人狼物語 三日月国


224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】

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【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 口に金貨を ルチアーノ

入院して1周間くらい経った頃だろうか。
流石に寝るのにも飽きた男は、こっそり点滴を抜いて外に出た。
片腕が全く動かない上、肩から胴までギブスでガチガチに固められた状態では、着替えるのがほぼほぼ不可能なため、入院着にカーディガンを羽織っただけだ。
担当のナースに見つかれば間違いなく、青い顔をされた上で怒られるに違いない。

夢の中で名前を呼ばれた気がずっとしていたし、
悪夢を見続けるのにも飽きてしまって、外の空気に触れたいと……そう、思ったから。
病院の庭を散歩するくらいは許されたい。

「いたた……でも流石に早かったかな……」

点滴には痛み止めも含まれてるのだから、抜けば痛みが戻ってくるのは当然の話しだろう。
(-124) 2023/09/28(Thu) 22:38:37

【秘】 favorire アリーチェ → 花浅葱 エルヴィーノ

「ふふ。声に出してない言葉、聞こえちゃったから」

少し機嫌よさげに笑って、そっか、やっぱりいるのね。
なんて、何も言われていないのに一人話を進める。

「もう、褒めてもお土産しか出ないわよ。

 ……それは、どうかしら……支えたい人ができたからって
 書類仕事が急にできるようになる訳でもないし……
 ……まだまだみんなにはお願いするかもしれないわね……」

言いながら封の空いた小さな紙袋を貴方に差し出して。
中に入っているのはテントウムシのキーホルダー。
男の人が持っているには少々可愛らしすぎる、といったデザインだ。
 
「お守り代わりにでも、と思って」
「フルーツと悩んだけど、エルヴィーノまだ余り食べられないでしょ?腐らせちゃうのもまずいなって」

「そうだ、退屈していない?
 あれなら本でも適当に買ってくるけど。
 ……でも、エルヴィーノならお願いできる人沢山いるかな」
(-133) 2023/09/28(Thu) 23:21:00

【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → favorire アリーチェ

>>-133

「お土産?」

話を逸らすように聞き返せば、差し出されたのはテントウムシ。……の、キーホルダー。
聖母マリアの使い。幸運を呼び込み、病や災いごとなどの不幸を運び去ってくれるそれは、愛らしいデザインで確かに男性向けのものではない。
それでも、そこから伝わってくるのは気遣いと祈りが込められてるのがわかるから悪い気はしなかった。

「ありがとう。ごめん、もう少しこっち来て」

右手が動かないから、左手をそちらに伸ばして受け取った。
逆手では届かなくて、あなたにこっちに来て貰う形になっただろう。

「可愛いね、これ。
 あぁ……今はまだ殆たべられないからね……本は助かるな。
 毎日寝てるだけだと暇だし……ページがめくれるようになったら読みたいな。
 推理小説が好きなんだけど……、……ブックスタンドも欲しいかもしれない」

両手が使えぬと本も読めなかった。
(-138) 2023/09/28(Thu) 23:53:55

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 花浅葱 エルヴィーノ

>>-124

貴方が病院の中庭に辿り着いた頃、ベンチに見慣れた男のシルエットがあった。
その男は誰かの見舞いであろう病院の前にはない店の紙袋を下げながら暖かな日差しの下で眠っている。
他人の視線や居場所を関係なく眠っている。
時々身じろぎしては丸まって器用に長い脚を収めている。

貴方は彼を放置することも出来るし、声をかけて起こすことも出来るだろう。
(-173) 2023/09/29(Fri) 7:54:05

【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 口に金貨を ルチアーノ

>>-173

流石に歩くのがつらくなってきた散歩の最中。
中庭のベンチにでも座ろうかと視線を投げれば、何故か見知った男がベンチに寝ている。

「……いや、なんで?」

浮かんだ疑問は言葉になって呟かれ、きょとん、と小首を傾げた。
あの日のようなあどけなさのある寝顔は、何も警戒してないようにも見える。
部屋やホテルとは違うのに、なんとも無用心だ。

「誰かの見舞いにでも来たのかな……」

あの強制的な逮捕の裏で拷問などもあったらしいから、怪我人もきっと多いだろう。
部下を沢山もつマフィアは大変だな、なんて思いながら、連なる隣のベンチに腰を下ろした。
そろりと、動く方の左手を伸ばして。
柔らかな髪に触れてみる。

いつも気持ちよさそうに眠るから、起きないだろうなんて思いながら、その頭をゆっくり撫でて表情を緩めた。
暫く休憩したら、そっと立ち去ろうと思いながら。
(-174) 2023/09/29(Fri) 8:38:24

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 花浅葱 エルヴィーノ

>>-174

「ん」

ぱちくり、と、少しだけ時間をかけて瞼を開くと視線だけ隣のベンチに座る貴方へと向ける。
そのまま戻して、つまり結局微動だにせず口を開いた。

「なんで撃たれてるんだお前」

調べたらすぐに分からなくもなかったことを敢えて見ずにやってきた。
貴方が今何処にいてどうなっているかだけを男は知ってきたのだから。
(-176) 2023/09/29(Fri) 8:46:08

【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 口に金貨を ルチアーノ

>>-176

「うわ、起きた」

少し驚いたものだから、呻くような言葉が、思わず口をついてでてしまった。

「ごめん、気持ちよさそうに眠ってたからつい……」
「あー……えっと……」

あの騒動を引き起こしたのは、何もあなたのためだけではなかった。
まさかギリギリになってあなたまで捕まると思っていなかったし、自分に出来ることを友との約束を果たすためにやったことで。
彼らを釈放させるためにやったことで。
でも……、あなたが捕まったことでその必死さに拍車がかかったことまた、事実で。

騒動のことくらい情報通のあなたなら知ってそうなことなのにと、言い倦ねて、それからぽつり。

「…………代理逮捕の時の騒動の首謀者だったから…………かな……」

事実、あの時僕が死ねば、証拠を持つ問題で自体はややこしくなってたはずだ。
とはいえ、まさかあんな所にノッテのボスが潜んでいて援護射撃をしてくれるなどとは思ってもなかったのだが。

ともあれ、あなたとの約束を破って危険な行動にでたことは確かなので、申し訳無さそうに眉を下げた。
(-177) 2023/09/29(Fri) 8:57:19

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 花浅葱 エルヴィーノ

>>-177

「……なんだ、そのまま撫でて居ろ、聞いている」

どうしてそんなに言いよどむのだろうかと疑っていたが
貴方の思惑を聞き取れば、と納得するように相槌をうった。
やっぱりお前は馬鹿だと小さな声で呟いた。

「そうか」
「もうお前は信用しないと決めたから気にするな。
 ……勘違いするなよ、嫌いになったわけじゃない」

「お前は安心ができん。心配もかける常識も時々外れている。
 もうまともな人間だと思わないことにした。
 これまでは一人でやっていける立派な大人だと信じていたんだが、……思い違いだったなあ?」

何も気にしていなかったわけじゃあない。
何も思っていなかったわけじゃない。
いつだって頼られれば答えたし貴方の心配ばかりし続けていた、会うたびに面倒は見ていたつもりで。
それでも足りなかったんだなと改めて知る。何にも知ろうとしてこなかったのだと。

「……もう、一度お前のことは
洗いざらい調べようと思う

 だがその面倒くさい程開かん口はどうしようもならんから、
 何か疚しいと思っていることがあったらバレ早めに言えよ。
 言わなかった事一つある度に、お前の事嫌いになるから」

何とも子供らしい言い方で貴方をとがめた。
調べようと思う、という言い方に何処までの意味が含まれているか貴方にわかるとは思っていない。
(-193) 2023/09/29(Fri) 16:49:19

【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 口に金貨を ルチアーノ

>>-193

「べ、つに。
 今はもう何も隠してないよ……入院したこと言わなかったのは悪いと思ってるけど……」

これは間違いなく、この人は自分に会いに来たのだと思った。
たまたまなんて反応ではなかったから、きっと、その情報網の広さでここに居ることを知ったのだろう。
でもそれなら、どうしてこんな所で寝ていたんだろう?
病室に来てくれたらいいのに、僕がここに散歩に来なければいつまでここに居たのかと、ちょっと心配になった。

そのままと言われたので左手でそのまま柔らかな髪を梳くように撫でながら、浮かべる表情は困惑した表情だ。

「代理を引きずり降ろそうとした結果、肩を撃たれましたとか、格好付かないし……」
「あ、洗いざらいって……あ、ねぇ……でもそれなら」
「キミになら何知られたって良いし聞かれたら答えるけど……それなら、僕にも教えてよ」
「キミのこと」

駄目かな? と、あなたの顔を覗き込んで問う。

僕は多分、知らないことがたくさんあるんだ。
今まで知ろうとしてこなかったマフィアの話とか。
幼い頃何を考えてたのかとか。
色々だ。
(-195) 2023/09/29(Fri) 17:15:41

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 花浅葱 エルヴィーノ

>>-195
「……」

その心配そうな顔に答えを返してやる。
今となっては貴方の顔から疑問が読み取りやすい、本当疑う方が俺は性に合っている。

「……言わないってことがどういうことか教えてやろうと思ってなあ。
 ずっと連絡を取らず、偶然お前が散歩をしなかったら、
 俺は何日もここで昼寝して一生お前に会えず無駄な時間を過ごしていた。
 どうしてかって? わざわざ見舞いに来たのが恥ずかしかったから。等言ってやろう。
 そうして風邪を引いたとしても自業自得だな、馬鹿だろう? 馬鹿なんだよ」

お前がしたことを真似しただけだけどなあ。と鼻で笑った。

「俺が駄目だなんていったことがあるかよ」

あ。と言ってから気づく。
あの男と同じ台詞をいってしまってしかめ面をした。
本当に何もかも背中を追っていた弊害で、所作や口調が染みついてしまっていて嫌になる。

「気味が悪い……あいつなんで俺の人生に侵食してるんだ。
 はあ……なんでも聞けよ。なんでも答えてやるから」
(-197) 2023/09/29(Fri) 17:29:21

【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 口に金貨を ルチアーノ

>>-197

「ほ、本気かい?」

本気でなかったらこんなところで寝ていない。
ここで見つけなかったら。
この後もずっと連絡をしなかったら。
……その先はちょっと想像したくない。

「はぁ……これからは後ろめたくてもちゃんと言う。
 だからこんな嫌がらせ無茶はやめてほしい」

重々しく息をついて、降参の白旗を上げた。
皮肉めいた言い方だが、流石にそれは後悔するどころではない。
あなたに風邪をひかせてまで守るプライドなんて、本当はないのだ。

「今、なに思い出したの?」
「そうだな……じゃあ、なんで子供の頃の夢はどうでもよくなったの。
 おじさんとおばさんを殺した犯人をもう追わないのはどうして?」

これを知らなきゃ、僕も調べる手が止められない。
男はまだ、あなたに幸を届ける方法がわからない。
(-199) 2023/09/29(Fri) 17:45:37

【秘】 favorire アリーチェ → 花浅葱 エルヴィーノ

>>-138
「あ、ごめんね。はい」

貴方の左手で自然に取れる位置まで移動して、
改めて大変そうだなと手の様子をまじまじと見つめている。

「ちょっとかわいいの買いすぎちゃったかな……
 って思ってはいるのよ。……不要だったら他の子に
 遠慮なく渡してくれたりしてくれていいからね」

棄ててもいい、とは、貴方は絶対しないタイプだろうから
わざわざ言葉に出したりはしなかった。

「それならお土産、ブックスタンドの方がよかったかも。
 今度持ってくるわね。推理小説好きって格好いいし
 表紙が格好いいデザインが多いものだから、エルヴィーノの為って理由をつけて本屋で選ぶのちょっと楽しみになってきたわ。

 後は最近音声で本を読む、って言うのもあるから、
 あれ、試してみたらどう?お料理の最中とかに
 わたしはたまに聞いたりしているのよ」
(-201) 2023/09/29(Fri) 17:50:20

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 花浅葱 エルヴィーノ

>>-199

「無茶だ? いくらでもできるぞ。何なら退院するまでやってやる。
 もっとも風邪なんて引かない上に途中からは仕事をしながらここで医者でも口説いてコネクションを増やしにいくさ」

無駄なことにはしたくないんでねと、肩をすくめながらよいしょと起き上がった。
この先は寝ながら話すことでもない、病院の中庭で話すことでもないが聞いている人間もいないのでいいだろう。

「今だあ? 馬鹿老害だよ、同じ事言ったんだ。
 あいつも俺に目立った隠し事なんてしてなかった、聞いてれば素直に答えたんだ。
 だけど……もういい。あいつはもういいお前も関わるな」

いつか黒眼鏡がこの世から居なくなった噂は広がってそして忘れられていくだろう。
実際貴方の頭にそんな記憶が残り続けるのも嫌なのだ、
本当に喪失感を味わう人間は一人でも減らした方がいい。

(-203) 2023/09/29(Fri) 18:05:46

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 花浅葱 エルヴィーノ

>>-199 >>-203

「どうでもいいというか……そんな暇がないのが正しい。
 大学に行かなくとも俺は頭がいいからな。
 それよりもやりたいことがある上に、
 お前たちと遊ぶ時間が取れなくなる方が問題だった」

「あと犯人捜しだが――見つかってる。内容は言わん。
 マフィアと関係ない反社組織で、そいつらはもう死んでる。
 俺は両親が落ち込みも泣きもしなかったただの薄情者だ。
 ただ犯人が何のために殺したのか、理由だけが知りたかった。
 お前を止めなかったのは関わらせないためと、
 その……調べることに意味があるかと思って。
 ずっと頑張ってくれていたのに、知ってるからもういいなんて、嫌だろ……?」

「……お前が居るから別に家族が死んでも寂しくなかった。
 想像しているより俺は引きずってないんだよ、それよかアジトでの毎日が慌ただしくて
 辛いや悲しいなんて気分になることなんて一度もなかった。
 だから――悪いな、俺は今いる場所が、本当に大好きなんだ」

例えこれからどれ程辛いことがあっても、無茶をさせられても、
怪我をしても、犯罪にかかわることをし続けても、辞めたいと願うことはないのだろう。
はっきりと貴方に意志を伝えるのはあまりなかったように思える。

「それでも俺を抜けさせたいって言うなら――それを全部奪うつもりで来るんだな。
 俺の大切で守りたいものを全部奪ってまでやり通したいって言うなら受けて立つ」

全く嫌がっていない様子で、それでもそんな日が来ないで欲しいと願う気持ちで。
貴方に向けるのは、好いている人間には裏切られてもいいという絶対の信頼だ。
(-204) 2023/09/29(Fri) 18:10:15

【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 口に金貨を ルチアーノ

>>-203 >>-204

「……そっち行って良い?」

あなたが起き上がってしまうと、寝転がってた分の距離が開いた。
あなたはきっと断らないだろうから、せめて同じベンチに座ろうと隣にすとんと腰を下ろした。

「黒眼鏡と何があったのか知らないけど……その口ぶりだと彼も脱獄したんだね。
 明確に罪状がでてるあの二人黒眼鏡とヴィンセンツィオの釈放は認められないはずだったんだけど」

まぁ、どうせそうなるだろうとは思っていた。
あの二人がそう大人しく捕まったままでいるわけがない。
二人が消えたら喪失感を覚えるのかということならば、やはり、上司の死を聞かされる方が喪失感はあるだろう。
喪失感から歪んでいった事を考えると、あなたの判断は正しいものだ。

(-214) 2023/09/29(Fri) 20:05:51

【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 口に金貨を ルチアーノ

>>-203 >>-204 >>-214

「えっと。つまり……」

話される言葉を噛み砕いて、理解する。
ずっと仲良しで優しい家族だったと思っていたあなたの家族は、実はそうではなかった。
そんな事すら知らなかった事が、少し恥ずかしい。
ただ、それよりも。
あなたの言葉を聞いていると、どうにもうずうずしてしまっていけない。
だって。

「……それって、全部……僕のため?」

だってそうだろう。
大学よりも、両親よりも、
自分を優先してくれてるように聞こえた。
なんなら、牢屋であんなに黒眼鏡や後輩との事に怒ったのも。
――全部。

あぁ、本当に僕は馬鹿で愚か者だったのだ、今まで、ずっと。

「…………。もう、そんな事望まない。
 キミがまた、依存してしまうようなら別だけど……大好きな場所から引き離すほど、聞き分けのない子供じゃないよ」

自分だって、今いる警察が
嫌いじゃない

嫌いな上司は沢山いるけれど、それ以上に大事な同僚たちがいるし、守りたいものを守る事くらいは出来るのだから。

「でも……やっぱりね。
 キミが誰かに捕まるくらいなら、僕が捕まえに行くつもり。
 マフィアのこともちゃんと知りたいし、好きな人が好いてる人の事くらいは知りたいから……会ってもいい人くらいは紹介してね」
(-215) 2023/09/29(Fri) 20:08:15

【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → favorire アリーチェ

>>-201

「いや、これも嬉しいよ。
 キミの気持ちが籠もってるしね」

手の中のキーホルダーをみつめて、表情を緩めた。
流石に持ち歩くには可愛すぎるから、家に帰れるようになったら飾っておこうと思う。

「あぁ、ブックスタンドと本の代金は払うから頼むよ。
 ここにいる間に何冊も読めてしまいそうだから、キミのおすすめも混ぜてくれて構わないし。
 格好いいかはわからないけど……トリックとか先に解けたらよし!ってなるでしょ」
「音声か……イヤホンつければ確かにここでも聞けるからいいかもね」

料理は確かにやってると手が離せないから、音で聞けるのはいいのかもしれない。
なるほどね、なんて言いながら相槌を打った。

それはそれとして……。

「あれで皆外に出れたと思うけど……皆無事かな。
 ここにいると、外のことが何もわからないんだ」
(-216) 2023/09/29(Fri) 20:21:05
エルヴィーノは、イレネオの電話を鳴らした。
(a21) 2023/09/29(Fri) 23:38:24

エルヴィーノは、イレネオに通話が繋がる事はない。
(a22) 2023/09/29(Fri) 23:39:50

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 花浅葱 エルヴィーノ

>>-214 >>-215

「あの二人は仲良くデートの約束だったんだろうよ。
 脱獄したのと、色々あってなあ。……まったく」

「なんだと……別にお前だけ、のためではないがあ……?
 まだ色々勘違いさせてるかもしれんな、ちゃんと話してやるからな」

わかりやすく嘘をついて照れ隠しをした。
隣に来ることを了承すればため息を付いて肩にもたれかかる。

「依存は、わからん。
 ……血の繋がりもないあいつらに、
 既に俺はしっかりと依存しているのかもしれんし」

「会っていいやつなんてそんなにいないが……?
 血の掟は聞いたこと無いのかお前、
 ……本当は警察と俺たちは会っちゃならん。
 関わることから禁じられてる、だから俺は……まあ」

(-257) 2023/09/30(Sat) 2:18:43

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 花浅葱 エルヴィーノ

>>-214 >>-215 >>-257

「捕まるんならお前しかいないと思ってるさ。
 だけど簡単には捕まらない、
 それに大きな事をどうせなら起こすかもしれん」

この時点でもまた誰かをなぞっているだろうか。
それでも、何となく、いつかの終わりは来るような気がして。
永遠に平穏なんて続かないのを知っている。

「番狂わせを見せてくれるほど俺の幼馴染は面白いからな。
 その時は絶対逃げ切ってやる、覚悟してろよエル」

逃げ切るということは、俺はその手を拒む日が来るということだ。
生きることをやめようとするかもしれないし、すべてを投げ捨てているかもしれない。
いつかそんな日を迎えても、最後は貴方の顔を見たいと甘えている。
あの日からずっと、貴方は大切な唯一の幼馴染で、かけがえのない人なのだから。
(-258) 2023/09/30(Sat) 2:20:09

【秘】 幕引きの中で イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノ

院内は清潔な空気で満ちていた。
容態は悪くないのだという。示された先の病室で、貴方は一人、未だに眠っていた。

その姿を認めた男は靴音を立てることなく・・・・・・・・・・近寄っただろう。
眠る姿をいつもの高みから見下ろす。上からではまだ遠かったので、すぐに腰あたりから折り曲げるようにして顔を寄せた。

色が白い。
けれど顔色はさほど酷くない。繋がれた点滴のおかげだろうか。
線が細い。
それでも今すぐ命を落としてしまうほどに儚くはないのだろう。
命がある。
たったそれだけの事実に、自分が酷く安心したことに気づいた。

男は更に腰を折り、頭の位置を下げる。肩口に顔を近づけたのは当然、噛み付くためではなかった。
顔を傾ければ僅かに上下する胸元が見えた。それでも足りずに手をかざせば呼吸を感じられた。未だ痕の濃い首筋に指で触れれば、生きている温度が伝わった。
しまいにくん、と鼻を鳴らして短く空気の匂いを嗅ぐ。血の匂いは僅かにもせず、ただ清潔な布の匂いと、その奥にほんの少しだけ消毒の香りの混じりを感じた。
貴方の負った傷は、遠からず治っていくのだろう。
それにようやく、心から安堵した男は上体を戻した。

#AbbaiareAllaLuna
(-268) 2023/09/30(Sat) 5:05:11

【秘】 幕引きの中で イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノ

エルヴィーノさん・・・・・・・・。」


無骨な指がさらりと頬を撫でる。
呟いた声を聞いた者は一人もいなかったはずだ。

男は暫くの間、そのまま貴方の傍にいた。
それは飼い主の目覚めを待つ愛犬の姿のようでもあったし、やはり貴方の眠りを守る番犬のようでもあった。

#AbbaiareAllaLuna
(-269) 2023/09/30(Sat) 5:05:40

【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 口に金貨を ルチアーノ

>>-257 >>-258

「違うの?
 それなら勘違いした僕が悪かったかな」

知らないことはたくさんあっても、その性格位はよく知っているつもりだった。
幼馴染が照れているのも、嘘をついているのもわかったけれど、その言葉を額面通りに受け取って、表情を緩めて笑う。
怪我のない左肩にあなたの頭が置かれれば、その頭を左手で柔らかく撫でた。

「……居ないの?
 血の掟は知ってるけど……あまり守られて無くない?」

これはあなたのことを言ってるわけではない。
事実、マフィアと関係を持っている知人が周りに多いのだが、男はその事をよく知らない。
あなたとの関係を外に漏らすことがなかったのは、掟に裁かれることがないようにと、勝手に配慮していたことだった。

(-282) 2023/09/30(Sat) 7:37:13

【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 口に金貨を ルチアーノ

「…………逃げ切ってくれなきゃ、困るよ」


呟かれた言葉が、あなたの耳に入ったかはわからない。
男は本来、正義感なんていうものはあまり持ち合わせていない。
あなたを捕まえると豪語する理由は、たった一つだけ。

あなたを警察に渡す気はない。


ただ、それだけだった。

恋愛感情なんて、とうにない。
だけどその重い鎖が切れることも絶対にない。
すでにそんな感情は超越して、重く歪んでしまっている。

それでもはっきりと、僕はキミに愛していると告げることが出来る。
何だって出来る。
死ぬことだって別に怖くないのだ。
あなたに幸を与えられれば、それだけでいい。

これはだって、僕に出来る、最大の我儘なんだから。


花浅葱の瞳が、遠い異国で知られるダンダラのようだ。
そこに『忠愛の誠』が存在しているというのなら、
その相手は決して、警察へのものではなかった。
(-283) 2023/09/30(Sat) 7:40:36

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 花浅葱 エルヴィーノ

>>-282 >>-283

「悪くは、ない……いや……。
 今思えば本当にお前以外見てなかったのが恥ずかしいんだ。
 子供の頃は全部お前優先にしてたから……」

その頃から向けている感情は変わらない。
大事なひとつ下の幼馴染、歳の違いなんて気にしないで。
一緒にいられるために周りの媚を売れた、文句を言ってくるやつの排除もした。
その時から貴方に対する感情はとっくに歪んでいた。
愛でも恋でもなくて、きっと純粋な友情ではなくて、それでも失いたくないものだった。

「まあまあ……守られてるぞ。というか隠されとる。
 厳格に気にしてるのは俺より上の立場のやつだ。
 下の輩はすこーしだけ緩いんでね」

今の地位を保っていたのも、貴方との交流を咎められないためもあった。
血の掟を交わしてしまえば自分はきっとそれに従うようになる、
貴方に会うなと言われるのまでは良い、殺せと言われたらどうすれば良い?
そんな日が訪れてしまうぐらいなら、きっと自分は此度の騒動のような大事を起こさないと言い切れないのだ。
世界と貴方を天秤にかけて釣り合わせることが出来る。
今はそれが落ち着いているからこんなに穏やかでいられるけれど。

(-304) 2023/09/30(Sat) 13:20:38

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 花浅葱 エルヴィーノ

「……
俺はマフィアだからなあ


愛してる、誰にも言えないと思っていた言葉。
あなたにかけられたとき、そのままそっくり返せると思った。
あの牢屋で揃いの首輪をつけられて、
確かにその言葉に懐かしさと切なさを抱いてしまったから。

何だってできる。
死ぬことだって別に怖くない。
貴方が幸せであれば、それだけでいい。

これは我儘なのか? 俺はいくらでもし続けていたいのに。
終りが来るその日まで、穏やかに笑っていたいだけだったのに。
(-305) 2023/09/30(Sat) 13:21:48

【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 口に金貨を ルチアーノ

>>-304 >>-305 >>_4

「……ちゃんと気づいていればよかったな」

そうしたらこんなすれ違いなんて、最初からなかったろうに。
あの頃は純粋に幼馴染を慕っていたのだと思うけれど、重い感情に不快感を示すことなどきっとなかっただろうと思うし。

今思えば、初恋はラーラではなかったのだ。
ラーラを好きになって、想いを告げた日。
「私はルチアーノが好き」だと言われ抱いたのは、ラーラに対する嫉妬心だった。
ラーラに振られることよりも、ルチアーノを取られる事が、嫌だった。
それは友情の域をゆうに超えていると指摘できるほどに。

「ふぅん。
 そういえばルチアはまだ血の掟は結んでないんだったね」

それをきちんと守って初めて上に上がれるというのなら、本当は自分たちは会わないほうが良いんだろう。
でもそんな事、出来ないよ。
もう疎遠だった頃みたいには戻れない。
あなたがずっと無事であるように手を回して、見守っていたいと思っている。
あなたの心が、悪いものに囚われてしまわないように。

(-310) 2023/09/30(Sat) 15:52:35

【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 口に金貨を ルチアーノ

>>-304 >>-305 >>_4 >>-310

「なにそれ、わかってるよ」

あなたがマフィアであることは、ちゃんと。

でもこの時、まだわかってなかったんだ。
あなたの愛の重さもまた、とっくに歪んでしまっていたんだって。
すれ違った重すぎる心は時に、鋭い刃になって互いを傷つけ合う。

けれども。
その原因を作ってしまったのは、紛れもなく、何も知らなかった愚かな自分だ。

(-311) 2023/09/30(Sat) 15:53:43
エルヴィーノは、不思議そうにその紙袋を見た。
(a30) 2023/09/30(Sat) 15:54:07

【魂】 花浅葱 エルヴィーノ

>>-304 >>-305 >>_4 >>-310 >>-311

「見舞い……?」

冷たい風が、互いの髪を揺らした。
手渡された小さな包をしげしげと見つめて、「あけても良い?」と聞いてみる。

駄目だなんて言われることはないから、左手で苦心しながら包を開いてみれば、そこには――――――

壊れた、丸い眼鏡。
レンズが片方割れてしまっていて、それが新品の物でないことは誰にだってわかる。

ヒュ……

乾いた息を吸った。
吸ったけれど、まるで酸素が入ってきていない、気がする。

だって、脳裏に浮かんだのはあの。
ギラギラと輝いた、金の瞳で。


「な……で……。
 これ、は……っ、どうし、」


目の前に居る幼馴染は、マフィアだ。
聞かずとも何が起きたかなんて――――――
わかってしまう


「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!!!」 
(_5) 2023/09/30(Sat) 15:58:20
エルヴィーノは、が上げたその慟哭は真昼の庭に響いた。
(a31) 2023/09/30(Sat) 15:58:36

【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → リヴィオ

あなたは騒動の後、署に出向く機会がいくらかあっただろうか。
それともあなたの友から話を聞く機会があっただろうか。

いずれにせよ、あなたが教育係を務めたひとつ下の後輩が、銃に倒れ入院しているとの知らせだ。
怪我の詳細は肩関節損傷、鎖骨下動脈損傷。
噴水のように吹き上がった赤い鮮血は、その場に居合わせた警官が圧迫止血を施し命をとりとめたらしい。
あの日仰いだ協力の約束。
その仕事の最中、署長代理逮捕の大金星との引き換えにしては大きすぎる代償だ。

あなたがその病室を訪れるのはいつ頃だろう。
1週間以内の事ならば、ベッドの上の男はあなたににこやかな笑みを浮かべて迎えるはずだが―――――
(-312) 2023/09/30(Sat) 16:19:35

【秘】 favorire アリーチェ → 花浅葱 エルヴィーノ

>>-216
「……よかった。
 何だかんだ、正直言うと選んだからには、ね。
 喜んで貰えた方が嬉しいから安堵したわ」

両の手を合わせながら喜びを素直に露にする。
この辺りの喜楽の感情を正直に見せる所は昔から変わりのない所で。

「実は推理小説、あまり詳しくないのよね……
 あ、モンタルバーノは私も好きよ!あれ、あれはミステリーの方になるんだっけ……
 だから買おうとした本は一回」

「……警察を、やめる事になる人が少しいそうね。
 こればかりは皆各々の考えだから何も言えないけれど、
 寂しいって気持ちはあるわね。
私が言えた話じゃないけれど…」


なんせマフィアになろうと考えていた女である。
寂しいですら本来言ってはいけない話かもしれないが、皆なら許してくれるだろうとの甘えだ。

「さて、本屋が閉まる前に一度どんな本が並んでるか
 見に行ってこようと思うわ。またねエルヴィーノ。
 次の機会には本をどっさり持ってくるわ」

この女の事だから、加減しろと言うレベルの多さの本を持ってくるかもしれない。
(-319) 2023/09/30(Sat) 17:32:14
 


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