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【秘】 半分の仮面 リアン → 月鏡 アオツキ「……まあ。 うるさくしていなかっただけで、何もしていなかっただけではない事は分かった」 先生達も苦労したんだろうなということが伺える。 だが、もう一人の実習生の姿を見ていると どちらかといえば守っている方に見える。 そういうことなんだろう。学生時代もそんな感じで見られていたのだろうな。 「見守る事……ああ、"基本的には、生徒同士での交流をすることが重要"。 そういった話は聞いたことがある。 実習生もこの場では大人寄りというわけだ」 納得できる。まあ、だが結局はこうして面談をしているのだ、他人と話すこと自体は好きなのだろうと思う。 「仲良く出来る性格に見えるか?……まあ、フィウクスからはともかく。 僕は彼に歩み寄る努力はしようと考えている。 お互い何も知らない時期が多かったから、これから身を入れなければ 卒業までに間に合わないだろうが。 ……質問。そうだな。 アオツキ先輩は、この学校をより良くするために 何を変えるべきだと考える?」 (-98) 2022/05/05(Thu) 17:45:35 |
【秘】 月鏡 アオツキ → ライアー イシュカあなたと別れる前に声をかける。 同僚と、して、だけではない。ただの友人として。 伝わっているか、わからないが。 「話なら聞きますよ。 子供たちに話したいのなら止めませんが、 私だから聞けることもありますし〜」 「……」 「それでは、イシュカ」 こつん、靴の音をならして踵を返した。 (-104) 2022/05/05(Thu) 18:13:16 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 神経質 フィウクス「フィウクス君丁度よかった」 「君にパンを焼いて行こうと思っていて―――え?」 本当にパンをが入った籠をもった実習生は君に声をかけられれば、しばらく間を開けてから瞬きをし返した。 台詞に遅延するように振り返り、髪を揺らして。 「ここには私しかいません」 「なんですか、聞きますよ〜」 何処か笑っていたような気がした。表情は変わらない。 (-105) 2022/05/05(Thu) 18:19:52 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 雷鳴 バット「ぁ……お、おはようございます」 ぞく、と背筋か震える。 いっしゅんの背徳感のようなものが走りつつ、 君の口元を拭えば、もうその声は震えていなかった。 「大変な目に遭いましたね。 先生たちにおこられでもしていましたか〜。 こんな風に捕まっちゃって、森にばっか行ってるからですよ」 ベッドに体重をかけ、体を寄せ。 なれない手つきで、もう片方の手で手錠を外しにかかった。 薬が効いていたその姿をみやれば、また小さく深呼吸をして。 人のをはずしてやるのは、なかったな。 「ねぇバット君、……大人のかたがいっていました。 ミゲルとは君の名前ですか?」 (-106) 2022/05/05(Thu) 18:33:34 |
【秘】 神経質 フィウクス → 月鏡 アオツキ「俺は自分で居場所を作る事にした。 その為に打てる手は一つでも多く打たなきゃならない。 あんた達のように一度放り出されて戻って来るんじゃなく、 望むなら卒業後もここを出なくて済むように。」 表情は変わらない。相変わらずにこりともしない。 片側だけの冷たく鋭い視線が、 ただじっと笑わないあなたを見ている。 「だからあんたがあんたのやり方でここを変えるなら、」 「 それはもう俺にとっても他人事じゃない 」努めて感情を押し殺すように。 淡々と言葉を連ねて、一度息を吐いた。 「曲がりなりにも"後輩"として、 "先輩"のお考えをお聞かせ願いたい」 この場所を自分に都合の良いように。 そのように変えるという手段はあなたと同じ。 行き着く先が近いのであれば、あなたに倣うのも悪くはない。 それぞれの望む形がほんの少しの譲歩も許さず、 根本的に相容れないものなら、その時はその時だ。 (-110) 2022/05/05(Thu) 19:49:46 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 半分の仮面 リアン「中々人をみる目があるようで何よりです」 自覚をしていなければ厄介な部類の人間であることは確か。 「仲良くできる性格に見えますよ〜? リオン君のまわりにはいつもお友だちがいて、……フィウクスくんも悪い子じゃありませんからね〜。 二人とも仲良くしたくてもツンツンしてしまうタイプでしょう? そういった間柄だからこそ分かり合えることがあると思うんです。 もちろん本心でいっています。 私は全くお友だちできませんでしたから、二人のことは応援していますよ」 閑話休題。あなたに何を変えるべきと問われるとさらさら答えていた言葉が止まった。 理想論ならいくらでものべられる、現に必要なものと言えば 「『即座に病気や怪我の治療を受けられる環境、 プライベートな時間作り、個性を尊重した生活』課題は山積みですね」 「ただ変えるべきものですか」 「理ごとすべてじゃないでしょうか?」 それも、紛れもない本心。 (-121) 2022/05/05(Thu) 21:37:03 |
【秘】 雷鳴 バット → 月鏡 アオツキ声を聞いて、次第に光に目が慣れて。 ここがどこで、目の前にいるのが誰であるかを理解した。 ぱちぱちと目を瞬いて、枷が外れていくのを目で追っている。 まだぼんやりしたままの意識で身を起こし、記憶をたぐるように天井を見た。 「おは」「よう」 大人との対話を終えてから、おそらく部屋へ連れてこられたのだろう。 それ以外にとびきり変わったことというのはないように見える。 腹の音が鳴って思わず手で押さえて、朝なんだなとか考えて。 「……」 「そう」「でも」「みんながバットって呼ぶから」 「それでいいやって」「いうことにしてる」 (-123) 2022/05/05(Thu) 21:45:14 |
【秘】 ライアー イシュカ → 月鏡 アオツキ「そもそもお前、 機嫌の上下とか薄情とかがあるんだな…… ……いや、 悪かったって……」 そして先に謝ればいいのにこの言い草。 咄嗟に言ったとしても余りに酷いのだが、貴方の内面をそれ程知らない事が余計に拍車をかけているのもあるのだろう。 「話があるわけではない、んだが。 ……感覚的な不快感だから、話云々と違う、みたいな」 何より本人がまだ言語化が難しそうな顔をしている。 貴方は気づいてるだろうが頭がえらく騒がしい事になってる為に余計時間がかかるのだろう。 「どっちにしろさすがに埋め合わせはするから、 会話できるような気力になったら連絡する。……それじゃ」 (-124) 2022/05/05(Thu) 21:45:16 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 半分の仮面 リアン「大袈裟に聞こえますか〜? President and Asshole。 トランプのゲームみたいなものです」 「一番弱いカードは3。 数の順に強くなり、Kの上はエース、数字の2。 最強のカードが……ジョーカー」 「その中のルールにある革命」 「今まで強かった2が底辺に、 今まで最弱だった3が頂点に。 ジョーカーの強さだけは、変わりませんが 」「そんなことでも起こらないと、 変えたいことが多すぎてどうしようもないんです」 「大きすぎるので、私の答えはいくつかの校則を "変えられるようになること"ってぐらいにしておきますね? 例えば……順番で夜の見回り隊を作るとか。 夜遊びと夜遊び防止が両方できて楽しいと思うんですよ、 禁止するだけじゃつまらないですからね〜」 (-125) 2022/05/05(Thu) 21:45:20 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 雷鳴 バット「君の名前じゃないですか、そんなにきれいで」 「……呼ばれたい方で呼びます」 ベッドに腰を掛けて見おろしつつ、一息。 枷が完全に外れた君を見つめ、頭を優しく撫で続ける。 「もう少し、眠っていても良いですよ。 授業を休んでも今日は文句言わせません。 ご飯は食べられるだけで……ああ、何か欲しいものはありませんか? 朝食だけは顔をだしに行きますが、実はおやすみ取ってるんです。 嫌といっても付き合えますよ」 (-127) 2022/05/05(Thu) 22:16:37 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 神経質 フィウクス「もう将来の夢が決まったんですか? 私と同じ時期に決めたんですね〜、もっとも」 「――やめましょうかその話は」 時に必要かもしれないその昔話よりも、 目の前の生徒は今後の変化のあり方を知りたがっている。 実習生ではない、自分にだ。 「この間も言ったように関係ないんだ、君にも生徒にも。 私は、真実をみてその根幹の理を壊すつもりだから。 私の立場で聞かされていないことが、たくさんあることを知っている。 先生方が私を信用しつつあり、色々なことを私に聞かせてくれようとしていることもまた。 ……確かな事実は ここは私たちにとってとても居心地が悪い 」 (-136) 2022/05/05(Thu) 23:08:52 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 神経質 フィウクス「空の青さがきれいに見えなくて、 太陽が眩しくて憎たらしいのなら ……それが正しいという事実が 変わってしまえば良いと思わないか。 同意は結構、私は――今見えている景色が是とされている理を壊して新しい理をいれたいだけ。 その分起こることを、私たちが代わりに解決しようと思っている」 何かしらに影響されているこの学園の運営方針。 ルールを変えるにしても代替が必要になるだろう。 誰かを救った分、犠牲になるものが存在する。それを理解して。 「決して簡単なことではない。 法も、技術もまだまだ追いつかない。 それでも私は、ここの大人たちの頭に住まう神を殺したい。 そして、新しい"神"を呼ぶんだ。私たちが信じたい神を。 方法は、これから"先生"になって、 彼らの存在に触れて、ようやく知ることができる。 それまでは、大人が作った神に従って過ごしているんです」 この身が滅ぶまでに。 それが完成するのであればどれほど素晴らしいことか。 消し去るだけが革命ではない、新たな居場所が必要であるのだとアオツキは告げていた。 (-139) 2022/05/05(Thu) 23:12:50 |
【秘】 雷鳴 バット → 月鏡 アオツキどことなく、自分の話であるのに、そうでないように。 遠いもののように名前について聞きながら。少し、首を傾げさえした。 青年にとっては、他人が選んで呼んでいた名前だ。 身体を起こして窓の日をまぶしいように見る目は、細く月の色をして。 「……だいじょうぶ」「悪い目にあった、わけじゃない」 「色々検査し直して」「わかったことがあるのだって」 枷を嵌められて身体を窮屈にしていたのだから、少しは身体も固まっている。 撫でる手から離れすぎないようにはしつつ関節を軽く動かして、 どこも痛くないな、なんていうのを確かめた。 優しい声を聞きながら、自分の意識との差異に気づく。 どうしてこんなにも、貴方は痛ましそうな顔をしているのだろう。 「……ツキは」「大人が生徒を連れていくの」 「あまりよいことと、おもってない?」 (-142) 2022/05/05(Thu) 23:25:54 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 雷鳴 バット「……私は、わかりません。 連れて行かれたことがないので。 暗い顔で帰ってくる子も、普段とは違う姿の子も居ました。 あまり、よいこととは、思っていません。 ただ、よいことであれと信じています」 沢山の意見を聞いたわけではない、幾つかの偏見。 よかったと笑顔で帰ってきた生徒達を知らないだけ。 「現に今だって、 君が拘束されていたことのどこが良いことなんですか。 ない方が良いに、決まって……」 わからない。 「私は、君が過ごしたいように過ごしている姿が一番見たいと思っているんです。 君には沢山のよかった、と、心地がいいを感じて欲しい。 私だけいつも気遣って貰って、君の為になることが何一つわからないんです。私に何か出来ることはないんですか……」 やらなくちゃ、いけないことと、 やりたいことが混ざってわからなくなる。 「私になにか、させてください」 不安定なまま、君に縋ってしまう。 一秒一秒、"先生"になりたい時間が延びていく。 (-149) 2022/05/06(Fri) 0:25:15 |
【秘】 雷鳴 バット → 月鏡 アオツキ朝、姿を見せない子どもたちのことは神隠しであると聞いている。 それだけ口止めは厳重なものであるから、団結した反発もないのだろう。 ただ、そう。青年が口止めをどれだけ受けたのか、 そもそもそれまでの事象と自分のことがどれだけ結びついているかは、疑問だった。 少し困ったような、動揺したような。 わずかに丸くなった目が、貴方を見下ろしている。 「僕は」「……」 「ツキには」「僕が、不幸に見えている?」 きっとかれが自分のことを慮ってくれているのだということは、 十二分に伝わっているのだ。ただ、それがどうしてなのかがわからない。 ぼんやりとした頭の中で、その輪郭がつかめない。 「僕は、困ってる?」「人と違うから?」 「ツキには、僕にはなにか」「足りてないように、見えるのかな」 手を伸ばす。すぐそこにある頭を腕の中に収めてしまった。 どうすれば貴方の抱いている不安を軽減できるのか、わからない。 だから、小等部の子どもたちにそうするように、同じことをなぞった。 「ツキが僕を見て苦しいなら」「それは僕だけのせいじゃないと思う」 「ツキは、何が苦しい?」 (-158) 2022/05/06(Fri) 1:15:41 |
【秘】 半分の仮面 リアン → 月鏡 アオツキ「そうでなくては、王は務まらない」 表情には出ないが、この先輩は分かりやすい。ということもあるけれど。 「そうだろうか。そうであれば楽なんだけどもな。 フィウクスはどうも面倒な体質を抱えているように見える。 なるべく刺激しないように、話が出来れば良いと思うが。 ……友達、出来なかったのか……… 」一緒に悪戯してるような友人がいると思っていた。 あまり突くのも悪いと思ったので、それ以上は何も言わないのだが。 「大袈裟だなんて。僕も概ねあなたと同じ考えを持っている。 出来る事なら体制から全てをひっくり返すべきだ。 生徒の笑顔を増やすには、それが不可欠だろう」 目の前の彼が話すことは、かなり理想に近い。 手段さえあれば、それこそ、君の言う革命が起こせるのであれば。 この学園を変えることが出来るだろう。理想の、笑顔と幸福が溢れる場所。 「そうだな……小等部の子供たちを慣れさせるという意味でも、交流を図るという意味でも。 かなり建設的かつ、すぐにでも取り入れられる良い校則になるだろう。 僕は、自分の病気のために 卒業以降もここに居られれば良いと考えているのだが… そういったことも、制度を作ることが出来たらと思っている」 自分の顔―――後日、仮面を着けることになる右半分を手で触れる。 (-160) 2022/05/06(Fri) 1:33:04 |
【秘】 苛々 フィウクス → 月鏡 アオツキ「誰にも関係ない事だろうな。 あんたは誰も当事者にしようとしていないんだから 」あいも変わらず不機嫌そうに言い放つ。 この苛立ちが何によるものかは知れないが、 何であっても今は些細な事と腹の底に押し込んだ。 「否定はしない。同意はともかくとして。 理解も共感もきっと俺にはできない事だろう。それでも」 「 あんただって、協力者は多い方がいいんじゃないか 」抱える病ゆえに『普通の』情動さえ理解できない。 あなたの事をよく知りもしない。教えられていないから。 それでも結託する事はできないわけではない。 「あんたの望むものを正しさとしたいなら余計にそうだ。 正しさの定義はいつだって多数派が決める。 それをあんた一人の手で、一から推し進めるのは 随分と確実性に欠ける、非効率的なやり方だとは思わないか。」 「それとも。 そんなに他人を巻き込むのが怖いのか?」 (-170) 2022/05/06(Fri) 4:23:07 |
【秘】 抑圧 フィウクス → 月鏡 アオツキ「俺は極論居場所があるならなんだっていい。 そこが俺のような──病を自己の一部と受け入れるような。 そんな人間を否定しない場所でさえあれば。 けれどそれは外では叶わない、きりがない事だ。 外の世界はここと比べて、変えるにはあまりにも広すぎる」 その場所の全てが自分に特別優しくなくとも構わない。 『普通』という目に見えない曖昧な定義によって、 逃げ場も無く絞め殺されさえしなければそれでいい。 けれど『普通』が正しい外の世界ではそれさえままならない。 「だから結局は、俺はここに残る事になる。 たとえあんたにとっては望まない事であったとしても。 きっと長い付き合いになるんだろう」 「あんたが途中でしくじらない限りは。 どうせ遅かれ早かれそうなるんだ。 であれば今から共謀者になったって問題は無いだろう」 「それに、」 (-171) 2022/05/06(Fri) 4:29:18 |
【秘】 異端審問 フィウクス → 月鏡 アオツキ「──俺のような、いつ手を噛まれるとも知れない狂犬は」 「今の内に飼い慣らしておくに越した事は無いと思うがな」 (-173) 2022/05/06(Fri) 4:30:08 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 雷鳴 バット「 『不幸に思えてます 私には』 」違う、本当は不幸がわからない。 だけど、ほんの小さな幸福だけを知っている。 「君が」「幸せでないように、見えてる」 ――それは俺だけのせいじゃないと思う。 深呼吸をしろ。繕えない、先生でなければいけないのに。 「 『よかった、だとか 嬉しい、だとか 」欲しい、だとか 未来に願うことを 君から聞けないことが苦しい』 (-178) 2022/05/06(Fri) 7:53:12 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 雷鳴 バット「 『普通を与えることが幸せだ』 「 『普通を経験できないのは幸せじゃない』 「 『他人とその普通が違うのなら、 その人にとっての普通をさせてあげたい』 「 『君の幸せな姿が見たい』 「 『君が笑っている姿が見たい』 「 『表情が変わらないとわかりませんよ』 「 『言葉にしないと伝わりません』 「 『だから教えて下さい』 ――『クロツキがして欲しい事を教えてください』 それは、過去にクロツキという人間が告げられた言葉。 頭から離れない、大切な言葉。 どうして、声も顔も同じように出来ないのだろう。 言葉を真似をしただけで、その人のようになれないのか。 男は信じたくなかった、彼のようになれないことを。 (-179) 2022/05/06(Fri) 8:12:51 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 雷鳴 バット「ちがう、うまくやれる。 聞かなくたって、できる、どうやって?」 「 『君を幸せに出来ないままで、私は先生になれないですよ』 誰かの言葉を引用して、うわごとのように呟いて。 その胸に納まりながら、ふいに体の力を全て抜きもたれかかる。 しがみついている手が弱くなって、まるで人形になったよう。 先生になれる時間が、切れてしまった。 「苦しい、君を幸せにする方法がわからなくて」 「本当に幸せ、だったときがあった。あおは僕を幸せに出来た」 「あおなら君を助けられた。 ここにいるのが、ぼくだから私は、君を喜ばせられないのか、と、苦しい。 私が、僕が? いるから、ごめんなさい。 先生じゃない、あおじゃない僕は、嫌だ。 誰も助けられないから、嫌だ。 早く戻るから、――あおがしてくれたこと、全部、ちゃんとやるから」 そこで震えていたのは小さく聞き取りずらい声を出す、何かを模倣するだけの子。 言われたとおりにだけしか動けない愚かな生徒だった。 ここに居て良いのは僕じゃない。 居るべきだった、彼にならなくちゃ。 生徒を笑顔に出来るのは彼しかいないのだから。 彼が救いたい生徒を傷つけるなど、あってはならないのだ。 (-180) 2022/05/06(Fri) 8:28:39 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 半分の仮面 リアン「王って、格好良いですね。私はその響きも肩書きも好きです」 「刺激しないように会話しても変わりませんし、 いっそのことショック療法も良さそうですね〜。 これは半分冗談です。私医療に関してはからっきしなので。 恋人ならいたことはあるんですけどねー」 気むずかしい相手との会話、年齢も違えば抱えるものもちがう。 実習生も前途多難だった。階段から突き飛ばされるかと思ったほどに。 これは冗談ではない、口には出さないが。 「おやおや〜。考えは私と似ていましたか。 やれることはすぐではありませんし、 確実性にかけるものばかり。 それでもたった一縷の望みにかけるのもひとつの人生です。 先生に知られたら怒られますから、しー。ですよ〜」 表情豊かな言葉のなかで目を細める。 「……少しここに居たがる生徒が多いですね。 私はどんな病だとしても、外の世界に希望がないとは言いたくないのですが。 お話を終える前に、君が自覚している病気を聞いてみても良いですか?」 (-188) 2022/05/06(Fri) 12:44:53 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 神経質 フィウクス「確実性に欠ける、非効率的なやり方。結構。 そこは、これから効率化できるだろう」 「一体何に怖がっているように見えたんだ? ……たとえ一人で失敗しても、痛手を食らうのは自分だけ。 "私たち"が先生になることで漸く叶うことに、君たちは不要なだった」 うまくいくに違いない未来を作るのは、■■がいるから。 怖いハズなんて、何もない。 「それに君が生徒でなくなったら」 「僕は君の不確定要素になるじゃないか」 「何が起こってしまうかわからない立場で」 「救えなかった理由にしてしまうぞ」 君を救えないのは教師でなかったから、 君が隣にいたのは共謀者だから、 君に何もできなかったのは君が悪い子だから。 君を失うのは、僕が■■じゃなかったから。 先生ではないこの自分なんて、いったいなんの価値があるのだろう。 透明の瞳が一瞬光も通さず、深く沈みかけた。 届かないと決めつけて、逃げようとしている。 それを、今見抜かれているのだ。 (-215) 2022/05/06(Fri) 18:46:06 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 神経質 フィウクス■■は、時間があれば、これからきっと良い先生になったのだろう。 すべて、これからであったのだろう。 君はいつかは生徒という記号から外れる、一人の存在だ。 そんな君のことも、■■なら救うことができた? そうに違いない、諦めるわけなんてなかった。 喪わせるわけが、ないよな。 「私は」 「生徒"だけ"でも助けられる先生になりたい」 僕は君の先生、じゃない。 ■■の目指したものがその先にある。 皆が望んでいる、誰もが普通を為せなくなった者が過ごせる居場所が。 ■■は、僕の"■■"だった。 僕は君の何になることができれば、君を、自分自身を助けられるのだろうか。 「それなのに、それだけだったのに」 「仕方ないな、フィウクスくんは」 (-216) 2022/05/06(Fri) 18:49:03 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 神経質 フィウクス「君の未来を見たい」 君の助けになれない私がここにいる。 「君を助けたい」 これは私たちの意思だ、どうか面倒を見てやってくれないか。 「共に謀る為にも、」 「誰かに奪わせたりしない」 もう二度といなくならせたりしない。 例えこの病がなおって私が保てなくなったとしても。 君たちが、僕に先生をさせてくれるのなら 「きっと居場所を作り続けると」 ■■なら、 "私たち"ならやれますから。 (-217) 2022/05/06(Fri) 18:52:53 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 神経質 フィウクス「約束します」 「君の言葉をこれからもきかせてください」 「私たちを、信じてみてくれますか?」 きみの首へとこの手を伸ばす、届くのならば喉に指を辿らせ。 ひっかくような仕草を見せた。 初めて、君に僅かに微笑みかけ、次はと頬への進行をやめない。 長年の間教諭たちに搾取され続けた生徒。 捨て置かれながら、劣悪な環境で飼われ続けるなんて。 許してはおけない、■■はそんな僕を傍に置いてくれた、愛してくれた。 僕はあの人になるために、こうして生まれ変わったのだから。 なんだって。 (-220) 2022/05/06(Fri) 18:58:13 |
【秘】 半分の仮面 リアン → 月鏡 アオツキ「民の事を考える王は好きだ。僕もそうありたいものだな」 民を見下す、腐った統率者にはなりたくない。 「ショック療法なんかして、爆発でもされたら……皺寄せは同室の僕に来るんだ。 流石にその覚悟は出来ていないぞ。 恋人………」 冗談とわかってはいても、流石に距離が近いものだから。 その時の彼の様子を考えて、眉を寄せた。 自分も距離感を誤って、怒らせたことがあるからなおさらだ。 恋人のいたことがあるという君の発言には、懐疑の声音。 「やらないわけにはいかない。 僕のため、ひいては他の生徒。そして、未来の生徒の為に。 無論、計画こそすれ まだ上にその意思を知られたくはない。 どちらかといえば、今は―――取り入るべき期間なのだろう。 気に入らないが、学園のためにはやむを得ない」 「僕の場合は、家柄の問題もある。 良くない風評があるものだから、外に出たところで……居場所はなくなっていることだろうな。 ……そうだな。僕は、"善行を積むほど、自分の身体が醜い痣や傷に蝕まれていく"病気だ。 逆に悪行を積めば、それは和らぐのだろうが。僕はそのために思いを変える事を望まない」 指先で右頬の化粧を落とす。そこには、 どす黒くおぞましい痣 (-234) 2022/05/06(Fri) 19:59:01 |
【秘】 雷鳴 バット → 月鏡 アオツキ「……ツキは……」 頭を撫でる手に手を添え、指を絡めて膝の上へ下ろす。 心の中を吐き出すように訴える貴方に、頷きながら目線を返す。 ぱち、ぱちと呼吸にあわせるように降りる瞼は、耳を傾けていると示すよう。 少しだけ、沈黙だけが挟まる時間があった。 そのうちに腕の中に掛かる重さを受け止めて、髪の硬い感触に頬を寄せた。 ぐったりと弱ったような貴方の背中を見下ろして、青年は考える。 「ツキは」 「可哀想だ」 「誰かがなぞった人間の形をしていないと」 「耐えられないんだ」 「ツキは、普通じゃなかったんだね」 「普通じゃないから、誰かの普通に憧れて」 「自分じゃないものになったんだね」 とつとつと語る。耳に聞こえた言葉への、純朴な感想だ。 それを理性的な形で表すのならば、同情なのだろう。 ひどく脆弱な精神を曝け出す貴方を、悲哀の目で眺め下ろす。 「ツキは幸せに"された"んだ」 「自分が思うものじゃない」 「他人の思う幸せに」 「ツキは本当は」 「僕じゃなくて、誰かを幸せにしたいんだ」 「その代わりを誰かに、やってほしいんだね」 (-236) 2022/05/06(Fri) 20:03:27 |
【秘】 雷鳴 バット → 月鏡 アオツキとん、とんと背中に回した手が子供をあやすように叩く。 落ち着かせ、心の安寧を取り戻すことを望むように。 純粋に、無雑に。青年はそこに一変の屈折もなく、貴方の言葉を受け入れた。 貴方が誰かに言われた言葉の正誤を断ずることは青年には出来ない。 そこまでの知性を持ち備えるほど、青年の精神は習熟していないのだ。 大きな成人の身体に、まだ彼よりも年下の子供にも劣り兼ねない柔らかい心だ。 貴方を真に救う方法は、未熟な心は持ち得ていない。 「僕が幸せになって」 「僕が普通になったら」 「ツキは、嬉しい?」 「僕、アオの代わり、やってあげる」 「だからもう、苦しくないよ」 それはまるで、片割れを亡くした母親に、子供が父親の代わりを申し出るように。 家族をなくした生き物に、誰でもないものが無邪気に寄り添うように。 耳元で流し込まれる声は大人のそれであるのに、抱く気持ちはひどく幼い。 だからこそ、そんなことも簡単に言ってしまえるのだ。 「これからは、僕がアオの代わりだよ」 (-237) 2022/05/06(Fri) 20:03:38 |
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