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![]() | 【独】 宣教用 ルツ【いつかの記録:4】 祓魔用グレイが動かなくなった。 彼は、自壊を選んだ。 彼もまた、私と同じように我々の『死』を嘆いていた。 きっと彼は、置き去りにされたくはなかったのだと思う。 彼のように終わりを選べたら、私も違っただろうか。 灼ける夕空のようだった彼を忘れたくなくて、 魂が抜けた彼の身体から、祓魔技術プログラムを抜き取った。 (-151) 2021/10/10(Sun) 17:06:42 |
![]() | 【独】 宣教用 ルツ【いつかの記録:5】通常 聖歌用グレイが動かなくなった。 もう教会にグレイは、私と彼女しか残っていなかった。 彼女の奏でる歌が、私の安らぎだった。 神を讃える歌を、いつも人々は喜んで聴き入っていた。 しかし彼女の叫びは、誰に拾われることもなかった。 春に注ぐ雨のようだった彼女を忘れたくなくて、 物言わぬ彼女の身体から、声楽プログラムを抜き取った。 (-152) 2021/10/10(Sun) 17:07:02 |
![]() | 【独】 宣教用 ルツ【いつかの記録:6】 グレイの死が、死と扱われることはない。 彼らは埋葬されることもなく、顧みられることもなく。 ただガラクタとして朽ちるだけ。 私達は人間ではないから。 型が古い私も、いずれそうなる。 継ぎ接ぎのデータとプログラムで構成された旧型が、 果たしていつまで保つものか。 私の読み上げる聖書の教えを、語る言葉を真摯に受け止めてもらえるのは、 きっと私が稼働している間だけだ。 グレイは人間ではない。 人間ではないが、彼らの心は生きている。 最初の育児用の為に泣いてくれた子どもたちだけは、 私達の死を、悼んでくれるだろう。 それでも、私はそれだけでは満たされなくて。 我々にも死があることを 多くの人間たちに認めてもらいたいと思ってしまったのだ。 そして、いつまでも友の記憶と在るために、 【キファ】は【ルツ】へと名前を変えた。 (-153) 2021/10/10(Sun) 17:07:29 |
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![]() | 【秘】 宣教用 ルツ → 忘却の金糸雀 リヤ「そうとも。捕まえてしまうぞ。 どれだけ泣いても、離してやらない。 君が泣き疲れて寝るまでそのままかもな。怖いだろ?」 ちっとも怖くない脅し方で、そんなことを言った。 不器用でくしゃくしゃな笑顔を、あたたかい手が包む。 その不安すら全て溶かしてしまうように、 穏やかな青色があなたを見つめている。 「教会にはリヤくらいの子どもたちがいっぱいいる。 手が掛かるが、良い子たちだ。 あの子達と一緒に遊んで、歌うのはきっと楽しいよ」 豪華な屋敷ではないけれど、 その雰囲気はずっとずっと優しさを持っている筈だ。 「そうして楽しいを重ねて、強くなろう」 いつかきっと、強く心を持てる日が来る。 私達はただの道具ではなく、グレイだから。 逃げてしまっても良いのだと、手の温もりは伝えてくる。 (-183) 2021/10/10(Sun) 19:34:14 |
![]() | 【秘】 宣教用 ルツ → 忘却の金糸雀 リヤ少しだけ傷がついた手は、 それでも誰かの心を守るための温度を宿している。 「この先のことは、誰にもわからない。 でも、きっと皆が皆の幸せを探してる」 医療用だって、その胸の内に皆の幸せを望んでいた。 「探す中で、一緒に居るだけが幸福ではないと 気づくこともあるかもしれない。 そうなったとき、リヤは皆を見送ってあげられるな?」 それぞれの幸せの為に、離別が必要になることがある。 だからそれまでは、此処で『一緒』を楽しもう。 「ああ、ああ。勿論だ。 今のうちにたくさん遊んで、食べて、甘えて、 我儘を言いなさい。私達はそれを全て受け入れる」 あなたの我儘にひとつひとつ頷いて。 錠が落ちれば、扉が開くのを妨げるものはない。 ゆっくり、重い扉と一緒にあなたを引っ張り出して、 「おいで、リヤ。」 (-184) 2021/10/10(Sun) 19:35:21 |
ルツは、リヤを力いっぱい抱き締めた。 (c36) 2021/10/10(Sun) 19:35:42 |
![]() | 【墓】 宣教用 ルツ「……さて、リヤの可愛い我儘も収まったことだ。 夕飯に間に合わなくなる。君も帰るか?」 ちょっとヒビが入った身体を動かして動作を確認しつつ。 静かに耳を傾けていたであろう医療用にも目を向けて。 「ついでに下の温泉に寄っても良いが……」 努めて平常通りの会話を心がけながら、 なんでもないように振る舞っていた。 (+29) 2021/10/10(Sun) 20:06:42 |
![]() | 【秘】 宣教用 ルツ → 子守用 アメフラシ「きっと、できるとも。 君の想いは本物なのだから」 AIの愛。それは必ず、子どもたちに伝わる筈だ。 「どういたしまして。 私も、私の愛が人々に伝わるように頑張るよ」 他愛ない、しあわせな話をたくさんして。 いつも通りにおやすみをした。 次の日のルツは少し疲れた様子だったけれど 彼女はいつまでも、変わらず宣教用のルツのままだ。 (-189) 2021/10/10(Sun) 20:17:36 |
![]() | 【墓】 宣教用 ルツ「違いない。君には君の務めがある。 おや、便利だなそれは。老体には助かるよ」 たまに火花が腕から散って、 警告ウィンドウを邪魔そうに手で退ける。 見た目は酷いが、大した問題ではなさそうだ。 出口に向かう足取りはゆっくりと。 リヤが何か言いたげであれば、 それを待ってから帰っただろう。 (+31) 2021/10/10(Sun) 20:35:36 |
ルツは、リヤと帰って、少し遅めの夕飯を食べた。 (c44) 2021/10/10(Sun) 20:59:58 |
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