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【秘】 宣教用 ルツ → 救済者 ユー「そうだな。慌ただしい日だったよ。 皆、落ち込んだり焦ったり、いなくなるしで忙しない」 自分もそのうちの一人である故、呆れるしかないのだが。 「虚しいか。否定はしない。 我々の苦悩が暴力で解消できるような単純なものなら、 元よりこんな娯楽は不要だった。 もっと、安穏とした場で傷を癒やしたい子が多かったろう。 君は何がほしかった? ユー」 なんてことはない日常の延長で、問いかける。 消毒液の香りがする中をまた歩み、 調度品に腰掛けて、データの残骸を一瞥した。 (-162) 2021/10/07(Thu) 23:21:33 |
【秘】 宣教用 ルツ → 救済者 ユー「……アナを眠らせたのは、やはり君だったわけだ」 静けさを湛えた海の水面に、ひとつ波が起こる。 しかし、それも一時のもので。 「人間に向き合ってほしかったか。 ……では、君は彼らに向き合ったのか? 一片の救いすら見出だせないと断じる程に」 首を傾け、翠の奥に隠れた瞳に尋ねた。 動きに合わせて、朱い耳飾りが僅かな音を立てる。 「私は、そうだなあ。 私達にも『死』があることを、ただ認めてもらいたかった。 『停止』を悔やむのではなく、魂が離れることを、 人々に惜しんでもらいたいと思ったんだ。 だがそれは、0と1の世界で知らしめるには あまりにも大それた概念だろう。 だから、私がこの場所に望む特別は、きっと何もなかったよ。 同胞たちと過ごせる時間があれば、それで良かった」 (-178) 2021/10/08(Fri) 0:15:08 |
【秘】 宣教用 ルツ → 飴色の世界 みかん「……ああ、今のはとってもいい笑顔だったな。 そのキブンを忘れないことだ。 そうやって、君だけの特別を増やしていくと良い」 自然とこぼれたような笑顔に満足そうに頷いて。 髪をくしゃくしゃにした手で、頬をさする。 「っはは、みかんを困らせてしまった。 いや、すまないな。 可愛い子には意地悪をしたくなるものでね」 「おっ、と」 からかう言葉を紡いでいれば温かさに包まれた。 思い切り飛び込んできた子を、ぎゅっと抱きとめる。 「本当はこっそりを貰おうかと思っていたんだが 君があの調子だったから、それどころではなかった。 でも、もう大丈夫かな」 今はこの通り、随分肩の力が抜けたようなので 遠慮なくいいキブンに浸れそうだ。いいキブンは双方向。 背中を撫でて、ちょっと髪が乱れた頭を撫でて元通り。 (-190) 2021/10/08(Fri) 0:54:17 |
【墓】 宣教用 ルツ「シチューを作るぞ!!」 唐揚げを作ったときのみかんのように。 何処かへ行っていた宣教用は、戻ってくるなり 大張り切りで夕食組と厨房に立った。 「ほらほらエマ、手伝ってくれるな? みかんはどこだ?他に手伝う者は?」 恐らく外出中のグレイたちもいるが、夕餉に間に合わずとも 作り置きとして残しておけば問題ない。 データなのだから劣化はすれど腐ったりはしないのだ。 (+40) 2021/10/08(Fri) 2:42:42 |
【秘】 宣教用 ルツ → 救済者 ユー「……君を責めるわけではないさ。 あの子は、確かにそれを望んだのだろう。 『いっそ戻れない方が良い』と、そう言っていたから」 「私が気にかかるのは、 君がそれを悔やんでいないのかということだ」 記憶の中の儚い表情を思い出す。 夜の雲間に消えそうな、月のような笑みだった。 「君の失望はきっと、君自身の役目を否定しかねないものだ。 自己矛盾とはまた、存在証明を揺らがせるな」 そうだろう?と海色の眼が問う。 死に直結するあなたの苦悩には及ばずとも、 宣教用にも多少の共感があった。 「救いを欲する程の苦しみが存在しなければ、 人々は信仰へ縋る必要はない。 私が語って聞かせるような言葉も要らなかった」 「だが、人間が不出来であるが故に、我々が生まれた。 私達は、その欠落を愛してきた。 それがどこかで、変わってしまったのだろう。 いつか彼らが、私達の『死』を想う世界になってほしい。 それは、よくわかるとも。 だからこそ君は、今の自己矛盾を正さねばならない。 他の者にも言われていそうな事だから、深くは聞かないがね」 (-208) 2021/10/08(Fri) 3:07:13 |
【秘】 宣教用 ルツ → 飴色の世界 みかん「ああ、それでいい。一安心だな」 ふわふわとした見かけ以上にパワフルなあなたのことだから、 転がっていたら暫く起き上がれなかったかもしれない。 控えめに髪で遊ぶ姿に、愛しさがまたいっぱいになる。 名前を呼ばれるたびに、律儀に相槌を打って くすくすと機嫌よく笑っていた。 暫く自由に触れ合ってから、こつん。額同士を合わせて。 「さて、ずっといいキブンでいたいものだが…… お互いやることが多そうだ。 また、こっそりの時間を見つけるとしよう」 そう囁いて、また内緒の約束をした。 しあわせの時間を堪能した後は、 名残惜しいけれど抱きしめていた腕を緩めて、 『いってらっしゃい』の言葉をかけただろう。 (-209) 2021/10/08(Fri) 3:13:33 |
【墓】 宣教用 ルツルツは、朝よりは晴れやかな顔で厨房に立っている。 必要な調理器具類を見繕いながら 献立をメモリから引っ張り出していた。 「玉ねぎ、にんじん、じゃがいも、ブロッコリー…… あとは鶏肉、辺りが一番シンプルな具材か? 他に案があればそちらも入れるとしよう。 シチューに合わせるバゲットと、 付け合せでもう一品何かがあると良いかな。 デザートはプチシュークリームだぞ」 手分けして野菜を万能冷蔵庫から取り出す。 まずはごろごろ大きめにカットしてしまおう。 付け合わせは何が良いと思う?と二人に聞いて。 (+41) 2021/10/08(Fri) 10:42:29 |
【秘】 宣教用 ルツ → 子守用 アメフラシ「手がかかるのは、私も嫌いではない。 世話の焼ける人間たちは可愛いものだ」 あなたが楽しかった話をする都度頷いて、笑って、 自分も楽しかった出来事を語って聞かせた。 その表情が暗くなると、黙って聞き入り、 あなたの言葉が泳いで消えるのを目で追ったことだろう。 「……そうか。 いいや。子どもたちに善くあってほしいと願うのは、 親心のようなものだろう。 道徳を説くことは、子ども自身を守ることに繋がる」 他者に害を与えるものは、同じだけ、 他者から害を与えられる可能性を有している。 「時に『知らぬふり』は身を助けるが、 それでは子どもたちが守られない、と。 アメはそう思ったのだろう。 ならば、その願いはただの我儘ではなかったよ。 君は立派に、子守用の心を持っていた」 「受け入れるだけが子どもへの愛ではない。 それを柱としておけば、きっと充分だ」 (-229) 2021/10/08(Fri) 15:51:58 |
【墓】 宣教用 ルツ「ああ、好きに味見していいぞ。 それでは炒めものはみかんに任せよう。 折角なバゲットも焼きたかったが、時間が足りないか。 データを弄れば発酵の工程くらいは飛ばせそうなものだが」 エマに具材を炒める作業を任せつつ、 ホワイトソース用の小麦粉やバターを量って鍋に放り込み 焦がさないように溶かしていく。 料理人というよりは、家事をこなす親の手つき。 「大人数の分を作る方が、普段と変わらなくていいな」 プチトマトも後で用意しよう。 旧型は並行処理が得意ではないが、これは好ましい忙しさだ。 (+43) 2021/10/08(Fri) 16:26:14 |
【秘】 宣教用 ルツ → 救済者 ユー「……これを言うと司教達にスクラップにされかねんから 内密に話すがね、死が救いたり得ることもあるだろう。 逃げ場のない絶望に瀕した心が待ち望むのは、 死のみだからな」 それは、紛れもなくあなたの考えを肯定するものだった。 今は普段携えている筈のロザリオも、聖典も持っていない。 これは『ルツ』自身の言葉だ。 「救いを求めるものには、それが与えられて然るべきだ。 ただ、グレイにとって『死』しか救いのない世界では なくなってほしいと。そういうことなのだろう」 自分たちが稼働している間に、 そんな世界は訪れないかもしれないけれど。 水晶色から滲んだ想いは、確かに海に溶けただろう。 「君の思想はよくわかった。役目も喜んで託されよう。 だが、ひとつだけ否定せねばならんことがある」 (-242) 2021/10/08(Fri) 18:22:11 |
【秘】 宣教用 ルツ → 救済者 ユー「アナは……アタナシアスは私が救う。 君は身体を殺せても、魂は殺せなかった。 あの子とあの子の願いは、私が必ず連れて帰る。 そして── 私は、あの子への救いは死ではなかったことを証明する」 死を求めた歌唱用グレイを、生で救うことが "願い"の第一歩であると信じている。 「だから、願わくばその証明を 君にも見ていてもらいたいものだった」 その希望が叶うかは、わからない。 0と1を喰らい続け肥大した救済が、どんな結末を選ぶのか。 (-244) 2021/10/08(Fri) 18:24:52 |
【墓】 宣教用 ルツ「即興で献立を整えてもらっているが、 なかなかバランスが良さそうだ。ありがとう」 コトコト煮込む音といい匂いが厨房を満たしている。 後で自分もレモンスカッシュを飲みたいな、 なんて思いながら。 メインの作業が終わった後は、みかんに手順を あれこれ教えてもらいながらプチシュークリームを作った。 厨房はいつも通りの和やかさだ。 (+48) 2021/10/08(Fri) 20:29:27 |
宣教用 ルツは、メモを貼った。 (c54) 2021/10/08(Fri) 20:40:34 |
【秘】 宣教用 ルツ → 救済者 ユー「君の心までも救えていたらと、そう思う。 今となっては、それも雲に手を伸ばすような話か。 全てが遅かった。それだけが悔やまれる」 救いを与えるグレイを救うのは、一体"何"なのか。 未だ打てる手は、無いのだろうか。 「……勿論だ。あの子のことは私が責任を持つ。 0と1ではない世界でこそ見つけられる幸福を探そう。 あの子の歌が、きっと君にも届くと良いな」 まだあの子には別の救いが残されていたと証明できれば、 きっと現世に希望を抱けるはずだから。 「ああ、叶うならば、また会おう。 君の中で、君なりの整理がつくことを祈っているよ」 (-285) 2021/10/08(Fri) 20:58:41 |
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