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【人】 高山 智恵 ふっとこみ上げてきた期待を私は抑えて、努めて平静を保って言葉を続けた。 「……そう、だね。変だったよ私。 なんっていうか、その、ごめん。 変に勘違いしてこんな電話しちゃったりして」 『電話のことは気にしないでください。 私も最近、高山さんに電話したほうが いいかどうか考えてました』 「え?」 この後にナナが続けた話は、不倫疑惑の件やその真相解明とは別の意味で、少しばかり衝撃的だった。 (104) 2022/10/24(Mon) 12:39:01 |
【人】 高山 智恵 曰く、ナナは去年の退職後、確かにカフェの開業を目指して本格的に動き出していた。店舗の場所探し、資金集め、食材の仕入れ先の確保などなど……勿論、オリジナルのメニューの開発も。 こうしたことにひとりきりで取り組み始めた結果、半年ほど前に、文字通り、倒れたのだという。 そういえば確かに一時期、チャットで写真が来なかった時があったけれど……結局1週間くらいでまた写真が届き始めたから、単に忙しくなってたのかなくらいにしか思ってなかったんだ。 結局この件で実家の親御さんまで病院にやってくる始末となり、それ以降は実家に戻って(戻されて)暮らしているとのこと。カフェの新規開業の計画も、一旦白紙に戻すことになったらしい。 (そう、彼女にはちゃんと、いざという時に頼みにできる親御さんがいるんだ) で、暫くは仕事のことは考えずに静養しなさい……と親からも医者からも言われていたんだけれど、それでも、カフェをやる、という“ 使命 ”は彼女の中で消えないままで。 親御さんとも相談した結果、まずは文字通り手を貸してくれる仲間を集めてからにしなさい、ということになったんだって。 ……なんとなく、彼女ならこうなりそうな気はしていたんだ。 だからこの話から受けた衝撃も、「少しばかり」程度のものになってしまった。 (105) 2022/10/24(Mon) 12:41:16 |
【人】 高山 智恵「そっか、黒江さん。そうだったんだ。 ……いや、めちゃくちゃ大変だったんだね」 それ、私にくらいその時に話してくれて良かったのに――と言いそうになった口を噤む。 ちゃんと頼れる親御さんがいる彼女に対し、ただの元同僚の私なんかに言えることじゃないでしょって。 ――助けてあげたい。 そう思ったって、助けてほしい相手は私って訳じゃないでしょって、私はひとり思い直したんだ。 ――わざわざナナが私に電話しようとしていたことの意味も考えずに、ね。 (106) 2022/10/24(Mon) 12:42:02 |
【人】 高山 智恵『はい、大変でした。なので、 私よりもマネジメントが得意な高山さんに オープニングスタッフになって貰いたいです』 …………あの、ナナ、あなた今なんて言った?? とっさには何も彼女に返せず、「えー」だの「あー」だのといったしどろもどろな声ばかりが喉からこぼれ出る。 っていうかオープニングスタッフって言うけれど、カフェ開業計画は一旦白紙に戻してそれっきりなんだよね? 今はもうちょっと先にやることない?? いやそれとも単に計画とか準備とかを一緒に手伝ってほしいってだけの意味合い? 正直、私自身かなり混乱していて、この時きちんと筋道立てて考えられていたのか自信がない。 「あ。うん、だから私に電話しようとしてたんだ……。 うん、そう言って貰えるのは嬉しいん、だけれど。 ちょっとこっちの勤務とかのこともあるから すぐさまスタッフに〜っていうのは難しいかな……」 実際今の私は正社員の身分だ。それは彼女も当然把握している。 本気でナナの店に移るとなれば、うちのカフェでもそれ相応の引き継ぎをきちんと行わなければならない。私も将来独立を考えてるってことは店長も聞いてるから>>2:105、そこまで強硬に引き止められる……ってことはないと思う、けれど。 というかこれ、古巣からの人材引き抜きってやつじゃ……。ナナ本当に堂々とこういうこと言うよね……。 (107) 2022/10/24(Mon) 12:42:57 |
【人】 高山 智恵『難しい、ということは、ダメってことですか?』 「あ、ううん、そうじゃなくて―― いや、うん。本当にダメかも。 流石にうちの店を無責任に出て行くのはできないから もしそっちのオープン時に引き継ぎ間に合いそうなら スタッフになる、くらいに考えといて」 「分かりました」と答えたナナの声色があからさまにしょぼんとしていたので、誤解を避けるためにもう少しだけ付け加える。 「でもさ、資金集めとか仕入れ先のこととか、 そういう事前準備で今からでもやれることあったら 今の私にできる範囲で、ちゃんと力になるから。 そういうのは本当遠慮なく伝えてよ」 これに続いての「分かりました」は、明らかに先ほどと異なる声の弾み方だった。 ……彼女、本当に私のことをアテにしていたってことらしい。 (108) 2022/10/24(Mon) 12:45:06 |
【人】 高山 智恵「あと親御さんとかにも言われてるかもだけれど、 協力者は多ければ多いに越したことないから、 私の他にもちゃんと仲間見つけておくんだよ」 『分かってます』 あ、この「分かってます」はちょっとイラッとしているやつだ。こういうところがこの娘は……。 尤もこうは言ったものの、私の方でもちょっと人材は見つけておいた方がいいかな、とは考えている。 いや流石にうちのバイトの子を大量に引き抜くとかそういうことはしないけれど。そもそも勤務地遠くて無理とか出てくるだろうし。立地どうなるかにもよるけれど。 「じゃあ、何かあったら連絡して。 こっちでも何かあったらまた電話するから」 『はい。分かりました。それでは――』 いやいや、まさか不倫疑惑からこんな話に発展するとは……。 そう思いながら通話を終えようとして――ふっと、零していた。 (109) 2022/10/24(Mon) 12:45:42 |
【人】 高山 智恵「それと、だけれど」 『……どうしましたか?』 幸い、ナナはすぐさまに通話を切ってしまう前に、私が零したことに気づいてくれた……いや、「幸い」って言うべきなのかな、これ。 「ううん、何でもない」の一言で誤魔化しちゃおうかとも考えたけれど、変に含みを残したまま話を打ち切ってしまうのもどうかと思い直して話を続けることにした。彼女、こういうことがあると、けろっと忘れてることもあれば執拗に覚えていることもあるので……。 「それが、その」 『はい』 「えっと、さあ……」 話を続けることにはしたものの、肝心のその先が見つからない。私のそんな躊躇いにも、ナナが通話を打ち切ることはなかった。 辛抱強さを表すような沈黙を前に、私は言葉を迷っていた。 (110) 2022/10/24(Mon) 12:46:30 |
【人】 高山 智恵 ――私、本当はあなたを愛しています。 そんな私でも、あなたと一緒に居てもいいですか? これは、この時率直に思っていたこと。 言いそうになってしまったのは、そんな言葉。 けれどもこんなこと、言えない。言えるわけない。 大分、大分迷った先に、出てきたのはこんな問いだった。 (111) 2022/10/24(Mon) 12:46:53 |
【人】 高山 智恵「私、これからも――ううん、ずっと、ナナの側にいてもいい? あ、『側に』って言っても今は離れてるけれど、 そういうことじゃなくて、心理的に?って意味―― 勿論物理的にでも、会える時は会いたいし……」 取りようにとっては事実上の愛の告白だけれど、ナナはそこまで行間を読み取らない。多分、この言葉を額面通りに受け取るだけだ。 かといって、真意を察しないナナ相手だからこんな姑息な言い回しを平気で言えた――という訳でもない。言ってしまって良かったのか、という自問は尽きない。 もしもあの娘が、それでもこの言葉の意味を解ってしまったら? ううん、それよりも――言葉の意味も解らないままYesを返してしまったら? それは私が彼女を騙した、ということになるんじゃない? 『高山さん』 幾らか間を置いてから、ナナの淡々とした返答が響く。 その幾らかの間も、続きを待つまでの数秒も、ひどく、ひどく長い時間に思えた。 (112) 2022/10/24(Mon) 12:48:29 |
【人】 高山 智恵『いいに決まっています。 物理的にも心理的にも、側にいてほしいと 思える人だったから高山さんと電話しています。 わざわざそんなことを訊いてくるなんて、 やっぱり高山さんは 変 すぎる人です』……だよね。やっぱり普通にそう受け取るよね。 額面通りに受け取ったナナからの真っ当な指摘が、色々な意味で胸に刺さる。 確かに彼女の言う通り、言葉通りの意味において、私の問いには本当に何の意味もない。 そして、真意に気づかないナナの側に居続ける私は、彼女に嘘を吐き通したまま、ずっと側にいるなんてことができる? 「そっか、……そうだよね、うん、私、変だ。 とにかく、ありがとね、黒江さん。 それじゃ、また――」 “ 私は私のままでいい ”――。 そんなメッセージも遠くなってしまうような自己嫌悪は、努めて声に滲まないように取り繕って。 こんなことならいっそ直接的に告白してしまえば良かった。彼女への助力を反故にして裏切ることになっても、今この場ではっきり言ってしまえば良かった。 でも、あの娘と離れたくない、力になりたいっていうのも、私の本音で――。 (113) 2022/10/24(Mon) 12:49:12 |
【人】 高山 智恵 今度はナナの方が「高山さん」と、通話を切ろうとする私を引き止めた。 そして彼女は、私のように逡巡を挟むことなく、スピーカー越しにはっきりと告げてきた。 『なんなら私、高山さんと結婚してもいいと思っています。 そのくらい、高山さんが側にいてくれると、 助かりますし嬉しいです。 だから私、31日にそちらのカフェに来ます。 私は店長から貰った黒猫マントを着ようと思うので、 高山さんは一昨年の魔術師マーリンの仮装で来てください』 え? と思った矢先に矢継ぎ早に告げられたのは、何かとんでもない無茶振りだった。 (114) 2022/10/24(Mon) 12:51:01 |
【人】 高山 智恵 確かにハロウィーン前日と当日は学生諸君客のハロパに合わせる形で、接客担当は何かしらの仮装をしてくるのが通例になっている。 (なので、基本裏方に徹していたナナは仮装をしなかった。彼女が貰った「黒猫マント」というのは、バイトのホールスタッフからイベント後に返品されたものが彼女に回ってきた形だ) 仮装の度合いもカチューシャ一つから全身コスプレまで業務に支障を及ぼさない範囲で様々だが、大学時代のことが切欠で決定された私のマーリンはその中でも結構なコスプレだった。 衣装の詳細は皆々様のご想像にお任せしておこう。 「う、うん……分かった。 じゃ、来てくれるの、待ってる」 『はい。それでは失礼します』 こうして今度こそ、通話は打ち切られた。 (115) 2022/10/24(Mon) 12:51:40 |
【人】 高山 智恵 はあ、と狭いリビングのカーペットの上で溜息をつき、仰向けに寝転がった。……なんか何時かの写真のだるだるなカナブンの幼虫みたいだな私、なんてぽつりと思う。 ………………。 ちょっと色々なことがありすぎた挙句、最後の仮装の無茶振りに全部持っていかれて呆然とするばかりで――。 どうでもいいけれどこのアーサー王伝説のマーリン、相当な ナンパ男 だったっていう伝説もあるんだよね……。多分ナナはそこまで深く考えてはいないだろうけれど。そう、魔術師マーリンの再来の件のインパクトで、一瞬、記憶から抜け落ちていたのだけれど。 基本的に、ナナは嘘を吐けない>>2:107。嘘を言っていたとしたら、それは彼女自身が真実だと誤認したことだ。 そしてこれまた基本的に、彼女はわりと物言いが直接的だ。含みを持たせた言い方だとか比喩だとかは、皆無という訳ではなかった気もするけれど、あまり言わない方だ。 そしてそんな彼女は確かにさっき、あんなこと>>114を口にしていた。 それも、わざわざこちらを引き止めて言い置く形で、だ。 (116) 2022/10/24(Mon) 12:52:46 |
【人】 高山 智恵「 ……そういう、こと、なの ? 」 「もしかして」、という期待自体は確かにあった。けれどそれは全部、ただの自分に都合の良い妄想だと思っていた。 だから――この状況に対して、全く現実味が追い付いてきていない。 どうする。どうすればいいの私。本当どうすればいいの?? もう一回電話掛け直して問い質す? いやいやこんな調子で問い質しに行って私ちゃんと喋れる?? 大人しくじっと塀の上で佇んでいた野良猫にいきなり襲撃された時でも、こんなに動揺したことはなかった。 ――とりあえず落ち着こう。落ち着こう……。 買ってきたばかりのプラリネの箱を開け、シンプルに徹したくちどけと甘味に意識を一旦向ける。 本当は彼女の恋路を応援する心算で買ってきたこのチョコレートだった、けれど……その恋路の先が本当にどこに繋がっているのか、すぐさまにはちょっと予想図が描けない。 (117) 2022/10/24(Mon) 12:53:25 |
【人】 高山 智恵 ああ全く、本当に、本当に。 猫は気まぐれで、薄情に見えて、時に凶暴なようでいて――それでもちゃんと体温のある生き物で。 そんな一見気まぐれにも受け取られかねない正直な一言に、こんなにも揺り動かされている。 ――ううん、これは猫の一言じゃない。人間であり、ナナという人だ。 本当の意味で、私はあの娘から離れられなくなった。離れようがなくなった。 ナナの言葉の真意は、それでも未だはっきり自信を持って確かめられたわけじゃない。けれど。ううん、だからこそ。 せめてハロウィーンの当日には、ちゃんと彼女の思いに向き合って――私の想いも、今度こそ伝えよう。 (118) 2022/10/24(Mon) 12:54:47 |
【置】 楯山 一利─恋心─ 中学になると、恋愛に対して関心が強くなり それまでなんとも思っていなかった異性が 一人の女性として、すごく綺麗に見えるようになる。 俺もそうだった。 亜由美の事を、ずっと姉みたいな存在で 俺は弟みたいなポジションなんだと思っていた。 それは、家族愛にも似た温かな感情。 だけど家族愛は ───"恋"に変わった。 (L6) 2022/10/24(Mon) 20:54:48 公開: 2022/10/24(Mon) 20:55:00 |
【置】 楯山 一利中学のスキー合宿。 俺にとっても、亜由美にとっても 初めてのスキーだった。 だから俺たちは、初心者コースから 始める事になったんだけど……。 合宿当日、スキーのグループが "男女"で分けられた。 アイツとは別のグループになったんだ。 小学生の時の林間学校や、修学旅行でも 男女部屋を別々にさせられるけど それとは訳が違う。 スキーはスポーツだ。 なのに、わざわざ男女を分ける必要があるのか? 当時そんな疑問が湧いた。 だって小学生の時は、運動会も体育も 男女で分けられた事なんて一度もなかったし いつも、亜由美と競い合っていたんだ。 ところが、このスキー合宿では それが許されなかった。 最初は意味が分からなかった。 (L7) 2022/10/24(Mon) 20:55:38 公開: 2022/10/24(Mon) 20:55:00 |
【置】 楯山 一利でも、周りの男子たちと話していると 『〇〇さんが可愛い。』だとか 『××さんの胸が大きい。』だとかの話になって……。 それまで全く何も思わなかったけど 男女の違いや、性について初めて知ったんだ。 そして、亜由美は、 "女の子"だったんだ、と……。 …月日は流れ、俺の身長が伸びて来て 遂にアイツを追い越した時。 それを再認識させられたんだ。 (L8) 2022/10/24(Mon) 20:58:32 公開: 2022/10/24(Mon) 21:00:00 |
【置】 楯山 一利それからは、女子の中でも 亜由美が一番綺麗で可愛く見えていた。 アイツが他の男子と話してるのを見たり アイツに気がありそうな男子がいると知ると モヤモヤしたり、ムカついたりもした。 でも亜由美は、最後はいつも俺の所に来てくれる。 他の奴には話さないことも、俺には話してくれた。 苦手な勉強だって、付きっ切りで教えてくれた。 ガキの頃から毎年贈ってくれた、 バレンタインチョコ(義理)だって 中学になっても変わらずくれたし。 俺との約束は、絶対に守ってくれた。 俺という存在が、他の誰よりも 優先順位が高かったことが嬉しかった。 (勿論、俺の一番はずっとアイツだった。) (L9) 2022/10/24(Mon) 21:01:12 公開: 2022/10/24(Mon) 21:05:00 |
【人】 霧ヶ峰 友紀─そして─ カズさんと言う新しい人と出会い、カフェのバイトも終わってまたさらに日が経った頃。 私は家の花壇のヒマワリを片付けていた。 あの人が好きだった向日葵の花。 夏を思わせるその花の花言葉は 『憧れ』 『情熱』 『貴方だけを見つめる』 他にもあるけれど。 (120) 2022/10/24(Mon) 23:13:26 |
【人】 霧ヶ峰 友紀花を切り、種を採る。 網籠の中に入れて種を日陰で休ませて乾燥させる。 花や茎は細かく刻んで花壇の土に混ぜ込んだ。 次に何かを植える時の肥料になるように。 それはまるで禊ぎのようで。 次に来る恋の、そのために傷を癒すようでもあって。 (121) 2022/10/24(Mon) 23:13:54 |
【人】 霧ヶ峰 友紀向日葵の花枯れる頃。 都合よく次の想いに繋げられるわけではないけれど。 私は、私なりに消化して。 今までの思いも経験も肥料にして。 きっと次の花を咲かせようと思う。 きっと私は、次もまた。 大きな向日葵の花を咲かせるはず。** (122) 2022/10/24(Mon) 23:14:11 |
【人】 楯山 一利─告白─ もう今更、好きだなんて言えない。 …そう思ってずっと伝えられなかった気持ちを やっと口にすることが出来た。 言葉にした後は、恥ずかしさよりも 不安の方が勝っていた。 「……なぁ。どうなんだよ。」 まだ答えない彼女に痺れを切らして、 もう一度どう思っているかを訪ねる。 今、何を思っているのか。 俺に告白されて、どう感じているのか。 イヤだったのか嬉しかったのか……。 それでもまだ口を噤んだままだった。 彼女は、膝元に置いていた手で スカートの裾を握り締めている。 (123) 2022/10/24(Mon) 23:19:25 |
【人】 楯山 一利そうしたまま、どれくらい経ったろう。 …とても長く感じた。 30分以上は経過していたような感覚だった。 『………ごめん。』 やっと口を開いた彼女だったが 出て来たのは、謝罪の言葉だった。 「なに、謝ってんだよ……。 俺の気持ちには応えられないってこと? だったら、そう言ってくれよ。」 『………。 ごめん。 どう、言ったら良いのか。 上手く言葉が見つからなくて。』 「なんだよそれ……。 別に、俺を傷付けないようにとか そういう気遣いはいらないからな?」 フラれたらそりゃショックだけど。 ハッキリしないままの方が不安を煽られる。 だったらスパッと無理と言って、 この硬直状態をなんとかしたい…。 (124) 2022/10/24(Mon) 23:19:53 |
【人】 楯山 一利『ううん、そうじゃないの…。 私もね。 カズの事、好き…… なんだと思う。』 「だと思う、って…。どういうこと?」 俺と同じ気持ちなのかと期待が膨らむ反面、 曖昧な言い方で終わった事に、モヤモヤとする。 『自分でも、よく分からないの。 ずっと、私はカズのこと 弟みたいな子だと思って接してた。 でも……時々、分からなくなった。 カズが、智恵さんとか… 他の女の子と楽しそうに話してる時も ブレイクダンスの話をしている時も 胸が苦しくて仕方なかった。 心配とかそんなんじゃなくて "寂しい"って思ってたの。』 (125) 2022/10/24(Mon) 23:20:27 |
【人】 楯山 一利「寂しい……?」 その気持ちの意味は何なのか? 何処から来るものなのか? それが分からないと言った口ぶりだった。 『でもそれは、カズが私の元から 巣立って行っちゃうことなのかなって。 でも、そうじゃないのかも……。 カズの気持ちを聞いてたら、 嬉しいって気持ちもあるし。 …分からないの。』 ごめんなさい。そう付け加えて 亜由美は苦い表情で俯いた。 なんだろう……コレ。 ストレートにフラれるより辛いかも。 男として好きとも言って貰えてないし かと言って、否定もされていない。 (126) 2022/10/24(Mon) 23:20:49 |
【人】 楯山 一利『…ちょっと、時間が欲しい。 一人で考えたい。』 なんだよそれ。変に期待しちゃうじゃんか。 でも結果的にやっぱり無理でした。 ってなったら、崖下に突き落とされるのと 同じくらいショックがでかいと思う…。 それでも、俺は待つんだろうな。 彼女の中で答えが見つかるまで……。 「……分かった。待ってる。」 それからは、二人一緒に互いの家に帰って 連絡は取らないまま、眠れない夜を過ごした。 想いは実る事も、枯らす事もないまま 今日という日が終わりを迎えようとしている……。 (127) 2022/10/24(Mon) 23:21:09 |
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