【秘】 裁判官 リーベルト → 舞台役者 ヴィクトル……君が年下だと意識したことはありませんよ。 世話なら僕の方こそされてます。 [触れ合わせた唇が軽く濡れるのを感じた。 掠める程度に止めておこうと思ったのに、 ――この男は。 絡めた指先に力がこもる。 何度触れ合わせても、甘い痺れは初めて唇を重ねた時と変わらない。 こんな心地良さを知ってしまっては、 知らなかった頃にはもう戻れない。 睫毛の触れそうな距離で蒼の双眸を見つめた後、すっと瞼を伏せて、名残惜しく熱を手放した。] そうです。 郷に入っては郷に従え。 我が家のルールに従って頂きますので、 そのつもりで。 [我が家には己しか居ないのだから、現時点ではすべてが自分ルールだ。 そのうちに、約束事を共に考える日も来るだろうか。] (-308) 2019/04/12(Fri) 17:33:26 |
【秘】 裁判官 リーベルト → 舞台役者 ヴィクトル[正式な手続きを踏んで生涯の伴侶となる。 いつかは、そうなりたいと願っている。 僕らの関係を知る共通の友人からも、『 結婚式まだー? 』などと訊かれる。ヴィクの眠っている間にこっそり指のサイズを測ったり、プロポーズに相応しい場所を見繕ったり、お互いにメリットのありそうな新居を探してみたりもしている。 けれど、――彼は役者だ。 熱狂的なファンの存在あってこそ成り立つ職業だ。 己の存在は人気の足枷ともなりかねないだろう。 そう考えると、] 『 ……はい。 何回予行練習しても、 きっと心の準備は足りないでしょうけど 』 [迷いを断ち切れないまま、力なく微笑んだ。 果たして。 自分と一緒になることは、 彼にとって本当に幸せなんだろうか。 僕はまた、私利私欲の為だけに彼を独占しようとしているのではあるまいか。 ――あれから半年間。 想いが通じ合ってからずっと、同じ事を考え続けている。 だから、僕はいい加減、 覚悟を決めなければいけない。] (-309) 2019/04/12(Fri) 17:33:45 |
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