人狼物語 三日月国


224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】

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【秘】 幕の中で イレネオ → オネエ ヴィットーレ

さて。
静かな部屋で、男は人を待っていた。
ここは取り調べ室。警官が被疑者の主張を聞く場である。
この男は警官。つまり、これから被疑者と相対する身分だった。
当のこの男もまた、先刻この部屋に放り込まれ、酷く取り乱しもしたのだが​────それは最早、既に過去のことだ。


先に渡された資料に几帳面に目を通し、名前や表向きの肩書き、嫌疑内容を頭に入れる。
並べられたその全てを男は疑わなかった。これから引き立てられてくるのは悪人である。

そうしているうちに、ぎい、と扉が開くのだろう。
現れたマフィアは既にそれなりに・・・・・酷い様相をしていて、しかしこの警官は、それに顔を顰めることはしなかった。

「ああ。」
「来たのか。」

引き立ててきた警官に対し一言ご苦労、と口にする。
(-384) 2023/09/19(Tue) 14:27:37

【秘】 オネエ ヴィットーレ → 幕の中で イレネオ

手錠のついた指先は血の付いた布で縛られて。
頭も同じように乱雑に布が当てられている。
治療というよりは、『血で施設を汚されたら困る』という
様子で雑に為されているそれらの応急手当は、
その男が"雑に扱っていい存在"であることを示していた。

「……はぁい、ここって結構過激なサービスが多いのね。
 アタシのお店にも取り入れちゃおうかしら。ふふ……」

さて、そんな男が、係の者二人に脇を固められながら
君の部屋にやってきて。
少し憔悴したような顔は、それでも軽い口調と共に
口角をあげて笑みを作り上げる。

資料にはこう書かれているだろう。

────────────────────────

名前:ヴィットーレ 年齢:33歳 性別:男
表の仕事:飲食店経営者

嫌疑:
ノッテ・ファミリー所属のマフィアである疑い。
及び、児童人身売買の疑い。


聞き取り内容:
マフィアであるという自白。
及び児童人身売買の自白。
児童の仕入れ先など(仕入れ先ごとマフィアと繋がってる可能性大)


────────────────────────
(-413) 2023/09/19(Tue) 17:57:51

【秘】 幕の中で イレネオ → オネエ ヴィットーレ

貴方の言葉に男は答えない。
ちらと一瞥しただけ。次には貴方の脇にいた者たちに目線を放って、そのまま目線で合図。行けandare.。
見た目通りに貴方を雑に扱った二人は、最後の仕事とばかり無理矢理貴方を椅子に座らせ出ていった。

この場には貴方と男二人だけがある。

「吐いたのか。」

唐突な問いかけはそれだった。
順序も礼儀もないただの一言。
それは貴方を侮っている証拠。

「まあいい。俺も手間をかけたくはないからな。」
「手短に話せ。仕入れ先。内訳。目的。子どもたちをどこへやった。」

しっかりとした関節の指の背が、資料を叩く。
(-431) 2023/09/19(Tue) 19:22:40

【秘】 pasticciona アリーチェ → オネエ ヴィットーレ

/*
こんばんは、ラッシュ時改札失敗猫です。お返事ありがとうございます。
オネエ…シアワセニシタイ…シアワセニ………

よかったです!それではまたお話させて頂きますね!
情報の方了解しました!
実は3人とももう死んじゃっていたらどうしようかと怯えていたので、
生きていてくれてて安堵しました。アリガトウ……

ライブ感、楽しそうでとてもいいですね!
上手く回せるかはわからないのですが、その辺りの話も追々PCはしていきたいと思っております……!
よろしくお願いします〜!
(-442) 2023/09/19(Tue) 20:32:36

【秘】 pasticciona アリーチェ → オネエ ヴィットーレ


時間を逆算する。
私が声をかけても不審がらず変わってくれる人。
それは友人であったり、サボれるなら
安易にサボりに手を伸ばす面倒臭がり屋だったり。
この個性豊かな警察署では、
それらが交差する時間は絶対にある。
そう思って、アリーチェは行動に移った。

幸い、最近は不思議な諜報の力もある。
普段自分で調べるだけでは確実に痕跡を残してしまって
いただろうが、あの力を使った今、
まだ行いがバレた様子もない。

「私見てるから、休憩しておいでよ」
なんて緩やかにいつもお菓子を渡していた仲のいい子を見送った。
サボりたくて仕方ない彼に、あたかも丁度
通りかかったかのように演技をしてから、こちらも代わって貰い。

こうして、貴方の牢に監視がほとんどつかない状態が少しの間確保できた。
あの不思議な力のおかげだろうか、気配も通常より研ぎ澄まされ、
少し、おかしいくらいにそれはうまくいって。



「──トーレ、」
「ヴィットーレ、だいじょうぶ?」

焦燥感を滲ませた貴方を気遣う声が聞こえる。
通常の面会とは明らかに違うのは、その声が牢の向こうから聞こえてくる事だ。
とても合法な手段で行ったとは思えない"面会"に他ならない。
(-444) 2023/09/19(Tue) 20:39:05

【秘】 オネエ ヴィットーレ → 幕の中で イレネオ

無理やり座らされて、痛いわねぇ…!なんて
立ち去る係員たちにヤジを飛ばす。
ふん、と正面に向き直れば、貴方と目が合う。

「あら、アタシお酒を飲んでも吐いたりしないタイプなの。
 こう見えても結構酒豪なのよ♡」

にこり、先ほどの憔悴した顔とは一変、
余裕ありげに笑みを浮かべる。
仮面を被る覚悟を決めた証。


「言ってる意味がよくわからないわ。
 アタシは場末のバーを営むただの可憐なオネエなの。
 いい加減ここから出してもらえない?」
(-452) 2023/09/19(Tue) 20:57:38

【秘】 オネエ ヴィットーレ → pasticciona アリーチェ

策略と、力と、少しの幸運と。
様々なものが交差して、檻までの道が開ける。
とはいえ、ここに来るだけがゴールではない。
話して、君が誰にも怪しまれずに帰れること。
それがゴールだ。そう考えると、話せる時間はそこまで長くはないだろう。




「……あら、アリーチェ…………?
 だめじゃない、こんなとこに来ちゃ………」

檻の中からは、かなり憔悴したような声が響いてくる。
檻の中に姿は見えない。
恐らくは、奥の方にある膨らんだ寝具の中にいるのだろう。

「なにか、無茶をしてここまで来たの?
 もう……貴方に何かあったらどうするの。」

自分を大切にしないとだめよ、と軽くお叱りをする
ヴィットーレは、しかし寝具の中からは出てこない。

薄暗くてわかりにくいものの、牢屋の床や寝具には血の跡が 
点々と落ちている。まだ赤みがかった、新鮮な血だ。


「……孤児院の子達には、伝えてくれた?」

そのまま、世間話でもするように会話を続ける。
(-457) 2023/09/19(Tue) 21:07:07

【秘】 幕の中で イレネオ → オネエ ヴィットーレ

金の瞳が貴方を見やる。
浅く、冷めた金だった。乾いてすらいた。
大袈裟に溜息を吐けば、交わりを断ち切って再び紙面に視線を落とした。

「それだと供述が食い違う。」
「俺を若造と見て侮っているのか? それは」
「些か気分が悪い。」

言う声は低く、平坦だ。

「隠し通せるほど甘くはないぞ。」
「一物抱えたままおめおめと釈放するほど節穴じゃない。」

「それ。」

書類の角で指さすのは貴方の指だ。
今は雑に包まれて、止血以下の処置をされた痛々しい指。

「何度もされたくはないだろう。」
「俺は親切で言っているんだよ。」
(-476) 2023/09/19(Tue) 22:15:07

【秘】 pasticciona アリーチェ → オネエ ヴィットーレ

 
「ヴィットーレ……っ!
 あの後、逮捕されたと聞いていてもたってもいられなくなったの、ごめんなさい。どうしても心配で……」

人は理性だけでは動けない。
貴方の無事を信じてずっと"賢明"に生きる事。
それを望まれていたのがわかっていても、それでも貴方に一目見たくて、会いたくて仕方なかったから。

「わ、たしは、大丈夫。今、不思議な夢をみれるように  
 なって、それで何とかここま、で……」

でも、そこには姿がない。憔悴した声だけが聞こえる。
冷水でもかけられたかのように顔がさあっと青褪める。
床に、寝具に色濃く残る血の痕跡を見つけたから。

「……ヴィ、ヴィットーレ……声、が、血が……っ
 そんなに具合が悪いの?暴行されたの?
 どうしよう、止血、早くしたいのに……っ」

ガシャン、と音を立てる程愚かではなかったけれど、
牢に額を着けて少しでもあなたの傍に寄ろうとする。
だけど薄暗い内部はよく目も見えないし、鮮やかな血の香りは伝わって来て、焦燥感だけが掻き立てられる。

「……そっちは、伝えたよ。
 心配しないで大丈夫、だって。みんな、いい子だから……っ」

早く、早く何とかしないと。どうしてこんなことになってしまったの。
普通の会話をしていても滴り落ちる汗が引く様子はない。

何もできない己が身が悔しくて、自分達を分け隔てる檻を意味がないとわかっていても強く、掌が真っ赤になるほどに強く握りしめた。
(-477) 2023/09/19(Tue) 22:19:42

【秘】 オネエ ヴィットーレ → 法の下に イレネオ

/* ごめんなさいちょっと多分誤解をさせちゃったかもしれません!
書類の【聞き取り内容】の項目は『これらの情報を聞きだせ』という指示のつもりで記載しました!(ヴィットーレが自供したというわけではありません!分かりにくくて申し訳ない!)
(-480) 2023/09/19(Tue) 22:33:22

【秘】 幕の中で イレネオ → オネエ ヴィットーレ

/*
キャア! 完全に勘違いしていました、すみません!
ではちょっと修正して送りなおさせていただきます……!
(-486) 2023/09/19(Tue) 22:50:15

【秘】 幕の中で イレネオ → オネエ ヴィットーレ

金の瞳が貴方を見やる。
浅く、冷めた金だった。乾いてすらいた。
大袈裟に溜息を吐けば、交わりを断ち切って再び紙面に視線を落とした。

「それだと嫌疑内容と食い違うだろう。」
「俺を若造と見て侮っているのか? それは」
「些か気分が悪い。」

言う声は低く、平坦だ。
貴方にかかっているのは嫌疑であって、それは単に疑いを指す。
つまり未だ事実と認められてはいないということだ。であるのに、男はまるでそれこそが真実であるかのように語った。
貴方は悪人。正義はこちら。
話す前から、そう決めつけている態度だ。

「隠し通せるほど甘くはないぞ。」
「一物抱えたままおめおめと釈放するほど節穴じゃない。」

「それ。」

書類の角で指さすのは貴方の指だ。
今は雑に包まれて、止血以下の処置をされた痛々しい指。

「何度もされたくはないだろう。」
「俺は親切で言っているんだよ。」
(-491) 2023/09/19(Tue) 23:00:26

【秘】 オネエ ヴィットーレ → pasticciona アリーチェ

「もう、本当に仕方のない子なんだから……」

ふふ、と笑う声もやはり力なく。
よほど体力を消耗しているのだろう。
それだけのことをされた、証。

貴方にだけは、この姿は見せられない。
腫れた顔、剥がれた爪、赤いままの衣服。
どれか一つでも見たら、貴方は気絶してしまいかねない。
ズキズキと痛む体を抑え込んで、出来るだけ平気なふりをする。


「大丈夫、大丈夫よアリーチェ。落ち着いて……
 ちょっとした怪我よ。大したことないわ。
 それにこれはね、アタシが皆を守れた証なの。」

拷問は、情報を吐かねば吐かぬほど苛烈になる。
怪我が酷ければ酷いほど、何も言わずにできた証拠。
ヴィットーレは守っている。大切な家族を、今もなお。

「……アタシは死なないわ。約束したでしょ?
 だから、心配しないで。アリーチェ。
 貴方の不安そうな顔を見たら、アタシ、泣いちゃうわよ。」

貴方だって、大切な家族の一人。
近づいて撫でてあげられない分を、せめて声色に乗せて。
貴方を元気づけようとするその所作は、昔から変わらない
"皆のお兄ちゃん"の姿だった。
(-497) 2023/09/19(Tue) 23:14:19

【秘】 オネエ ヴィットーレ → 法の下に イレネオ

にこにこと、細まった翡翠の瞳が貴方を見る。
まるでバーに来たお客を接客するのと同じように。
貴方に愛想のいい笑顔を向け続ける。

「じゃあ、誤認逮捕なんでしょうね。」
「この捜査に誤認がないっていうのなら」
「貴方だって同じ穴の狢ってことじゃない?」

そうでしょう、と挑発的な笑みを浮かべて。
ヴィットーレの主張はあくまで"無実"だ。
自分はマフィアでもなく、ましてや人身売買などするはずもなく。
してないのだから仕入れ先なんてものもない。
全ての嫌疑に否を通し続けている。なにをされても。

「探られて痛い腹なんてないわ。」
「貴方たち正義を自称する人たちが納得できないというなら。」

布で巻かれた血だらけの両手を、前に差し出す。

「どうぞ───お好きなだけ。」

───ヴィットーレには、覚悟がある。
必ず隠し通してみせるという覚悟が。
(-500) 2023/09/19(Tue) 23:26:28

【秘】 pasticciona アリーチェ → オネエ ヴィットーレ

 
優しい声が聞こえる。いつも慰めてくれる時の、
頭を撫でてくれようとする時の貴方の声。
落ち着かせようとしてくれてるんだ。わかってるはずなのに、

「約束、した……ヴィットーレの、嘘だと思いたくない…
 私達のこと、懸命に思ってくれてるのもわかるよ、でも…
 だけど、だけど……こんな場所に、何日もいたら……」

早く、早く何とかしないと。
どうしてこんなことになってしまったの。
子供達を救う為にマフィアになったヴィットーレ。

罪が一切ないとはいえないけれど、少なくともこんな目に遭うような人ではないはずだ。それが悔しくて、自分達を分け隔てる檻を意味がないとわかっていても強く、強く握りしめた。
暫くそうし続けていたが不意に何かを閃いたように目を開き。

「……そう、そうだ……
 逃走ルート、計算すれば、……
 そうよ。早く逃げられるなら逃げられるに越した事は」

「あのね、ヴィットーレ、今考えるから。
 時間はかかるかもしれないけど、うまくやれると思うの…!」

そうだ、名案とばかりに呟かれた言葉だが、
完全な自惚れだ。女にそこまで全てを搔い潜り、
貴方を密かに脱獄させる力は、一切ない。

幸か不幸か、ここまで無事に来れてしまったから。
不思議な力があるから、とんとん拍子に上手くいっている今、次もいけるかもしれないと、下手な高揚感に煽られ愚かな女は甘すぎる算段を立てようとしている。
(-506) 2023/09/19(Tue) 23:42:12

【秘】 幕の中で イレネオ → オネエ ヴィットーレ

男は貴方の店を訪ねたことがない。
あったならその笑顔はまた別の感傷を齎したのかもしれないが、今は単に胡散臭さを感じさせるだけだ。貴方への偏見が疑惑を助長する。

同じ穴の狢・・・・・
飛び出した言葉に、これはあからさまに顔を顰めた。
不快そうな面差しで言葉を吐きかける。

「愚弄するなよ。」
「マフィアなどと同類なわけがないだろう。この俺が?」

殊更に見下すような言動は、誇りを傷つけられた者の常だ。
それでも本人はいら立ちを隠しているつもりか、未だ声を荒げることはない。
代わりと言うように、再び、大きな溜息。
差し出された両手を、まるで汚らわしい物でも見るような目で見た。

「一緒に」
「するなと言っているんだ。俺は、お前たちとは違う。」
「無節操に暴力を好む、ノッテお前たちのような生き物とは。」

がたん。腹立たし気に椅子が揺れた。
同時に男の腕がだん、と机を叩く。
振動のせいで、爪の剥がれた断面と布地が擦れたはずだ。
その微弱な刺激さえ新鮮な傷口は拾うだろう。貴方は何か、反応しただろうか。
(-507) 2023/09/19(Tue) 23:45:38

【秘】 路地の花 フィオレ → オネエ ヴィットーレ

落ち着いた頃。あなたに面会に来た女が1人。
赤縁の細フレームメガネに、髪を緩く後ろで結んで。
立場を悟られないような姿で。

あなたの現状を知らないから、ただ不安そうな顔であなたの姿を見ている。

「ヴィー…?」
(-518) 2023/09/20(Wed) 1:31:59

【秘】 オネエ ヴィットーレ → pasticciona アリーチェ

大丈夫、なんて言っても安心できない事は分かってる。
姿を見せずに言う言葉なんて、毛ほどの信用もないだろう。
あなたを悲しませたくないたくないのに、あなたを慰める手も声も
今は傷ついていて何も出来ないのがもどかしい。


「───アリーチェ、それは駄目。」

そうして、貴方が脱出の計画を練ろうとすれば。
ヴィットーレは冷静な声で、それを窘める。

「ここの警備をかいくぐって抜けるのは困難だし、
仮にできても、その後に行く場所もないわ。
アジトにも孤児院にも、行ったら迷惑をかけてしまう。
それに……万が一バレた時、あなたも酷い目にあってしまう。
お願い、アタシに頑張る意味を失わせないで……」

一つ一つ、現実を教えるように問題を上げて。
今の状況がただ、どうしようもない幸運の上に成り立ってることを教える。
ファミリーや、孤児たちや、貴方を守ってると思えるから頑張れるのだ。
ヴィットーレは、万が一にも貴方達を危険に晒したくはなかった。

「……困ったわね……どうしたら安心してくれるかしら?
アリーチェ、アタシ、あなたには笑っていて欲しいの……」

妹のように可愛がってきた貴方を悲しませる今の状況が、
ただただ歯痒くて悲しい。
(-543) 2023/09/20(Wed) 6:12:50

【秘】 オネエ ヴィットーレ → 法の下に イレネオ

不快げに歪む顔を見る。
余程、悪人と同じに扱われるのが嫌らしい。
怒りというのは人の暴力性を上げ、冷静さを失わせる。
怒りに駆られたあなたが、聞き取りのためではなく
ただの鬱憤ばらしに拷問をしてくれたなら……
それはきっと最高の事だ。

「でも、上はそうは思ってはないみたいじゃない?」
「貴方はマフィアの仲間だって、次誰かが入ってきたら
言いふらしちゃおうかしら。ふふ……。……っ」

だから、挑発を加える。
ヴィットーレにとって嫌なのは、
痛みを与えられることではなく情報を吐くことだ。
黙り続けるためなら、いかな手段でもとる覚悟がある。


とはいえ……痛みを消せる訳では無い。
肉が剥き出しになった指に痛みが走って、眉を歪めた。
(-546) 2023/09/20(Wed) 6:28:08

【秘】 オネエ ヴィットーレ → 路地の花 フィオレ

面会室。
ガラス越しに連れてこられた男は、
顔にアザを作り、頬には少し血が固まっていて。
手錠のついた両手は布に包まれ、それも赤く染ってる。
きっとそんな姿であったはずだ。

「……あら、久しぶりね
キャシー

このとおり、何ともないわ。貴方はどう?寂しくない?」

普段、あなたが使う偽名のうちの1つで貴方を呼ぶ男は、
そんな痛々しい姿のまま、にこりと笑みを浮かべて見せた。
(-547) 2023/09/20(Wed) 6:33:38

【秘】 幕の中で イレネオ → オネエ ヴィットーレ

さて。
その挑発に対し、男は口の端を歪めて笑って見せた。

「はは。」
「そんな脅しが効くと思っているのか? 可哀想に。」
「俺は二度も同じ手には乗らない。」

それはつまり、一度そういう事・・・・・にされたということを示していて。
そうしてなぜか、男がその嫌疑を免れたということを示している。

男の笑みは嘲笑だ。
効かない・・・・煽りを寄越す貴方を、哀れんで嗤っている。
そうしてその愉快さのまま、無骨な手を机に滑らせ。
するりするりと指先を覆う布地を解いていく。

「見え透いた挑発に乗るわけがないだろう?」
「北風と太陽の寓話を知っているか? そう、優しい方が効く・・んだよ。」

やがて顕になる爪先を。

(-561) 2023/09/20(Wed) 8:31:33

【秘】 幕の中で イレネオ → オネエ ヴィットーレ

​────ぎゅう。
握った。


「そういうことだ。」
「仲良くしよう。まずは握手からだな。」
「よろしく、ヴィットーレ。」
(-562) 2023/09/20(Wed) 8:35:03

【秘】 路地の花 フィオレ → オネエ ヴィットーレ

「寂しいに決まっているわ、ヴィー」
「あなたのお店も無くなってしまっていて、本当に心配したんだから」

綺麗な顔が台無しだわ、とガラスに手を当てる。
その顔のキズを目立たなくしてあげたい。手の汚れを拭いてあげたい。
ただ一枚の板が、それを阻むのだ。

「ヴィーのそれはなんともないなんて言わないのよ」

と、嗜めもする。
(-574) 2023/09/20(Wed) 11:19:41

【秘】 オネエ ヴィットーレ → 法の下に イレネオ

されることに抵抗はしない。
抵抗が無意味なことはもう知っている。
今の己は幼子の玩具と何ら変わらない。
貴方達が満足するまで弄ばれて、
ただ飽きるのを待つのみの玩具。
……それ以外でこのやり取りを終わらせる気は無い。
何かを話すなんて、以ての外だ。


「ッ!」

そうして、その指先が圧迫されれば。
平静を装っても条件反射に眉は歪んでしまうし、
ぶわっと汗も吹き出してくる。
あなたの手のひらを汚す男の血は、膿と混ざって
ねとりと不愉快な粘度をを持っていた。

「…………あら、ご丁寧にどうも…………
……貴方のことは、なんて呼べば?」

瞳は鋭く、あなたを睨んだままだ。
(-591) 2023/09/20(Wed) 14:30:42

【秘】 オネエ ヴィットーレ → 路地の花 フィオレ

「ふふ……ごめんなさいね、暫く一緒に寝てあげられなくて。
煙草の不始末で燃えちゃったのよ。残念だわ。」

あくまで普段通りの様子でそう話す。
そうは言っても声には疲労の色が残ってはいるが。

板の向こう、傷だらけのヴィットーレがこうなっているのは、
きっと取り調べに対し、何も話さなかったからだろう。
ファミリーの事も、交友関係も。
かつて経営していた孤児院のことだって。
何も漏らさず、誰にも飛び火させないようにと歯を食いしばった、
努力と覚悟の証だ。

「あら、ふふ、叱られちゃったわね。
……でも、どうにもならないわ。
開放されるまで暫くはこの生活のままね。
キャシー、あなたも気をつけないとダメよ。
あなたが同じ目にあったらアタシ、泣いちゃうわ。」

仲のいい人にはこんな傷も、あの痛みも味わって欲しくない。
貴方はヘマなんてしないだろうけれど、心配だわ、と
気遣わしげに眉をひそめた。
(-592) 2023/09/20(Wed) 14:40:42

【秘】 幕の中で イレネオ → オネエ ヴィットーレ

単なる幼子ならまだ良かったのかもしれない。
であれば、派手な貴方の様相に簡単に目を惹かれていたことだろう。例えばその髪をいじったり、その色眼鏡を舐ったり。或いは首元や耳のアクセサリーを気にしていたかも。
しかし生憎と目の前の男は一人前の大人で、そんなものには興味がなくて、代わりに嫌な知性を備えていた。

「はは」
「なんだ。汚いな。」

滲み出したものに目を細め、男は汚れた布地を手にした。それで押し付けるように拭いていく。
問いかけに答える気はさらさらないらしい。それは対等さを否定する態度。
貴方の存在を貶めて踏みつけにする行為だ。

「​しかし、まあ。随分赤く塗ったものだよ。」
警察署うちはネイルサロンじゃないんだが。」

ざらりとまばらな指先を見やる。
一々に貴方の表情を確認するのは、その瞳を見通そうとしているのか。
(-598) 2023/09/20(Wed) 15:39:36

【秘】 オネエ ヴィットーレ → 法の下に イレネオ

ここにいるのは大人と大人。
純粋に遊ぶような心はとっくに失って、
雁字搦めに組み付いた思惑と手から溢れそうなほどの
大切なものを背負い込んで、対峙している。

「っ……はぁ………はぁ………」

荒くなる呼吸、酸素を吸い込むと同時に
痛みに叫びたくなる気持ちを飲み込む。
汗が流れて顎まで伝い、机に垂れる。

「……アタシ、赤いネイルは趣味じゃないのよ。
可愛いピンクに塗り直したいわね……」

それでも痛みから逃げ出すように何かを吐き出すことも無く。
雑談みたいなセリフを、絞り出すように口にする。
彼以外に語ることなど何も無い、と暗に示すように。
(-614) 2023/09/20(Wed) 17:44:09

【秘】 幕の中で イレネオ → オネエ ヴィットーレ

「いいや。」
「お似合いだよ。マフィアにはな。」
「血の色は好きだろう? よく見たはずだ。」

さて、迂遠な会話を重ねてはいるが。
聞き出したいのはまずそれ。一旦軌道修正、再度貴方にその身柄を問うた。

「売ったのは生きた子どもだけか?」
「捌いたりもするのか? まるでけだもの・・・・だな」
「お前たちマフィアってやつは、何が楽しくてそういうことをする?」
(-627) 2023/09/20(Wed) 18:51:22

【秘】 オネエ ヴィットーレ → 幕の中で イレネオ

「……貴方にとっては、その書類が聖書なのね。
 決め付けと偏見で、いったい何人の無辜の民を嬲ったの?」
「貴方とマフィア、どっちが多くの血を見てるのかしらね。」

薄い笑みが消えた代わり、口から出るのは皮肉の言葉。
貴方の言葉には一切肯定の言葉を返さない。
すなわち、自分はマフィアでもなければ、子供を売ったこともない。
ただそれだけを主張する。

「アタシの方こそ、貴方に聞きたいくらいだわ。」
「何が楽しくて、こんな仕事をしてるの?」
「自分が一度たりとも間違った人間を尋問したことがないと
 思ってるなら、もっと視野を広く持った方がいいわ。」
(-637) 2023/09/20(Wed) 19:29:09

【秘】 幕の中で イレネオ → オネエ ヴィットーレ

「調書があがっている。」
「後はお前が自白するだけだ。」

否定したつもりであろう言葉はむしろ肯定になっているのだが、男は気づいていないらしい。
実質、この紙が全てだ。捜査の結果は結局紙面にまとめられるのが世の常。法廷で読みあげられるのも、貴方の罪をセンセーショナルに知らしめる
予定である
ものも、全ては結局紙束に過ぎない。


男は。
貴方の問いに答えない。
貴方の問いには答えない。言葉尻は否定するくせに、問いかけにだけは応じない。
代わりに。

がたん。

椅子を立つ音がした。手が例の汚れた布を掴む。
さて、貴方が抵抗しないのであれば、男は無言のまま。
貴方の後ろに回りこみ、それで目隠しをしようとするが。
(-649) 2023/09/20(Wed) 20:37:09