だぁりん早く帰ってこないかしらぁ。

　　

──自室


［　制服を着たまま、先生が来るのを待っていた。>>0:3
　　けれども、いつもの先生のことを考えていたら
　　体が熱くなってきて、手が下に伸びた。

　　しかし、耳に聞こえた足音にびくっと反応し、
　　急いで平常を装って先生を迎えた。　　］


　　　よ、よろしく、っ………
　　　いきなり入ってくるの、なしだろ。


［　何度、このやりとりをやったことか。>>0:4

　　待ってない、といいながら
　　顔をパタパタと下敷きで仰ぐ。
　　小さい頃から見てもらっている人は
　　今日も綺麗でいい香りがする。
　　机の横に彼女が座れる用の椅子があるため
　　いつも通り、その場所に彼女を受け入れる。　］

　　…………せんせ、彼氏いないの？


［　宿題の確認をしてもらってる時だったか、
　　はたまた今日の授業の復習をしている時だったか。
　　隣にいる綺麗な人に視線を流して、
　　頬杖をつきながら、ずっと聞いてみたかったことを
　　口にしてみることにした。
　　いるなんて言われないと、勝手に思ってるだけ。　］*

──手狭なお部屋


［うん、やっぱり呼び鈴が鳴ったのはうち。

　はーいなんて言って出てみたらお隣の息子さん。
　お風呂が、壊れた…………？>>0:9
　給湯器か何かが壊れちゃったのかな。］


ご両親まだ帰ってきてない、のかな？
連絡入れられるなら、入れてくれると…
お姉さんが嬉しい、です。

お風呂は全然、使って大丈夫。

［ひとまず玄関先で話すのも、と思って
　息子さんを迎え入れては見たものの、
　名前も知らないことに気づいた。>>0:10　］


原村くん、お名前聞いてもいい？
ほら、ご両親も原村さんでしょ？
名前で呼んだ方が分かりやすいかなって。
私は白金蘭香。ランカさんって呼んでいいよ。


［名前まで派手だって？
　もうここまできたならしょうがない。
　蘭の字以外は簡単だったから、
　学生の時もテストの時に結構楽したの。

　連絡をとってもらったら、
　お風呂場にあるもの使っていいよ、って
　場所を教えてあげた。］

あ、ご飯食べてなかったらうちで食べる？
お風呂入ってる間に準備してあげるよ。


［食材的に簡単なものしか作れないから、
　高校生の男の子の胃袋を満たすだけの
　料理を提供できるか不安しかない。
　もしいらないって言われたら、
　おーけー、なんてかるーく返事をして
　リビングでのんびり動画でも見てるね。　］*

─阿仁川家　彼の部屋─

　　あ、ごめんなさい。
　　つい、自分の家みたいに。
　　
[>>1そういえばノックを忘れてたか。
思春期の男の子の部屋なのだから気を付けないと。
そうは思っても気が緩むのは
彼を中学生の小さい頃から知っているからかも。
私が見た中では彼は可愛い年下の子
というだけだったのだから。
部屋に入る前に彼が手を下に伸ばしかけたなどと、全く想像も出来ない。

いつも通りの席に座り、勉強机の前に座る彼の隣に]

　　え、え？
　　彼氏？

　　もー、何、なんの話〜？
　　先生は今はいないよ。
　　でも中学生、高校生の頃なんか
　　ちゃんとモテてたのよ？

[>>2付き合ったこともあるけど
どれもさほど長続きしなかった。
私が塾に通ったり、勉強を熱心にしてたので
遊びたい盛りの年齢とウマが合わなかったのだろう。

大学生になって彼氏が出来ないのは
そうしてあまり彼氏と仲が続かないことがあったから
少し遠慮してるところがあるからかもしれない]*

　　自分の家って……………
　　いや、何年もこうやってきめるから、
　　そう思うのも間違いじゃない…？
　　いや、よくねぇだろ…！


［　彼女の反応に一瞬納得を示しながら、
　　ひとりノリツッコミをしてしまったことが
　　少しだけ恥ずかしくなってきた。
　　更に下敷きで火照りの取れない顔を扇いで
　　何とも思っていない雰囲気の彼女を
　　ちらりと見やった。　>>6　　　　　　　］

　　へぇ、せんせって中高モテてたんだ。
　　いやさ、男慣れしてそうだなって。
　　じゃなきゃ、仮にも成熟しかけの男子の部屋に
　　そんな無防備ってか、若干露出高めの服とか
　　選ばなそうじゃん。

［　更に小さな声で、口元をにやつかせながら
　　自分の仕事に向き合っている彼女を揶揄った。>>7
　　一概に彼女のせいというわけではなく、
　　思春期男子によくある光景と許してほしい。　］*

─お隣─

　　あ、えっと。こんにちは。
　　親は今日帰って来ないんです、仕事で…。
　　
　　え、良いんですかお風呂。
　　分かりました、連絡入れときます。

[>>3割とダメ元で隣を頼ったのだ。
付き合いも殆どなかったし、断られても仕方ないと
思っていたからパッ、と明るい顔を見せる。]

　　俺？
　　……あ、そでしたね、言ってなかった。
　　陽介です。原村陽介。

　　ランカ、さん？
　　……ハーフか何か？違う？
　　凄い名前……あ。いや、馬鹿にしてる訳じゃ
　　全然なくって。

[>>4思えばお隣さんの名前を
俺は確かに知らなかった。
白金という名字だけだ。
ランカ、と聞いて外国人かと思ってしまったが
覚えやすくて良いのかも。
それになんだか、普通とは違う感じが
綺麗な彼女にはあってるような気がした]

　　あ、っ、ど、どうも。
　　ご飯は確かに……コンビニとか
　　買いに行こうと思ってましたけど…

[>>5お金は親が置いていってるから
十分だったけど、お風呂だけで無く
ご飯もお世話になっていいのか悩んで
おかずとか、買いましょうか、なんて言ってみた。]

[お風呂場に案内されて
脱衣所に来たぐらいで
途端に恥ずかしさというか、むずむずする感じが
心の中に湧いてきた。

他人の家の風呂場……もあるし
そもそも女性、一人暮らしの、しかも殆ど知らない
そんな美人の部屋に入ってお風呂を借りてる現状は
なんだか凄いことのように思えてきた。

服を脱いで、持ってきた着替えを置いといて
代わりに脱いだ服をビニール袋に入れて。
がらっ、と扉を開けて風呂場に入る]

　　…………。


[マンションだからお風呂の構造は殆ど同じ。
しかし置いてあるものが違うので
全然違う場所に来てしまったと思う。

肩まで使って
ぷくぷく、と湯の中に泡を立てながら
ふと何だか知らないけど、勃ってるのに気付いて
やめろ恥ずかしい、と股間をぎゅっと上から押さえた]*

　　そうそう。
　　間違いじゃないよ〜。

[>>8彼が自分でノリツッコミをしてるのを
くすくす笑ってしまう。
まだまだ私の中では彼は中学生の
可愛らしい頃で止まっているのだ。]

　　え？
　　そ、そうかな、露出、高い？
　　ちゃんと羽織ってるし…。

　　年下？
　　ふふ、やだぁ。
　　そんな事をいうようになったんだね、遥希君。

[ちょっと驚きを見せつつも
彼の言うことには冗談だと受け流した。
彼は成熟し掛け、と言ったけど。
大学生……私から見ると、だって彼はまだ
子供のように見えているから。
それはきっと言葉だけでは、覆らない関係なのかもしれない]*

ありゃ、そうなの？
ご両親が君のために沢山働いてるなら、
お姉さんがお助けしないとね。




［親御さんに連絡とってくれたら一安心。>>11>>12
　部屋の中に案内して、
　彼の名前が陽介くんと分かると、
　よろしくね、なんて声をかけた。
　名前のことで、子供らしい反応を聞けば
　くすくすと笑って、気にしないよ、と。］

お姉さん、顔と体と名前が派手って言われてるんだ。
あ、別に夜のお仕事してるわけじゃないんだよ？
残念ながら純日本人なんだなぁ…。
ハーフだったらもっとよかっただろうけど。


［本当、全てにおいて派手なのは困る。
　とは言っても名前が地味だったら
　それはそれで合わないって言われそう。

　陽介くんのおかずの提案は遠慮して、
　彼がお風呂に行ったら、
　料理をするとしましょうね。>>13］

んー……お肉と、お野菜あるから…
野菜炒めとかがベストね。
ご飯も温め直ししないと。


［冷蔵庫に分けておいたご飯をレンジにかけ
　ウスターソースで野菜炒めを味付け。
　我ながら美味しくできたな、と。
　お皿に盛ったらテーブルにご飯と一緒に
　準備して陽介くんがお風呂から帰ってくるのを
　待ってみようかな。>>14

　お湯でないの困るよねぇ……。］

やっぱり修理となれば、1日2日は…
別に、晩御飯もあるし直るまで来てもらっても…


［良いといえば良い。
幸い、仕事も忙しくないし
今くらいの時間なら帰ってくるはず。

なんてことを考えてましたよ。>>15
陽介くんがお風呂の中で大変なのも知らずにね。］*　

　　いやどう考えても間違いだろ。

　　そうやってガキ扱いすんのやめようぜ、せんせ。
　　俺だっていつまでも小さいガキじゃない。


［　ノリツッコミに笑ってもらったのは良しとして
　　圧倒的な年下の顔見知りな男の子止まりの
　　この反応は、もやつく感情に
　　火をつけてしまいかねない。>>16

　　少し不貞腐れたような表情で、
　　笑っている彼女を見つめて、軽いため息をひとつ。　］

　　いやいや、上着着てても……
　　上着脱いだら一緒だろ？

　　男の部屋に来てる自覚だけは持とうぜ。


［　ボディラインがわかりやすい服装で来るのは
　　付き合ってる男の部屋だけにしてほしい。
　　薄い上着を1枚羽織っているとはいえ、
　　そんなもの脱がせてしまえば何者でもない。

　　彼女からの視点と、彼からの視点は、今のところ、
　　全くもって交わることのない平行線。　　］*