情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新
【秘】 中等部 バラニ → 夢見る乙女 シャルロッテ「そ、そうだろうか……? まいったね……私としては絶好調だと言えるくらいなのだけれど」 変だと言われても、自分自身ではよくわからなかった。 昨日までの自分と違うことは理解しているのだが、今のバラニにとってはこの状態こそが本来の姿のように思えて仕方がないからだ。 こちらの手を握った君の手を見る。 不安も緊張も何もない、これがいけないと言われればどうすればいいのだろうか。 「……へんな私は、好ましくはないか? シャルロッテくん……」 納得出来ないと雄弁に語るその顔を見て、気になったことを尋ねて。 (-163) 2022/05/06(Fri) 1:56:07 |
【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 中等部 バラニ視線が下る。 握り合った手を、滲んだ視界に映す。 あなたがあなたの意思によって考えを変えたのなら。 立派な跡継ぎになるために、まずは病を治し、それから学ぶことに集中するのだと、そう決めたのなら。 それは、仕方のないことだと思う。 けれど。 少■はかぶりを振った。 結局のところ。 あなたを案じるふりをして、期限付きの蜜月の終わりを先延ばしにしたいだけかもしれない。 それでも。 ▼ (-192) 2022/05/06(Fri) 13:18:02 |
【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 中等部 バラニ「――ううん」 あなたを見つめて、少■は微笑む。 腫れた瞼で。涙に濡れた頬で。乾いた唇で。潰れた声で。 「だいすきだよ、バラニ」 少■は、あなたを愛している。 ▼ (-193) 2022/05/06(Fri) 13:18:37 |
【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 中等部 バラニ「でも、昨日までのバラニの方がかっこよかった」 「今のバラニに、大切な話はできない」 あなたが先生たちと話をしてこうなったのなら。 先生と『話』をしよう。『お願い』しよう。 あなたの手を引き寄せて、甲に口付けをひとつ。 それは覚悟の宣誓。 (-194) 2022/05/06(Fri) 13:19:18 |
【秘】 中等部 バラニ → 司書 エルナト悲し気に眉を下げる姿を、どこか不思議そうに見つめて。 けれども、その理由も、そうかもしれないと思う原因もあまりわからなかった。 「ああ、うむ」 「ただいま、エルナトくん!」 告げられた言葉を聞いて、こちらもそういえば、と言うかのように目をぱちりと開いて。 明朗な調子で返す言葉を向ける。何かがあったのが、元気なのは間違いないことだった。 (-212) 2022/05/06(Fri) 18:25:20 |
【秘】 中等部 バラニ → 司書 エルナト「ん……これかね?」 何かを飲んでいる最中、こちらを見つめて問われれば一度手を止めてそちらに視線を返す。 「先生から貰った薬だよ、これも治療に必要なものだと言われてね」 あっけらかんとした様子で、何事もないかのようにただそれだけを答えた。 (-213) 2022/05/06(Fri) 18:25:38 |
【秘】 中等部 バラニ → 夢見る乙女 シャルロッテ「────」 何よりも聞きたかったはずのその言葉にも。 不意に落とされる、この手の甲にする口付けにも。 自分で思っていたほどの感情が湧き上がってくることもなくて。 「そうかね……昨日までの、私の方が……」 そんな事を言われているのに、嫌だと思うこともできなかった。 昨日までならば、そんな事を言われれば酷く動揺しただろうに。 わからない。 どうしてこんなにも何も思えなくなってしまったのか。 「…………」 それ以上の言葉が出てこなかった。 ただ口付けをされた手の甲を呆然と見つめてから、視線を上げて君を見た。 (-218) 2022/05/06(Fri) 18:55:09 |
【秘】 司書 エルナト → 中等部 バラニ「薬って……………」 だって、今までそんなもの、飲んでなかったじゃないか。 治療に必要なら、なんで今頃? 明確に以前と変わった行為。 明確に以前と変わった姿。 明確に以前と変わった精神。 それらをイコールで結びつけるのは、仕方のない事で。 「…ねぇ、その薬、見せて。」 薬学の本くらいは読んだことがある。 どんなものなのかと、仮にそれがわかったとて。 自分には辞めさせるような権利はないのだけれど。 ただ、気になったから。 (-226) 2022/05/06(Fri) 19:28:05 |
【秘】 恋の呪い シャルロッテ → 中等部 バラニ「—— 私 、やることができたから、行かなくちゃ」戸惑うようなあなたの視線を、真正面から見つめ返す。 泣きじゃくっていた少■は、もう、どこにもいない。 「明日また、話をしよう」 「またね、バラニ」 少■は再びあなたの手を離す。 けれどそれは以前のように、そうしていられなくなったからではなくて。 成すべきことを成すために。 少■は踵を返すだろう。 あなたの心は、きっと、今ここにはない。 だから、それを取り戻しに行かなくちゃ。 (-230) 2022/05/06(Fri) 19:47:16 |
【秘】 中等部 バラニ → 司書 エルナト「?」 「構わないけれど……そんなに気になるのかね」 不思議そうにしながら、容器に入ったままの錠剤を無防備に手渡す。 あなたの事を信頼しているから、滅多なことはしないだろうと思っているのだ。 「見終わったらちゃんと戻してくれたまえよ?」 それはどうにも、抗不安薬のようなものらしい。 バラニは今まで、このギムナジウムが掲げる理念の通り、生徒同士の交流による病症の緩和を目指していた。 こんな薬には頼らず自らの努力によって克服しようとする姿勢を考えれば。やはり、どこかおかしいものだ。 (-238) 2022/05/06(Fri) 20:05:30 |
【秘】 司書 エルナト → 中等部 バラニ渡されたそれを見る。 ラベルがあるならそれを見て。 無いなら多分、見た目などで。 それの正体を看破するのだろう。 抗不安薬。 それは、無理やり精神を安定させるための薬。 もちろん、治療の一環として普通に使われるものではあるけれど。 でも。 「………こんなのに頼って、不安を払拭したって。」 「…何の意味もないんじゃないの………。」 これは、いうなれば"治った気になる"だけのものだ。 実際には治ってないのに、もう大丈夫だと自他に思わせるだけのもの。 飲んでる内はいいかもしれない。 でも、やがて効き目が薄くなり、もっと強いものを……となれば。 絶対に今よりひどくなる。絶対に。 「……これを飲まないと酷い事されるの?飲まなきゃいけないの?」 「ねぇ、バラニ………こんなの飲んじゃ駄目だよ………」 ぎゅっと、薬を握り締めて。 懇願するように告げた。 (-241) 2022/05/06(Fri) 20:20:02 |
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新