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【人】 オルテイシア[真っ白なブーケを抱きしめて、花々の隙間から兄を見上げる。 いつもからかうことの多い兄が、いつになく心配性な顔をして頭を撫でるものだから緩んだ涙腺が一際脆くなる。 不意に力の篭められた手が、自身の身体を引き寄せて、トン、と隣に並ぶ基依さんの胸元に肩がぶつかった。 支える声が優しく、力強くて。 堪えていたはずの雫が溢れて頬を伝う。 彼の元に寄り添うようにして、小さく頷く。] ありがとう、お兄ちゃん。 それと―――……、おめでとう。 幸せになってね。 [精一杯浮かべた笑みで、大好きな兄を送り出した。**] (3) 2021/08/11(Wed) 18:06:43 |
【人】 オルテイシア[その日の夜は、帰り道に寄ったSASANKAで 軽いおつまみを頼んでお酒をメインに過ごした。 いつもより少しだけ多く、兄のことを基依さんに話した。 小さな頃の些細な喧嘩の話や、 出かける際にはよく兄妹でペアルックを着せられていたこと。 私のファーストキスを奪った犯人だとか、 初めてピアスを開けてくれた話まで。 大好きだった兄が義姉のものになるというのは喜ばしいことだけれど、やっぱりちょっと寂しくて。 グラスを傾けながら、甘えるように隣の肩に頭を寄せたのは、記憶に新しい。] (4) 2021/08/11(Wed) 18:07:12 |
【人】 オルテイシア―― それから ―― [引っ越しするにあたって、要らない荷物は随分捨てたつもりだったけど。 着道楽にとっての服の量は、そんなもので減るものではない。 彼と新しい生活を始める新しい住まいの一室で。 段ボールから洋服を取り出しては、引き出しに詰めていく作業をかれこれ小一時間は繰り返しているが、まだ冬物が終わったばかりで春物や夏物は箱に入れられたまま残っている。] うーん……、減らしたはずなのに減ってない。 なんでだろう……? [正解は減らした分だけ新しく買い足しているから。なのだが。 至って本人は真剣に悩んでいるので、この問題は暫く解決することはないだろう。*] (5) 2021/08/11(Wed) 18:08:10 |
【人】 オルテイシア[新居に荷物を届けにきた時の段ボールの量に、目を丸くした基依さんの顔は忘れられない。 自分だってまとめてみてこんなに段ボールが嵩張るとは思わなかった。 溢れかえる段ボールの中に埋もれながらひょこりと顔を出して、困った顔で助けを求める。] ハンガーラック、もう一つあった方がいいかもです……。 収納ケースは多分、収まるとは思うんですけど。 [最後の長袖を折り畳んで仕舞えば、ようやく一息とほっと息を吐き出した。] キッチンの方はもう片付きました? ごめんなさい、手伝えなくて。 [新しい部屋は基依さんが住んでいた部屋よりも大きく、二人で考えた末にキッチンの広さと、ゆったりとした水場は特に拘った。 彼の城であるキッチンは、彼が使いやすいようにと意見を優先して。代わりに衣装棚や新しく買った洗濯機などはこちらの意図を汲んでもらう。 部屋の統一感を出したくて買った衣装ケースはシンプルな透明のケースに、二人分の洋服が並んでいる。] (8) 2021/08/11(Wed) 20:33:40 |
【人】 オルテイシア[兄の結婚式後に過ごした元の部屋も思い入れが深いけれど。 これからはここで二人の思い出が増えていく。 寂しいなんて言葉は頭の隅に追いやられるくらい、彼と一緒の時間を過ごしていくのだろう。 兄と共に過ごした時間よりも、長く――。*] (9) 2021/08/11(Wed) 20:34:06 |
【人】 オルテイシア[さすが勝手知ったるといったところか。 キッチンに不備はない様子で、手慣れた様子に微笑んでしまう。] はいっ。 今、用意しますね。 ……でも、作るの。 さすがにお疲れじゃありません? 大丈夫です? 私もお手伝いしますね。 [スカートの裾を払って立ち上がりながら。 言い分からするに今日もキッチンに立つことを考えていることを察してしまう。 職業柄、苦ではないのかもしれないけれど。 さすがに引越し当日ぐらいは休ませてあげたいのが悩ましいところ。 せめて二人で動けば楽になるだろうと助手を申し出た。] (13) 2021/08/11(Wed) 22:11:43 |
【人】 オルテイシア[引っ越した先は以前住んでいた場所よりも会社に近くなり、部屋も広くなった。 ワンルームの狭さでの一人暮らしに慣れていたから、同棲生活ということに多少の不安はあれど、できるだけ彼の負担にはならないようにしたい。 新しい自分の生活に彼が当たり前のように存在することが、少し擽ったくも嬉しくて。 こうして少し外に出るだけでも、表情が緩んでしまう。 いつか、兄たちのようにちゃんと籍を入れて。 家族が増えていくこともあるかもしれないけれど。 二人きりで暮らす生活は今しか味わえないのだから、思う存分「独り占め」させてもらうつもりで。] (14) 2021/08/11(Wed) 22:12:02 |
【人】 オルテイシア[ショルダーバックを肩に掛けて、出かける支度をする。 お財布は以前に使った共用のものを手にした。 買い物リストを脳内で作り上げる彼に笑って、] 洗濯洗剤はありますけど、 お風呂場の洗剤が足りないかも。 大丈夫です。お洗濯は好きですから、 基依さんのお洋服もふわふわにしますからねっ。 [ふふ、と得意げに笑ってぎゅっと拳を作る。 彼が一人で暮らして居たときも、時折お手伝いと名乗り出て彼女面をして掃除や洗濯はしていたけれど。 同棲するとなればそれが当然のようにできるようになるのだから、少し気分がいい。 家事は手間だと言う人も居るけれど、自分が洗ってしっかりとアイロン掛けまでしたカッターシャツを着て店に向かう彼を見送るのが好きだから苦にはならない。 家事の分担という響きが、尚更、二人で暮らすことを意識してしまって、……はい。と緩んだ顔で頷きを返す。 乗り慣れないトラックに彼の手を借りて乗り込んだなら、お買い物デートですね。なんて浮かれた声で言った。*] (15) 2021/08/11(Wed) 22:12:48 |
【独】 オルテイシア/* そういえば、言おうと思ってたんですけど、村のタイトル可愛いですよね。 新生活に色々なものが詰まっててきゅんきゅんしちゃう。 (-3) 2021/08/11(Wed) 22:22:55 |
【人】 オルテイシア……ンッ、 [車内とはいえ真昼の最中のキスに瞬いて、頬を染める。 見上げた視線から、嫌ではないのが伝わるのは言わずもがな。] 一緒に暮らしてもデートはデートですよ? いつか子供が生まれたとしても、 お休みの日にはデートしましょうね。 [はにかんで、お返しにと頬に掠めるだけのキスを送ってシートベルトを締めた。] (19) 2021/08/11(Wed) 23:23:41 |
【人】 オルテイシア そうですね……、 あと新しいところだから大丈夫だとは思うんですけど、 虫除けとかも買っておきたいなー…。 [一人暮らしの時は幸いにも出くわさなかった虫にも、殺虫剤での駆除は怠らなかった。 出来れば新居でもご対面はしたくない。念の為と準備しておくのは悪いことではない。もし出会ったら泣いてしまうので。] うーん、食べたいもの。 簡単に作れるものがいいですよね。 何がいいかなぁ……。 [思案に天を仰ぎながら、先行く彼のTシャツの裾を掴んで足を止める。 これからは洋服からも同じ香りがするようになるのだろう。 やっぱり、洗濯洗剤も買い足しておこうなんて口添えをしながら。] (20) 2021/08/11(Wed) 23:23:54 |
【人】 オルテイシア[ほんの少し買い足すつもりだった買い物も、見ているうちにいろいろと手が伸びてしまって結局は軽トラックで来て正解になった。 「裏側がモップになっているスリッパ」は、幼少の頃に見ていた児童向け番組に出ていた緑の怪獣の子供がデフォルメされていて、つい懐かしいなんて話が弾んで赤い雪男もセットにして手にしてしまったのは余談の話。 基依さんが調理中にキッチンで息抜きに座れるようにと、シルバーのハイスツールも購入した。 手の混んだ煮込み料理などをする時には便利だろうと思って。 ホームセンターからスーパーへ移動する頃には日もすっかり落ちてきていて。 晩御飯へのリクエストには、道中悩んだ挙げ句思いついた一品を口にする。] はい、冷しゃぶとかどうでしょう? さっぱりしてるし、簡単に作れるし。 お野菜も食べれるし。 冷たーいトマト食べたいです。 [野菜は実際のところ、好物を言っただけなのだけれど。 彼にならそれも暗黙の了解として伝わるだろう。*] (21) 2021/08/11(Wed) 23:25:43 |
【独】 オルテイシア/* 虫の話もしかしたら嫌がられるかもしれない。 申し訳ない……。 基依さん虫苦手だったら可愛いな。 強かったら強かったでそれはそれで格好いいけど。 (-5) 2021/08/11(Wed) 23:30:54 |
【人】 オルテイシア[車窓を眺めながら、ガラス越しに映る横顔を覗く。 運転する腕も眼差しも普段通りだけれど、隠しきれていない耳朶がほんのりと色づいていることが分かれば、小さく笑って。 何気なく口についた一言が、照れ屋の彼を垣間見せる。 一方で、殺虫剤の話をした時には率先して買い揃えてくれるので頼り甲斐もひとしおで。 見るもの触るのもダメだと打ち明ければ、色々と考えてくれた品が買い物かごに入れられていく。 そんな些細なことでも、二人で居るという安心感が胸を満たした。 日々、好きになっていくことに上限はないのだろうか。 カートを押して買い物をするだけで、募っていく思いは留まることを知らない。] (25) 2021/08/12(Thu) 1:16:34 |
【人】 オルテイシア[ハイスツールは思いの外評判で、感嘆の声を上げる基依さんににこにこと笑って、荷物を運ぶ。 大物は基依さんに任せて、細々したものは任される。 自然と役割分担のようなものが出来つつある。] 大葉! 入れたことなった。 おいしそうですね。 [彼の口から「紫」という言葉を聞くと、たまにドキッとする。 自意識過剰かもしれないけれど、自身の名前を思い当たるところがあるから。 逐一反応していては身が持たないのだけれど、こればっかりは慣れない。 当の本人は好物を手にご機嫌な様子で、苦笑を浮かべる。 一品だけでなく、すぐに添え物を思いつくあたりがさすがだと感心して。 もちろん断るはずもない。] いいですよ。 胡麻和え、私も好きです。 [トマトはずっしりと重くて、スターマークがついているものがいいと聞いたから、いくつか手にとってみて気に入ったものをかごに入れた。] (26) 2021/08/12(Thu) 1:17:50 |
【人】 オルテイシア[タレを作らずに市販のものを使うのは少し意外だった。 理由を聞けば、確かに量を多く作るものではないしコストもかかるなら頷ける。] どっちも好きで選べないんですよね。 だから、その時の気分で選んでました。 甘いのが食べたい時はゴマダレで、 さっぱりしたのが食べたい時はポン酢。 [ジュレと聞いたら美味しそう!とついつい返事をしてしまったけれど、今日のところは通常のもので。 二つ買うならどちらの味も楽しめて、お得な感じがする。 夏は本格的に始まったばかりだし、またタレが活躍することもあるだろう。 鶏ガラスープのいい香りがする隣で、トマトをくし切りにして、きゅうりは食べやすいように千切りに。 基依さんほど速く正確に切れる訳ではないから、トントンとゆっくりとした一定のリズムでまな板を叩いた。 お店では見つめているだけだったけれど、こうして隣に並んでキッチンに立つのも、特別な気がして目尻が下がる。] (27) 2021/08/12(Thu) 1:18:58 |
【人】 オルテイシア[支度を終えて、料理がテーブルに並ぶ。 新しく買い揃えたばかりの食器が早速出番を迎える。 向かい合って、両手を合わせて口を揃えた。] いただきます。 [最初はポン酢で。 レタスで豚肉ときゅうりを挟んで、最後に大葉で包む。 シャキシャキとしたレタスの食感と柔らかい豚肉が口の中で蕩けた。仄かに香る大葉の香りが鼻を擽って苦味を和らげる。] んー……ッ、さっぱり。 おいしい〜…… タレが二種類あるって贅沢ですね。 [トマトは氷水にさらしたおかげでとても冷えていて、まるでデザートのよう。 箸休めにおかひじきの胡麻和えを食べれば、食欲が進む。**] (28) 2021/08/12(Thu) 1:20:02 |
【秘】 イウダ → オルテイシア[――今行けば、一緒に入れるかな、なんてことを考えたのは一瞬。 10代の頃じゃあるまいし、そんなにがっつくのは情けない。 お互い身体を清めた後に新しいベッドで――――*] (-8) 2021/08/12(Thu) 16:20:43 |
【独】 オルテイシア/* それにしても基依さんのお料理ロール丁寧だなぁ。 手を抜かない感じ、好きです。 私も頑張ってお食事ロールの腕をあげたい。 (-10) 2021/08/12(Thu) 18:02:00 |
【人】 オルテイシア[手間を省くつもりで選んだ料理も、彼の手にかかれば一手間かかるから不思議なもので。 一人暮らしの手前、それなりに包丁を握った経験があったとしても、耳にする度に新鮮な驚きを得るから面白い。 多分それは、興味の度合いの違いでもあるけれど。 食べるためだけに料理を作っている私と、趣味と仕事を兼ねた基依さんとでは知識の豊富さが違うのだろう。 彼がさりげなく話題の端に付け足す情報も、今後のためにとスマホのメモアプリに書き足すようになったのはいつからか。 いつの間にかそれなりの量にはなっている気がする。 普段は任せっきりだけど、料理が好きな彼のことを自分の手料理でもてなしたい時もきっと訪れるだろう。 例えば、仕事で疲れた時に。 例えば、特別な日に。] お料理、私も上手くなりたいです。 プロの味までは行かなくても、 一緒に作れるように、なりたいから。 [だから、これから教えて下さいね?なんて。 今更だけど口にして、弟子入り志願を申し出た。] (32) 2021/08/12(Thu) 19:29:34 |
【人】 オルテイシア[ゴマダレに、胡麻和え。 中華スープにはほんのりとごま油が浮かぶ。 薬味の中でも特に好んでいるから、香りが広がるのを楽しんだ。] 素材は一緒なのに、不思議ですね。 温かいしゃぶしゃぶも、つい色々試しちゃいます。 [ポン酢を楽しんだ後はゴマダレに切り替えて。 冷えた野菜と共に楽しんで、仕上げにはスープが身体を温める。 身体が温まるとほっと息をついて、箸を置いた。 片付けに立ち上がろうとしたら掛かった一言に、新たに増えた強い味方を思い出す。 出来ることはするにしても、文明の利器があるなら使うに越したことはない。 彼がおすすめした食洗機はこれからもきっとたくさんお世話になるだろう。] ありがとうございます。 じゃあ、お願いしてもいいですか? [使い方は基依さんの方が手慣れているだろうからお任せすることにして、席を立った。] (33) 2021/08/12(Thu) 19:30:15 |
【人】 オルテイシア[新しいバスルームは一人で暮らしていた頃よりも随分と広く、私一人でなら足を伸ばせる程。 夏場でもゆっくりとお湯に浸かりたい時はあるけれど、今日はさっぱりとシャワーを浴びるだけにした。 埃や汗で汚れた身体を洗い流して、新しいショーツを身につける。 最近、困ったことにブラのサイズが少し窮屈になった気がして、ワンサイズ上のものを身につけるようにした。 思い当たるフシは、なくはないのだけど。 だが、本日は胸元は窮屈な思いはしない。 同棲一日目。 何かを期待する訳じゃないけれど、気にしないはずもなくて。 彼の同僚と買い物に行った時からずっと眠っていたものを引っ越しの際に取り出した。 淡いピンクのベビードールは、胸元や裾にはフリルが広がっていて心もとないぐらいに肌が透けてみえる。 着てみて鏡越しに確かめれば、改めてそれを実感して恥ずかしくなった。] でも、せっかくだし、 ……いい、よね? [何を確認するのか自問自答して、一つ頷く。*] (34) 2021/08/12(Thu) 19:31:29 |
【秘】 オルテイシア → イウダ[一緒に入りますか?なんて冗談でも言えなかったのは、そんな下心がバレてしまうから。 さすがにこのまま出ていくのは恥ずかしくて、バスローブを上に羽織って部屋へと戻る。 疲れたふりをして先に寝室へと向かえば、ベッドの中に入ってから、バスローブを床に落とした。*] (-11) 2021/08/12(Thu) 19:32:13 |
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