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【秘】 書生 シキ → よろず屋 シラサワ「あッ…ぅ……ッ!」 ビクリと、青年の背が跳ね上がる。 手慣れきった激しい様に翻弄される肉体は 全身を以てその快感を味わうばかり。 腹の内でうごめく指が、狭い感触を貪る。 強く撫で付けられるれば、その度に 汗の滴る顔が、だらしの無い表情に染められる。 「っは、は、……あ、うっくぅっ…あ……!」 曝け出された剥き出しの感覚で全身を揺らす青年の 声を絶やさぬその口は、だらりと快楽に蕩けきる。 「ッあ、ぁ―――……!!」 ――そうして青年は。 がくがくと脚を震わせ、細い背を小さく丸め、 三度、あなたの成す爛れた"高み"へと導かれた。 (-52) 2021/07/25(Sun) 22:58:39 |
【秘】 よろず屋 シラサワ → 書生 シキ「んッ──…………く、ぅ」 なるべく海眼を閉じずにいたが、 流石に咥内に精が放たれると、 眼をきつく閉じて、じゅるると嚥下する。 慣れたモノではないが、知らぬモノでもない。 ふは、と唇を自身から放し、快楽で締め付けられる指を蠢かせ、 後ろの熱をずっと煽りつけながら、 顔を上げて口付けしそうなほどに近づく。 先程に、その口で散々に青年を苛めていたのに。 「……君を、── 狼 が食べてしまうよ」その唇は最後の最後の警告を。 深海の底 に来たというのに、もう遅いだろうに。青年を貫こうとする杭が、 果てたばかりの熱に擦りつけられる。 (-53) 2021/07/25(Sun) 23:15:34 |
【秘】 左方舞 五十鈴 → 書生 シキ「だからそれごと壊そうっていうんじゃないか。 ”シキ”なら僕が”どういう立場”か解るでしょ? 僕は崇拝派じゃない。 ……ふふっ、僕は本気だよ」 (-54) 2021/07/25(Sun) 23:37:38 |
【秘】 書生 シキ → よろず屋 シラサワ暫しの間、激しい快楽から解放される青年は しかしすぐにあなたと顔を合わせ 細めきった目を、垂れ落すように向けるだろう。 「……、です……。 ほかの、やつらは、いやだ……。 あなた、なら…… シラサワさんなら ……」譫言の如く呟かれるそれは 何処を見ているかも定かでない、虚ろな瞳と共に。 初めから、ずっと内に思っていたことだ。 狼の餌食になどなりたくはない、この村の掟など知りはしない。 自分はただ、『先生』の思惑でここに居るに過ぎない。 自らの意志も曖昧に、ただ一つの"本"を片手に下げて。 それでも、この蒸せ返る欲情の穴倉の中で せめてもの慈悲を己に与えてくれた 目の前の海を湛える男にならば、と。 それもまた、ただの 諦めの一つでしか無いのかもしれないが。 それでも、青年は熱を帯びた声で あなたのそれを、強く求めた。 (-55) 2021/07/25(Sun) 23:39:32 |
【秘】 書生 シキ → 左方舞 五十鈴「――ああ。 俺もこんな島はうんざりだ。 俺はただ『先生』の言い付けでここにだけだ。 あの穴倉の中は、君が考えている以上に狂っている。 この島も、ここに居るヤツらも、何もかも。 俺だって、こんな島……」 そうして遂に、青年はそれを口にする。 あなたの内に渦巻く執念と狂気を その目で、耳で具に感じる為に―― 「……そして君は、何が言いたい。」 「君は、俺に何かして欲しいのか?」 (-56) 2021/07/25(Sun) 23:51:32 |
【秘】 よろず屋 シラサワ → 書生 シキ「……ん──。」 聲をひとつひとつ、拾い上げて、頷く。 己はつくづくずるい男だと思う。 言葉を装って、傷を隠して、 逃げ場の無いこの場所で、肉を喰らう。 謝罪はもう、口にはしなかった。 代わりに 「…… ありがとう 、シキ 。」そう告げられる言葉と共に、 後ろで蠢いていた指がずるりと抜けていき、 男の熱の先端が、そこへと押し付けられる。 口を開き、牙を突き立てるように、 "印"へと甘噛みを落とし、快楽を煽る熱を巡らせ そうして青年を、男の熱が貫き始めた。 「ン………っぅ、う…ッ!」 どれだけ解しても、痛みは少なからずあるだろう。 印と自身へ与える快楽で、それを鈍らせようとする。 (-57) 2021/07/25(Sun) 23:54:14 |
【秘】 書生 シキ → よろず屋 シラサワ「………、ぁ……」 囁かれた小さな返事に。 青年は、何かを紡ごうと唇を震わせ 言葉にならない、安堵にも似た声を漏らした。 「――――ッ!!」 刹那、青年の白い額の上で 味気の違う汗がじわりと浮かぶ。 何物も、ましてや、男の火照りきった滾りなど 一度たりとも受け入れたことの無かったそこが あなたに抱かれる中、大きく埋め込まれる。 「――ふ、くッ、ぅ……!」 溺れそうになる息を必死に抑え付け 徐々にやってくる濡れた感触に身を浸せば 次第にその痛みは、別のものへと置換されて行く。 「っあ、ぁ……ッあ……!」 じわりと広がる痛みと息苦しさは、 徐々に、"印"が持つ淫らな衝動と 薬が染み込ませた熱き感覚と そして、あなたの術によって、消え失せていく。 (-59) 2021/07/26(Mon) 0:12:18 |
【秘】 左方舞 五十鈴 → 書生 シキ「そう、シキは島ソトのもんだ。 こんな祭りに巻き込まれなくたっていいんだよ。 でもなんでまた『先生』はシキをこんな所にやったんだろうねぇ? 口減らし? しつけにしては物騒だよね。 ……僕がシキに願うのはね、僕が選ばれるように祈って欲しい。 それと、もし今回失敗した時のために子種が欲しい、孕ませて欲しいってことかな。 僕のママがそうしたように、この血を伝えていって……いつか必ず、神狼を殺す。 シキは余所者なんだから、祭りが終わったら帰ればいいよ」 (-60) 2021/07/26(Mon) 0:24:42 |
【秘】 よろず屋 シラサワ → 書生 シキ隻手で腿を抱え、口で印を愛撫し、 自身を扱いて快楽で痛みを逃がしてやりながら、 徐々に、徐々に、青年を喰らっていく。 男も歯を食いしばる。 情欲に濡れる海が、シキを見つめている。 「ン、ぅ……んん…ッ」 締め付けに肩を竦め、薄暗い灯に傷痕が照らされる。 根元までとはいかず、 途中で止めて、様子を伺い、 傷が引き攣れるのも気にせず、 青年の両腕を、己の背に回させるように。 肌を密着させ、 互いは此処に在る のだと。「だい、ッじょうぶ……大丈夫、だから…。」 耳元で何の保証もない言葉を呻くように呟く。 少しでも相手の力が緩めば、深く深く繋がろうと。 (-61) 2021/07/26(Mon) 0:27:27 |
【秘】 書生 シキ → よろず屋 シラサワ込み上げる快楽の中で喘ぎ続ける。 狼の欲が、己の細い肉体を蹂躙していく。 「っあ、あく、うぅ――ッ!!」 くすんだ暗色に満ちた瞳から、小さな光が滴り落ちる。 汗に紛れたその色は、青年の頬を伝いながら やがて、あなたの躰へとも染みていくだろうか。 「は、ぁ……っう、ぅ……っ」 形だけの言葉、意味の無い言葉。 それは、青年が流す感情の灰汁とも同じもので それでも、この穴倉に蔓延る邪な気から ずっと遠く、清純なものに感じられた。 あなたが成せば、青年はそれに応える。 その抱擁に、青年もまた両腕を広げて。 「シ、ら、ぁ……さ…ん……ッ」 肉欲に溢れた繰り返しが、延々と。 この泥濘の中で、最後の果てを迎えるまで 青年の言葉にならない求めは、続く―― (-64) 2021/07/26(Mon) 1:12:02 |
【秘】 書生 シキ → 左方舞 五十鈴「――ック、フ、ふふ……」 青年は、嗤う。 「……最初から言われてたことだったけどね。 正直、本気にする方がどうかと思ってたんだよ。 でも、俺があの"穴倉"で味わったものと比べれば 君の"それ"の方が、寧ろ現実味があるくらいだ」 そうして、嗤う。 「俺は、この島が憎くてたまらない。 この島も、この島の掟も全て最悪だ。 今すぐ逃げ出してやりたいくらいだ。 ここを出たら、俺をこんなとこにやった『先生』に この恨みつらみを全てブチ撒けてやるよ。 ……でも、それはまだできない。 俺を"自由"にしてくれた人が言っていた。 だから、俺は島でできることを探さなきゃならない」 幾度も、幾度も、嗤う。 「――それで、改めて思ったんだが。 この俺は、いまの君にとって "必要なもの"を全て持ってると思わないか? ああそうさ、 "お誂え" ってやつじゃないか。俺みたいな、この島に恨みたっぷりな男ってのはな 」 (-65) 2021/07/26(Mon) 1:33:56 |
【秘】 よろず屋 シラサワ → 書生 シキ「シキ、ン、ッくぅ……!!」 名に名を、抱擁に抱擁を、熱に熱を。 互いに求め、返す。応えが返ってくれば、 相手を弱いながらも男の精一杯で抱き締め、 ずんと根元まで、男の身体相応の熱が青年を貫いた。 零れる涙を男の舌先が舐めとる。 まるで、犬科の獣のように。 「はぁ、……は… んンッ 」奥まで挿入したまま、回すように内部を抉る。 先程指で捉えた箇所に擦りつけるように、 青年に苦痛ではなく快楽を与えようと、 己の快楽は後回しにして、動く。 初めてのその場所を、ゆるゆると熱で開拓する。 時折ずるずると引き抜き、再び入る。 熱のひっかかりが、ナカを擦り上げる。 その時に、かぷりと印に飴のような甘い牙を突き立てた。 (-67) 2021/07/26(Mon) 10:43:11 |
【秘】 書生 シキ → よろず屋 シラサワ音を交え、色を交え、ただ只管に。 どこまでも、目前の男から与えられるがままに。 青年は底無しの深みへと身を投げ打つ。 この暗闇に蔓延る全ての爛れを忘れる為に、 自らの身を、別の爛れへと落としながら。 「う、はっ……あぁっ、ぁ……ッ!」 口を衝いて出そうになる言葉の波は 込み上げる快楽に混ざり合い、蕩け合い その全てが、曖昧な音として零れ落ちる。 『う―――ぁ―――!!』 "印"に突き立てられた牙は 甘い一筋の火花を青年の意識へと迸らせ。 度重なる到達によって乱れた意識を いま一度、その迸りへと導いていった―― (-69) 2021/07/26(Mon) 18:06:16 |
【秘】 よろず屋 シラサワ → 書生 シキシキがおんなになること選んだ故に、 このまぐわいは、長く続くことだろう。 「ん、ぁッく……ぁ、はぁッ」 シキが痛みではなく快楽に染まっているのを理解し、 唇を重ね、はしたなく舌を絡め、二人とも堕ちていく。 枷をした弱き獣は、その枷に引っ張られ、 激しく動くことが出来ず、 故に、ゆっくりと、ずっとずっと、抜き差しが続く。 此処まで来れば、男とて果てたいという欲求が、 この爛れた空間に呑まれて行き、 ぬちぬちと、ぐぷぐぷと、いやらしく乱れた音が響き渡る。 刺激が足りないと、印を甘噛みし、 シキの自身へと指を絡め、飽くなき快楽を与える。 青年が何度果てようと、止められない。 「し、き、……っァ、ッシキ……ッ」 最早二人の有様は、この獣の胎の一部。 獣のように、互いを求め、肉を食い合おう。 甘い甘い赤い果実の、禁断の林檎の飴を。 (-70) 2021/07/26(Mon) 19:23:17 |
【秘】 左方舞 五十鈴 → 書生 シキ「なぁんだ、よっぽど酷い目にあったんだねえ。 すっかり島に染まってるじゃない。 んー、そうだね、できれば僕、シキとは”仲良く”したいなぁ。 恨む なら、その分僕を愛して みない?」 (-71) 2021/07/26(Mon) 21:44:16 |
【秘】 書生 シキ → よろず屋 シラサワ――果てきったばかりの朦朧とした意識を 飢えた獣が為す、止め処ない攻め立てが刺激する。 鈍く響いていた痛みはとうに消え去り 今はただ、その昏い欲情の中へと ただ只管に、溺れ落ち、溶けていく。 「あっ…っ……ん…ぅ……ッ」 本能のまま貪る仕草、しかし 決して激しいとも言えぬ行為の波打ちは 青年の躰の内へと、絶妙な感触を伝えていく。 「くッ、ぁ…あ…っ、め……ッ!」 何を口走ろうとも。 最早、青年に抗う術は何も無い。 交ざり合う意識は、この身を浸す欲情に身を攫われて 己の意識すらも全て消し去ってしまう程に 延々と、あなたとの快楽に狂って行く―― (-73) 2021/07/27(Tue) 16:04:47 |
【秘】 よろず屋 シラサワ → 書生 シキ押して、引いて、熔けて、混ざる。 下肢は最早互いの熱でぐちゃぐちゃになり、 涙が伝い、獣の食事のように涎を零し、 どちらのものともつかず、獣の胎へと滴り堕ちていく。 「はぁ、は……ン、くッ」 長い長い接合の先、 男の掠れた喘ぎ声が引き攣る。 散々に熱で突き崩した孔に、 漸く吐き出したいと思える程の昂りに至ったのか。 ぐい、と、初めて、男らしい力を出し動いた。 シキの身体を繋がったままに持ち上げ、 体勢を変えてしまうと──。 その身体を己の上へと持ち上げて跨らせ、 予想をさせる間もなく腰を掴み、 重力ごと一気に下へと自身を呑み込ませる。 「んぅ、ぅ──ッ!!」 男の自身で内壁の全てを擦り上げ、 最奥を目指し、熱が勢いよく、青年を満たしていく。 (-74) 2021/07/27(Tue) 16:47:57 |
【秘】 書生 シキ → 左方舞 五十鈴「――あぁ、本当に酷かったよ。 昨日のことだってのに、本当に最悪過ぎて、 あそこにいた時の記憶が曖昧になってる くらいだ」青年の視点は、何処とも知らぬ処を見つめて。 「 ……仲良く、ね 」自らの投げかけた言葉に対する返事に わざとらしく、思わせ振りなものを紡ぎ。 (-75) 2021/07/27(Tue) 17:06:34 |
【秘】 左方舞 五十鈴 → 書生 シキ「そう、 仲良く 、ね。……僕は神狼を殺して、島に本物の神を作ることを願う一族さ。 今年こそ、本当に生贄が出る。 神狼が降りてくる。 ……その時を見計らって神狼を殺して心臓を食べて、僕がこの島の神になる。 生贄がいらない、本物の善神になる。 ……でもさ、もしも失敗したら、その時は僕と結婚して欲しいな。 男女両方の機能があるけどさ、生まれた時は女だよ。 この血を絶やすわけにいかない。 一緒にさ、この島を……神狼と崇拝派と悪趣味な祭りを呪ってさ、楽しく生きようよ」 (-76) 2021/07/27(Tue) 17:27:01 |
【秘】 書生 シキ → よろず屋 シラサワ「っは……ぅは……っ」 事切れそうになる寸前まで繋がっていた唇は やがて音を立てて離れ、息苦しさと、溢れる熱で しっかりと濡れた息遣いが、青年の口から溢れ出る。 『あっ、ぅ、ぁ―――……ッ!!』 攪拌されていた意識に、その滾りが押し込まれ。 弾ける快感が、青年の細い躰を染め上げて。 「っく、ぅ……あッ、ラ、サワ…さ、ん……ッ!」 激しい交じり合いの中で、あなたを名を呼ぶ。 "それ"を見失わぬようにと、己の爛れた本能のままに。 自らを喰らう"狼"の名へと、 真っ直ぐ手を伸ばすかのように、呟く。 (-78) 2021/07/27(Tue) 17:40:48 |
【秘】 書生 シキ → 左方舞 五十鈴「――ハ、ッハ、クハ……っ」 何もかもが、可笑しい。 ここに自分がいるという現実すら。 「俺は『先生』に、夢でも見させられてるのか? この最悪の島も、最悪な大人たちも 君が男で女で、神を食い殺そうってのも 何もかも嘘みたいだが、本当のことなんだな」 嗚呼、それとも。 いま己が感じていること全てが"幻"だとするなら むしろ、いっそのこと"人"としての皮など 今この場で捨てて、夢のままに狂うべきなのか。 「――ああ。 いいよ、五十鈴。 お前がしくじったら、お前は俺の子を孕め。 この島の神を食い殺すための 忌み子 を宿してくれ。俺が感じたこの島の 憎悪 を、お前の子に宿させてくれ。そうして、この島を乗っ取るんだ――お前と俺とで」 (-80) 2021/07/27(Tue) 17:53:46 |
【秘】 よろず屋 シラサワ → 書生 シキ「は……ァ、…し、き……ッ」 漸く至った欲を吐き出し、 余韻に浸るように青年のナカをゆるゆると擦り、 鈍く粘った水音が、接合部から聞こえる。 己の上に跨る彼の腰を撫でやり、名前を呼ぶ。 例え後にシキから今日が消し去られるとしても。 この弱き獣は、覚えているだろう。 自らの身体に刻まれた傷と同じように。 夜の下で、海が輝いていた光景を。 腕を伸ばし、己に覆いかぶさるようにさせ、 唇を重ね、愛おしいモノを愛するように。 舌先を触れ合わせ、 爛れて蕩けた互いの熱を交換する。 「………ッは……。」 (-81) 2021/07/27(Tue) 17:57:33 |
【秘】 書生 シキ → よろず屋 シラサワ「……っは…ぁ……、……ぁ……」 ――腹の中へと注がれる熱は 青年の蕩けきった曖昧な意識を、今一度だけ その汗ばむ躰の内へと寄り戻す。 「……ら、サワ……さん……っ……」 あなたの声が聞こえれば、青年もまたそれを。 そのまま、熱く煮立つ感覚に揺れながら あなたに抱かれ、溺れさせられたその意識を 深い、深い、水底へと沈めさせていくように。 「――、――………。」 そうして、あなた以外の全てを忘れる為に。 己が瞳を染め上げた海の色を、決して忘れぬように。 青年は、もう少しだけ。 あなたのくれた熱と共に在る。 (-84) 2021/07/27(Tue) 18:46:39 |
【秘】 よろず屋 シラサワ → 書生 シキ接合部が音を立てるのも気にせず、 名を呼んでくれる青年を抱く。 憐憫で爛れに堕としたというのに、 健気に己の名を呼ぶこの青年を優しく抱く。 「……シキ……し、き…。」 最早何も聞こえはしない。 互いの熱だけを、互いの身体だけを感じるままに。 ああ、けれども刻は過ぎていく。 リェンが印を消してしまう。 沙華が記憶を消してしまう。 青年を呼ぶ海からの声、今日この時限りの契を。 不器用で傷付いた弱き獣の道化の舞を。 …欠片でも残るなら、 その "本" に小さな折り目を付けて。全ての悲しい思い出と共に、彼岸花の名を抱いて。 それで十分だと、笑って狂人は首に縄をかけられよう。 ああ…それでも、助けてくれる誰かがいるならば。 (-85) 2021/07/27(Tue) 19:07:51 |
【秘】 左方舞 五十鈴 → 書生 シキ「……っふ、あははははは!!! いいねえいい顔だねえシキ! そう来なきゃね。 僕はずっと本気だよ、そのために踊りも覚えたし、そのためにママからこの血を継いでる。 ……だからさ、もし失敗した時はさ、一緒にうーんと恨もう? この島も、祭りも、髪狼も全部恨んでさ。 この島の全てを恨む 忌み子 を産んでさ……この島を、乗っ取ろうね 」五十鈴は嬉しそうに、心底安心したように微笑んだ。 あとは……待つのみ。 今夜が、勝負だ。 (-86) 2021/07/27(Tue) 19:35:38 |
【秘】 書生 シキ → よろず屋 シラサワ「…、………。」 青年は、何もかもを その輝かしき深みへと沈みこませた。 何も知らぬ、何も見えぬ青年の昏き瞳。 飢え爛れた獣の巣で、己に刻まれる筈だった傷痕は 自らを抱き、そして沈み往かせた海の色に満ちている。 それもきっと、束の間の安息でしか無いのだと 僅かに残った己の理性が顔を下ろし、己を嗤う。 この男から与えられた、全ての熱と安堵は この島から与えられた、全ての恐怖と共にある。 故に、全ては幻と消え、いずれ己もまた消え往くのだと。 そうであっても、今はただ その熱の中に抱かれてさえいれば。 はらりと垂れた、 赤 い栞紐。それが示していたものも、きっと、 この夜が明ければ、共に霞んでいくだろう―― (-87) 2021/07/27(Tue) 20:12:13 |
【秘】 よろず屋 シラサワ → 書生 シキ/* 〆が綺麗なので三日目これにて! お相手ありがとうございました…! シキ君可愛かった…。 ついでに四日目二回目で吊られてくる予定です… (-89) 2021/07/27(Tue) 20:21:03 |
【人】 書生 シキ――曖昧に残っている心の"痕"。 目を凝らし、その継ぎ接ぎへと意識をやる。 最早、大人たちの言葉紡ぎなど興味は無い。 何者の視線も掻い潜るかのように ひっそりと、流れ往く足取りのまま 青年は、三度その姿を隠すだろう。 (17) 2021/07/27(Tue) 20:21:46 |
【秘】 書生 シキ → よろず屋 シラサワ/* こちらこそお相手頂き感謝です! 終始圧倒されてしまった、初BLでこれは大変貴重な思い出です…… 遅筆が祟ってだいぶ遅々としてしまい 改めて申し訳ありません、本当にお世話になりしました。 えっ吊られるんですか????? えっえっヤバ……………………どうしよう…………………(悶) (-90) 2021/07/27(Tue) 20:27:31 |
【秘】 よろず屋 シラサワ → 書生 シキ/* これがBL本職パワーって奴です。 初経験が良いものになっていれば幸い…。 いえいえ、とてもかわいかったです。 自分だけ盛り上がってないかな? とは思いつつ好き勝手しました( 少なくとも皇狼と自己票で2票確保してるので。 良かったら二回目の投票をシラサワにお願いします。 ……まぁ、…思い出して来るなら……? シラサワは最後まで笑っていますので。 (-91) 2021/07/27(Tue) 20:33:13 |
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