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【独】 学徒 蝶間「はは……」 学徒は静かに笑っているだけ。 「いやはや、小生を "選んでいただき感謝している" 。仕込みとしては、十二分であったが故にね」 「────明日が楽しみだよ」 綺麗な花が、咲き乱れるだろう。 (-1) 2021/07/24(Sat) 21:06:41 |
【秘】 右方舞 戸隠 → 学徒 蝶間 ──ゆら、ゆら。 あなたの前に、ひとりの舞子が現れる。 ──ゆら、ゆら。 顔布の下で、かふ、と。 熱い息が漏れた。 「──……怨みはねぇんだけどよ」 声。 舞を踊っている時は一言も発さなかった舞子が、口を開いた。 「─悪く思うな─」 一瞬。 視界が揺らいだと思うと、目の前に舞子がいた。 とん。 あなたの胸元に、指が立てられて── そこに、"印"が刻まれた。 (-2) 2021/07/24(Sat) 21:20:44 |
【秘】 学徒 蝶間 → 右方舞 戸隠「おや……」 或いはそれは、気にもかけないだけだったのか。 視界が揺らげば、胸元に立てられた印。 其れの意味が何たるかを、学徒は知っている。 そして、学徒が浮かべたるはまさに "悦" である。「おや……よもや貴方が身中の虫とは……驚いた。 余りにも予想通り過ぎた、と言う意味だがね」 「とはいえ、選んで頂き感謝する。嗚呼……火をつけたのは貴方だ。 如何なる目的かは存ぜぬが、明日はきっと楽しい事になるとも。約束しよう」 (-7) 2021/07/24(Sat) 21:32:05 |
【墓】 学徒 蝶間はてさて、仄暗い中でも学徒は何時も通り変わらない。 一枚、一枚と紙を捲る。 「しかし、しかし。成る程。本を読むにはいい場所ですね」 其の様子は、何一つ代わり映えしない。 何時も通りであった。 (+2) 2021/07/24(Sat) 21:34:48 |
【秘】 右方舞 戸隠 → 学徒 蝶間 ばさ、と顔布を捲る。 「どいつもこいつも、きちがいばかり」 その顔は、青ざめて青白く、 静かに、細く槍のようにため息をつく。 「"あんなもの"に選ばれて、なんてぇツラだよ、お前は。 悪いななんて思う暇もねぇ」 ざ、と足音。 周囲に現れたのは、闇の中で目をぎらぎらと輝かせる村人たち。 彼らは印を打たれた生贄を、引き立てる用祠へと連れて行くだろう。 ……あるいは、進んでいくのかもしれないが。 (-8) 2021/07/24(Sat) 21:37:00 |
【秘】 忘れ屋 沙華 → 学徒 蝶間閉ざされた祠のなかで 「やあ・・・。己のように玄人な詩人を手元に置けるというのは俺も嬉しいよ。」 獣共を脇に控えさせながらその主は呼び掛ける。 「蝶間、ふうん。」 祠に響くこともない抑揚を失った声が学徒になげられた。 「これほど詠えるような奴だったっけかなあ。」 食料を目の前にして。 気紛れな黒目が適当に見下ろしてくる。 これでどう料理をするか、 まだ的を絞れて居ないといった所か。 「本はいい娯楽だ。ありもしない人生をなぞって、それを己の記憶みたいに錯角することができる。」 こつこつと寄ってきて、学徒の腿を椅子代わりに腰掛ける。 「例えば己の生まれから今に至るまでの記憶を全て取りのいて、 代わりに物語ばかりの詰め肉にしてやるとつうのも・・・」 「なかなか上品な試みになるかもね、どうかい?」 やさしい怠惰 堕落の歌声が纏わりつく。 /* たっぷり融通をしてあげるからあれば望みをお言い。 (-24) 2021/07/25(Sun) 5:17:14 |
【秘】 学徒 蝶間 → 右方舞 戸隠「思い違いをして頂いては困る。生憎、小生は犬死は御免被る。 其れに、"偶像"に興味は無い。結局、殺すのは貴方みたいな目の前にいる事象のみだ」 即ち是天命に非ず。殺生也。 故に、無慚等勘弁だ、と。 「然れど、小生は "呼び水" だ。何であれ、大きく物語は胎動する。小生は、其れに感謝している」 はらり、一枚、一枚と本を捲った。 「……まぁ、結末は小生にもわかりかねるがね」 「────まぁ、悪事を働く者は必ず天誅を受ける。努々忘れぬ無かれ、とは言っておきましょう」 (-88) 2021/07/27(Tue) 20:17:09 |
【秘】 学徒 蝶間 → 忘れ屋 沙華はらり、はらり。堕落の声が耳朶を擽る。 それはもう、学徒は肩を払うかのように鼻で笑ってしまうだろう。 「是は是は。百鬼夜行の有象無象とは、小生もお初にお目に掛かり、嬉しい限りだよ」 膝にうだれるような感触にさえ、気にも留めはしない。 至って学徒は、忘れ屋の行動には今は一切の抵抗も示さない。 「そう捨てたものでは無いよ。確かに、本とは所詮空想。 然れど、此処に綴るは確かに"生"で在る、と」 一つ筆をとれば其れは誰が為の物語。 因果通ずれば沙汰の限りに非ず。 薄紙一枚が、即ち現である、と。 「……さて、小生に何を望むかは存ぜぬが、アナタが思うような人間では無いよ」 「其れに、肉詰めなら間に合っているのではないのかな? ほら、小生の膝元にこんなにも "無駄" の詰まった肉袋がいる。可哀想に」「いっそ、小生が書き上げても構わないよ。 題名は……そうさな。『思い上がりの忘れ屋』と言うのは如何かな?」 (-92) 2021/07/27(Tue) 20:40:29 |
【墓】 学徒 蝶間はらり、はらり、一枚、一枚と紙を捲る。 残った項目も、後わずか。 「さて、いよいよ大詰めだ。仕込みは重畳」 はらり、はらり、一枚、一枚と紙を捲る。 学徒は静かに、天を仰いだ。 何とも侘しき、土天上。 「さて、最後に笑うのは如何なるものか……嗚呼、小生は犬死こそ御免だが、盛り上げるには充分な事は起きるとも」 「しっぺ返しを受けるか、悪が笑うか、或いは漁夫の利を得たものがいるか……」 はらり。最後の項目で、指が止まる。 (+6) 2021/07/27(Tue) 20:45:55 |
【墓】 学徒 蝶間「正鵠を射る者は、必ず現れる。さて、汝は如何なる事象なりや────?」 学徒は、問いかけた。 うすら笑いを浮かべたまま、有終を待つ。 ……嗚呼、其れにしても、だ。 「可惜夜とは、良くぞ言ったものだ……─────。」 学徒は静かに、本を閉じた。 (+7) 2021/07/27(Tue) 20:50:09 |
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