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【秘】 夜の一族 チャンドラ → 浮遊想 テラ「………」 7割くらいは、わたしの想像していた通りの返答だった。 想像していた通りのあなただった。 「わざわざ脅かさなくたっていいじゃない。 わたしだって、本当に怖かったのよ」 拗ねた態度を敢えて選ぶ。 その怖いすら、あなたにとっては愛おしかったのでしょうけど。 拗ねた態度は、別に脅かしたことに対するものだけじゃない。 半歩離れる気配にも。顔を向けてもらえないことにも。 わたしは聖人なわけじゃないんだもの。 ただの年頃の女の子よ。少し生きる理が違うだけ。 (-0) 2021/10/23(Sat) 21:02:00 |
【秘】 夜の一族 チャンドラ → 浮遊想 テラ「夢を見たのよ。わたし。 とても寒くて、誰もいないところにひとりぼっちの夢。 寂しかったの。寒さと寂しさは似てるわね」 そしてその夢を見たからこそ、至れたものがあった。 あの寒さは、寂しさは、本当に自分のものだったのかしら。 夢の中、白い鴉に導かれたときわたしはひとりでにその疑問にたどり着いた。 だからわたしは透明な誰かのことを 知りたい と思ったし、そのために考える ことだってした。──予感に至った顛末は、大体そのようなもの。 「ねえ、テラ。こっちを向いて。 せっかくお話してるのに、わたしを寂しくさせるつもりじゃないでしょう?」 「わたしはそれより、あなたとの会話をもっと楽しみたいわ」 (-1) 2021/10/23(Sat) 21:03:01 |
【秘】 夜の一族 チャンドラ → 死神 ゲイザー首に伸びる手を、わたしは払いはしなかった。 あなたが手を怪我しているから。そうじゃないわ。 「そうね。……わたしも、あなたを知らないわ」 あなたとゲイザーは違う。 少し話しただけで、一生懸命で優しい子だと伝わるあの子と、あなたは違う。 でもそれはゲイザーとあなたを比べた結果でしかない。 わたしがわたしであるように、あなたもあなたであるのでしょう? 誰かと比べられて評価されるのなんて、御免よね。 少しだけ、考えた。 わたしは考えることを、やめたりしない。 それがわたしの誓いだから。 「……そうだ。 なら、これから知ればいいんじゃないかしら」 でもわたしは、やっぱりわたし。 立派な淑女には程遠い。 普通なら、首に手をかけられながらこんなことは言わないかしら。 何がわたしをこんなにも、悠然とさせているのかわたしすら気付いていない。 ──夜の匂いが近づいた。 (-3) 2021/10/23(Sat) 21:12:42 |
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