【秘】 傭兵団長 ダイゴ → 中隊長 アーサー(>>96) [アラックはかなり度数の強い蒸留酒だ。価格以下の薄さであっても、水で割ったとしても、こんな飲み方をするようなものではないが、男はまるで酒の嗜み方を知らなかった。] ……、……あぁ …あの時の水もこんな味がしたな。 [フ、と息をつくのと同時に、あれ程詰まらせていた言葉はいとも簡単に零れ落ちた。思い込みのつもりだったが、本当に酒と言うものは恐ろしい。] 神社で育った、と言っただろう? 両親なんてものも覚えておらず、食い物漁りで露頭に迷った。 辿り着いた場所がその神社の、な。 …本殿の供物の前だった。 [まるで石の様に今まで動かなかった口角が、ク、と含み笑いと同時に僅かにもち上がる。博識な彼になら他宗教の話をしてもわかるだろうと、無意識に信用を抱きつつ、言葉を続けた。] (-41) 2021/04/18(Sun) 14:47:35 |
【秘】 傭兵団長 ダイゴ → 中隊長 アーサー 供物なんて言葉すら知らなかったから全て食った。 喉も乾いていたから当然水も飲んだ。 水を、口にして卒倒した所を神主に捕まった。 多少の折檻は食らったが、根は良かった。 …名を付けてくれたのもそいつだ。 [「大虎」。東の国で「酔っ払い」を示す。 この話を赤の他人したことは人生で初めてだった。戒めとして改名する気は無いが、短い人生で最大の汚点でもある。こんな情けない話自ら出来るわけもなかった。] (-42) 2021/04/18(Sun) 14:48:46 |
【秘】 傭兵団長 ダイゴ → 中隊長 アーサー その頃、俺の国は隣国からの攻撃を受けていたと聞いていた。 島がちょうど領土の境目にあったとかでな。 詳しい事は、正直知らんが。 [呂律が回るのと同時に、彼に向ける一人称が素のものに変わっている事に自らで気づけていない。残っている羊の脚をつまみとして頬張る。 無自覚に大食らいな体質も、別に食べたいから食べているわけではなく、生への執着からくるものに見えるかもしれない。] 一方で、遠く。 故アルファルド王も近々大きな戦いを迎えようとしていた。 その為に王は増兵を考えていたが、当時から次世代への権力争いもすでに始まっていたらしい。あれだけ継承者がいてなお、身内は全員敵に見えていたのだろうな。 [大きな戦い、は、当時幼かった男にはわからなかったが、今新しめの歴史書で確認すれば掲載されているほどの大戦だった事は見て取れる。] (-43) 2021/04/18(Sun) 14:49:58 |
【秘】 傭兵団長 ダイゴ → 中隊長 アーサー そこで、だ。アルファルド王は内密に、 特殊部隊のようなものを作る事を計画した。 今まで交易もなく、目立たない貧困な国に対し、産油国として湧きあがる金を積みに積んで、身寄りが無い子供を何人も引き取り、その上、島に訓練施設を設立し、兵士として育成する。 奴隷なんて生温い。 一国の意志と子供の人生を買収したというべきだろう。 表向きでは、訓練施設は小さな士官学校で通した。 部隊は傭兵団を作るという象っていた。 もうわかるだろう。 ……白羽の矢が立ったのさ。俺たちに。 [故アルファルド王は、大柄で公平性のあると評判の国王だった。かの王の影に細やかな政略があった、若しくはそういった面を持ち合わせていたと、彼は察することが出来ていたのであろうか。] (-44) 2021/04/18(Sun) 14:50:47 |
【秘】 傭兵団長 ダイゴ → 中隊長 アーサー 『同級生たち』は、誰一人反抗しなかった。 ある者は飢えに困る事を忘れたし、 ある者は脆弱な身体を鍛える事によって力を示す方法を覚えた。 ……俺は、何より『学べる事』全てが、喜びに感じた。 [持ち上がったままの口元が、いつかの本を受け取った時のように円やかになる。どんな裏の理由があっても、男にとって過ごした月日は確実に士官学校としての出来事に留まっていて、愛おしく、懐かしい。] 卒業と共に、施設は傭兵団の本拠地と名を変えた。 が、向こうに残っているのはほんの数名。 八割は海を渡っていまあの官舎で暮らしている。 王の勅命を受けた時のみ、どの任務よりも優先させながら。 昔と変わらず、何不自由なく。 傭兵団としての稼ぎを得て独立して、今に至る。 ……、…。そうさ。独立しているんだよ、アーサー。 [酔いに微睡み、記憶に揺蕩っていた意識を戻して、 語り口調だったそれを戻して、ハハ、と乾いた笑い声をあげた。] (-45) 2021/04/18(Sun) 14:51:30 |
【秘】 傭兵団長 ダイゴ → 中隊長 アーサー 死んだからってなにも代わりはしない。 けど、けれども。な。 王の飼い猫としての役目を終えた瞬間。 俺の中に、戦う理由がなくなってしまった。 [グラスを持つ手の力が抜けていく。本当に酒に弱い身体だ。] 恩義を返そう、とか。 王そのものに何らかの情があった、とか。 過ごしたせいで愛国心が湧いた、とか。 まるでそんなものは無い。それは確かだ。 ただ、同時に。俺自身戦っていた理由が、 役割に基づいていただけなのだ、と感じてしまってな。 本を読む暇なく剣を振るってみたり、 せめて荒れる民衆を抑えて王の代わりに国を守ろうとした。 …してみたが、何も得られなかった。 (-46) 2021/04/18(Sun) 14:52:57 |
【秘】 傭兵団長 ダイゴ → 中隊長 アーサー[積まれていくもの>>1:*1を、ただ眺める人生の、 なんと、空虚な事だろう。 最後に「大した悩みでなくて悪かったな」と平謝りをする。 彼が興味を持つような、大きな話すら、そこには無いのだから] * (-47) 2021/04/18(Sun) 14:53:41 |
【独】 中隊長 アーサー/* そういえば勝手に 第2、第4皇子停戦とか言っていた。 (なんか読む前に書いてしまっていた) 第2、第4皇子側近の停戦、だな。 はてどちらも皇子が消えたなら、 ちりぢりかそのまま何処かに着くのだろうが。 一時は各皇子の偉業の残務を持つだろうさ、で。 (-52) 2021/04/18(Sun) 15:41:53 |
【人】 中隊長 アーサー[軍隊は実にシンプルな世界をしていた。 実力のある者はある程度まで上に上がれるが、 それ以上へはトンと道を阻まれるというシステム。 そもそもに 末端の者は通常何も考えていないし、 考えていたとしてまずは剣を揮う事しか許されない。 そういう人間しか求められない。 それ以上の事を考える奴は まず参画する場所から違う。 そしてその血を選ばれるのが通常であって。 余所者が入り込む隙など殆ど用意されてはいない。] (117) 2021/04/18(Sun) 17:18:47 |
【人】 中隊長 アーサー[それは何処の国でも変わらず。 純粋な力や知恵だけ集めた上層機関は 必ず何処かで裏切りと暗躍を生み、 内側から瓦解の一途を見せるものなのだ。 そうならないで済んだ国があると云うのなら 余程平和に恵まれた環境下での成立なのだろう。 狭い領土、競り合う隣国、個々人で武を揮う 必要の無い様な、そんな平和な… ―― ] (118) 2021/04/18(Sun) 17:19:05 |
【秘】 中隊長 アーサー → 傭兵団長 ダイゴ[戦う事に疲弊した人々が 望んで止まない世界での話なのだろう、と。 王が存命の時代は、ともすれば その先駆けになっていたかもしれないが。 ] (-70) 2021/04/18(Sun) 17:20:05 |
【人】 中隊長 アーサー[そんな舞台で此処まで上り詰められたのは 確かに感心されるような出来事では あるのだろう。 関心、とも云うか。 此処までが頭打ちだったではあろうが。 以前までなら ] [一つ。 赤を湛えたグラスを傾け回して、] (119) 2021/04/18(Sun) 17:21:04 |
【秘】 中隊長 アーサー → 傭兵団長 ダイゴ[確かに初めの頃は単なる『手段』として 軍属に下った処もあった。 けれど一兵卒の暮らしは 他国であれ貴族から出た身の上には 無様で面白みも得られず。 与えられる任にも何の輝きも見出せぬままに、 兵役に苦悶と屈辱とを抱く様になって しまったのだった。 だから伸し上がった。 せめてこの苦悶が少しでも和らぐ様に、 屈辱が晴らされる様に、と。 ] (-71) 2021/04/18(Sun) 17:21:50 |
【秘】 中隊長 アーサー → 傭兵団長 ダイゴ[幸いにか幼少の頃から 剣の師は付けられていたし筋も悪くなかった。 帝王学や先導者の教育は仲間への助言にも 役立つ所があったし、品位ある振る舞いは 兵卒内で良い意味で浮いていた。 余所者であれど小隊長、補佐官、副官補佐、と 成り上がるまでの苦労も薄く。 それ以降の地位へは 幾つか手を汚したかもしれないが、 こうして中隊長の地位にまで上り詰めたのが このアーサーという男ではあった。 ―― が、] (-72) 2021/04/18(Sun) 17:22:26 |
【赤】 中隊長 アーサー[さて途中から当初の目的など忘れて 成り上がる事に喜びを抱く様になってしまったのは 否定が出来ない。 そして今この時世が 単純で退屈なシステムを崩し得る 絶好の機であると、歓喜し計り巡らせている事も。] (*10) 2021/04/18(Sun) 17:23:41 |
【人】 中隊長 アーサー[代金を多めに支払い店を出る。 外に出れば、陽が多少は傾いたのか 建物や木陰の道を多く創り始めていた。 今日は休日なのか、と聞かれたが 副官やその補佐に訓練の命令系統を任せ 王宮や街へ足を運ぶのは以前から良くやる事だった。 国の揺れる機は大概掴めているし、 諸外国からの侵攻も、数年前に勝利を収めたきり ここ最近は大人しくなってはいるので 軍が大きく動く事も薄い。 郊外の野盗を討つや市内外の騒動の鎮静、 異民族の鎮圧や反国組織の排除なりの 任務は儘ある事だが、それらは主に 小隊単位で動く様なもので。 …まあ今の時世は、 突発的な出撃や直属以外からの命で 雑兵の様に駆り出される事もあるのだが。] (142) 2021/04/18(Sun) 22:30:59 |
【人】 中隊長 アーサー[兎角、 今の治世であれば多少なりとも 自由の時間を得る事が可能な身の上ではあったのだ。 陽の傾く前には王宮内の自身の庁舎に戻ったが、 変わらず兵達は訓練を熱心に続け 甲斐甲斐しく。 副官らも慣れた素振りで報告に訪れ、 ひと時変わりの無い事を伝えると また兵達の下へと戻っていくのだった。 簿を記し書類を纏め、 上官への報告を用意し終われば外を見遣る。 朱と瑠璃とが境目を溶かして共存するその色に 時刻を知り、椅子に深く背凭れた。] (143) 2021/04/18(Sun) 22:31:18 |
【人】 中隊長 アーサー[そんなもの、 そもそも俺なら最初から無いんだが。 等と一人呟いて瞼を落とす。 本当に実直な奴だなとこちらは声には出さずに、 けれど口元には笑みを湛えて。 落とした瞼を開けば 残りの軍務を終え帰路へと就いた。 翌日へと盤が進めば、突発的な任務に 其の腕と脳とを費やして。 次に時間が出来たのは 二日後だったか。] (144) 2021/04/18(Sun) 22:33:33 |
中隊長 アーサーは、メモを貼った。 (a7) 2021/04/18(Sun) 22:59:58 |
【人】 中隊長 アーサー[任務を終えての帰路。 副官が何度か愚痴を零していた気がするが、 軽くいなして其方も帰路へを着かせた。 天を仰げば昼間の大河に劣らぬ程の量の星が 漆黒と花紺青とで染められた天蓋に 惜しげも無く飾られている。 この国の星空は美しい、と いつになっても思えた。 ―― バルドゥイン卿は本当に強かな方だな。 昨日任務を言い渡してきた 老獪の顔を思い浮かべては、笑う。 自身の所属する古い機関を解体し、 新たに自身の名の下に新機関を創ろうとは。 その使命の下、 中隊長すら小間使いに遣うのだから 彼の副官が文句を言うのも仕方は無い。] (205) 2021/04/20(Tue) 4:22:42 |
【人】 中隊長 アーサー[此方としては国の中に 新たに組織を組む参考になったし、 何より卿との関係を築けたのだから 仲介の雑務だろうが荒事の討ち入りだろうが 喜んで引き受けた所なんだがな。 余程奴に好かれているのだろう、と 副官の顔を思い浮かべてまた笑ってやった。 その内長い休暇でも与えてやろうか。 …逆の意味に取るかも知れんが。] (206) 2021/04/20(Tue) 4:24:02 |
【人】 中隊長 アーサー[今この国は混乱している。 王が死んで暫くは建つと云うのに、 未だに新たな王は生まれず軍も政事も 整頓為されない儘、新旧入り混じる組織が 席を奪い合い国の中心で渦を巻かせているのだから、 なんと最早滑稽とも言えように。 この状態で他国から 侵略でもされたどうすると云うのか。 憂うより楽しみが勝るのは否定できないが、 明らかに内外から隙だらけの現状には 嘆息の一つも零さずにはいられない。 どうなろうが知らないが、] (207) 2021/04/20(Tue) 4:24:54 |
【赤】 中隊長 アーサー[どうしてやろうかと考えるのが 酷く楽しくて仕方が無い。 無数のチェス盤が 定跡ばかりで置かれていて、 決めた手を返すだけで欲しい物が 簡単に手に入る状態なのだから、と。] (*12) 2021/04/20(Tue) 4:25:44 |
【人】 中隊長 アーサー[どうにか悪くない一手を執りたい物だ、と 口許に親指を添え思案する。 さて、この国の未来はどう転ぶのだろうか。 何かの兆しは見えるだろうかと 再び空を見上ぐり、目にした 星の色は 白か 赤 か青 か ] (208) 2021/04/20(Tue) 4:26:02 |
中隊長 アーサーは、メモを貼った。 (a11) 2021/04/20(Tue) 4:58:38 |
[1] [2] [3] [メモ 匿名メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新