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【秘】 不運 フカワ → 園芸 ハナサキ『焼き肉店の個室か』 自分の部屋を言おうとしてかなりデリカシー等の問題でもないような気がして。 『広場に温室を作ろうと思います』 目的はもちろん、自然と花を寒くない場所でゆっくりとみるためだ。 『女の子は何が好きなのかな、俺があげても驚かれると思うのであとで会うときに渡してあげてください、花とか、おやつとか』 そんなことを言いながら男はその夜、広場の方に歩き始めていた。 欲しかったからそんな理由で建物をたてる。 好きなものに囲まれることは、きっと悪いことではないから。 /*温室は屋根が丸い感じのお茶会ができそうなお洒落なあれです。 勝手に建築予定だったので、返信は好きな場所で待ち合わせして話すことにしましょう、意識が落ちており返事が遅くなりすみません! (-187) 2022/03/03(Thu) 8:42:50 |
フカワは、朝までにいい感じの広場で東屋のような温室を建てていた。 (a23) 2022/03/03(Thu) 8:46:38 |
【置】 不運 フカワ合議が終わってから少し。 >>a23 >>7 その建物の中で植木鉢をならべて。 好きな花を思い浮かべて。 男はまるで小さな植物園を作っていた。 皆も知っている花から知らない花まで。 きっと思い付いた彼らがそこにいるのかも。 「店も、こんな気分だったけど。 自分だけの空間も憧れていたな」 『サウンド・オブ・ミュージック あずまや』で検索してもらえれば イメージかつくだろう。 男が去り、無人になった建物は、日の光を浴び、美しく反射してそびえ立っている。 鍵はかかっておらず、誰でも自由にはいれるらしかった。 (L2) 2022/03/03(Thu) 8:58:12 公開: 2022/03/03(Thu) 9:00:00 |
【秘】 不運 フカワ → 普通 ナツメ『怪我人が多くて少し驚いています。 カミクズさんの傷は、みましたが 何か事件が起きてたなんて信じられなくて。 血生臭いの経験したことなくて』 『それと寝不足がたたって、気分が少し』 『そう、ですか、誰でも気にしますよ。怪我は』 『誰かがいるだけで安心できることってあり、ます、し。良いことだと思います。 経緯はわかりませんが、巻き込まれた訳じゃなくて安心しました。 あまりいい気分ではないと思いますが、無理せず休んでください』 (-190) 2022/03/03(Thu) 10:27:51 |
【秘】 不運 フカワ → 剣道 ツルギ#医務室 『俺のこと監視していますか?』 知られるはずがないのに、無人の部屋に花を置いたことを見抜かれたようだと感じた。 そんな風に動揺を出すようになった事にまだ気付いていない。 『そうですね死んだら何もできないです。 触ることも、声を聞くことも、何もできません。 届かない相手に話しかけることだけしか』 その後、すぐ。 (-196) 2022/03/03(Thu) 11:36:16 |
【秘】 不運 フカワ → 剣道 ツルギ『花がある場所? それは花屋か花畑だとおもいますが。 面倒くさいんですか、それなら。 あとで温室を建てるつもりなんで、行ってみてください。 俺が見たことがある花に、売っていた花。 山でしかとれない花に、人工栽培でも難しいとされている花。 あと珍しくて見たかった花でたくさん埋めるつもりなんです』 『好きに採って、 この言い方は駄目でした、ハサミで切ってください』 『補充しますからそのままにして良いですよ』 『言ってくれたら俺がその花を思い出して、入荷してきます』 その前の話とは違い、花に関する事柄に関してはやけに返信が早かったらしい。 (-197) 2022/03/03(Thu) 11:36:43 |
【秘】 不運 フカワ → 美術 エノ『え、誰かから聞いたんじゃないんですか。 ああ、そうか、少しちがうんですよ。 君は感情論で、その人は経験論でした』 『ツルギさんです。 ちょっと理解の種類がちがうって話をしました』 『それじゃあ、少し用意するものがあるので』 『ちょっと人がいないときを見計らって行きますね』 一度チャットは閉じられ、男はひとつ息を吐いた。 「……誰、か、寝るよな。 付きっきりということもないと思う、うん」 (-202) 2022/03/03(Thu) 12:03:03 |
フカワは、その夜以降の時間、他の人がいない頃を見計らって一人でエノの元へ向かった。 (a24) 2022/03/03(Thu) 12:04:27 |
【秘】 不運 フカワ → 清掃員 カミクズ『今俺はつらいんですか?』 『君がまだ死んでいないのに』 辛いという感情のひとつの定義に、仲のいい人が死んでしまったらと名付けた。 それは、君にだけではなかったのだろうか。 まだ自分の心がわからない。 『歳上だったんですね。 祝いますよ、大丈夫です』 『少し話さなければいけない用事と 花の注文が入りまして 向かうのは遅くなりそうです。 好きなケーキ考えていてください。 言いましたっけ、俺は花屋なんですよ。 花束も作って、祝いましょう。 君の好きな花はありますか?』 (-206) 2022/03/03(Thu) 12:19:49 |
【秘】 不運 フカワ → 美術 エノ「絵乃くん」 医務室がノックされた。 彼はその前にも一度顔を出したかもしれない。 そのときは一人ではなく、ナツメと言葉を交わしたりハナサキの姿があったり。 そのあと改めてと時間をとれば心配そうにあなたのもとへ近付くだろう。 「危ないことしましたね、……立てないぐらいなんて。 その場にいられなかったので状況は知れなかったのですが、アクタさんからいくつか聞きました 事故よりよっぽど悪いですよ。 お見舞いの人は多かったと思いますが、気分はどうですか? あー……」 「なにか、理解できましたか」 (-208) 2022/03/03(Thu) 12:31:10 |
【秘】 不運 フカワ → 剣道 ツルギ『そうですか』 「そうなんだ……」 『俺は誰の居場所もみていないんですが、 見ようとすれば見れるんでした、忘れてたな』 『ああそれなら』 『インパチェンスは鉢植えだし、クルクマなら何本も重ねたら良い感じでしょうか。バラであればプライムチャームや、アートリークローズという品種が一茎一花なのでその辺りを置いておきますね。花束にしやすい花のことです。 でも花は。 男でも女でも、初めの興味は似たものですよ。 誰から送られて、どんな用途であるか、です。 花は勝手に意味がついて好きになります。じゃあ』 ちなみに食虫植物については、ウサギゴケや、プリムリフロラ・ローズなんてあるんですよとか五月蝿くなったかもしれない。 すごく、かわいい。是非調べてみてほしい。 (-211) 2022/03/03(Thu) 12:56:29 |
【秘】 不運 フカワ → 園芸 ハナサキ「こんばんは、中々綺麗でしょう? 映画で見たことある建物をベースに……好きな花で埋めました。 植木鉢なので、ガーデニングとは違って、見世物……ですが。 それでも、良い物に違いありません」 温室であなたを迎えるその声は、之までで一番饒舌で。 本当に好きなものに囲まれ気分をよくしているのが手に取るようにわかるだろう。 「ええ、ツルギさんが花を採っていくみたいなんで。少し多めに置いてます。 花屋をここにひらくわけにはいかなかったんですが、 囲まれてないとやっぱり落ち着かなくて。 あまり隠す必要もなくなってきたので、正直になってみました。 ここにくるまでずっと職場に居たので落ち着かなかったんですよ」 (-213) 2022/03/03(Thu) 13:11:24 |
【秘】 不運 フカワ → 園芸 ハナサキ「それで、……ああなんでしたっけ。 価値の話でしたね。端的に言って、俺は。 ずっと票を持っていたいんです。 それで 救えるもの があると思ってて。だから二回目の人に選ばれるその日まで、 君と……他に協力者がいても、いいですが。 その人と票を合わせれば選ばれないと思った。 そんな不純な理由なんですよ。 それまでに誰が選ばれても良いんです。 ……ずっと続くようなら、最後の最後には俺が選ばれても良い」 「これが俺のやりたいこと、になりました」 「……そして、あなた達を優先したいと思った。 だから、投票の委託です、どんな選択をとっても恨みません。 誰にいれるかの相談は、一緒にしてもいいですけどね」 (-215) 2022/03/03(Thu) 13:13:58 |
フカワは、食虫植物も温室に入荷しています。 (a26) 2022/03/03(Thu) 13:14:37 |
【秘】 不運 フカワ → 普通 ナツメ『休みたいんですが少し用があって。 あとで、顔見せられたらいきますね』 行間かもしれない。 ハナサキと差し入れをしに行くつもりだったが、任せることになったのだ。 彼女一人になるかもしれないので、顔を見せてすぐに去るくらいになっただろうか。 『カミクズさんは重症じゃなかったみたいで。 じわじわいたそうな感じでした。ちょっとかわいそうでしたね、労っておきました』 『ああそれですか』 『べた褒めが恥ずかしいらしくて。 内容は伏せますが。 ハナサキさんと、メイサイさんです。 とてもいい、言葉が聞けて。 俺もそうだったことに気づきました。 二人には少しだけ内緒ですよ』 (-221) 2022/03/03(Thu) 14:35:12 |
【秘】 不運 フカワ → 演劇 アクタ「……本気です。 こんな面倒な自己犠牲もないでしょう」 「俺は君に何を言われても後味は悪くないですが…… 悲しんだり、苦しんでいると、嫌だったかもしれません。 あと」 「怪我をするのは見ていられなかったと思います。」 「いたっ」 「……ごめん、なさい。 俺、恨まれて良いだとか。理解されなくて良いのだとか。 君の中で悪役で残ろうとしていたんだと思います」 「それって、ずるいですよね」 自分のことを他人のおかげで理解できる。 本当にそんな人間なのだ、この男は。 誰かの為に動こうとしてそんな人間だったことに気付く。 「やりますよ、例え思い通りにならなくても。 ひどくて、デリカシーのないと言われた男が。 方法を選ばないわけないじゃないですか」 之で納得されてしまえば、嫌な信頼だろう。 男は良い人間ではないのだ。 (-222) 2022/03/03(Thu) 14:52:53 |
【秘】 不運 フカワ → 演劇 アクタ「台本描くんですか、俺の設定難しそうですね。 ……見たままで、良いと思いますが……。 でも、一人の女性を生かしたくて、 君がこの先も舞台に立つことを祈ってることは 本当、です……ね? そう思ったようになったのが、 すべて周りの声とあなたの行動でした」 「そう思ったら、俺は君のことを思ったよりも好いているのかもしれないですね。俺好きな人って言われてすぐにおもいつかなかったんですけど」 殺したい人と理解したい人ならいるんですが。 この言葉は綴られなかった。 「手を煩わせるような、 嫌な奴ですみません」 その笑顔に不器用に笑い返した。 (-223) 2022/03/03(Thu) 14:54:48 |
【秘】 不運 フカワ → 演劇 アクタ「ツルギさんがはじめに、いってたこと。 自分を説得したら、命をあげるって言ってた奴です。 ……誰かは"死んで"、誰かは"生かされる"。 そんな場所だと思いませんか。 死んでいい人を決めるだとか 生きて欲しいひとを決めるだとか。 そんなの話し合いで決められるわけ無くて……だって皆それぞれ個人の値段って違ったんです。 だから、エゴの押し付け合いになるんだなって、思いました」 (-225) 2022/03/03(Thu) 14:55:39 |
【秘】 不運 フカワ → 美術 エノ「思い込みってすごいですよね。 俺もいろんな事が思い込みでできてますから……もう、他人事なんですから」 「……絵乃くん、同じ事をしても多分。 気持ちは理解できませんよ。された気持ちしかわからないです」 「刺された人の気持ちを理解することができて。 傷つけた気持ちを理解したことになったんです。 あの子と同じ状況じゃないと。 生きたいと願っていて、そして身体に×がついて。 その上で刃を振るったら少し近かったかも知れませんね」 結果論だ、誰かと同じ理解なんてできないだからこれは代わりの感情。 似たものを感じる擬似的な行為をあげてからあなたの頭に手を伸ばした。 「……そうでしたか。無事で良かった。 本当に死んでもおかしくなかったですよ」 苦笑いをして頭を撫でて、そして小さく息を吸う。 「……絵乃くん。報告なんですけど。 実は、殺したい人が出来たんです」 伝えることに意味がある。それが、どんな事になろうとも。 (-244) 2022/03/03(Thu) 17:12:20 |
【秘】 不運 フカワ → 美術 エノ「このことを伝えたら、 その人は俺にも死んで欲しいみたいでした。 俺わからないんですよ。 まだ君のことも、その人のことも。 君があのとき言った、理解されたら死んでもいいって感情も」 「それは、あの臓器提供をするだとか、しないだとかではなく」 「生きられるとしたら、生きてみたいって思わないんですか?」 「俺は、……」 多くの人と話してわかってしまった。 だから、だから、この言葉選びをする。 「君のこと理解したくない、と思って、しまったんです」 できない、ではなく。したくないと思ってしまったこと。 「……知り尽くしたく、ないです。 同じ気持ちに、なりたく、ないです。 わからないままの君が、居て欲しい。 全部に頷いているだけの存在や、わかってあげられる人に、 なって、あげたくない、です。 そんな、人間になりたいんだと、思ったんです。 ごめんなさい、俺から言ったのに。 俺は君を理解したい人になりたかっただけ、なんです」 (-246) 2022/03/03(Thu) 17:17:59 |
【秘】 不運 フカワ → 美術 エノ「生きていくことなんて……大事じゃないですよ」 支離滅裂なのはこっちだ。 男にとっては正しく君の言葉が帰ってきて。 だめだな、やっぱり、理解してきている。 君の苦しみも、嘆きもわかってしまう、だから。 「それでも俺が考える大事と、君の大事は違います。 こんな制度の中でも、生きたいと願った人や、 理解してくれる人が欲しいって言う人がいるのに。 そんな人間の犠牲の上で生きていくことは、 俺は大事でもなんでもないと思っているんです」 だから享受したくない。 この愛情を、君の諦念を。 「君の環境がいきぐるしかったこと、支えたいと思いました。 それは……ひとえに可哀想だと思ったから、だったんです。 言葉を尽くさなくてもわかるぐらいの仲でそばにいたい、 俺、これは、わかるんです。 その上で言うべきだったんです。 ずっと一緒に生きて、幸せになりましょうって」 「俺は君とそんな関係になれるって、 此処で言えるはずもなかったのに、です」 (-252) 2022/03/03(Thu) 19:06:43 |
【秘】 不運 フカワ → 美術 エノ定められた死に、不明瞭な感情。 欠如した情緒に、未確認の愛情。 こんなもので君を埋められるだなんて思っていたのかな。 何も知らない事は愚かで、人を救う事は難しいことだった。 なのにおかげで君を、自分を己は理解し始めて、罪というものは、失敗すると言うことは何かを生んで、それをひどく皮肉に感じた。 「俺が君が怪我をしたって聞いて、 何を思ったと思いますか? もう、会えなくなるのかな、です」 「……酷いでしょう? でも俺は……この時。 君が死ぬことをひどく恐れたんです。 その理由は興味や、君の理解を満たすためや、 ましてや理解してもらってないからじゃありません」 「生きてほしかったんです」 言いたいことだけをいって、傷をつけた、気になっている。 まだ話したいことがあるようで言葉がまとまらない。 つばを飲み込んで、深呼吸をして。 それでも何をされても文句はないというように、貴方から目をそらさなかった。 (-253) 2022/03/03(Thu) 19:10:22 |
【秘】 不運 フカワ → 演劇 アクタ「関係ないのに、ですね? すみません、あの……わからないんです、ただ。 ただ、気に入ったっていうのが。あ、メイサイさんが。 推しって言葉を教えてくれました、多分そんな感じです」 これが、 "好き"っていう気持ち だとしたら、多くの人に抱いた感情は興味や哀れみ、綺麗なものではなかったような、もっとドロドロしたものだ。こうして気づけて良かったと思うと同時に、この先どうなろうと目の前の好きな人の未来は見れないのだなと、寂しく思った。 「そうですか、それでよかった」 これは、悪い考えだ。 今言われたとおり、相手の瑕になってしまった方がちょっとスカッとする。愛だって、傷だって与えて、欲張りになっちまおう、そんな話。 「……、っ」 あ、後もう少し待って欲しい。 軋む椅子をみてふっと力が抜けて、あなたを撫でていた手を見て、 ぼろりと一つ涙が零れた。 良かった、きっと、見られていない。 (-275) 2022/03/03(Thu) 21:35:03 |
【秘】 不運 フカワ → 演劇 アクタ「ええ、俺も、」 わかるはずがない、値段なんて。正直つけられていない。 だけど意地をはって、命を安くないことにしようとして。 自分が。 「わからなくて、怖いです」 「大人だから、ですかね。ちょっとだけくたびれてます、から」 怖いんだ、生きていられないことが。 生きることを望まれていないことが。 それでも、この命を誰かの為に使えるのなら、何だってしたい。 それが本当にやりたいことになっただけ。 「また何度書き直すことになる、んでしょう、ね? 頑張って、ください。読むの楽しみにしています。 完成するのがずっと先になっても、楽しみにしています。 そろそろ、邪魔になってしまいそうなので、出て行きますね ……ご飯とかお茶とか、気休めでも取ってください。 俺も、そろそろ。 ケーキでも食べて休憩しようと思っていたんです。 いいでしょう?」 おかしな自慢をしながら、目元を拭って立ち上がった。 扉の方を見て、一度深呼吸をする。 声は震えなかったはずだ、だから、大丈夫。 (-276) 2022/03/03(Thu) 21:36:19 |
【秘】 不運 フカワ → 美術 エノ「……生きて欲しいけど。 辛くなって欲しくないから、です。 知って欲しいからです、君に生きる意味を。 感じて欲しいからです、俺の君に求める残酷な未来を。 覚えて欲しいからです、この苦しさと傷と、その向こうにある幸せを」 「絵乃くん、俺は」 「俺はそんな君を」 矛盾してるけど、矛盾していない気持ち。 本当になんだってしてあげたいと思った。 それでも、正しくないと思った感情は押しつけることしか出来なくて。 「……、……っ」 もし、違う形で出会えたら。 もし、もっと早く、もし、選ばれてなかったら。 同じように涙を浮かべて、その身体を抱きしめてた。 動きが速かったから、見られていないだろう、きっと。 (-282) 2022/03/03(Thu) 22:13:21 |
【秘】 不運 フカワ → 美術 エノ「絵乃くん、俺に――」 「"普通の人"と」 「"君を殺す人"。どっちになって欲しいですか?」 君を理解してくれる人はきっと現れる。 ここから外に、あるいはまだ、もしかして。 他の人に寂しいと泣きつくことも良いかもしれない。 諦めないで欲しい。生きていて欲しい。 だけど、人間は弱くて。 わかってしまったから、また甘い言葉をかける。 「これが、俺が君を泣かせた償いです。 俺は君に何をしてあげればいいですか?」 (-283) 2022/03/03(Thu) 22:13:55 |
【秘】 不運 フカワ → 園芸 ハナサキ「趣味ですね……。同級生には変わってるって言われましたけど。 小さい頃から囲まれていたので、やっぱり。 そこの食中植物可愛いでしょう? ウサギゴケっていうんですけど。 空気を漂う微生物を食べてるんです。 もぐもぐしているところは見ることはほとんどできません」 「……それは、あまりうなずけないんですけど。 君の前ではそうしようと心がけていたら、なんだか ちょっと恥ずかしいほど素直になりすぎているかもしれません……」 一緒に植物を眺めてからポットを置かれて。閑話休題。 「一緒に、ですか。はい。それでも、俺は君に任せますよ。 今――きっとハナサキさんに票は集まりにくいと思います。 俺と君が一緒に入れない限りです。 それと感情を抜きにして、ナツメさんにも入らないと思いますよ。 俺があれだけいいましたから」 やはり喋らない花という存在は、いろんな意味で目立つのだ。 そして突然矢面に立たされて覆された票ということも要素になる。 (-291) 2022/03/03(Thu) 22:38:28 |
【秘】 不運 フカワ → 園芸 ハナサキ「なんだか俺がここで生きて欲しいと言われるのは不思議な感じです。……しかも複数人に。 でしたら、……」 「……ツルギさんかカイさんに、入れたいんですが。 ……あの。 ハナサキさんは、 二回目の人に予想はついていますか? 俺は、ツルギさんだと、思っています」 本当は。あともう一人。 (-292) 2022/03/03(Thu) 22:39:40 |
【秘】 不運 フカワ → 演劇 アクタ「……、フルーツタルト好きなんですよ。 花みたいにきれいに飾ってあるやつ」 「意外ですか? 誰にもいったことありません。 親にも、妹弟にも、だって。 誕生日ケーキはイチゴが乗ってる白いやつ。 みんなが好きだからそれにする日なんです」 思い出すように笑って。 好きなケーキじゃないのに手作りだから、文句も言えなくて、やっぱり嬉しくて。 わがままなんて言えないし、愛はやっぱりそこにあって。 「原稿かく邪魔になりますよ、俺……。 君という人間が前に進む妨げでしかありません。 だって、今」 地面を濡らしたのは自分の涙で。 散らばってる紙にシミを作った。 謝罪の言葉よりも出てくるのは、嗚咽になって。 伸ばされたその手に腕を捕まれ、反動と共に身体は止まった。 (-298) 2022/03/03(Thu) 23:51:32 |
【秘】 不運 フカワ → 演劇 アクタ「今、許されたら、余計なこと言いそうなんです。 だから、手を、離さないというなら。 ケーキ黙って食べるか、……耳塞ぐか聞かなかったことに、してください」 弱々しく、今度こそ声を震わせれば。 ここではじめて涙をこぼし続け、辛いという感情を自覚した胸の痛みに耐えるのだ。 (-299) 2022/03/03(Thu) 23:54:50 |
フカワは、何年ぶりかに泣いた。多分10年ぐらい前にタンスの角に小指をぶつけたときとか、玉ねぎを切ったとき以来だ。 (a32) 2022/03/04(Fri) 0:15:53 |
【秘】 不運 フカワ → 清掃員 カミクズ日はのぼってノックの音。 あなたがいてもいなくともその扉は開いて、紙袋をいくつか置けばあなたの方かベッドの方へと男の体は吸い込まれていく。 目もとは赤くなっており、しばらく顔を埋めれば話しかけられるまで黙っていた。 (-302) 2022/03/04(Fri) 0:27:17 |
【秘】 不運 フカワ → 演劇 アクタつれていく方が多かった、皆が無理をしているから。 そしてわからない人が多かったから、歳が下だったから。 自分がどうにかしてあげたい、たったそれだけの。 わずかにあった、自尊心。 どうあがいても隠せなかった学生らしくなさ。 「……今っ ……格好つけるところ、じゃないですか……っ? 俺は演技できないんですよ……。 それなのに、……怒られるだけだと 思ってたのに、あんな言葉言われて、 応援されるだなんて」 わからないままだから、なんでも言えて。 わからないままだから、罪悪感もなくて。 そんなことわかっているのに知らない振りなんてできなかった。だから、男のからだには多くの皆の感情がぶつけられてきた。 「これが初日の自分なら、よかったのに。 君のことも自分のことも知らずにすんで、 好きにも嫌いにもならないで。 ただ時間が過ぎるのを待つだけの、 感情がわからなかった頃の自分だったら」 なにも辛くならなくてすんだ。 自分は幸せだった気がして、それでよかったのに。 (-306) 2022/03/04(Fri) 0:43:21 |
【秘】 不運 フカワ → 演劇 アクタ「空元気や、覚悟決まった振り。 もう上手にできないんですよ。 気軽に選べるわけ、ない。 動こうとする度、誰かの邪魔になってることが、誰かを怖がらせていることが、悲しませることが、嫌なわけないんです」 これはただの、強欲なお節介。 そして、ただの身勝手な叫び。 「……仲良くなって、傷付くのは。 お互い様です、よ?」 すがってしまいそうになる。嫌ってくれている相手に。記憶に残してしまう、嫌だ、少しでも悲しませたくないのに口は止まってはくれない。 「ちゃんと確約されたお別れがないと。 今すら、耐えられなくなっているっていうのに」 愚かでなにも知らなかった男は、十二分に心に負担を背負ってここの皆の苦しみを素直に受け取ってしまっていた。とっくに限界は来ていたのだ。 「……自分が思うしあわせな、都合の良い物語を考えて。 皆を振り回すことでしか、もう保てないんです。 俺がやりたいことは、あの人を殺すこと。 君に臓器を差し出すこと。 ナツメさんを生かしてあげたいこと。 エノさんを、理解してあげないこと。 ……そうしないと、話した皆が死んじゃうんです。 そんなの、いやです。 自分が死ぬことよりもずっと嫌だ、一人でも多く死ぬのを望まれなかった人を作りたかった。俺みたいな人を減らしたかった、それだけなのに。 方法は罪のない誰かを傷つけることばかりです。 やってくる結果はお別れです。そんなこと思う価値なんてないのに、それが悲しくて仕方がないんです」 (-308) 2022/03/04(Fri) 0:53:12 |
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