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【秘】 墓守 トラヴィス → 新人看守 ダビー「君は……ああ、根っからにそちら側だね。ふふ。囚人の幾人かもね、簡単に言うものだよ。『そうしたいなら、そうすればいい』……ふふ。ふふ、ああ…………馬鹿馬鹿しい。何だって、同じ生き物に括られるのだか」 空いている手の甲で目元を覆った。 世界が眩しい。こんなにも鮮烈で、ここだけが暗い。 「グラスに入れられる葡萄酒の量は限られているんだよ、ダビー。『だから』私はここにいる。染まれない。染まるほどに器が無いから。君たちの全てを受け止めきれない。こんなにも君たちに憧れて、ここまでたどり着いて、それでも染まれない!届かないもの、君たちは私に関心など払わないし、私は君たちに届く手立てなど持っていない!ああ、なんて適職なんだ、無能でなかったら尚更よかった!」 叫びに似た笑い声を、湿った喉元が止めた。 「だからね。私は君を恐れるけど、同じ心で祝うよ。 そちら側へ至れなかった私から。 受け取らなくていい……捨てて、置いていってしまえ。 君のすべきことをしたまえ、ダビー」 慣れた痛みだ。すぐ側から羽ばたいたのは、流石に、堪えるけれど。きっと彼の芯は、何かを成し遂げることを願い始めているはずで、────トラヴィスはその舞台に、いないはずだった。 彼は私の手を愛でている。けれど、それはきっと私を愛でているのではなく。もっと大きなものを愛しんでいるに違いなかった。そう、知っている。 (-124) 2021/10/10(Sun) 5:35:30 |
【秘】 魅月守 チャンドラ → 新人看守 ダビー「…っ、」 甘えてしまいたい、なんて気持ちは捨てなければいけないのに。 …まだ、薬が抜けきらない頭は。その熱に縋りたがる。 「…あは、…幻滅、するかもよ。 いや、元から、されてるかもしれないけれど。 今のところは無礼講が、かな。……僕は、この無礼講が、嫌いだ。今回のは、特に。 僕のだいじなものを、傷付けるから」 苦しそうなまま、うわ言のように。ぽつり、ぽつりと。 呟く兎の体には一切の力が入っていないまま。 「だいじ…、なんだ、彼らが。罪を犯して、こんな所に押し込まれて尚、ひとでいる彼らが…すき。 寄り添いたい、彼らがひとでいる手助けがしたい。 ……償いも。ちゃんと見届けたい。 外のだれも知らなくても。僕ら看守は……ううん、せめて、僕だけでも。 きちんと、みていたい。…ずうっと、大好きなんだよ」 (-126) 2021/10/10(Sun) 5:39:44 |
【秘】 新人看守 ダビー → 魅月守 チャンドラ ぽつぽつと切り出された話を全て聞き終えるまで、男は静かに月光色の髪を梳くように撫で続けていた。 「幻滅なんてしませんよ」 自分はそういう姿が好きだから。 「俺の先輩方は仮面を被るのが得意な方が多いようですね。 その笑顔の下で、いったいどれだけ心が泣いていたのやら」 頭を撫でていた手はゆっくりと下りていく。とん、とんと穏やかなリズムであやすように背を叩いた。先程、貴方が自分にしていたように。 「囚人の中には貴方に心を開かない者もいるでしょう。それどころか貴方に傷を付けるのを躊躇わない者だっている筈だ。そんな者たちも、お好きだと? ……チャンドラ様。"ひと"の、どこが好きですか?」 (-131) 2021/10/10(Sun) 6:08:31 |
【秘】 新人看守 ダビー → 墓守 トラヴィス「いいえ、貴方からの贈り物です。いったいどうして捨てられるというのでしょう」 きゅ、と指が一際貴方の指に絡みつく。 「俺のしたい事をしていいのなら、そうしましょう。 ──俺のしたい事は、貴方のような人を愛でる事ですよ。トラヴィス様」 歌うように軽やかに。男は感情を一切隠さず、楽しげに言葉を紡いだ。 「苦しさや悲憤とか、醜いとされるものや、哀れなものに惹かれるんです。それらに振り回されたり、傷ついたりする人のことも。 愛おしいじゃないですか。皆が綺麗と呼ぶものは丁寧に整えられていて、逆に気持ちが悪い。剥き出しの感情で、傷つきながらも産み落とされたものの方が余程美しく愛らしいと思うんです。 俺はそういう日陰に蓋をされて押し込められたものたちが大好きです。人々に忌み嫌われるなら、俺が代わりに愛するんです」 絡めた指を引き寄せて、拒まれないのなら口づけを落とすだろう。 (-133) 2021/10/10(Sun) 6:18:36 |
【秘】 墓守 トラヴィス → 新人看守 ダビー「ダビー、……それは、」 恐ろしくなる口づけというのも、あるものだな。 トラヴィスは他者に与える印象ほど、性的な関係に慣れた人間ではなかった。だからそれをいっそ新鮮な気持ちで受け取った。奇妙なものを見る目で、唇が自分の指に触れるのを見つめた。 心地よいほどの無関心に良く似た、好意。 「君が愛しているのは、人類なのだね」 好意を持ってこちらを見ているのに、自身を分析し、その結果としてこの行為が与えられているというのに、この寒々しさ。トラヴィスが再三、『遠い』のだと問いたその目そのものだ。彼は 鉱石を愛でるように人を愛でている 。1に1を返すような単純な計算ではなく。彼は人の身で、全てを愛そうとしているような目をしている。こんなものに染まれるものか! 随分と無茶を言うなあ、と、そんなところは要領のいまいち良くなさそうだった後輩のままのような気がして、少し面白かった。 「では、ダビー。見ていることだ。私はこの先、もう少し壊れるだろうから。憎くて苦しいものが沢山ある。まだ、怖くて触れられないものもある。……きっと君を楽しませることができるんじゃないかな。無能な私の足掻く様は」 (-135) 2021/10/10(Sun) 6:37:50 |
【秘】 魅月守 チャンドラ → 新人看守 ダビー「別に、心を開いてくれなくてもいい。 …僕は、従順さを求めていたい訳じゃない。傷付けられてもいい、それだけ、その子だって傷付いてるのかもしれないでしょう」 それぞれ違うのだから、どんな形であってもいいのだと。 貴方の手に甘えたまま、未だ苦るしそうに。静かな声で答えていく。 「ひとの、どこが好き…か……。 僕は。……彼らが、喜び、怒り、悲しみ、苦しみ。悩む姿も。 感情を、欲望を持ち続ける姿も。 ひととしてある姿自体が、好ましいとおもう。 どれかひとつを切り取って選ぶのは、難しいな…」 「だって、どれをとっても。愛おしいもの」 (-140) 2021/10/10(Sun) 6:51:17 |
【秘】 叛逆者 ミズガネ → 新人看守 ダビー「…………。」 青年の顔色は、今尚青白いままだ。 しかしあなたの姿を認めれば、じっとその目を見るだろう。 「なあ、ダビーサマ」 ▽ (-144) 2021/10/10(Sun) 7:11:56 |
【秘】 叛逆者 ミズガネ → 新人看守 ダビー彼の眼の色はより一層、どろりと熔けた 毒 の様に濁る。「言ったよな、てめえはさ。 僕のこの感情を受け止めてくれるって。 忘れたとは言わせねえぜ?今な、てめえの事憎くて壊したくて殺したくてたまんねえんだ、収まらねえんだ。だから、なあ」 「――殺させて?」 ……叛逆者は、後ろ手に何かを隠している。 (-145) 2021/10/10(Sun) 7:13:55 |
【秘】 新人看守 ダビー → 叛逆者 ミズガネ 濁った青緑色を覗き込む。 「……先輩を殺して当てられたか?」 顔はまだ無表情を装ったままだ。けれど声色は隠しきれない悦びを滲ませ、貴方をくすぐる。 男は濁った翠色を細めて、そのどろりとした水銀を喜んで飲み干すだろう。 「勿論。貴様が隠し持っているものを俺は全て見たいんだ。何もかもぶち撒けるといい。 俺は歓迎し、そして愛そう」 → (-158) 2021/10/10(Sun) 10:20:45 |
【秘】 新人看守 ダビー → 叛逆者 ミズガネ そうして男は招き入れる。部屋に引きずり込む。貴方が感情以外、その後ろ手で何かを隠し持っていることに気付いたとしても。 案内された上等な看守控え室。 部屋の隅に特殊な力を用いない、輸血に用いる一般的な医療道具が置かれていた。少し見渡せば机の上に治療ユニットやナイフ、手錠、何かの小瓶──中身が少し減ったドクウツギから抽出した毒だ──、鍵付きの手帳などが整頓して並んでいるのが見えるだろう。 (-160) 2021/10/10(Sun) 10:22:04 |
【秘】 中堅看守 アンタレス → 新人看守 ダビー望まぬ者を眠りから覚まして何になるのか。 話を聞いた上でも理解には至らない。 出された名にほんの一瞬目を伏せて、息を吐く。 「......構わない と言ったが、そうだな。 次の処刑まで 考える時間としようか。」 それは、最後の問いへの答えのようなもの。 ここですぐ決めてしまうのも簡単だが、せっかく問い返されているのだからと。 それに、本当にその理由だけで選んだのか と。 「...この時間の中 もしも私に使いたい者ができた時。 私は迷いなく君との取引をなかったことにする よ。勿論、どうなるかなど分からないがね。」 とはいえ、宴に興味はない。 興味があることといえば薬を作ることくらいだ。 ...果たして誰が魔女の薬を得て舞踏会へと立つのか。 今のところは......、なにも。 (-161) 2021/10/10(Sun) 10:23:33 |
【秘】 新人看守 ダビー → 中堅看守 アンタレス 返ってきた答えに、喉の奥で笑いそうになって、耐えた。口元を手で覆い、滲み出る歪みを隠して代わりの返事を紡ぐ。 当然、蘇生を願う理由はそれだけじゃない。けれど、それは腹の底にしまい込んだまま話そうとしなかった。 「……はい、それは勿論。よくよくお考えください。 そして、他に使いたい者が出来た場合についても構いません。 人を生かすも殺すも、全ての権利はアンタレス様の手の中にある。アンタレス様がどうしたいかを優先するべきだ。 ……全てを気怠そうに眺めていた貴方が、どのような思いでどのような選択をするのか……俺は、興味がありますから」 貴方が別の者に薬を使ったとしても、それはそれで楽しみを見出せる可能性がある。 何一つ、問題などないのだ。 (-162) 2021/10/10(Sun) 10:39:34 |
【魂】 新人看守 ダビー「『無礼講』で許されたのは何も囚人だけではなかったという事だ。 それに……俺のこれは貴様のお陰で出せたところもあるんだぞ?今までは考えてはいけないものと封じ込めて善人であろうと矯正する努力をしていたのに。 悪と断じられるものを思うだけなら自由と言ったのは、どこの誰だったかな?」 貴方が無表情を貫く一方で、男はたまらないとばかりに喉奥でくつくつと笑っている。 「…………うん?勘違いしているようだから幾つか訂正しようか。 俺は基本的に、自分の手で無理矢理相手を縛り付けるような事はしないししたくないよ。魔がさす事があるかもしれないが。 具体的に言うなら、別に俺はアマノの刑期を延ばしたいとは思わない。そのままの貴様を愛でたいから。罪を償い終えたらそのまま外に出るといい。それくらいの縁だったということだ」 あっさり貴方を手放す意図を晒した。貴方個人に執着していない事を示している。 → (_3) 2021/10/10(Sun) 11:10:28 |
【魂】 新人看守 ダビー「……故に、だ。 貴様の望みは聞いてやれないよ、アマノ。 俺は愛しいと思ったもの全てを愛でたいんだ。お前一人に全てを注いでやることは出来ない。 その結果、俺の預かり知らぬところで貴様が壊れてしまったとしても……それはもう仕方がない。それならそれで過程を想像してなぞりつつ、壊れた貴様を愛でるだけ」 男はあっさりと貴方の願いを蹴り飛ばす。嘲笑いながら踏み躙る。果たして男の姿勢は人を愛すると称していいものだろうか。 「私にだけ向けておけなんて、随分熱烈な事を言ってくれたなあ、アマノ?それは挑発か? きっと貴様のことだ。知性の生き物たる人間を守る為に罪を犯した時のように、哀れな囚人を守る為に襲撃を買って出た時のように。 俺に目を向けられそうな者を守ろうとしたんだろうな? ふ、ふ。ははっ、はははははは!」 → (_4) 2021/10/10(Sun) 11:14:09 |
【魂】 新人看守 ダビー「……苦しむ姿は愛おしいと思うけど、一方で高潔と言われるだろうその精神性は虫唾が走るよ」 恍惚とした様子で語っていたのが一変、ぐしゃりと苦しげに顔が歪んだ。 永い時をかけてこの大きな檻に入れられた者たちを愛し、傷つけ、拷問にかける男は……日向にあるものが何より嫌いだった。 (_5) 2021/10/10(Sun) 11:16:57 |
【秘】 新人看守 ダビー → 墓守 トラヴィス「ええ、ええ。貴方の言うことが本当なのであれば。きっと俺にとってはたまらなく甘美で愛おしいものになるでしょう。 あぁ……ふふ、トラヴィス様。トラヴィス様…………」 熱に浮かされたかのような口ぶりで、愛おしそうに貴方の名前を舌の上で転がした。 「貴方のことは、いえ全ての先輩たちは、先に此処で働き貢献した者としての敬意しかありませんでしたが。 貴方のことは好きになれそうです。とってもとっても愛おしい。 貴方が拒まない限り、いいえ、拒まれたとしても。俺は貴方を見ていますとも」 ただびとの看守にどろりと蕩けた瞳を向けながら、もう一度だけ口付けを指に落として身を離した。 「……さて、名残惜しいですが俺はこの辺りで失礼します。トラヴィス様。貴方のご活躍を、お祈りしています」 貴方の脆弱性を理解したうえで、そんな言葉を吐き出した。 (-166) 2021/10/10(Sun) 11:32:51 |
【独】 新人看守 ダビー>>_2 > あなたの語る愛は男にとって苦痛であり、長きにわたるそれは拷問となる。 拷問に嫌悪感を抱く男は、それでも。 ここね、序盤にトラヴィスに看守は拷問官って話をしたんですよ。それ知っててこんな描写したのかうにさん??? 密かに刺さっていますよ、最高ようにさん流石推しロールプレイヤー (-165) 2021/10/10(Sun) 11:34:36 |
【秘】 新人看守 ダビー → 魅月守 チャンドラ「…………」 貴方を労るふりをした手がぴたりと止まる。 慈悲、博愛。そんな言葉がよく似合うだろう精神性だと男は静かに判断した。 自分だって歪みきってはいるものの、人を愛おしく思っている。けれど愛おしむのは一部分だけだ。 貴方のように全てを肯定することなど出来ない。日向にあるべき温かな感情は、自分にとっては毒だから。 「……優しいですね、チャンドラ様は。この監獄では、異質とも呼べるくらい柔らかで……可哀想なほどに。 だから傷つくのでしょう。だから苦しむのでしょう。だから……限界を迎えるのでしょうね」 優しさを感じるほどの穏やかや声でそう語った。傷付き苦しむ貴方を愛おしむと言ったほうが正しいのだけれど。 「チャンドラ様。もし、こうしてまた限界が来てしまったら。 ……また、俺を呼んでいただけませんか?」 (-168) 2021/10/10(Sun) 11:45:18 |
【秘】 叛逆者 ミズガネ → 新人看守 ダビー誘われれば、にい、と目を細め。一歩、また一歩と。 ふらふらとした足取りで部屋に、……あなたの元に、歩み寄る。 「は、あはは、そうだな。何であんな事で喜ぶって、思われてんだろ?寄ってたかって嬲り殺しにしてさあ、これが飼い殺しの為の、スッキリする為の宴だなんて、僕はこんなにも苦しんでんのに、ふざけんなよ、」 紡がれる言葉はおおよそ正気の物ではない。 普通ならば、鎮静剤でも投与される様な状態だろう。 だが、今この場は『普通ではない』。 ▽ (-169) 2021/10/10(Sun) 11:47:47 |
【秘】 叛逆者 ミズガネ → 新人看守 ダビー「僕が喜べるとするなら、それは、」 悦を含んですら居た様な笑みは、一瞬、無表情に変わる。 ふらりとしていた足取りは、その言葉を皮切りに速く真っ直ぐに。 あなたの背に逸り喰らい付く様に、隠していたそれを突き立てる。 ――ナイフだ。既に、調達していたらしい。 「てめえの様な奴の、苦しむ顔だよ」 ▽ (-171) 2021/10/10(Sun) 11:50:25 |
【秘】 叛逆者 ミズガネ → 新人看守 ダビーぐり、ぐり。 突き立てたナイフを、抉りこみ動かす。 動かされると共に、入ってはイケナイものが、例えばそれは狂人の澱みとよく似た毒が、身体に流し込まれる感覚を覚えるかもしれない。 まるであなたの事を味わう様にそうしながら、彼は再び歪み澱んだ笑顔を見せる。 「なあ、なあ?ダビーサマよお、タマキに、僕の友人に何したんだ? やっぱてめえも、我慢出来なかったんじゃねえか、なあ?人権の無い罪人はいたぶるのに丁度いいもんなあ?」 (-172) 2021/10/10(Sun) 11:52:42 |
【独】 新人看守 ダビー あらあらあらあら♡ルヴァ秘話の時も「ナフ、ルヴァにダビーのこと話したの?」って思ったけど……誰がどこまで俺の話をしてくれているの? 嬉しい♡ (-173) 2021/10/10(Sun) 12:06:27 |
【秘】 魅月守 チャンドラ → 新人看守 ダビー「……君、を…?」 「……あまり部下にこんな姿見せる訳にはいかない、のにね。 けれど…そう、だね。考えておく」 何とか強がって、けれど。 ぼろぼろの僕には、あまりにも。 あまい蜜で、溺れてしまいそう。 (-174) 2021/10/10(Sun) 12:10:30 |
【秘】 新人看守 ダビー → 叛逆者 ミズガネ「馬鹿だな。そして可哀想に。貴様という囚人は宴を愉しむ気質ではなかったんだな。 それなら此れは貴様の為のものではなかったというだけだ。お前の嫌う"外の人間"の為だけのものになる。愉しむ素質がなかったお前は、檻の中に入れられてなお外の人間たちに貪られる」 愉快でたまらないと言わんばかりに、それは軽々しく放たれた。 ──それも、今だけのこと。 → (-175) 2021/10/10(Sun) 12:22:56 |
【秘】 新人看守 ダビー → 叛逆者 ミズガネ「──っぐ、ゥ……ッ!」 皮膚を食い破り、肉を荒らし、血管に割り込んでくる異物。 押し開かれるような強い衝撃に続いて、気を抜けば叫び出したくなるような痛みが燃え広がるように体を侵す。 反射で狂人の体に打ち込もうとした肘を止める。足を踏み砕こうとしたブーツを止める。迎撃しようとした刀を、銃を、掴まないように拳を握る。 戦場に立ち続け染み付いた動作を、愉悦を貪るための知性を持って抑え込む。 「タマキ……?……っああ、U-681……か。貴様、あいつから何を聞いた……? 俺が直接あいつにした事など、ただの会話しかないさ。ああ、宴のはじめには戦闘訓練もしたが……そういう話じゃ、ないだろう……? 俺は、ただ、話をしただけ。"表情と本心を殺さずに"。いたぶるのは、直接何かするのは、趣味じゃないから……俺はただ愛でていたいだけ……、ふ、ふふ…………っ」 全身を巡る血に乗るように、狂人の澱みを含んだ毒が乗る。 それでも男は受け入れる。たのしそうに笑いながら。 (-176) 2021/10/10(Sun) 12:23:59 |
ダビーは、顔を歪めながら笑った。 (a30) 2021/10/10(Sun) 12:29:34 |
【秘】 新人看守 ダビー → 魅月守 チャンドラ「一度見せてしまえば、あとはもう同じですよ。 俺は貴方が限界を迎えて壊れてしまう方が、嫌ですから」 その情は毒のように。 長い耳に吹き込むように、甘く、甘く囁いた。 傷つく姿はたいへんに可愛らしいけれど、看守としては困るから。 打算的な本音を腹の底に沈めて、耳障りの良い言葉を惜しみなく吐き出す。 「大好きな囚人たちには、見せられないでしょう?同じ看守にだって、そう。 それなら……俺にくらいは、見せてください。無理に付き合わせたのが悪いと思うなら、ね」 (-177) 2021/10/10(Sun) 12:38:47 |
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