人狼物語 三日月国


129 【身内】狂花監獄BarreNwort2【R18G】

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アルレシャ白昼夢 アルレシャ

アルレシャは、誰よりも先に、処刑室へ。
(a0) 2022/03/05(Sat) 21:34:34

【人】 白昼夢 アルレシャ

さて。
誰よりも早く処刑室で待っていた最後の狼は、手に軍用ナイフを一つ握っていた。
指先で刃を少しなぞる。薄ーく皮膚が切れる。これは幻ではない。

「僕はな」

人が増え、大体揃ったかというタイミングでいつも通りの声色で紡ぎ始める。
ゆっくり、笑いかけてくれた世捨て人ハーミットに近付いていく。

「僕は死ぬのがとっても怖い。治るとしても。でもこうして死ぬと分かりきっていると」

にこり、とハーミットに笑いかけて。
その腹に、ナイフを突き刺すだろう。ずぶずぶと埋めるように。


「なんでも出来そうな気がする。
暴れ足りない


もしハーミットが傷を受けてくれるなら、ナイフを引き抜いて出入口付近に突き飛ばしにかかる。塞ごうとするように。
その傷は、即死はしないだろうが、放っておけばじわじわと命を蝕むものだ。 [▽]
(2) 2022/03/05(Sat) 22:12:13

【人】 白昼夢 アルレシャ

「最後の見せものだ!俺と踊れよ!」


声を張り上げる。
途端、アルレシャの周囲足元から
ドレスを焼くような炎
が噴き上がる。
一拍後、頭上に高く手を掲げる。
琥珀の礫
を呼ぶように。

処刑というより、これは討伐だ。
処刑室をステージとした、この狂った狼を殺してみせるといい。
(3) 2022/03/05(Sat) 22:16:17

【人】 白昼夢 アルレシャ

>>5 隠者ナフ

「だって、お前、俺が暴れるの見たがってたじゃん」

そこで転がっておけば、出入り口付近なんて絶好の場所で見物客になれたのにな。
でも、刃が返されるのは嫌ではない。するりと避けて、ナイフ握るその腕を掴もうと。あわよくば、ナイフさえも取り戻してしまいたい。

「……俺さえも?」

何もない、というならば。
俺がここに在ろう。お前を傷つけよう。

腕を掴むのが成功していても失敗していても、貴方の足を払うように蹴る。もし転がりでもするのなら、その血が滲む腹につま先蹴りでもお見舞いしたいところ。
(7) 2022/03/05(Sat) 22:53:39
アルレシャは、見様見真似の琥珀の雨を。室内に残る全員へ目掛けて落とす。
(a8) 2022/03/05(Sat) 22:56:14

アルレシャは、処刑室の外から遠距離で攻撃されたとて、文句を言いはしない。
(a9) 2022/03/05(Sat) 22:56:50

【人】 白昼夢 アルレシャ

まるで慈悲のように奪い取れたナイフ
みじめさを覚え、
舌打ちをひとつ。
足払いの効果が薄いと手応えで分かれば、距離を取るナフからは視線を外した。あれをやるべきは今じゃない。

留まるのも仕方ない、恰好の的だ。強い弾が足元を抉るのは、そう考えてナフとは逆に飛び退く直後。

着地と床を踏みしめる足、を見計らったように身体に刺さっている5本のナイフ。いくら目がよくとも、見えないんじゃどうしようもない。
時を飛び越えるお前が一番苦手だ。

左腕に二本、左肩に一本、右腕に一本、脇腹に一本、を受けた。素早くスカートのベルトに軍用ナイフを刺し通し、右手で三本、左手で二本のナイフを引き抜いた。


痛い、痛い痛い痛い怖い死にたくない、まだ死なない、まだやれる!


[▽]
(19) 2022/03/06(Sun) 1:12:51

【人】 白昼夢 アルレシャ

ーー本物には叶わない、美しさも威力もだ。
少なくとも、自分を白昼夢何もないと知っているアルレシャにとってはそうだ。
たくさんの降り注ぐプレゼントに見惚れかけて、ナイフ五本を持ったまま体勢を低くした。
そのまま、全員に肉薄するくらいの勢いで縦横無尽に駆け回った。さて、一旦琥珀が撃ち尽くされるまではどれくらいかかるだろう。

スピカがナイフを投擲してきたのはその最中だろうか。 走り回る小柄に当てられるのならば、成長を祝わねばなるまい。
兎も角、これは勿論スピカにも近付く。攻撃というよりは、ぐいっと顔を近づけて。

「その言葉は本物か?ただの少女め」


シェルタンの言葉を揺らがせるように。笑い混じりに。慈しむように。
英雄ではなく道端の少女に接するように。ただそう言葉をかけた。尤も、当然のことこれはただの言葉だ。何の力もない。

そうして、足は悪魔の元へと。
射貫け、と命令さえたそれに追尾機能はあるだろうか?あれば、避けるのに苦労するかもしれない。が。
左手で持った分の二本のナイフを、投擲するには近すぎるほどの距離で、叩きつけるようにシェルタンへぶつけるだろう。
(20) 2022/03/06(Sun) 1:13:26

【人】 白昼夢 アルレシャ

血の匂いがする。自分のものなのかそれとも近くまで来た狂人のものなのか。
白銀の刃が己のナイフを止めるのを見る。拮抗、はしない。すぐさま手を離すからだ。

アルレシャは銃が好きだ。
だがアルレシャの戦闘スタイルは実のところ、銃撃戦向きではない。
シトゥラとの模擬戦であっさりとナイフを生成したり。
狩人に阻まれた際に手榴弾を投げつけたり。
スピカに看板を落としたり。
こうして、ナイフを振るったり。


アルレシャは、近接格闘術寄りのスタイルをしている殺せるなら何でもいい


向けられた賞賛と槍。
いつもならば軽口の一つ、わざとらしい猫かぶりの歓喜なんてものを返すんだろうが。何も言わずに悪魔を見た。
そこには悦すら伴わない純粋な殺意しかない。

ナイフを手放して空いた左手で槍の柄を掴み、勢いをつけて引っ張ってしまおうか。シェルタンの体勢を崩してやろう、と。
もしそれが叶えば、動きが制限されるのは自分よりもナフの方かもしれないが。なんせ、間に割って入っているんだから。

叶っても叶わなくても、ここに長時間足を止めてはいない。
ーーー演者はまだほかにもいる。
(28) 2022/03/06(Sun) 20:44:18

【人】 白昼夢 アルレシャ

数秒は動きが止まっていただろう。その間に、そんなに威力の重たい弾を連射できるかどうかは分からないが。
弾が撃ち込まれている方向に、右手に持っていた三本のナイフを順に全て投げつけた。狙いは大まか、盾に守られるも構わない。牽制じみた動き。

そしてまた足を動かそうとして、出口付近へ向かった姿を見て速度を落とした。
スタミナはない。動き続けてはいられない。

出ていくなら早く出ていけ、そういう目をした。
して、ーー目を背けるのが一瞬早かったかもしれない。

「がっ……!?」

斬りつけられるはいい。そんなもの急所に当たらなければ。だから既に多めに攻撃を食らっている左腕を犠牲にしていなそうとした。
致命的なのはもう一つの方だ。
ばち、と走る痛みが頭の中に
恐怖
を思い出させる。
動けなければなすすべがない!


……貴方に近い場所。
ぎり、と歯を食いしばって暫し硬直する狼がいる。

動けぬ間も無防備ではない。
手の中に鉄製のスコップを出現させて、殺気も顕わに方々を威嚇している。
(29) 2022/03/06(Sun) 20:44:55

【人】 白昼夢 アルレシャ

隠者がスコップを見ていないのは
見れば
わかる。
かといってそのためだけに一旦これを消すのも、ベルトに刺したナイフを抜き直すのも愛銃をとるのも、全て無駄に思えた。
だから、この痺れて動かない左腕はもういらない。
身体を揺らすように動かし、煌めく銀閃の的をそこに集中させる。
声には答えない。答えるだけの余裕はない。
白い髪が見える。俺のリボンの効果と似てる。


そちらに目を使っていれば、どうしても他への注意は疎かになる。
気付いた時には銃声と大腿に感じる衝撃があった。
何発かの銃弾が皮膚と肉に穴をあける。
退いた少女もまだ油断はできない。それ以上何を言うこともできない。
それでも気は配っていなければいけない。

目が足りない!障害物もだ!
その場にいる者は、狼の背後に揺らぐような戦場の風景を見るだろう。赤い空、崩れた瓦礫と焦げた跡。

ぶつん、ぶつん、と脳から悲鳴が聞こえて、それらはすぐに消えてしまうのだけど。
鼻の奥に鉄錆の匂いを感知する。

そうして、腹の中心に熱を感じた。
じわ、と溢れ流れる血は即死には至らないが。

「……ッ!!」

まだ終われるか!!

足を踏み出すたびに血を流しながら、スコップを狛犬目掛けて縦に叩きつけようと。
(34) 2022/03/07(Mon) 0:16:29

【人】 白昼夢 アルレシャ

手応えがあった。しかも、強めのだ。
それでも生死を確認する余裕はない、まだまだみんな動いている、確認は後。
少なくともぐったりと転がった『それ』を、邪魔だと言わんばかりに蹴り飛ばし、て。

迫る気配に気付いたのはその後だ。
胴体を横薙ぎにする様にスコップを振り回しつつ、振り向いたときには間近にその指があった。

それは、しっかりと、緑色の髪を通り過ぎて頭に触れることが叶ったのだろう。

ーーー脳が揺れる。ぐわんぐわんと、常に張り詰めていて、その上たった今酷使している脳味噌が。

れ 
(38) 2022/03/07(Mon) 2:02:48

【秘】 白昼夢 アルレシャ → 蒐集家 テンガン

爆風。轟音。硝煙と土煙、崩れた瓦礫。
不明瞭な怒号。身を縮こめて息を殺すすぐ側を、何度も何度も通り過ぎていく敵軍の足音。
合わぬ歯の根を顎の骨ごと押さえつける痛み。
冷や汗が滲む気持ち悪さ。
恐怖、とまぜこぜの高揚。


吐き気。

「生きて帰るとは腑抜けた奴だ!」「恥を知れ、無傷など!」
記憶がこびりついて何度も何度も壊れた再生機のように。

目眩、頭痛。

死にたくない、
死にたくない!


遠くの爆発音。味方は敵軍の群に特攻したらしい。
あれは褒められるんだろうか。

砕け散ってもう拾い集めてももらえなかろう。

死にたくない。

いやだ、

いやだ、
いやだ!!


どうしてみんな死ねるんだ。
こんなに必要ない俺が隠れているのに。
こんなに必要ない俺だって死にたくないと思うのに。

こわい。 なにもかも。
(-7) 2022/03/07(Mon) 2:04:53

【人】 白昼夢 アルレシャ

「ぁ、」


「あ
あぁ
ぁあ
ぁあぁ゛
ああ゛ぁ゛あぁ゛!!!」



ーーー処刑室に、絶叫が響き渡った。
(39) 2022/03/07(Mon) 2:07:30
アルレシャは、スコップを保てない。
(a14) 2022/03/07(Mon) 2:07:41

アルレシャは、喉を曝け出して頭を振り乱すだろう。
(a15) 2022/03/07(Mon) 2:08:14

アルレシャは、今までの挙動は嘘であるかのようにーーー、ただ、取り乱してなりふり構わず暴れる。
(a16) 2022/03/07(Mon) 2:09:14

【人】 白昼夢 アルレシャ

スコップが当たったのかも、もうどうでもよくなっていた。意識すらできなくなっている。
聞こえる声はある、意味を噛み締める力が今はないだけで。
その言葉の真意を、その笑みの意味を、今は捉えられないだけで。
向けられたもの自体は、分かるのだ。
暴かれて役を繕えなくなった惨めな自分、という形で。


尚も暴れようとしたその腕に鎖が巻き付く。痛い、よりも混乱が勝った。余計に腕を振るおうとして肉が千切れ、血が落ちる。それでも振りほどくほどの力は残っていない。
この身は捉えられる。味方をしてくれた世捨て人物好きの腕の中へ。

「……ハー、ミット、」


涙声がほんの僅かに仲間を呼ぶ。そうして崩れ落ちたのを確認する数秒、蜃気楼アルレシャの動きは止まった。
血だまりに沈む姿を見る。
少しだけ息ができた。

お前が、俺の死を確認する前に、死んでよかった。
あのなにも思わない目を、俺に向けないなら、本当によかった。
お前だけが知っている、死より上回る、俺の怖いもの。


止めていた動きは、近付く少女により再開される。
死が怖いに変わりはない。気遣う言葉も意味が分からない。今は自分の処刑で、いいか悪いかなんて関係がないだろう!

掴まれそうな手をめちゃくちゃに振り払い、隠者の死体を蹴ろうが踏もうが、後ずさる。
被弾してまともに動かない足を引きずるように。揺れたままの脳が眩暈を起こし、途中で崩れ落ちて、それでもなお。

そうして、スカートの中に手を差しこみ。震える手で愛銃を取り出した。
最期まで。最期まで、幕は下りない。

役は投げ出せない。役割は全うしなければいけない。
抵抗の姿勢だけはやめることがない。
依然、死にたくもない。


ーーー遠くの部屋から近付く気配に、気付きなんてしないまま。
(44) 2022/03/07(Mon) 3:44:00

【人】 白昼夢 アルレシャ

「来るなよ、」


英雄がゆっくりと己を追い詰めに来る。
正義を振り翳した力あるものが己を屠ろうと近付いてくるのだ。
いつもならもっと力を抜いてしなやかに構える銃だが、震える手で真っ直ぐ、愚直に向けるしか出来ない。
そして、二発。引き金を引く。正直、照準は的のどこかに当たればいい程度。殺すためとは言い難い。

「来るなよ!」


どうせその反撃しないのは余裕ぶってるんだろう。
無様な俺を見下してるんだろう。
出来るくせにすぐ殺さないのはその証拠じゃないのか。
来ないでくれよ、見ないでくれ。
お前の憧れるアルレシャ様のままでいさせてくれよ。


近付いてきた分、とはいかないが。
なお、下がる。動かない身体を必死に動かして、生き汚く足掻く。
(46) 2022/03/07(Mon) 6:01:34

【人】 白昼夢 アルレシャ

声が聞こえた。自分を呼ぶ声だ。
それが誰かを判断するより早く、咄嗟に、銃口を向けて。

「………ぁ、」


それが誰か、を見た。

なんで来ちまったんだかなぁ。
この処刑室にいる奴は全部撃ち殺していいようにしたのに。
したのにさ。


引き金に掛けた指が、震えるだけで動かない。

……撃てないって分かってたから、来るなって言ったのになぁ。
(49) 2022/03/07(Mon) 22:14:49

【秘】 衝撃波 ポルクス → 白昼夢 アルレシャ

掠れた声は。

「――――……だからおやすみ、」

酷く穏やかで優しい音で、あなたの耳へと届けて。

「アルレシャ」

その際に振動を操ってあなたの脳内を揺さぶり。
僅かでも安らげるようにと丁寧に丁寧に信号を送る。
恐怖に脳内を揺らされたままの、あなたに効くのだろうか?
静かに眠りを誘うこの振動が。

もし届いたのならば。
ふっと柔らかく緩やかな眠気があなたを襲うだろう。
(-17) 2022/03/07(Mon) 22:24:11

【人】 白昼夢 アルレシャ

いつもより力が強いな、と、恐怖でぐちゃぐちゃの頭の片隅が思う。
どうして来た、何のために来た、お前も俺を殺したかったのか、この様を見にでも、

頭の中でぐるぐると回る思いは、言葉によって掻き消される。
ーーー迎えにだって。

……もう終わりか?

声にはならなかった。
怪我も失血も多いが致命傷はないし、

声にはならなかった。
このザマだけどまだ悲鳴は上がる。

声にはならなかった。
盛り上がりにかけるんじゃねぇの、こんなんさぁ。

声はひとつも出て来やしない。

震えるばかりで何の抵抗もできないまま、脳が声に撫でられる。
歪な魚は安らぎを知らない。張り詰めた脳が緩む感覚を知らない。
ただ、それはこの機械と眠ったときによく似ていた。

額への口付けまで貰ってしまえば、あとはもう『眠るだけ』。
(53) 2022/03/07(Mon) 23:33:22
アルレシャは、愛銃によって、盛大に頭部から『
』を咲かせた。
(a19) 2022/03/07(Mon) 23:34:23

アルレシャは、上手く役をこなせただろうか。
(a20) 2022/03/07(Mon) 23:34:52

【秘】 出来損ないの機械 ポルクス → 無 アルレシャ

ああ、嫌だな。


「――――……ぐす、」

やっぱり手放したくないや。
(-23) 2022/03/07(Mon) 23:46:35

【秘】 衝撃波 ポルクス → 無 アルレシャ

――――処刑が終わり。
フラついたままの重たい足取りで。
音の無くなった身体を追い蘇生室まで辿り着く。

その際に、テンガンと入れ違いになるだろうか。
首を傾げて。だが目で追うだけに留めた。

蘇生装置のすぐ近く。
部屋の中で佇む出来損ないの機械は。
愛しの魚が眠りから覚めるのをただ待っている。
(-33) 2022/03/08(Tue) 1:40:51

【秘】 無 アルレシャ → 衝撃波 ポルクス

ーー貴方がどれだけ待った頃だろうか。決して短い時間ではなかったはずだ。

蘇生装置に防音機能はない。必要がないからだ。
だからきっと貴方の心臓には機械の鼓動が絶えず響いている。
その合間。

小さく、
小さく、
跳ねる音があり。
そこから、魚は呼吸と脈動を再開する。
その身体はまだ蘇生ポッドの中だが。
(-36) 2022/03/08(Tue) 1:56:54

【秘】 衝撃波 ポルクス → 無 アルレシャ

どんなに長く時間が過ぎようが。
それはずっと近くにいただろう。
機械の振動のパターンを覚えてしまうくらいには。


「…………、……、ッ!!」

機械の音に混じり、命が跳ねる音が響いたと分かる。
安堵に息を吐き、力が抜けて足が縺れ。

「よかっ……た……………」


このまま生き返らないのではないかという恐怖心。
少なくともそれからは逃れることが出来る。


ポッドへと身体を向けたまま壁際まで下がれば。
すとん、と力なく座り込んだ。
(-38) 2022/03/08(Tue) 2:19:03

【秘】 無 アルレシャ → 衝撃波 ポルクス


あれだけあった身体の震えも、恐怖の残渣も、何もない。
ただただ『生きる』ということを再開し、『死』を通り過ぎた。

それだけのこと。
目が覚めるのはいつかさえ、分からない。

ーーー眠っている。貴方の寝かしつけた魚が。
(-40) 2022/03/08(Tue) 2:24:11

【秘】 衝撃波 ポルクス → 無 アルレシャ


壁際。イヤーマフに手を伸ばし身に付けて。
これは音楽を聞くモノではなく。
耳を塞ぎ、振動の感知に集中するためのモノ。

響くあなたの音、振動を拾うためのモノ。


あなたの音を心臓で受け止めている。
穏やかな眠りの音と、俺のだいすきな音。

疲れが溜まっていたのだろうか。
或いは安心感からか。或いはあなたのそばだからか。
その全て、かもしれないが。

座ったままに、この機械も小さく寝息をたて始める。

それでも。
愛しの魚の目覚めと共に。
この機械も動き出すのだろう。
無意識に、あなたの音を拾い続けながら眠るのだ。
(-43) 2022/03/08(Tue) 2:52:18

【秘】 無 アルレシャ → 衝撃波 ポルクス


穏やかに、安らかに、呼吸と鼓動だけを続けながらそこにある。あった。
放っておいたらきっと随分と長い間そうだっただろう。

けれど、それはすぐに破られた。
ポッドの壁を二つ分隔てても聞こえてくるそのーーー異様な、叫び。

ぱち、と目を開ける。
職業病かもしれない。

飛び起きようとして、目眩。おまけにポッドの蓋を開けるのを忘れていた。

ガンッ!
カン、コン、トサ。


数回音がして、また静かになった。
今アルレシャはポッドの中で頭を押さえて丸まっている。
(-46) 2022/03/08(Tue) 3:22:55

【秘】 衝撃波 ポルクス → 無 アルレシャ

小さく、小さく寝息をたてていた。
浅い睡眠。それでも心地の良い眠り。

……の途中で響き渡る声に肩を跳ねさせながら頭を上げ。
それに続く形で響き渡る軽めの打撃音を感知する。
数回続く音もしっかりと心臓で受け止めた後は。

「えっ……な、に…………?!」


小声ドン引きボイス。なにがどうなったんだ???
音で分かっても流石にこれは理解が追いつかないよ。

でも完全に目が覚めた。ので、ロベリアのポッドを見つつ。
アルレシャのポッドまで近寄るだろうか。

あーあーあー……
怪我治ったばっかなのに…………、大丈夫か?」
(-47) 2022/03/08(Tue) 3:39:14

【秘】 無 アルレシャ → 衝撃波 ポルクス


すぐに静かになった。ので、無理して外に出ずとも良くなった。
頭を押さえたまま痛みに耐える。
そして、何故ここにいるのか、何が起こってここにいるのかを思い出そうとしてーーー、

「ぁ、」


近付いてきた声に気付いた。それが誰のものかも。
思い出すことを中断して、ポッドの蓋を開けようか。貴方にぶつからないように、内側から何度かノックしてから。

「……ポルクス………」

いつもより、ややぼんやりとしている様子で貴方を呼んだ。
(-48) 2022/03/08(Tue) 3:51:56

【秘】 衝撃波 ポルクス → 無 アルレシャ


頭を押さえたままの姿を見ればくすり、あなたには届かないくらいの音で笑うだろうか。その際に、もし目線が合うならば少しだけ首を傾げ。

「…………ン、」

ノックの音で理解する。きっとぶつからない位置まで移動して、蓋が開く様子を見守ってから再びあなたの近くまで行き。

「おはよ、アルレシャ」

へにゃりと、曖昧な笑みを浮かべあなたの名を呼ぶ。

ちょっと行儀が悪いかな。でも我慢できないからいっか。
ポッドの端、片膝を乗せて両方の手を伸ばして。
ぼんやり気味のあなたを抱きしめてしまおうか。
(-50) 2022/03/08(Tue) 4:15:33

【秘】 無 アルレシャ → 衝撃波 ポルクス


多分、おそらく。笑い声が聞こえていたら苦々しげに中から睨みつける羽目になっただろう。聞こえてなくてよかった。

ポッドの蓋が開く頃には頭から手は離し。
万全ではないながらも一応虚勢は張ろうとするのだが。


曖昧に笑う貴方の顔が見え、名前が呼ばれたら。
何だかそれもどうでもいいか、と。

頭がうまく働かないまま、いつもより随分すんなりとその両腕を受け入れた。背中、よりもちょっと上、首の辺りに自分の手も回し、片手は貴方の頭へ。

「……おはよう、ポルクス」

なんとも毒気のない声だったことだろう。
(-52) 2022/03/08(Tue) 4:29:42

【秘】 衝撃波 ポルクス → 無 アルレシャ


虚勢を張ろうとしたことも。
微弱な音で分かってしまうだろうか。
どの道、あなたへの態度はそんなので変わりはしないけど。


「…………、


そうして回される手には少しだけ驚きはするけれど。
音や味覚が分ったりしなきゃ伝わらない範囲だ。きっと。

自身に移る体温と熱に、安堵し。
くすくす、からからと喉が鳴り。

「…………あはは、あるれしゃだー……」

音と熱を噛み締める。
暫くはそのままだったかもしれない。
どこか甘えるような動きで擦り寄った後は。
ゆっくりと身体を引き剝がし、それでも二つの身体は大きく離れるわけでもない。

あなたの顔を優しく包むよう、頬に両手を添えて。
その存在を確かめるように親指で数回、撫でるだろうか。
(-55) 2022/03/08(Tue) 5:03:40

【秘】 無 アルレシャ → 衝撃波 ポルクス


分かってしまったとしても、どうせ今はこのザマだ。
200年近い人生の中で、これほど緩んだことはない。
そのくらい頭が働かないのだ。

だからこの先、アルレシャがいつも通りになるまで。
いつもよりずっと素直で、突き抜けた音がするはずだ。


貴方の驚きはわからない。いつもならよくよく見たり、自分の行動の珍しさに自覚的だったりするのだろうが。
特に何も不思議に思わないまま、貴方の笑い声を聞く。
何笑ってるんだ、と思いはする、いつものように。けれど、それに感じるのはいつもの釈然としなさよりも。
もっとよく聞きたいという淡い『なにか』だ。


擦り寄られるがままに擦り寄らせ、頭に回した手で何度か撫でる。
貴方が何をしてくれて、どんな思いだっただろうなんて、まだ思い出すに至らぬまま。


「………うん、?」

身体が離れるときはごく僅か、名残惜しそうな音すらしただろう。
それを自覚することはないが。

頬に添えられた手に、のんびりと自分の手を重ねようと。

ぼんやり、だ。うとうと、とも言える。
寝ぼけているか寝足りないのかは微妙なところ。
(-56) 2022/03/08(Tue) 5:21:53