「昨日の様子を見る限り、気軽に人が集まっていた。その為、バーナードの言う通り気楽で構わないのだと思う。
　そういえば内容が気になると言っていた筈のシトゥラは、何故か観ようとしなかったが……」

残念ながら、シトゥラが観ようとしなかった理由にサルガスは気が付かない。
バーナードがキファに同情心を送っている事も決して気付かないだろう。残念。

そうして部屋にお邪魔し、指定の席に付く。
準備はいつも出来ている。

「なるほど……不確定要素があるからこそ、娯楽の一つとして楽しまれている……　そんなこと、考えたこともありませんでした」

占星術とは、星が示すものを読み解き、提示された疑問に答えるもの。人の悩みや迷いを解決するための手段として見てきていた。
技術の発展によって正確な答えを得られるようになった今、占いは不要になっていくものだと思っていたが……。

「……であれば、より親しまれる存在になれるよう、技を磨かねばなりませんね。ありがとうございます、仕事に戻ってからも頑張れそうです」

「わあ、お茶まで用意してくださるんですか！それは楽しみです！　では、お待ちしておりますね」

お辞儀を返し、去っていく使用人を見送った。