人狼物語 三日月国


145 【R18G】星仰ぎのギムナジウム2【身内】

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視点:


【秘】 悪夢の足音 バラニ → 夢の終わり シャルロッテ

──目を逸らして落とす先の視界から、鈍い輝きが姿を消す。

それから、君は震える手で、それを自らに向けて──


白いドロワーズを裂き。
それから。
それから。
それから。
少年を壊す音に耳を塞いで。
滴る赤い液体に目を覆って。
悔やみ切れない。こんなのだめに決まっている。

恐怖と罪悪感に怯えたまま、立ち去っていく足音を見送る。
この部屋にはもう、泣き虫しかいない。


──そんな終わりを認めることはできない。

夢の終わりは来ない、ただ在り方は変わるかもしれない。

けれども、今この部屋にはまだ、君と私がいるのだから。

(-195) 2022/05/08(Sun) 20:10:04

【秘】 少女の身体 バラニ → 夢の終わり シャルロッテ


「──だ、だめだっ!!」


身を隠しているのも忘れて、咄嗟に身体が動いていた。
震える手で、自らにそれを向けようとするのを見た瞬間には。

制止するため、君の腕を精一杯に掴んだ力は随分と弱々しく。

立ち上がった少年の姿は。
昨日の少年よりもずっと小さく、一昨日の少年よりも小さい。

──柔らかさを備えたその姿は紛れもなく、少女のものだった。

(-196) 2022/05/08(Sun) 20:10:58
バラニは、そんな未来は認められないから。
(a46) 2022/05/08(Sun) 20:11:34

【秘】 少年の勇気 バラニ → 夢の終わり シャルロッテ

「……っ、言った、だろう……?
 酷い目に遭わない、よう……君を、守りたいのだと……」

「そうするのが、たとえそれが……君自身だったとしても。
 私はやっぱり……許せなかったんだ、君がそうなるのが」

こうして身体が動いてしまったことが、何よりの証明だった。
君が如何なる存在であろうと、バラニはそれを許せなかった。

「……嫌いになど、なってはいないよ……」
「だいすきだ、君のことが、今だって……」

はたしてこれは、何を由来とする好意なのだろうか。
わからないけれど、そんなことはどうでもよかった。

たった今、大切な事は君を愛おしいと思っていることだけだから。

君より小さくなってしまった身体で、精一杯に君を抱きしめて。

(-199) 2022/05/08(Sun) 20:13:05

【秘】 少年の勇気 バラニ → 夢の終わり シャルロッテ

「……本当にすまない」
「君を、こんなになるまで追い詰めてしまって……」

声を震わせながら、精一杯に君を安心させるような優しい声。

「もう、大丈夫……大丈夫、だから……」
「だから、もう……そんなことはしなくても、いいんだ……」

もうそんなことはしなくても大丈夫だと、何度も繰り返した。
(-200) 2022/05/08(Sun) 20:13:30

【秘】 どこにもいない シャルロッテ → 少年の勇気 バラニ

こんなからだは必要ないと思った。
要らないところを切り落として、喉を潰して、そうすればもう少しぐらいは、みんなの望む姿でいられるかもしれないと思った。
だから。


大きな声に驚いて、刹那、身が竦む。
震える手に握られた鋏は、簡単に落ちてゆく。


――かしゃん。


金属が床を叩く音。
真っ赤な夢の終わりは、やってこない。


(-213) 2022/05/08(Sun) 20:54:44

【秘】 どこにもいない シャルロッテ → 少年の勇気 バラニ

「だって、」

赤い瞳から、ほろほろと涙が落ちてゆく。

「いらないんだもん」
「『女の子』の『シャルロッテ』じゃないと」

なんだかひどくちいさくなってしまったあなたのからだを。
なんだかひどくやわらかさを感じるあなたのからだを。
縋るように抱きしめて、潰れた声を絞り出して泣いた。
(-215) 2022/05/08(Sun) 20:55:10