(a32) 2022/07/08(Fri) 0:49:40

友達 ネコジマ(匿名)は、メモを貼った。
2022/07/08(Fri) 0:51:40

友達 ネコジマ(匿名)は、メモを貼った。
2022/07/08(Fri) 0:55:15

ライカは、「う、あ、わああぁあ……ッ!!!?」
(a33) 2022/07/08(Fri) 0:58:09

【人】 長女 カナイ

【???】

後ろをついていきながら、「にゃんこ、かいらし」なんて。
辿々しくも和やかに、相槌を打っていたところ。
ガララ、と扉が開かれて。

「んぇ。こずちゃん、なんしたと……」

足を止めた少女を、後ろの後ろから見上げる。
笑みの消えた顔を捉えて、視線の先にのろのろと目を遣って。


 」、 
「ぇう?」



(34) 2022/07/08(Fri) 1:20:39

【人】 長女 カナイ

【???】>>34
─────パシャ、
  


「ぁ ぁ、ぅ」


はく、はく、と唇が開閉したのが二度。
隣の後輩があげた悲鳴で、ひぅ、と。
引き潰れるような音が喉から細く漏れた。

「……まき、お」


カメラのレンズとすらりとした長身の横を抜け、
……こちらへ伸びる、足跡を。
うえから踏みつぶして、よろよろと逆に辿ろうとして。




 
ガタタッ
 
――――ガタン!!!!




足がもつれて、思い切り転んだ。
ついでに机と椅子もいくつか、巻き込んで。
(35) 2022/07/08(Fri) 1:29:56
「勿論だとも。
 最初からそう言うと思ってたさ」

大切な生徒の意思を尊重しない教師がどこにいようか。
いたとしても、それは教師に相応しくない。
少女は、自分の思い描く『理想の先生』である。

「……私は、想いを伝えられなかったから」

戦時中の恋となれば、その結末は想像に難くない。
窓の外、夜空を見つめぽつりと呟いた。

「助言はあんまりできないけれど、上手くいってほしいと思ってる。
 私にできることがあれば、何でも言ってくれ」

現に少女はこうして少女のまま数十年の時を過ごし、留まっているのだから。

【人】 かれがれ ユメカワ


自転車が停められた校庭の一角を後にして。
今度は生徒用の昇降口から、
再び校舎の中へと戻ろうとした、その時だった。

「────、」

そう遠くない場所から。がらんとした校舎に響く音。
聞き慣れた声の、聞き慣れない叫び。大きな物音。
不意に誰かに脅かされたとか、何かにびっくりしただとか、
そういった、日常の中で聞くものとは明確に異なる音。

暫しの逡巡の後。
誰かが玄関口に立て掛けた金属の棒を片手に、
少し早足に、音のした方向へと向かった。

全て杞憂であればそれでいい。
それでも。軽率に廃墟に立ち入ってはいけないとされる本当の理由が、
その実幽霊などではなく、生きた人間なのだと、知っているから。
(36) 2022/07/08(Fri) 1:41:41
ユメカワは、「──どうしたの」。
(a34) 2022/07/08(Fri) 1:42:18

ユメカワは、廊下に見える人影に、少し離れた所から声を掛ける。
(a35) 2022/07/08(Fri) 1:42:33

【人】 陽葉 シロマ

【???】

その大きな物音で、はっと我に帰った様に。
そうっと見慣れた麦わら帽子の元に近付いた。
口元に手をかざして、暫く。

「……ごめんね、見つけるのが遅くなって」

麦わら帽子を拾い、顔を隠すように頭へ被せた。
スマートフォンを取り出して、すい、と少し操作をする。

「寝かせておきたい所だけど……現場保存、しておいた方が良いだろうし」

帽子越しに、遺体を撫でた。
(37) 2022/07/08(Fri) 1:45:46
シロマは、廊下から聞こえた声にひょっこり、顔を出す。
(a36) 2022/07/08(Fri) 1:48:45

シロマは、「牧夫、いたよ」
(a37) 2022/07/08(Fri) 1:49:06

シロマは、ただそれだけ。
(a38) 2022/07/08(Fri) 1:49:21

ユメカワは、疎らに鳴り続ける通知音を聴いて。
(a39) 2022/07/08(Fri) 2:14:44

ユメカワは、それから、顔を出した少女の様子と、その場に漂う雰囲気に。
(a40) 2022/07/08(Fri) 2:14:52

ユメカワは、楽しい時間は、終わってしまったのだとわかった。
(a41) 2022/07/08(Fri) 2:15:01


「……ありがとう」

ゆっくりと、やや俯いていた顔を上げて。
確かな安堵と喜びを表情に浮かべ、眉尻を下げて笑んだ。
あなたはきっと否定はしないと思っていたけれど。
それでもやっぱり、嬉しいものは嬉しくて。

もう既に、盲目的とすら言えるほどにあなたに信頼を寄せている。
あなたがあなたの思い描く『理想の先生』で在る限り、
同じ子どもである『生徒』にとっても、それは理想そのものだから。
そんな存在から受ける後押しは、きっと何よりも心強くて。


「…伝えられなかった、そっか、うん……
 大丈夫、きっと上手くいくよ。
 先生が俺にやり直す機会をくれたんだから、きっと」

夜空を遥かに見る横顔は、少し寂しく感じて。
自分があなたに返せるものはそう多くはないけれど。
あなたが『先生』であるの為の『学校』が、
少しでも明るく良いものになれば。きっとそれが一番で。

これは、やり直す為の機会だ。

自分が、あなたが、
ある時からずっと立ち止まってしまっている場所から。
再び歩き出して、叶わなかった夢を繋ぎ、やり直す為の機会だ。
少なくとも、夢川はそうなのだと信じている。


「そういえば……
 先生は、自分で迎えに行きたいなって人は居る?」

言い知れない物寂しさを感じる内に、ふと思い至る。
自分とまったく同じようなそれではないとしても、
あなたとごく親しい──或いはそのように認識している。
もしもそういった誰かが居るなら、
任せてしまった方が理に適ってもいるはずだから。

「もし居るなら俺、
 その人にはあんまりちょっかいを掛けないようにしておくよ。
 もちろん話すくらいはするだろうけど…」

【人】 元弓道 マユミ

>>【一日目・防空壕】>>17

「いいじゃないですか。つまり拙と梢は現実派だったということです。幼い頃から現実を見つめられると考えれば実にくーるですよ」

悪びれもなくそう答えた。誇ってはいないが、恥じてもいない。己の選択を堂々と正しいものだと思っているようだ。

「はい梢、今行きますよ。
 ……何か踏みましたね?枯れ枝……にしては何とも言えない軽い音がしたような……」

続いて降りて行き、言われるや否やすぐさま懐中電灯を持ったままずいずいと貴方に近付いた。

無遠慮に、二人の周囲の輪郭が暴かれていく……。
(38) 2022/07/08(Fri) 7:15:58

【置】 元弓道 マユミ

『永瀬さん! 永瀬さん!』

その日は先生の荷物運びを手伝っていたから、部室へ行くのが少し遅れて。
先に行っているねと笑いながら向かった同じ弓道部のクラスメイトが転がるように走ってしがみついてきたのは部室の少し手前のほうだった。

彼女は酷く浅い呼吸を繰り返していて、まともに息が吸えているのか見ているこちらが心配になるほどだった。
どうしたんですかと尋ねても彼女は体も唇も震わせてずっと「ぁ」だの「うぅ」だのしか言わない。

仕方がないから彼女を置いて部室に行けば、漸く『待って』とか『部室に』とか意味のある音の連なりを発し始めた。それでも足りない。分からない。

扉の前に来た。やはりクラスメイトは先に来ていたのか、扉は開かれていたがどうにも半端だ。
それに隙間から何かが見える。

……人の形をしている。

『永瀬さん、待って、あの、あのね』

クラスメイトが遅れてやってきて、扉の向こうを指差した。


『××さんが』

『首を』


『吊』
(L2) 2022/07/08(Fri) 7:37:39
公開: 2022/07/08(Fri) 7:40:00
元弓道 マユミは、メモを貼った。
(a42) 2022/07/08(Fri) 7:46:00

ネコジマは、タオルの写真を送信してから、既読をつけていない。
(a43) 2022/07/08(Fri) 7:57:34

【人】 元弓道 マユミ

「栗栖!栗栖!どうしたらいいのですか!貴方は分かりますか?」
「苦しそうです、せめて床に寝かせた方がいいと思うのです」
「×××。泣いている暇があるなら動……、……いえ、拙がやります。無理する必要はありません。こう言う時は動ける人が動くべきです。拙はやれます」


「何故ですか?拙はただ、××が苦しそうだったから寝かせただけです」
「それすらも駄目ですか?拙が××に何かしたとか、証拠を隠そうとしたとか、犯人に見えるのですか?」
「顧問や××と何かあったか?拙は何もしていません」

「皆が困るかもしれない事は、何も」



「………………」

残響が脳髄を掻き毟る。
酷く冷めた息が、唇の隙間から零れ落ちた。
(39) 2022/07/08(Fri) 8:20:30

【人】 陽葉 シロマ

>>【一日目・防空壕】 >>38

照らされた周囲の中でも、一際白い物が数個地面に転がっていた。
理科室で見たことがあるだろう、人間の頭蓋骨だ。
……こちらは本物だが。

うわ!
頭踏んじゃった!
 ごめんなさ〜いっ、わざとじゃないんです!」

恐怖よりも無礼な行いをした、という認識が強いらしい。
踏んだ頭蓋骨に手を合わせて謝っている。

しかし謝った後、きっちりカメラに写した。
撮れ高の良い映像が撮れたことに満足した少女は、液晶上部の通知に気付く。

「……何かあったみたいだね。
 そろそろ校舎戻る?」
(40) 2022/07/08(Fri) 10:01:53

【人】 友達 ネコジマ

【屋根裏】 >>a30

猫がどこかへ行ってしまってから、
気まぐれで探索しようと思うくらいにはここには物があって。
そんな中、布に包まれた板を見つけた。
長い辺が身長よりも大きい四角形。

「…鏡?」

ただの板にしては重いそれを、慎重に床に置いて。
布を広げれば、想像した通りのものがそこにあった。
きっと踊り場あたりから外されて、
こんな所に仕舞い込まれていたんだろう。

鏡を覗きこむ猫島は、あの日の猫島。

「は? …………いや、ねぇでしょ」

目をこすったりしてみるけれど、
錯覚とかそういう類のものではない。
それでも、月が眩しいからだとか、そんなふうに理由をつけて、
月明りが直接当たらない場所に追いやったりだなんてして。

「……ああ、そういう」

そうしたら、鏡の中には今の猫島がいた。
納得したように呟いてはみたけれど、
べつになんにもわかっちゃいない。
(41) 2022/07/08(Fri) 10:26:04
ネコジマは、「いやどういうのすか」 自分でツッコミを入れた。
(a44) 2022/07/08(Fri) 10:26:14

【人】 陽葉 シロマ

>>【???】

永瀬の助言を受け、来家と司馬の前に片膝をつく。少女の方へ、先程の様に手を差し出して。
その表情は、きっといつも通りに見える。

「立てる?
 まずは、明日香達の方に戻ろう」

きっと自発的に動く余裕は無いだろう、そう考えたから。
少年の方にも、「どうかな」と小さく尋ねた。
(42) 2022/07/08(Fri) 10:45:56

【人】 長女 カナイ

【???】>>42

「…ぅ、ぁう…」


巻き込んで倒した机をがたがたぐらぐら鳴らしながら、
のろのろと身を起こす。
ぁえ、いつのまに帽子、被ったん。

―――視界に、差し伸べられる手がすっと割り込む。

「う
。 んぇ…?


カナイは、床にへたんと座り込んだまま。
呆けたような顔で、シロマの顔をぽけっと見上げるだけ。
(43) 2022/07/08(Fri) 12:08:08
ユメカワは、流れていくメッセージをぼんやりと眺めている。
(a45) 2022/07/08(Fri) 12:13:54

ユメカワは、頬の辺りを何度か擦った。
(a46) 2022/07/08(Fri) 12:15:17

【置】 いつかの ユメカワ


────追想。



「──どうしたの、麻弓ちゃん」

たまたま、友達に忘れ物を届けに行った日の事。
まだ自分は中学生で、少し離れた高校の校内は馴染みが薄くて新鮮で。
きょろきょろと知り合いの姿を探している内に、騒ぎの元に辿り着いた。

「何かあったの」

「先生?うん、わかった」

確か、その場から遠ざけられるように、何か頼まれごとをして。
それに素直に頷いてその場を後にしたから、
結局事の次第を知ったのは、もう少し後の事だったな。
(L3) 2022/07/08(Fri) 12:16:12
公開: 2022/07/08(Fri) 12:20:00

【人】 かれがれ ユメカワ

【廊下】

こういう時、どうするのが正解なんだろうな。

なんてぼんやり思うけど、結局は麻弓の言う事が正しくて。
子どもにできる事なんてたかが知れているから。
事態を把握さえしていれば、現場を見に行く必要は無い。

交番でも何でも、この事を大人に伝えに行くのも
一度皆で合流してから、その後の方が良いはずで。

「…………」

だから教室前の廊下で周りの動きを待っている。
付かない既読の数が増えた事に、どこか不安を覚えながら。

教室の中を覗き込もうとはせず、物音だけで様子を窺って。
何か頼み事であったり、手を引いたり、必要があるようであれば
できるかぎり手を貸すけれど、そうでなければ。
明かりを持って、皆で一度、空き教室へ戻る道を先導するだけ。
(44) 2022/07/08(Fri) 12:17:15

【人】 陽葉 シロマ

【???】>>43

「……ちょっと失礼するよっ」

脇の下に手を入れて、ぐっ、と上に持ち上げる。体格差もあり、立たせるくらいはできるだろうか。

何にせよ、そのまま視界を覆う様に抱き寄せて──背中を優しく撫でる。

「……大丈夫、皆がいるから。
 これ以上酷いことにはならないさ」

まるで大人のように。
穏やかな声色で、そっと語りかけた。
(45) 2022/07/08(Fri) 12:24:48

【人】 憂愁 ライカ

【???】

どう、と問われれば
こくこく頷いて、肯定を示す。
元より、それ以外の選択肢なんて思い浮かばないし。


「………、みゆ、き」

早鐘を打つ心臓。
ふらりと廊下へ出れば、見知った顔に、覚える感情は安堵。

「……、」

すぐにでも縋りつきたい衝動をぐっと抑えて、立ちすくむ。
それでも、瞳は、泣き出しそうに夢色だけを映していた。
(46) 2022/07/08(Fri) 12:38:47
ユメカワは、連絡を送って、周りを見渡した。見慣れた虎柄は──今は何処に居るだろう。
(a47) 2022/07/08(Fri) 12:45:38

ユメカワは、そんな事を思った後。ふと聞こえた声。
(a48) 2022/07/08(Fri) 12:46:35

【人】 かれがれ ユメカワ

【廊下】 >>46 ライカ

教室の中から、足音ひとつ。
弱々しく名前を呼ばれて振り向いた先。

「……夏彦」

眉尻を下げて君を呼ぶ。
最後にまともに話したのが、あんな形になってしまって。
こうして顔を合わせても、互いにぎこちなくて。

だからどうにも、こんな状況である事にかこつけたように。
厚かましく言葉を吐いて、手を差し伸べるのは憚られたのだけど。

「一緒に戻ろう。きっと皆、待ってるから…」

それでも、今にも泣き出しそうな君を放っておけなくて。
片手に握っていた金属の棒を壁に立て掛けて、
その場から一歩、踏み出して。空いた片手を君に差し出した。

思えばいつも──君に水を向けるのは、自分の役目だった。
(47) 2022/07/08(Fri) 13:09:52
かれがれ ユメカワ(匿名)は、メモを貼った。
2022/07/08(Fri) 14:04:19

【人】 元弓道 マユミ

「圏外?ううん、それならどうして拙達だけは連絡が取れているのでしょう」

一度、建物の外へ駆け出す。
防空壕の中でも連絡が届いたのだから、何かの間違いだ。
そう言い聞かせながら電波が届きそうな場所を探す。

* おかけになった電話は電波の届かない場所にあるか、電源が入っていないためかかりません*
* おかけになった電話は電波の届かない場所にあるか、電源が入っていないためかかりません*
* おかけになった電話は電波の届かない場所にあるか、電源が入っていないためかかりません*

「……」

……

* おかけになった電話は……*
(48) 2022/07/08(Fri) 17:08:17

【人】 元弓道 マユミ

「…………あ、れ」

電波の届く場所を探して、結構走った筈だ。
走った途中で、「同時に交番に行くのは皆と合流してからのほうがいい」と気付きながらも足を止めなかった。

それなのに。

見覚えがある。
来た直後、記念にと写真に撮ってグループラインに載せたのだから。
その時と違うのは、誰の背中もないところ。あの時はまだ、他の九人分姿がちゃぁんとあった。

確かに学校を出て、坂を下った筈だった。

それなのに何故、自分は学校の前にいる?
(49) 2022/07/08(Fri) 17:13:16
ネコジマは、声が震えている。
(a49) 2022/07/08(Fri) 17:29:50

ネコジマは、間に合ったと思っている。
(a50) 2022/07/08(Fri) 17:33:23

ネコジマは、手遅れなのを知らない。
(a51) 2022/07/08(Fri) 17:33:27

かれがれ ユメカワ(匿名)は、メモを貼った。
2022/07/08(Fri) 17:34:50

友達 ネコジマは、メモを貼った。
(a52) 2022/07/08(Fri) 17:51:34

【人】 長女 カナイ

【???】>>45

「……こず、ちゃ」


カナイは簡単に持ち上がり、引き寄せられる。
暗色のフードからくぐもった声が返るほかには何もなく。

「だい ……ぉぶ、」


なされるがまま、棒立ちの身体を預けていた。
(50) 2022/07/08(Fri) 18:35:57

【人】 陽葉 シロマ

【???】>>50

「よし、よし。一緒に行こう」

背丈があっても、男の子ではないから。流石に軽々と、とはいかないけれど。
ぐい、と貴方を抱え上げて歩き出す。

「誰かと一緒なら、怖くないよ」


そう耳元で囁いて。
重い足音を軋ませ、2人の少女は廊下の奥へ進んで行った。
(51) 2022/07/08(Fri) 19:22:44
「ん〜……そうだな、是非とも招きたい子はいるね。
 マユちゃんとか、カナ姉とか。
 何だか生きにくそうに見えちゃってさ……」

個人的な思い入れのある子供、というのは今のところ無いようだ。
それは平等に生徒達と接する、『先生』としての立場を踏まえた姿勢でもある。

しかし。
見えない圧力を受けている同性に対しての同情は、やはり拭えない。

「絶対自分の手で迎えに行きたい、ってわけじゃなくてね。
 こっち側に引き込みさえできれば良いんだ」

だから自由に過ごしてほしいな、と。
少女は笑っていた。

【人】 憂愁 ライカ

【廊下】 >>47 ユメカワ


「……………」

こく、と、先程よりも力無く頷いて
視線を彷徨わせてから、一歩、君の元へ寄れば、差し出してくれる手を、おずおずと握る。
よそよそしかった時間を少しずつ埋めるみたいに。


───嗚呼、ずっと欲しかった温もりだ。
Wこんな状況Wじゃないと、踏み出せなかった大きな一歩。

「うん……もどる……、
 
びっくり、し……た……。


いつだって君の優しさに甘えてきたから
今日だって、君の名前を呼んでしまった。

「深雪、その……、」

先輩たちを一瞥すれば、あちらはあちらで大丈夫そうなので
情けない男は、そうして君と連れ添って、委ねて、歩いていく。

「……………何でもない。
 情けないとこ見せて、ごめん。」

勇気は、まだまだ何歩も足りてない。
(52) 2022/07/08(Fri) 20:18:26
ネコジマは、グループチャットに既読をつけました。
(a53) 2022/07/08(Fri) 21:25:39

【人】 元弓道 マユミ

>>【一日目・防空壕】 >>40

「戦時中のものでしょうか。傷つけてしまってすみません、ゆっくり眠ってほしいのです」

こちらも恐れよりも死んだ人間に対する謝罪の方が先に飛び出した。こちらも懐中電灯を持ったままではあるが、手を合わせて一礼。

同じように通知に目を向けて、少女は顔を見合わせる。

「そうですね。皆さんに何かあったら肝試しどころではありません。
 拙はこの亡くなった人たちがまた踏まれないように、少しずらしたり防空壕の蓋に土を被せてなるべく綺麗に戻してから学校に向かおうと思います。それで問題ないですね?」
(53) 2022/07/08(Fri) 22:06:04
シロマは、「……ありがとう」
(a54) 2022/07/08(Fri) 22:13:00

シロマは、永瀬へ小さく、しかし嬉しそうに告げた。
(a55) 2022/07/08(Fri) 22:13:25

【人】 長女 カナイ

【???】>>51

ぁう。
あぇ…」

抱え上げられ、至れり尽くせり。
年下の少女の足で、教室の出入り口をくぐる。

ぼそぼそと話す声が、廊下の暗がりへ消えていく。
ぷらんと浮く脚に、青紫の鈍い痛みが染みついていた。

「す すまね」
「ねーちゃん、また ぼんやりしとぉた、なぁ…」
(54) 2022/07/08(Fri) 22:19:06

【人】 かれがれ ユメカワ

【廊下】 >>52 ライカ

遠慮がちに手と手が触れ合って、
これまでずっと取れずに居た手を、壊れ物みたいにそっと握った。

「…………」

殆ど無意識に──以前のように手を繋ごうとする動きは。
きっと途中で固まって、実に半端な繋ぎ方になったんだろうな。

「仕方ないよ。
 冷静でいられなくたって…多分、それが普通の事だから」

「だから……少し安心したんだ、俺」

知人の死に動揺するのは、まったく普通の事だから。
努めて冷静であろうとする事だってきっと正常なのだろうけど、
不安を無理に心の内に押し込めてしまったり、或いは。
すっかり割り切ってしまえる事の方が、何だか恐ろしい。

夢川が取り乱さずに居られたのはきっと、現場を直視していないから。
白間だって、連絡から察するに幾らかの動揺はあっただろう。
栗栖や麻弓であれば──あの光景を客観視する事ができただろうか?


詮無い考えに耽っていても、仕方ない。
だから今は君の方に意識を向けて、これまでのように手を引いて。
きっと少し前を行く二人の後に、ふたり続いて行った。
(55) 2022/07/08(Fri) 22:27:23
ユメカワは、約束ひとつ。待ってるよ。
(a56) 2022/07/08(Fri) 23:28:07

【人】 憂愁 ライカ

【廊下】 >>55 ユメカワ

五指を揃えて手を繋ごうとして、君の指が開いて。
なんだか友達とも、恋人とも違う、中途半端な繋がり方をした。

「安心……?」

大人っぽく背も伸びて、心に余裕も持ったりして
君の頭を簡単に撫でられるくらいになりたいのに。
全然理想からは程遠くて───それが安心感を与えるのなら、悪くはないか、と、複雑に首を傾げた。

「……僕、は、
 深雪が見ちゃわなくて
 良かった………と、思った……。」

いつだって、心の隅には君が居る。
言外に、伝わるだろうか。
こんな言い方しか出来ないんだから、伝わらなくても良いや。
───なんて諦めちゃうから、きっと、こんなことになったんだろうな。



……ふたりと、ふたり分の足音。
ぎこちない指同士の隙間が、なんだか寂しく感じてしまって
ぎゅ、と君の手を強く握るのだった。
(56) 2022/07/09(Sat) 0:03:01
ライカは、ほとり。───カメラのレンズに、ひと雫。
(a57) 2022/07/09(Sat) 0:06:00


「生きにくそう……それは、俺もそう思うな」

各々を取り巻く事情の、その全てを知っている訳ではないけれど。
ただ、死ぬ理由が無いから生きているだけのような。
そんなふうに見える同年代が身近に多い事は、事実だった。

このまま生き続けていても、
きっと状況が今より良くなるかなんて分の悪い賭けだ。
なら、ここで賭けを降りて、皆で永遠を過ごしたっていいはずだ。

そんなのはきっと、死者の傲慢でしかないのだけど。


「わかった。
 もし後から何か事情が変わったら、その時は教えてね」

あなたの笑顔にひとつ頷いて、その後は。

以前の約束通り、控えめな音量で音楽を流したり、聴いたり。
ごくありふれた学校の休み時間のような、束の間の一時。
きっとそんなささやかな時間が、どこかの教室に流れていた。

【置】 友達 ネコジマ


猫島 稔という奴は、昔から自分のことを猫島と呼んでいた。
 
 山子さんところのお孫さん。
 山子さんところの不出来な娘のお子さん。
 山子さんところの──……。

 
母さんは猫島で、自分も猫島なのに、
猫島と呼ばれないのが不思議で仕方なかった。
 
小学校の人の多くは、猫島を下の名前で呼ぶものだった。
人数が少ない分、距離が近かったし、
土地柄、同じ名字の子どもが結構いるからね。
猫島は……他にはいなかったけれども。
  

それだからなおのこと主張するように、
彼は自分を猫島だと言っていた。   
  
そうしないと、なんだか自分というものが
わからなくなってしまいそうで。
どうにも妙な強迫観念だけれども、
そんなふうに彼が思っていた事実はあって。
 
皆がみのると呼んでくれるから、
自分で言うのとあわせて、猫島は猫島 稔だった。

 

猫島の母は近々離婚をする。その予定だ。       
猫島には戻らないで、山子にまで名字を戻すらしい。  
余程のことがなければ、三途からもう出ないだろうしね。

彼が猫島 稔でいたのは十年と半年もいかないくらいで、
寅谷 稔でいたのは三年ぽっちくらいで、
これから先は、きっと死ぬまで山子 稔なのだ。
 
(L4) 2022/07/09(Sat) 0:21:48
公開: 2022/07/09(Sat) 0:25:00
ネコジマは、あの頃とは違う理由で、自分を猫島と言っている。
(a58) 2022/07/09(Sat) 0:22:05

ネコジマは、寅谷の時間が好きじゃなかった。裏切られる期待もない。
(a59) 2022/07/09(Sat) 0:22:30

ネコジマは、山子の時間が好きになれるかはまだわからない。期待を裏切られるかも。
(a60) 2022/07/09(Sat) 0:22:34

ネコジマは、三途での猫島の時間が好きだった。期待を裏切られない。
(a61) 2022/07/09(Sat) 0:22:46

ネコジマは、自分が猫島 稔だったと認識している数年間の思い出に縋って生きてきた。耐えてきた。
(a62) 2022/07/09(Sat) 0:22:59

ネコジマは、猫島 稔の周りにいた、両手の指の数にも満たないくらいの人たちのことが大好きだ。
(a63) 2022/07/09(Sat) 0:23:18

マユミは、白間にどういたしまして、と柔らかな声で告げて別れたのだった。>>a54 >>a55
(a64) 2022/07/09(Sat) 0:31:44

ユメカワは、今でも、きっとこれからも、君の事が好きだ。
(a65) 2022/07/09(Sat) 3:51:34

ユメカワは、もしかしたら、その想いが一方的でない事さえ伝えられたなら。
(a66) 2022/07/09(Sat) 3:55:19

ユメカワは、あの日も、それで十分だったのかもしれない。
(a67) 2022/07/09(Sat) 3:56:00

ネコジマは、あなたと同じで寂しがり屋だけど、見栄っ張りでもありますから。
(a68) 2022/07/09(Sat) 18:13:56

ネコジマは、夢川にスタンプ送信。『( ・´ー・`)』 多分ちゃんと了解しました、これは。
(a69) 2022/07/09(Sat) 18:15:25

ユメカワは、スタンプで返信。👍。
(a70) 2022/07/09(Sat) 18:50:41

陽葉 シロマ(匿名)は、メモを貼った。
2022/07/09(Sat) 19:09:02

陽葉 シロマ(匿名)は、メモを貼った。
2022/07/09(Sat) 19:09:37

【置】 元弓道 マユミ

────追想。

「ああ、深雪ですか」

来年高校に入ってくる年下の友達。自分と違って可愛くって落ち着いていて、でも実は結構行動力がある。そんな、お友達。

彼の姿を捉えた時の少女はどこかそわそわ。きりりとした柳眉もほんの少し困ったように歪んでいる。

「ちょっと部活で色々あって。忙しくなっちゃったんです」
「先生を呼んできてもらえますか?誰でも構いませんので」

もっと上手に誤魔化せたら良かったのだけど、自分にそんな器量など無い。
いかにも何か起きています、といった空気を和らげることも叶わないまま、どこか切迫した雰囲気を纏いながら夢色の彼を遠ざけることしか出来なかった。
(L5) 2022/07/09(Sat) 20:32:36
公開: 2022/07/09(Sat) 20:35:00

【人】 元弓道 マユミ

>>a52 にゃんこ

「む。貴方は……稔のお友達の猫ですね」

なんかおるー、くらいの能天気さで足元うろうろしてくる可愛いいきもの。
不可思議な事が起きていると混乱しかけていた脳が一瞬柔らかくなった。無意識のうちに緊張していた体も少し落ち着いた気がする。
内心「猫や、ありがとうございます」とお礼を述べつつ中腰になって猫を見やる。

「探検終わって満足したら、稔のとこに戻るのですよ」

無理に捕まえるのは気ままに生きる猫にたいしてよろしくないかもしれない。そう判断した少女はそれだけ声をかけて、学校へと戻っていった。
少女は彼が猫を探していないことを知らないのだ。
(57) 2022/07/09(Sat) 20:48:07

【置】 いつかの ユメカワ


────追想。



心ここにあらず。液晶を眺めながら最寄り駅のホームで電車を待つ。

どうしようもなく気が重くて、時間が随分長く感じた。
引っ越し先の周りまで出掛けよう。姉との待ち合わせの日だった。
だから、ちゃんと笑っていられるかわからなくて。

どうにもならない事なのだから、それを受け入れるしかないのに。
いつまで経っても気持ちがついて来る事なんて無くて、
だから楽しげに引っ越した後の事を話す家族に
上手く調子を合わせられもしない。それが余計に息苦しい。

先の事なんて、考えても憂鬱なばかりだ。
何もかもが全て、変わらずにいられたならよかったのに。
大切な時間を切り取った写真のように。


不意に聞き慣れた発着音が聴こえて、ふと顔を上げた。
何処か物寂しさを感じさせる『きらきら星』。

ああ、いきたくないな。
(L6) 2022/07/09(Sat) 21:34:45
公開: 2022/07/09(Sat) 21:50:00
ユメカワは、皆と居る日々が好きだった。なんでもない日々がよかった。
(a71) 2022/07/09(Sat) 21:43:14

ユメカワは、変わらずにいたかった。叶うなら、いつまでも。
(a72) 2022/07/09(Sat) 21:43:46

【人】 元弓道 マユミ

>>白間

『梢』

それは遊びに来た友人の一人が死んだと、連絡を受けて暫くした後。

『貴方、少しは休みましたか?』
『正直に申告するように。嘘ついたらくすぐり40分の刑です』

自分と探索したり仲間の遺体発見したり。色々な事が起きているだろうが、周りに人がいる限りあの少女は毅然とした態度を取り続けているだろうから。
グループラインではなく個人宛のメッセージでそのような文章を送る。
(58) 2022/07/10(Sun) 0:14:34
ライカは、君の手の甲に、手のひらを添えて。
(a73) 2022/07/10(Sun) 1:14:20

ライカは、背伸びをして、口付けをひとつ。
(a74) 2022/07/10(Sun) 1:14:43

【人】 陽葉 シロマ

>>58 マユミ

「おぅ……」

周囲の人間をちら、と見遣った後。
隠れるように返信を打った。

『お茶飲みます』

40分という現実的な時間に、いざとなれば実践するのだろうと思いつつ。
申告ついでの休憩宣言であった。

移動したのだろう。
暫くしてから続いた。

『でもそれ言ったら、マユちゃんもだよ』
『一緒にお茶する?』
『ピアノが鳴れば、喫茶店みたいなものだよ』

しかし貴方だって、自分と探索したり山を降りようと試みたりしている筈だ。
お互い様ではないかと言うつもりで、続けて送信する。
(59) 2022/07/10(Sun) 4:50:05
陽葉 シロマは、メモを貼った。
(a75) 2022/07/10(Sun) 4:50:43

ユメカワは、腕の中の君に囁きかけて。
(a76) 2022/07/10(Sun) 4:55:53

ユメカワは、静かに笑っていた。
(a77) 2022/07/10(Sun) 4:55:59

【人】 元弓道 マユミ

>>59 シロマ

『よろしい。頑張ることは褒めるべきことですが、度が過ぎれば一転して褒められないことになりますからね』

お互い様と言いたげなメッセージを見てふむと唸った。
ここで此方が無理を通せば、彼方も今後ちゃんと休んでくれないかもしれない。それは避けたいことだ。

『はい。それじゃあお茶の時間にしましょう』
『音楽室ですね。わかりました、そちらにすぐに向かいます』

他にも貴方の様子をこの目で確認したかったので好都合だ。
少し待っていてくださいね、と締めくくってからすぐに目的地へと移動した。


…………
……

「たのもー!お客様一名来店ですよ!」

暫くして、喫茶店にはたいへん不釣り合いな名乗りのもとドアをすぱんと開けるモンスターお客様が来店した。
(60) 2022/07/10(Sun) 5:11:22
ライカは、震える唇で、言葉を紡ぐ。
(a78) 2022/07/10(Sun) 8:32:43

ライカは、「すき、だから。」
(a79) 2022/07/10(Sun) 8:33:13

【人】 陽葉 シロマ

>>60 マユミ

「いらっしゃいませ〜。
 お好きな席にどうぞ。……こんな感じ?」

少女は半円状に並べられた椅子のひとつに腰掛け、水筒の中身を飲んでいた。
予め持って来ていたようだ。

「ピアノが鳴ってただろう?
 鳴る瞬間ってどんな感じなのか気になって来てみたんだけど、まだ鳴りそうにもないんだ」

朽ちかけたピアノを眺め、からんと水筒の中身を揺らす。

「……マユちゃん、何か弾けたりしない?」

演奏なら、教師を志していたこの少女の方ができそうなものだが。
今は弾く気分では無いのかもしれない。
(61) 2022/07/10(Sun) 9:35:29
ユメカワは、大好きな君と、もう一度。
(a80) 2022/07/10(Sun) 15:11:42

ユメカワは、同じ夢が見たい。
(a81) 2022/07/10(Sun) 15:11:48

ユメカワは、迷わない。ただそれだけを願って──手を伸ばした。
(a82) 2022/07/10(Sun) 15:12:17

ライカは、君が好きだ。君の隣に居たい。
(a83) 2022/07/10(Sun) 17:57:05

ライカは、────、
(a84) 2022/07/10(Sun) 17:59:15

ライカは、君を、思い切り突き飛ばした。
(a85) 2022/07/10(Sun) 17:59:33

ライカは、確かに君の事が好きだ。
(a86) 2022/07/10(Sun) 18:00:58

ライカは、君を置いて、廊下を駆けて行った。
(a87) 2022/07/10(Sun) 18:01:30

ユメカワは、君が好きだ。
(a88) 2022/07/10(Sun) 19:58:05

ユメカワは、君とずっと一緒に居たい。それだけなのに。
(a89) 2022/07/10(Sun) 19:58:20

ユメカワは、暫しの間、廊下に一人茫然と立ち尽くしていた。
(a90) 2022/07/10(Sun) 20:00:34

ユメカワは、君の背を追えなかった。
(a91) 2022/07/10(Sun) 20:00:41

ユメカワは、───君の事が、好きなのに。
(a92) 2022/07/10(Sun) 20:00:47

ネコジマは、「またね裏ニイ」 別れてまた学校探検隊。まだ何も起こってなんていないと思っていた時のこと。
(a93) 2022/07/10(Sun) 20:09:13

【人】 元弓道 マユミ

>>61 シロマ

店員さんに促されれば、貴方の隣にすとんと腰を下ろした。持ってきていたボトルを取り出して、ぐびぐびと一気に中のスポーツドリンクを呷る。

「そういえば、ぽろぽろ鳴っていましたね。ここのピアニストはおシャイなんでしょうか。折角ここに楽しみにしている観客がいるというのに、勿体無いですね」

唇の端を濡らす雫を豪快に手の甲で拭いながら、同じようにピアノを眺める。
二人とも率先して探索をするようなお転婆娘とじゃじゃ馬娘ではあったが、ピアノを弾くなら運動のみならず勉強等も出来る白間の方が適任であることくらいこの二人を知るものなら分かるだろう。本人たちなら尚の事。

「ふむ。そうですね、拙の得意な楽器はカスタネットではありますが……梢の折角のリクエストです。今だけピアニストになるとしましょう!」

弾く気分ではないのだろうと察し、右肩をぐるぐる回しながらピアノへと近づいた。
そして白と黒の舞台に、少女の硬くなった指が乗せられて──。

(62) 2022/07/10(Sun) 20:44:07
友達 ネコジマは、メモを貼った。
(a94) 2022/07/10(Sun) 20:44:10

マユミは、ピアノの演奏技術は58くらい。
(a95) 2022/07/10(Sun) 20:45:05

【人】 元弓道 マユミ

>>62 シロマ

「……ど、ど、そ、そ、ら、ら、そ……」

人差し指で丁寧に鍵盤を押していく。
弾いているというより、何かのスイッチをぽちぽち押しているといったほうが正しいかもしれない。

芸術とは無縁の少女である、ピアノなどろくに弾けやしなかったが、「きらきら星」くらいは覚えているらしい。腕前も上手くはないが、途切れることはなく壊滅的というわけでもなさそうだ。


ぽろん。ぽろん。ぽろん。


暫くの間、今限りのピアニストは朽ちた世界の中でたどたどしくも少女の為に弾き続けたのだった。

「……ふう!やりきりましたよ!梢!」
(63) 2022/07/10(Sun) 20:49:54
ネコジマは、軍歌の気配をはらんだピアノの旋律を聞いていた。
(a96) 2022/07/10(Sun) 20:57:58

【人】 友達 ネコジマ

>>a96

「……?」

誰が弾いたかわからないピアノの音は、結構すぐに止んだ。

猫島は音楽室には寄りたいと思っていたから。
思っていたけど、意地っ張りの延長で行けていなかったから。

だから足が向きかけたけど、寄り道しないって言ったからね。
(64) 2022/07/10(Sun) 20:58:35
ネコジマは、屋根裏から空き教室へ。まっすぐ向かったのでした。
(a97) 2022/07/10(Sun) 20:58:54

【置】 出席番号 縺斐a繧薙↑番 カナイ

────起立、気をつけ。
どこか懐かしさを覚える、快活な声が脳の裏を焼く。

んぁ、と間の抜けた覚醒。

鳴き声の主は、がばりと身を起こす。
大きな、長袖のパーカーを身に纏った小柄な少女だった。
着席の姿勢を保った少女が居るのはどこか暗い一室のようで、目の前の机に突っ伏して眠っていたらしい。
窓から鈍く刺しこむ月明かりのほかに光源は存在せず、掛け時計のあるべき壁にはその痕だけが残されて。今が何時なのか、見当もつかない。

すぐにでも窓の外を見に行きたかったけれど、逸る気と裏腹にどうにも手足に力が戻らない。
次第に思考も霞がかって、只ぼんやりと月の光に照らされていた。


じりじりとした時間が過ぎて、薄闇に目が慣れた頃。
再び正面に視線を戻せば、黒い板が目に飛び込む。
壁を横切る堂々とした質量に加えてこちらを向き鎮座する教卓とくれば、ここが教室であることは一目瞭然だった。

自分は、一体いつから眠っていたのだろう。

不安を覚えた少女は、ぐるりと辺りを見回す。
静けさが耳に痛いほどで、毛羽立った居たたまれなさが際立つ。
息を潜めるように、焦れったい程にゆっくりゆっくりと正面から視線をずらせば────視界の端に、人影が、引っ掛かる。
誰かが、斜め前の席に突っ伏している。

皺の寄ったシャツが月を反射して、白々と冴えていた。
いつからそこに在ったのだろう。ひぅ、と息を呑む。
しっかりとした体格を表すような広々とした背中、男の子のように見える。
身じろぎ一つしない背中が、生物の形をした置物のようで薄ら寒い。

肩越しにどうにか彼の顔を見られないかと思い立ち、座ったまま首を伸ばすと、
(L7) 2022/07/10(Sun) 20:58:56
公開: 2022/07/10(Sun) 21:00:00

【置】 出席番号 縺斐a繧薙↑番 カナイ


頭には、見慣れた麦わら帽子



雲間が途切れ、窓から入る光がさっと床を照らし出す。
埃を掻き分け踏んだ幾つもの、人と猫の足跡。細く、僅かに伸びた赤い痕跡。

つん、と鉄臭さが少女の鼻をつく。

些か唐突に過ぎるそれは、路傍の石が不意に思い出されたようなものだった。
記憶の底から立ちのぼるような、まだ新しい血の匂いは、一気に生々しさを以って少女に迫る。


 
―――え?



息を殺していたことも忘れ、跳ね上がるように立ち上がる。
しかし間もなく追いかけてくるはずの、


椅子の倒れる音は、いつまで経っても響かなかった。
(L8) 2022/07/10(Sun) 20:59:31
公開: 2022/07/10(Sun) 21:00:00
 




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0回 残 たくさん

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一緒にいこうか

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0回 残 たくさん

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0回 残 たくさん

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2回 残 たくさん

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