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【赤】 環 由人俺一人でできるわけないだろ [ 嗚咽まじりに笑う彼にそう答えると、 「俺も」と同調する声が耳元に響く。 回された手にきゅ、と力を込められて、 少しだけ体が近づいた。 ハッピーエンドにしてやる、なんて 豪語できるほど己の自信は満ちてないし、 どっちかといえば己一人だとたぶん バッドエンドへ猛スピードで突っ込んでいく。 だけど、お互いに押し合いながら 選び取っていったものならきっと、 それが正規ルートじゃなくたって、 その道の先にあるのはハッピーエンドと 名付けたっていいと思えるのだ。] (*18) 2020/09/15(Tue) 23:59:43 |
【秘】 環 由人 → 橋本 雅治[ 震えが嗚咽に変わり、 一つずつ確かめるような問いかけ 全てに、頷いていく。] そっくりそのまま返す。 ───ずっと、いっしょにいてよ。 [ そう笑ったら、嗚咽が大きくなって、 そのまま泣きじゃくるから。 店の前。転んだ子供を宥めてた 母親の手のひらを思い出して、 そっとその背中を優しく撫でようか。 大丈夫、大丈夫。 そう伝えるように、伝わるように。] (-38) 2020/09/16(Wed) 0:00:10 |
【秘】 環 由人 → 橋本 雅治[ あんたは知らないんだろうけどさ。 俺はあんたに救われたんだよ。 ───あの日、公園で声をかけたのは 気まぐれだったけど、あの気まぐれを 起こしてくれたのがもしも神様なら、 信仰してもいいなって思えるくらい 感謝してる。 運命とか、そんな大それたこと 絶対に言わないんだけど。 あんたに会えて、一緒に暮らして、 あのくだらなくて、寂しくて、 どうでもよくて、押しつぶされそうで どうしようもない日常がさ、 楽しくなった。 前の俺なら絶対、こんなふうに いえなかっただろうな。 俺はさ───あんたに会えてよかったんだ。] (-39) 2020/09/16(Wed) 0:00:47 |
【秘】 環 由人 → 橋本 雅治[ ようやく聞こえた答えに、 小さく頷いて、腕を解く。 ティッシュで拭うのを眉尻を下げて見守って、 それから見つめられた瞳をこちらからも まっすぐに見返した。 告げられた誓いに、微笑んで。] ───無理に捨てなくていいよ。 どっちもあんただし。 それに───… 俺の前でだけ、雅治になるの、 なんかちょっと優越感? みたいなの、感じるしさ。 [ そう悪戯っぽく笑った。] (-40) 2020/09/16(Wed) 0:01:26 |
【秘】 環 由人 → 橋本 雅治[ 神様はいない。 カーテンは締め切られて、 外の明かりもない。 誰も見てない、二人きりの空間で。 誓いの口づけを贈られるなら、 もちろん受け入れよう。 その顔を両手で包んで、親指で、 目端に残った涙の粒を拭って。] ───泣き虫だな [ そう笑んだ自分の視界も、 ほんのすこしだけ、滲んでいた。] (-41) 2020/09/16(Wed) 0:02:00 |
【人】 環 由人[ 大きな音が響く。 目を丸くしてそちらを見ると、 両手で彼がぎゅっと腹を押さえるから。 ふは、とまた昼間みたいに噴き出して、 そのままくつくつ肩を震わせた。] うん、晩飯食おう [ と頷いて、客室へ運んでもらえるよう フロントに連絡を入れようか。 それが来るまでの間、せっかくだから 準備されていた浴衣に袖を通して、 褞袍を羽織る。] (25) 2020/09/16(Wed) 0:02:16 |
【人】 環 由人露天風呂もあるらしいし… 楽しみだな。 [ と微笑んで。 運ばれてきた食事に舌鼓を打つのだ。 先付けから始まるコースと別に、 一品料理として、今が旬の 鮭児が食べられるというから少し値は 張るけれど、せっかくだし、と注文した。 半冷凍で運ばれてきたそれは、 生臭さはまったくなく、 口に入れるととろけるような舌触りで、 日本酒によく合う。 なるほど、はじめにきいた評判に違わず、 海の幸の溢れる夕食は絶品だった。 ───が。] (26) 2020/09/16(Wed) 0:02:37 |
【人】 環 由人温泉…… [ そう、温泉に入る予定だったのだ。 だったのだ、けれど─── 酒をしっかり飲んでしまったものだから ちょっとさすがに今すぐ入るのは 体によくない気がする。 客室にも温泉が付いているらしいから、 そこで済ませるか…と思案して。] (27) 2020/09/16(Wed) 0:02:57 |
【人】 環 由人…ちょっと、休んでからにする。 温泉、行って来なよ。 [ と彼には促して、 己は一度、和室仕様の低めのベッドに 座って、しばし休憩をとろうか。]* (28) 2020/09/16(Wed) 0:03:16 |
【秘】 橋本 雅治 → 環 由人[まるでママみたいに背中を抱いたかと思いきや 独占欲をにじませたセリフを ちょっと悪い顔して言うものだから、 俺はくつくつ喉を鳴らした。] 誰もうらやまないよ。 ……ばっかだなぁ。 [なんて、軽口を叩いたくせに そんな風に思ってもらえるのが、照れ臭くって。 まだ、本音を口に出すのは少し、怖いけど いつかちゃんと「幸せだよ」って言えたなら ……それってとっても素敵だと思うんだ。] (-58) 2020/09/16(Wed) 14:38:07 |
【秘】 橋本 雅治 → 環 由人[由人が口を閉ざす限り、俺は自分が由人にとっての "救い"になってるなんてこと きっと知らずに生きてくだろう。 一緒に飯食って、一緒に狭いベッドで寝て たまに軽口叩いたり こうして旅行に行ってるだけ。 それだけのことで、あんたの救いになってるなら 俺、何度でも救ってやるよ……なんてね。 まあ、知る由もないなら、 一生こんな恥ずかしいセリフを 口にしないで済むのかもしれないけど。] (-59) 2020/09/16(Wed) 14:38:25 |
【人】 環 由人[ ここまでの馳走を家で振る舞うことはない。 いつだって、お互いの口に入るのは、 その日のW余り物Wばかりだったから。 だけど、その喜びようをみていると、 せめて誕生日くらいはこれくらい いいものを準備しようかな、 なんて気持ちにだんだんなってくる。 前は心ばかりのケーキを一切れ、ずつ、 だったし、次の誕生日はきっと。] (39) 2020/09/16(Wed) 19:25:13 |
【人】 環 由人あっちじゃなかなか食えないし 北海道まで来たんだから 絶対食うって決めてた。 [ 鮭児を珍しそうにしげしげと 眺める様子をみているのは、 なんだか楽しかった。 女将さんの説明には一緒に頷いて。 半凍りのルイベを口に入れたあと、 彼を真似て炙って食べてみる。 凍ったものよりも、もっと 甘味が増して、じゅわ、と溶ける。 たしかに炙りも美味いな、と 上がる口角をそのままに、酒を含んだ。] (40) 2020/09/16(Wed) 19:25:31 |
【人】 環 由人[ ───とまあ、機嫌よく次々に 盃をあけてしまったものだから、 食事が終わる頃には少しばかり体が 火照って、ふわふわしていた。 これで温泉に入って酒が回って、 ぶっ倒れでもしたら洒落にならない。 だから遠慮したのだけれど、 彼は至極不満そうで。 尖らせられた口に、いつもより低くなった 笑いの沸点は、簡単に口元を緩めてしまう。] そーゆーの別に求めてないから [ パーティーじゃん!とはしゃぐ声に いつも通り、無愛想な返事を 返すのだけれど、まだまだ 諦めはついていないようで。] (41) 2020/09/16(Wed) 19:25:55 |
【人】 環 由人[ 甘えた声で引かれた腕を困ったように見つつ、 ここまでいうなら…と揺れかけはするが、 万が一を考えるなら、明日もあるのだし、 今は行かない方が賢明だろうと踏んで。 ───というか、己は行かないから 彼だけ行ってきなよ、と先程は言ったが それも撤回する。行かない方がいい。 たぶん。なんか危ない気がする。 が、それを口にするよりも早く、 不機嫌そうに「行かない」と これまた唇を尖らせてとなりに座る彼を見て ふ、と噴き出して眉尻を下げる。] そうだな、そうした方がいい [ と同意すると、ぶすくれた顔のまま ベッドにどさりと横になった。] (42) 2020/09/16(Wed) 19:26:13 |
【赤】 環 由人[ 彼の方に上半身だけ向き直り、 不満そうな顔のすぐとなりに、 覆いかぶさるようにして肘をつき、 優しく手のひらで髪を撫でる。 そのまま瞳を伏せて、額に、 眦に、顳顬に、触れるだけの口づけを落とし。] ──また、明日、入ろう? [ 吐息まじりに誘いをかけ、 その瞳を真っ直ぐに見つめて。 ゆっくりと体を起こす。] (*20) 2020/09/16(Wed) 19:26:33 |
【人】 環 由人俺シャワー浴びてこようかな [ と呟きを落として、あくびを一つ。 瞬間、ベッドに引き摺り込まれるのなら、 簡単にその体は沈んでしまうだろう。 目を丸くして、それから、また噴き出して 「びっくりした」なんてこぼして、 笑ってしまうに違いない。]* (43) 2020/09/16(Wed) 19:26:50 |
【人】 環 由人[ 急に体が沈んで、視界が反転すれば、 一瞬何が起きたのか分からなくて、 目をまん丸にしてしまうのだけれど。 「びっくりした」と小さくこぼして笑えば、 その体が浮いてのしかかる。 鼻先に甘く噛みつかれれば 思わず目を眇めて。] ふは、 まいったまいった [ とまた笑うのだ。 彼の耳の縁が赤く染まっているのは 気づかないわけじゃない。 きっとそれが酒のせいじゃないってことも。 だけど、きっと己の耳も同じように ほんのり染まってるから。 わざわざそれを指摘したりはしないのだ。]* (50) 2020/09/16(Wed) 23:26:48 |
【赤】 環 由人[ 耳をくすぐる声にそちらを見つめる。 彼の鼻先が吸った空気が、揺れて、 ほんのすこし耳のあたりをくすぐった。 余り物じゃないものが食べたい、 なんていわれたら、作るだろう。 そりゃもちろん、処理してもらわなきゃ 困るには困るのだけれど…それでも、 己の料理を食べたい、と言われて 喜ばないわけがないのだから。 今日いちにちを過ごしてよくわかった。 己のW楽しいWもW綺麗Wも W不安Wも、全て共有したいのは、 目の前にいるこの人だ。 間違いなく、そうだった。 それがはっきりわかった。 これからも、ずっと、だとも。 また来よう、が言える関係になった。 ───今は、言わないけど、あとで、 帰るまでにきっと、必ず。] (*25) 2020/09/16(Wed) 23:27:26 |
【赤】 環 由人[ その手の甲がそっと頬をなぞる。 謝られた言葉に眉を下げて。] ───謝んなくていい [ と一言だけ返した。 食まれた耳朶に、ぴく、と体が揺れる。 手のひらを胸に当てられれば、 こくりと唾を飲んだことも、 その無愛想な表情とは裏腹に、 早鐘を打っている心臓のことも、 気づかれてしまうだろうか。 されるがまま、滑り落ちていく手。 胸を、腹を、臍を、 そして、少しばかり熱を持ったそこを、 内腿を、触れられて。] (*26) 2020/09/16(Wed) 23:27:54 |
【赤】 環 由人 っン───っ [ ごく小さな声が鼻から漏れた。 提案と懇願のような形をとりながら、 己に委ねられるこの先。 ───同じ気持ちだ。 シャワーを浴びて、流したら、 そのあとは朝まで一緒にいるつもりだった。 シャワーは酔い覚まし、のつもりでもあった。 だって───] (*27) 2020/09/16(Wed) 23:28:09 |
【赤】 環 由人[ ……と、そこまで伝えてから、 顔が少し熱くなるのを感じるから。 ゆらゆら、視線を揺らして。 だけど、逸らすことはしないで。 耐えられなくなったらその首筋に 腕を回して引き寄せてしまおう。] 久々すぎるし、 ていうか、なんかこんな甘いの、 はじめてっていうか、… なんか、ちょっと、照れる [ そう耳元に落として。 もう一度力を込めた。]* (*29) 2020/09/16(Wed) 23:29:26 |
【秘】 橋本 雅治 → 環 由人由人は、どうされたい? [胸元から顔を上げると、俺は小首を傾げて笑う。 別に言葉じゃなくったっていい。 恥ずかしがる顔の一つでも見れたら それだけでこの上ない眼福だろうけど。 でも、好きな人のこともっと知れたなら 多分もっと嬉しいと思って。]* (-84) 2020/09/17(Thu) 10:44:30 |
【赤】 環 由人[ きっといつも言葉が足りてない。 自覚はあるけれど、口下手は 直らないから、察してほしい───なんて。 それはわがままなのかもしれないから。 なるべく、口に出さなきゃな、 とは思ってはいるものの、 照れもあってなかなか難しい。 少しずつ、少しずつ、言えるように なったらいいな、とは思う。 こういう、素直な言葉も。 喜んでくれるなら、余計に。] (*35) 2020/09/17(Thu) 20:30:34 |
【赤】 環 由人かわいくはないだろ [ あんまり筋肉がつかないとはいえ、 趣味が筋トレの大の男を捕まえて いう台詞ではないとおもう。 だから困ったように落として。 こんな甘さのある雰囲気は、 やっぱり照れ臭くて、 誤魔化すように笑ってしまうのだけれど。 同意が落とされて、下肢に触れた熱。 こくり、と唾を少し飲んだ。 耳元に落とされた吐息に、 ぞわ、とそこから粟立つ。 結んだ唇。見つめられると、温度が上がった。] (*36) 2020/09/17(Thu) 20:30:56 |
【秘】 環 由人 → 橋本 雅治───ほんとに、久々だから、 …そうして。 [ そう眉尻を下げてお願いすれば、 返事の代わりに唇が重なった。] (-96) 2020/09/17(Thu) 20:31:24 |
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