【人】 虹彩異色症の猫[ 澤邑の座布団で眠っていたら本を読むために退けられてしまった>>9。そのまま抱きかかえようとすれば何処かに行くし、放っておけば膝の上に乗ってくる。 今は膝の上にはいないが、尻をすこしつけ、体温が伝わるような形で澤邑の近くに丸まっている。 澤邑が立ち上がると、折角心地よく眠っていたものをと言いたげに振り返り、立ち上がると大きく伸びをする。再び丸くなろうとしたところに猫紐を掛けられた。 うなん、うなんと転がるのはそんな気分ではないとでも言いたげだ。それでも逃げ出すことはなく、出掛けの澤邑の腕の中に収まった>>10。 散歩も子猫の頃からの習慣なら慣れたもので、今は唐突に走り出し、張った紐に逆に引かれて転がるようなことはない。尤も大きな音や刺激にいつ喫驚するかはわからない為、安全を考えれば紐は外せない。 澤邑が顔見知りに挨拶をした時は>>12、赤子が座るような形で澤邑の腕の中欠伸をしていた。 境内まで行けば観月を体裁に祭の人出もなお賑やかだ>>n3。 子らが軍資金を強請るのも尤も>>8、面や射撃の屋台もあれば、甘い林檎飴、鶏を焼く匂い、醤油の焦げる香り、何処からともなく漂ってくる。笛の音、拍子を取る音。祭り特有の浮ついた雰囲気に猫も落ち着きなく澤邑の肩に手を付ききょろきょろとあたりを見回している。そんな中澤邑がひとつの屋台に足を止める>>11。]** (18) 2022/10/01(Sat) 22:43:05 |
【人】 行商人 美濃[幾度目か箱を手にしては開けずまま、想いに耽る女に声がかかった。>>11 視線を上げれば昨日の、箱を抱えた男性が猫>>18を連れてやってきたところで。] 今晩は、良い月ね。 いらしてくれて嬉しい。 大事なお猫様の方も。 こゆきちゃん、というのね。 大切にされてるのがわかるお顔をしているわ。 [真っ白な毛並みに印象的な瞳の色。 想像を巡らせた面立ちより幾らか稚いか。 彼の口にした名は成程体を表していると女は思う。 手を伸ばしてみたくはなるが、ひと様の大事な子だ。 それは堪えて商品を見繕う。] そうね、鞠に、毛糸玉。 螺子式の蛙、蜻蛉の玩具なんかは猫じゃらしの代わりにはなるやも。 [薄桃色に赤と白の刺繍が施された小さな鞠に、手芸用の毛糸玉の色は数種類あったか。 螺子を巻くと数寸ほど跳ねて前進する絡繰の蛙は鮮やかな緑色をしている。 猫じゃらしになると思ったのは、細長い棒の先にテグスで繋がれた蜻蛉がぶら下がったもので、振り回して童が遊ぶためのものだ。 お眼鏡にかなうものがあれば良いのだけどと首をかしげ。] (19) 2022/10/01(Sat) 22:54:03 |
【人】 行商人 美濃[それから、女の手にしていた箱のことを尋ねられれば、] ああ、これは私物なの。 私にとっての大事な荷物というやつね。 [雨の中、抱えた箱を指して言われた台詞になぞらえて返す。>>0:49 此方は今しがた昨日の箱の中身を見せてもらったからと、特に尋ねられもしなくとも蓋に手を掛ける。 何故だろうか、一人で悶々としていた時には開けなかった蓋は、存外あっさりと開けられた。 きっと開くきっかけが欲しかったのだろうと女は思う。] 花が咲くのを待っているのよ。 [小ぶりの茶碗に土が詰められたそれを見せる。 土からは芽も出ていなければ、本当にただ土が詰まっただけの碗だ。 女はそれに目を落とし、静かに蓋を閉じた。] (20) 2022/10/01(Sat) 22:56:58 |
【人】 行商人 美濃[箱を横に置けば、すぐにぱっと顔を上げ、尋ねられた硝子細工を掲げて月明かりに透かせる。] これは栞につかったり、 飾って目で楽しんだりかしら。 [押し花みたいなもので、これなら花を萎れさせずとも残せるでしょうと仮面の下で微笑んだ。 実際、実用性はあまりないものだ。 散るさだめのものを永遠に留めたいかどうかは人によりけり。 少々女性寄りの感覚とも思えば、彼の気はひけなかったかもしれないが。]** (21) 2022/10/01(Sat) 23:03:20 |
【人】 控井[月見団子は、毎年商店街の”うさぎ堂”で購入している。 妻も娘も甘いお菓子が大好きだったから、 お祭の日でなくとも、店には足繫く通っていた。 予約とかは特にしていないし、 急がないと売り切れてしまうかもしれないと、 まだ日の明るい内に店舗へ出向き、月見団子を購入した。 店内で兎の仮面をつけている給仕の女性を見かければ、 「お祭らしくて良いですね」と柔く笑んだ。*] (23) 2022/10/01(Sat) 23:44:52 |
【人】 控井― 回想:君の好きな甘い菓子 ― [例年通り、観月祭の前に月見団子の確保にやってきた夫婦。 うさぎ堂の暖簾をくぐると、 男はまず先にと団子を購入する。] 「ねぇ、折角だし秋の甘味も食べていきませんか?」 [会計を済ませて、もう帰るつもりでいた男は面食らった。] 団子があるのに、他にも食べるつもりかな? 天高く馬肥ゆる秋……なんて言うけれど、 馬だけではなさそうだね。 [冗談めかして男が言えば、女はふくれっ面で応えた。 そんな姿も愛らしいと、結局男は女の要求に応え、 それが毎年の慣例となっている。 女の好物は、栗の入ったぜんざいだった。*] (24) 2022/10/01(Sat) 23:45:38 |
【人】 控井― 回想:彼女の好きな甘い菓子 ― [妻を亡くした男は、それ以降は娘と月を見るようになり、 変わらず"うさぎ堂"にて、毎年月見団子を購入していた。] 折角のお祭だからね。 他にも食べたいものがあるなら、何か食べていこうか。 [年々妻の面影が濃くなっていく娘に、 男は甘かったのだけれど、本人だけは未だ気付かぬ様子。] 「いいの?お父様、ありがとう」 [うきうきと店内に入り席に着く娘。 娘とも団子を購入する序に、 店内で甘味を楽しむのが恒例となった。 娘の好物は、妻とは違いあんみつである。**] (25) 2022/10/01(Sat) 23:47:05 |
【人】 高比良[晩ごはんを食べながら、明日の観月祭の予定を話す 父方のじーちゃんたちは近くに住んでて、神社に行けばたぶん会えるだろうっていうのはいつものこと 母方はばーちゃんしかいないけど、今年は来られないって連絡があった] 香苗ねーちゃんは? 「どうしても休みが取れないって」 [子供のころからの夢のため、上の学校に行かずに大きな美容院で見習いで働き始めて数年 めったに帰ってこない姉ちゃんに寂しいとは思うけど 観月祭に合わせて整える人が多いから、この時期はしょうがないなっていつも思う 「お前は?」って訊かれたから、友達と遊ぶって答えておいた] 受験前の最後のお祭りだし、みんなでパーッとやるつもり [パーッと、なんて言ってもせいぜい背伸びして喫茶店に入るか、屋台を冷やかすくらいだけど] (26) 2022/10/02(Sun) 0:16:30 |
【人】 高比良―― 観月祭当日 ―― わ、ほんとに晴れたし! [朝起きて窓の外を見て第一声がこれ まだ地面は濡れてるけど、夜にはぬかるみも減るだろう] かーちゃん、防具干していい? [一応聞いたのは、暁にーちゃんが「いい人」を連れて来るかもだからと片付け始めていたから 来るって言っても家じゅう見せるわけじゃ無し、なんて言いながらも一応目立たないようにして置いた そうしていろいろしてるうちに午後になった 兄ちゃんが来るのはもっと遅くなりそうで、野次馬な気持ちはあったけど出かける時間になってしまった、残念] 「明日もいるらしいし、早く帰ってくればいるかもしれないよ」 [ってかーちゃんが言った 「無駄遣いするんじゃないよ」って言葉に返事だけはして、月見には早い時間だけど神社に向かう 目的は月よりも、こういう時じゃないと出てこないテキ屋の屋台なんだから**] (27) 2022/10/02(Sun) 0:17:59 |
高比良は、メモを貼った。 (a2) 2022/10/02(Sun) 0:21:56 |
【人】 和菓子屋 稲庭―回想:「うさぎ堂」稲庭の夫婦― [うさぎ堂は、稲庭秋実の両親が経営している和菓子屋である。秋実の父で二代目で、そこそこ長くやっていると言えようか。 まだ先代が現役だった頃、稲庭の夫婦も従業員としてやはり務めていた。毎年団子を買いにくる夫婦の顔を覚えていたのは、年が近いように見受けられたこと、同じように夫婦だったからだろうか。 夫は寡黙気味だったが、妻同士で「いつもありがとうございます」「今年も良い月だといいですね」くらいの雑談は交わしたこともあっただろう。>>24 しかし、夫婦で来ていた常連客は、いつしか父娘へと変わっていった。] (28) 2022/10/02(Sun) 9:04:35 |
和菓子屋 稲庭は、メモを貼った。 (a3) 2022/10/02(Sun) 9:08:17 |
【人】 和菓子屋 稲庭― 観月祭 ― [昼は通常営業をしていたが、夜は露店も出す予定である。 露店ではすぐにお持ち帰りが出来るよう、あらかじめ包まれたお団子に、おはぎや大福、栗きんとんに芋ようかんなども販売されている。 露店近くには長椅子が置かれたりもしているので、気軽にお茶とセットで食べていく客も居そうである。**] (31) 2022/10/02(Sun) 9:12:14 |
【人】 行商人 美濃[猫飼いの男性に箱の蓋を開いて見せた時、常と何の変わりもない腕の中を見て、ああ、やはり、と女は思った。 落胆と、まだ頃合ではないだけだという僅かな希望。 それは猫の額どころではなく髭一本分にも満たない細い希望だったが。 ───…一等綺麗な満月の晩だけ、 それは綺麗に咲くのだと、彼の人は言った。 もしその時が来るならば、きっと───… 何処で手に入れたかも知れない、文献を漁ってもそのような花は無く。 戯れだったのかもしれない、否、おそらくただの戯れであった、 まるで御伽噺のようなその言葉を鵜呑みにする齢はとうに過ぎている。 それでも女は、満月が来るたびに箱を開いた。 そしてその間一度とて、腕の中には些末な変化もありはしなかった。 この地でこの晩、月が中天にかかる頃にも叶わぬならば諦めよう。 そうして、一等美しい偃月を見て、団子を食み酒を飲む。 それだけできっと充分だろう。 だって今宵の月はふた目と観ることは叶わないだろう程に綺麗で。 彼の人を思い出すには相応しい。 観月祭の噂を聞き、この砂漠に浮かぶ島へと行くことを決めた時から、女はそう決めていた。]** (32) 2022/10/02(Sun) 14:18:43 |
修理屋 一二三は、メモを貼った。 (a4) 2022/10/02(Sun) 16:13:00 |
【独】 行商人 美濃/* あわー、むらたてさまお大事に、お大事にして。 最近気候もおかしいし。 流行病などでなければよいが…。 ゆっくりやすんでね… (-8) 2022/10/02(Sun) 16:24:23 |
【人】 澤邑[ >>18そこを空けておくれと、こゆきを退かして膝に乗せようとするといやいやとどっかに行って、残念に思って本に熱中し始めた頃にそっと戻ってきた。寄り添うように尻をくっつけている。 先に退かした自分も悪いのだが、本当に思い通りにならない生き物だ。それが可愛いのだから。] ごめんごめん [ 普段はもう少し早い時間に出かけるから、こんな遅くに紐を括られて気分じゃないのか、気持ちよく寝ていたのを起こされたからか、うねうねとして嫌そうにしている。だけれど抱えれば諦めたのかじっとしていた。 随分と散歩慣れしたし、近所の顔見知りからは見慣れた光景になっていたかもしれない。こゆきもしゃんとして尻尾を立てて歩くことも多くなった。今は人が多くて自分が抱えているのだが。 それから目的地で立ち止まり。>>18*] (33) 2022/10/02(Sun) 19:12:00 |
【人】 澤邑─露店・美濃─ そうですか、はは [ こゆきを紹介すると、>>19大事にしているのがわかると言われて悪い気がするわけがなく。毛艶もすべすべだし目も綺麗だし耳から尻尾までぴかぴかの猫というのを密かに誇らしげにして。顔に出さないようにするのが難しかったかもしれない。猫バカだ。 女性がこゆきに手を伸ばしかけて、そのあと控えたのかその手を止めた。他人のものへの慮りが感じられて一層良い人な印象が残る。] ゆきちゃん [ こゆきを伺うと、その様子はどうだったか。その後は品物をいろいろと眺めて面の女性の説明を聞く。] 蜻蛉のおもちゃは良いですね でも、すぐに傷むと勿体なくはない? 綺麗にできているからなあ よし決めた、鞠と赤の毛糸玉、蜻蛉のおもちゃもください。 [ 猫は毛糸に含まれている成分が好きなんだとか何かで読んだ気がする。この毛糸の素材が当てはまるかはわからないけど。糸で遊ぶところが見たい。家人に生暖かい目で見られる気もする。 蜻蛉のおもちゃもいかにもこゆきが飛びかかって遊びそうだ。羽など口にしないようよく見ておかなければならないが。 あと単に鞠は刺繍が綺麗だった。] (34) 2022/10/02(Sun) 19:13:47 |
【人】 澤邑ああ、それは大切だ [ 箱も商品なのかと尋ねると>>20それは私物だそうで、それも「大切な荷物」>>0:49と自分の猫と同じくらいのものと言われれば何が入っているのかわからなくても、それが大事な物だとは良く伝わってきて目を細めて笑った。] 見て良いんですか [ 特に自然に彼女が箱の蓋を開けてくれたので、視線はそちらへと向かう。] あれ? [ しかし中身をすぐに見て何なのかがよくわからなくて、説明を受けてようやく得心がいった。小ぶりの茶碗に土が盛られていて、花が咲くのを待っているという。その土に種が植えられているんだろうか、それとも少しまじないのような厳かさも感じて細かい事を聞くのはやめた。] 大事なものがあると励みになりますね [ 箱を扱う手つきが丁寧に見えて、彼女にとって自分のこゆきと同等ならその通りだろう。*] (35) 2022/10/02(Sun) 19:15:16 |
【人】 澤邑よし、その硝子細工の板もください たまには妻にもお土産を買ってあげよう [ 栞に使えると聞いて心に決めた。花の綺麗なうちに閉じ込められたもの。多分他所で見ても気にもとめなかった気もするが、雨の日に出会って、猫を気にかけてくれた人、会話とこの時間のおかげで良いものに思えた。 いろいろと買ってしまったから、あとは食べ物しか買わないぞなんて心に決めながら。値段を尋ねてそれを支払う。*] (36) 2022/10/02(Sun) 19:16:04 |
【人】 和菓子屋 稲庭猫ちゃんには、ちょっと甘すぎるかもしれないですねぇ。 [和菓子はあげられないですね、ごめんなさいですぅと白い猫ちゃんに声かけしつつ。 程なくして、お盆に栗ぜんざいと月見団子を乗せ、澤邑の所へ運んできた。**] (39) 2022/10/02(Sun) 20:01:41 |
【人】 澤邑 よかった、ありがとう そしたら端の方で待たせてもらうよ 少し冷えてきたから暖かいものがほしくて [ 普段は猫を連れている時は店舗内に近づくことはやめていたのだが、案の定お断りとのこと>>38ただ、祭りの間は外の席なら良いとの返事で笑顔を浮かべた。 涼しい外で月を見ながら甘くて温かいものと考えれば届く前から心が躍る。] ゆきちゃん、食べるかい [ >>39猫ちゃんなら甘すぎるかも知れませんねえと、こゆきに話しかけるようすのうさぎ面の娘に少し笑って。手荷物の中からこゆきのおやつを取り出す。硝子の容器にささみを水で煮た物が入っている。 長椅子の端に腰掛け、こゆきの紐はしっかりと腕に通している。猫は近くにいたか、紐の行ける範囲をうろちょろしていたか。寄ってくるなら蓋を開けてこゆきに差し出す。 そうしてるうちに自分の注文したものが直ぐに届いた。これも人気なのだろう、手際がよい。綺麗に包まれた団子も一緒に。一度家に戻って置いて帰ろうかなと今更。後になれば品切れしそうでお参りの前に立ち寄ったのだ。 いやまあ良いかと、この後は神社まで行ってと、先のことを考えつつ、箸を割りいただきますと湯気の上がる碗を手に取る。猫の心配をしながら、月も観ながら、もたもたと時間をかけて箸をすすめた。**] (40) 2022/10/02(Sun) 20:44:16 |
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