【雲】 かみさま 尊龍[そして私も、お前を忘れる事がないように。 例えこの地がなくなろうとも、私はここに。 お前の最期の祝いが欲しい。 お前の最期の呪いが欲しい。 私をこの地に留める……、愛が欲しい*] (D11) 2020/09/13(Sun) 3:22:07 |
【人】 かみさま 尊龍[赤い髪留めを届けた後は何事もなく祠へ帰り。 また犬の体に戻ってごろんと明け方まで眠っていよう。 そうしていれば、朝も早くからエリサがやって来た。 私は犬の体を起こしてわんと挨拶] わんわんっ [こんな朝早くからどうした? なんて犬語で聞きつつ、供え物をくれるなら喜んでばぐっといただこう。 はぐはぐと咀嚼しているとエリサが眠そうな目で私をわしゃわしゃ撫でてくる。 私は撫でられるままにエリサを見ていた] (89) 2020/09/13(Sun) 14:42:04 |
【人】 かみさま 尊龍[そうしていると、エリサが祠に向かって話しかけてくれる。 何々、死ぬかも、だと!?] くぅーん……、くぉーん……? [なぜだエリサ、昨日まであんなに元気だったじゃないか。 まさか、何かの呪いか? いや、そんな気配はない。なら、どうして……。 犬の私は心配げにエリサの周りをくるくる回って鳴いてみせては、労るように手や頬を舐めてやったりもした。 死ぬな、エリサ。お前はまだ若い。 顔色だって良いし健康そうじゃないか。 死ぬな死ぬな、死ぬと私はすごく悲しい!] (90) 2020/09/13(Sun) 14:42:40 |
【人】 かみさま 尊龍[やがてこてんと地面に横たわるエリサ。 まさか、ここで死んでしまうのか? はらはらと近寄るも、どうやら眠るだけのよう。穏やかな寝息にほっと一安心。 (寝る前になにやら妙なまじないを口にしていたが、昨今の人間の作法なのだろうか?) なんにせよ、ひとまず元気そうで良かった。 私が昔ほどの力があれば、エリサの言うその心臓の患いも治せたやもしれぬのにと思うと、やはり、今の己の無力さを痛感する] ……せめて、夢見は安らかであるように。 [ぽふりと犬の姿から人の姿になり、眠るエリサに膝枕をしてやろう。 さらさらと髪を撫でてその身の健やかなる事を祈ろう。 これからもエリサが健やかであるように、幸せであるように祝いを授けよう] (91) 2020/09/13(Sun) 14:43:09 |
【人】 かみさま 尊龍[そうして、エリサが目を覚ますまで人の姿のままそばに……、 と、思っていたが。 人間の感覚で10分?くらいで、エリサの持つ謎の道具が大きな音を鳴らし始めた] っ……!? [私はその音に驚いてぽふりと人から犬の姿に戻り、落ち着きなく妙な音がする謎の道具を犬の鼻でくんくんしたり、前脚でてしてししたりして音が止められないかと格闘しだした。**] (92) 2020/09/13(Sun) 14:43:45 |
【人】 かみさま 尊龍[寝ぼけ眼のエリサが眠り。 私は労わるように膝枕をして頭を撫でよう] ……エリサ。 [夢心地にこちらに伸ばされる手を振り払う事もなく。 その手が髪に触れれば柔く目を細めて微笑もう。 愛し気に名を呼んで、エリサの頭を撫でて――] (131) 2020/09/13(Sun) 22:45:29 |
【人】 かみさま 尊龍[と、思うが。 謎の道具が出す音に驚き、人から犬へと姿を変える。 慌てたせいでエリサが地面に勢いよく頭をぶつけた。 すまぬ、すまぬと思いつつ] ぐうぅー…… [謎の道具の出す音をエリサが止めて一安心。 しかし、謎の道具への警戒心で短く唸った。 なんだこの道具は。 安眠を妨げる妙な道具だ。 エリサは何故こんなものを持っているのだろう? 人間の考える事はよく分からんな] (132) 2020/09/13(Sun) 22:45:54 |
【人】 かみさま 尊龍[謎の道具に目を奪われていれば、 エリサは一緒にいていいかと聞いてくる。 もちろん!好きなだけいるといい。 ……と、鳴きかけるがどうやらダメらしい] くぅーん……? ……おんっ! [そういえば、エリサは”大学”に行っていたのだ。 そこで”絵本作家”になる勉強をしているのだ。 だからサボりはよくない。 ――と、こういう事情なのだろう。 名残惜しいがエリサにも人間の生活がある。 むしろ、人として生きていく為には通らねばならぬ道だ] (133) 2020/09/13(Sun) 22:46:12 |
【人】 かみさま 尊龍……おんっ! [またねと走り出すその背に送り出すように一声鳴く。 寂しいと思う、とてもとても。幾星霜ほども。 やがてお前は私を忘れ、 人の世を生きる道を選ぶやもしれぬ。 祠への参拝もいずれ無くなるかもしれぬ。 だがそれでも――、 エリセには自由に生きて、選んで欲しいのだ。 だから私は常にここからお前を見守り護り続けよう] (134) 2020/09/13(Sun) 22:46:40 |
【雲】 かみさま 尊龍[お菊はずっと巫女として私に仕えていてくれたからね。 その強い霊力ゆえ、 神子以外の生き方が出来ない子だった。 もしかしたら、 外の世界に、人の世に、憧れた日もあったやもしれぬ。 ついぞ聞き出す事もできなかったが。 ならば今のエリサは自由なのだ。 人の生活も、神との縁も持つ稀有な子。 そんなエリサからまた私が人の世の自由を奪う、など。 嫁にするのだと、 神域に連れ去り人としての生を捨てさせるのと同じ事。 それが――、今の。 しかも、力も弱まった私がしていい所業なのか。 分からなかった] (D16) 2020/09/13(Sun) 22:46:58 |
【人】 かみさま 尊龍くおーん……? [走っていく背を見守っていたが、その歩みが止まる。 どうしたのかと小首を傾げ。 再び足を踏み出そうとした、その時] うおぉん! うぉん! [私は引き留めるように大きな声で鳴いてみせた。 振り返ったなら満面の笑みで尻尾を振ろう。 振り返らずとも、構わない。 くるりとエリセに背を向け、 「ついてこい」と言わんばかり一度振り返り視線を送った後、 エリセの向かうべき”人の道”と逆の方向に走り出した] (135) 2020/09/13(Sun) 22:47:18 |
【人】 かみさま 尊龍[てしてしと、田舎の山道を歩いて行く。 整備もされていない細い小道。 時折後ろを気にして止まりつつ、歩く。 もしエリサがいなくとも、やはり歩くだろう。 なんとなく、今日はそんな気分だ。 やがて山の奥、 苔むして原型を留めていない石段を登り、 やって来たのは見晴らしのいい小高い丘だ] ……わんっ! [辺りには一面に野菊の咲く、里を一望できる場所。 到着すれば満足げに一声鳴いた] (136) 2020/09/13(Sun) 22:47:41 |
【人】 かみさま 尊龍[エリサがどんな道を選ぼうとも、私は見守ろう。 お前はもう充分に私を想ってくれた。 弱った私が今までこの里に在り続けたのも、 お前が残した祈りのお陰だ。 ほら、その証拠に――、 この場所はこんなに美しい! ありがとう、エリサ。 ありがとう。 幸せになりなさい。 ――それを、伝えたかったんだよ] ふぅぅー……ん [野菊の丘に寝そべり日差しを浴びてごろんごろん。**] (137) 2020/09/13(Sun) 22:48:36 |