人狼物語 三日月国


167 【R18G】海辺のフチラータ【身内】

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視点:


【秘】 翠眼 ヴェルデ → 暗殺屋 レヴィア

月明かりもない暗闇を、そろりそろりと進んでゆく。
恐れはない。
暗がりには慣れているし、路地裏の静けさだって、騒がしいよりはずっと。
けれど。
何かを蹴った。
次いで、水溜まりを踏んだような音。
曇り空と言えど、雨までは降らなかったはずだ。
少年は首を傾ぎ、足元を確認しようとして。
——その前に。

「……あんたも年頃は変わらないように見えるけど」

ふと息をつく。
現れた声の主が同業者でないことは一目でわかった。
であれば、こんな時間に出会うものの候補は多くない。
漂う血の香に思うのは、早く帰るように言われていたのにな、なんて諦念だった。
ツイてなかった。
或いは、言い付けを守らなかった罰だろう。
(-265) 2022/08/17(Wed) 9:14:57

【人】 翠眼 ヴェルデ

>>63 ビアンカ【街中】

「……?」

あなたが立ち止まれば、少年もまた足を止める。
振り返ったあなたを見つめて首を傾ぐ。

「急に、なんで」

それは当然の疑問だろう。
(68) 2022/08/17(Wed) 9:17:50

【秘】 暗殺屋 レヴィア → 翠眼 ヴェルデ

「私は良いのよ。」
子供じゃないマフィアだから。」

地面に落ちた何かを跨いで、近くに立てば。
こちらの方が少し低い視線。夕闇の瞳が見上げるように。
手に持っているのは、消音器サイレンサー付きの小型拳銃。
そうして地面に落ちたそれは………

アルバ・ファミリーの構成員だったもの。

「もっと奥でやればよかったわ。」
「ごめんなさいね。」

小さな弾を、銃に込める。
淡々と事態が進んでいく。
夜を出歩く者にとって死は、ごく当たり前にあるものだ。
それを齎す事だって、同じように。
とくに、暗殺の場においては。
目撃者は、"0"でなければいけないから。

「何か恨み言はあるかしら。」

銃を眺めて、きちんと使えるか確認しながら。
温度のない声で問いかけた。
(-271) 2022/08/17(Wed) 11:58:21

【秘】 翠眼 ヴェルデ → 銀の弾丸 リカルド

はたりと翠の瞳が瞬く。
長い金糸の睫毛が、ほんのひととき、白い頬に影を落とした。

「それを望むヒトがいるから」
「いや、えっと……もういない、けど。
あのヒトが望んだことの中で、おれにできるのってそれしかなくて」

燻る紫煙を、見るともなく見る。
あのヒトもよく煙草を吸っていた。
熱かったな、と。ぼんやり思う。

「孤児院から出るだけじゃだめで、三人でいるのが大事ってこと?」

小首を傾ぐ。
金があれば何もかもが解決するわけではないらしいこの世界は、むずかしい。
教科書だなんて学校みたいだと考えながら、すこし古びた絵本の表紙を撫でた。
(-272) 2022/08/17(Wed) 12:04:39

【秘】 小夜啼鳥 ビアンカ → 翠眼 ヴェルデ


「…危ないから、ここを離れたいかなと思って」

 
あなたをここにしばりつけているのは、私でしょう。


↓[2/3]
(-276) 2022/08/17(Wed) 12:29:52

【秘】 翠眼 ヴェルデ → 暗殺屋 レヴィア

「……そ」

返す音は、ごく短い。
驚いていないわけではないのだけれど、どうにも、こんなときさえ上手く感情を表現できない。
一応、少年自身もアルバ・ファミリーの息のかかった者ということになるのだろう。
とは言え末端も末端、しがない街娼に構成員の知り合いもそういない。
だから、落ちているのは知らない死体。
少年も、これからそうなる。
それでも未だ、恐怖はない。

「いいよ」
「……よくはないか」
「でもあんたも、そういう仕事なんだろうし。
仕方ないよな、おれも言い付け破って早く帰らなかったし」

逃げる素振りもなく、命乞いをするでもなく。

「恨み言はべつにないけど」
「頼み事ならひとつある」

少年はあちこちのポケットへ手を伸ばす。
それは怪しい動きをしたとして、即座に撃たれても文句を言えない行動だ。
けれど、何のことはなく。
掏られても被害が少なく済むよう、あちこちに分けて隠し持った金銭を取り出すだけ。
あなたがそれを許すかは、やはり別の話だが。
(-277) 2022/08/17(Wed) 12:32:39

【秘】 暗殺屋 レヴィア → 翠眼 ヴェルデ

女の顔にも感情は全く浮かばない。
この空間で、表立つ感情はほとんどなく。
こんな状況だというのに、まるで病院の待合室のような
無機質な雰囲気さえ感じさせる。
最も、今待っているのは治療ではないが。

「そうね、仕方ないわ。」
「暗殺屋だもの。」

殺しを楽しんでいる、という風でもない。
本当に、ただの仕事なのだろう。
命乞いの一つすらしない貴方に、
「生への執着がないのね」なんて、呟いて。

「そう、興味ないわ。」

なんて貴方の言葉には返しながらも、
安全装置を外した銃口を貴方に向けることは、まだ、ない。
女はプロだ。その動きに、此方への害意が含まれてない事
くらいは容易に感じ取れる。
だから言葉とは裏腹に、貴方の動作が全て終わるまで
貴方の事を見守り続ける。

「お金ね。」

それをどうしたいのか、と。
夕闇は貴方を見つめる。
(-279) 2022/08/17(Wed) 12:56:00

【秘】 銀の弾丸 リカルド → 翠眼 ヴェルデ

「……それは、」

揺れ動く紫煙越しに貴方を見た。
金の睫毛が影を作るほど俯いた表情は、笑ってはいないだろう。

「死んだ親にでも言われたか。
 マフィアの世界に居るような子だ、いい環境にはなかったことくらいはわかる」

子供の苦しみを望む親など、それは親ですらないのではないかと思う。けれども自分のような孤児や、貴方のような子供はいつの世になっても居なくなることはない。
正義のミカタを気取るわけではないが、この腐った世の中を変えたい。
そう思って拾われたのだ、ノッテという集団に。

「俺には親がどれだけ特別なのかはわからん。
 だが、お前が苦しめば……悲しむ者がいるのではないか。
 ……お前たちアルバは、家族なんだろう」

口下手な男だから、どれだけ貴方に伝わったかはわからない。
貴方とこんなに話し込んでいるのはきっと初めてのことだ。
やはり、子供のことを見捨てるのは自分には出来そうもない。

小首を傾げ揺れる金の髪を見えて、ふ……と紫煙を吐いて、口端は弧を描いた。
学の浅い少年にはまだまだ想像がつかないようだ。

「そうだな。俺が二人を外に連れていくと思っていたし、二度と会えないと思ったら苦しくもあった。
 今でこそ外を自由に歩けるが、3人で同じ景色を見ることが俺にとっての夢だったんだ」

マウロを同じ立場メイドマンまで登らせて、同じ高さからと。
その夢はもう、叶わないものとなったけれど。

それでも、貴方にも苦しむより前を向くこと、上を目指すことはあきらめないで欲しいと思った。
(-281) 2022/08/17(Wed) 13:33:08
ヴェルデは、一歩、石畳を蹴る。
(a31) 2022/08/17(Wed) 18:34:03

ヴェルデは、絵本を落とした。
(a32) 2022/08/17(Wed) 18:34:17

【秘】 翠眼 ヴェルデ → 小夜啼鳥 ビアンカ

「旅行はべつに、したっていいけど」

少年の手が、あなたの細腕を遠慮がちに掴む。
振りほどくのは簡単だ。
少年があなたにこんなことをするのは、今まで一度だってなかっただろう。

「——二人でならな」
「危ないってんなら、あんたも同じじゃないのか」
「様子がヘンなのってさ、最近何かしてるのと関係ある?」

それから、こんな風にあなたの行動の真意を尋ねることも。
翠の瞳はじっと、あなたを見ている。
(-295) 2022/08/17(Wed) 18:36:19
ヴェルデは、縛り付けられているとは思っていない。
(a36) 2022/08/17(Wed) 18:37:23

ヴェルデは、自ら選んだのだから。
(a37) 2022/08/17(Wed) 18:37:38

【秘】 小夜啼鳥 ビアンカ → 翠眼 ヴェルデ

「…………」

「私は」

捕んでみれば、その腕はなんとも細く、頼りない。
あなたは男だ。
数年もたてば──いや、今でさえ、彼女を組み伏せることすらできるかもしれない。

彼女は非力だ。

弱く、愚かで、そしてなんの能もなく、
この街を離れる勇気すらもなかった。

「私はいい。
 体を売る以外、もう何もできない。
 十年もすれば売れなくなって、あなたのかわりにゴミ捨て場に転がる。

 けど、あんたは違う。
 ……違うよ。

 本なんて、私は読みやしなかったもの」

こちらを見つめる目を、見下ろす女の瞳は潤んでいた。
そこに浮かぶ感情を、なんと表現するべきだろう。
――悲しそうで。
――嬉しそうで。

笑うように、おんなは泣いていた。
涙なんて、決してみせはしないけど。
↓[1/2]
(-300) 2022/08/17(Wed) 20:06:02

【秘】 小夜啼鳥 ビアンカ → 翠眼 ヴェルデ


、旅行
嫌いなの」

「私は大丈夫。守ってくれる男なら、いるし」

「――仕事してるだけ」

あなたの問いに、答えることはできない。
答えにもならない答えを押し付けて、歩き出そうとする。


「いいから黙って、街を離れなさい。
 一回爆発しないと、こういうのは収まらない。
 へたくそなセックスと同じ。男ばかり、馬鹿みたいに騒いで、あちこち犯して、そうして終わったら素敵な思い出みたいに語るの。ああ、くたばれって感じ」

溜息。血を吐くような。

「死にたくはないでしょう?」


死にたくなんてないのだ。

[2/2]
(-301) 2022/08/17(Wed) 20:07:30

【秘】 翠眼 ヴェルデ → 暗殺屋 レヴィア

「だってもう、どうしようもないだろ」
「助けてくれって言って助かるわけじゃないんだしさ」

死にたくはない、と思うけれど。
ここまで来てしまったのは、少年自身の足なのだ。
だから、喚いても仕方がない。
興味がないと言うくせ、あなたはまだ少年を撃たない。
あまつさえ、先を促すような視線を向けてくる。
だから。

「気が向いたら、ナイトバー『Pollo Nero』のビアンカってヒトに届けて」
「金借りたままだから」

まとめれば300ユーロほど。
完済にはまだ足りないだろうが、ないよりはマシなはずだ。
死ねば必要もないものだから、使える相手に渡る方がいい。
翠の瞳が夕闇を見つめる。
あなたへ向けて、裸の紙幣を差し出す。
(-305) 2022/08/17(Wed) 20:19:42

【秘】 翠眼 ヴェルデ → 小夜啼鳥 ビアンカ

けれど、その頼りない腕が少年を拾った。
守りたいとか、どうにかしたいとか、そういうことじゃない。
そういうことができる者はきっと、他にいくらでもいるのだろう。
それでも。
あなたがしてくれたことを返したいと思うぐらいにはなったのだ。

「じゃあ、その十年で」
「おれがもっと他のことをできるようになって、あんたを拾えばいい」

少年は、ばかだ。
学はないし、碌にものも知らない。
ばかなこどもだ。
それがどれほど大変なことか知らない。
あなたの手を引く。
話はまだ終わっていないから。

「死にたくないのはあんただろ」
(-307) 2022/08/17(Wed) 20:31:21

【秘】 小夜啼鳥 ビアンカ → 翠眼 ヴェルデ

「ばか」

ふ、と笑う。

「教えなかったっけ」
「男は、女を置いていくもんだよ」

手を引かれて、ゆっくりと振り返る。
肩越しの顔が、あざけるように歪んだ。


「その時私は三十四。
 十年体を売れば、もう売るものなんて残ってない。

 積み上げた借金は、きっともう返せない額に膨れ上がって、
 私の女としての部分を全部ツケと利息でぐしゃぐしゃにする。

 あんたも十年たてば、きっと大切なものがたくさん手に入る。
 素敵なものがたくさん。
 そんなとき、ごみを拾いに戻る必要なんてないんだよ」

はあ、と。

溜息に、どこか甘い香りが混じる。
――酒の匂いだ。

「死にたくなんてないよ。
 けど、生きていてもそんなに、よくはない」
(-309) 2022/08/17(Wed) 20:42:55

【置】 翠眼 ヴェルデ

猫など気にしなければよかったのだろう。
言われた通りに早く帰るべきだったのだろう。
仮定をいくら重ねたところで、もはや意味などありはしない。

もうきっと、どこにも行けない。

それをすこしだけ、いやだな、と思う。
けれど、何もかもが遅かった。
“0”だった少年は、“1”を得ていることに気が付かず。
“0”へ還される瞬間になって、ようやくそれを知った。
(L1) 2022/08/17(Wed) 20:46:59
公開: 2022/08/17(Wed) 20:55:00