トットは、昼過ぎ。急に現れては、なんでもなかったようにいつも通り。 (c18) 2022/05/08(Sun) 9:05:34 |
トットは、頭の花飾りは無くなって、代わりに右眼に花が咲いていた。 (c19) 2022/05/08(Sun) 9:06:48 |
トットは、夢でも見てるかのように、ずっとふわふわと幸せそうに笑っている。 (c20) 2022/05/08(Sun) 9:09:22 |
【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット「……トットくん。」 ちらりと見かけた姿は、昨日とは若干変わっていて。 なんとも華やかな右目になっていた。 人によっては怖さすら感じるビジュアル。 「………大丈夫?」 昨日までは、ころころ表情が変わっていたのに。 今は夢見心地な笑顔だけな君に、声をかけた。 (-150) 2022/05/08(Sun) 12:55:09 |
【秘】 はなわずらいの トット → 司書 エルナト「あれえ」 声を掛けられると、ゆっくりそちらを向いた。 緩慢な動作は水にでも浮いているかのようだ。 「エルナトだあ」 「あ〜 あ〜? そだ こないだごめんねえ」 「おはな……あるよお まだ」 そう言って、手に持っていた紙袋を見せた。 「……? あ」 「えへ おれねえ だいじょうぶ! いまふわふわなの んふふ」 「ずっとおはなさいたあとみたい んふ」 (-151) 2022/05/08(Sun) 13:05:45 |
【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット流れのない水たまりに浮いた花弁のような動き。 花の蜜みたいに甘ったるい声。 可愛らしいけど、ちょっぴり不気味。 「うん、昨日帰ってこないから心配してたんだよ。」 「無事………ならいいけど。」 本当に無事かはおいておいて。 掲げられた紙袋に目を向けた。 お腹が減った。 「それは……大丈夫なのかな?」 「……お花の位置も変わってるけれど……」 「その目の花は、抜けないの?」 ちらり、見えてるかもわからない右目に視線を移し。 (-152) 2022/05/08(Sun) 13:10:28 |
【秘】 はなわずらいの トット → 司書 エルナト「きのう? きのう……」 「あは んふふ そだねえ! えへー なにしてたかナイショ……」 「……これねえ なんかねー フクハンノー? だって」 「ないてもおはなさいちゃうからなかないでねっていわれた」 自分の右目を抑えてトットはそう言う。 しばらくしたらもどるって、と告げる声には、動揺も感傷も何も含まれていない。 頭に咲いていた花と同じ花。薄桃色がそこにある。 それから、貴方に紙袋を差し出して。 「あげる!」 「おれたち、エルナトにもらってほしーから」 「いる?」 (-154) 2022/05/08(Sun) 16:14:37 |
【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット「副反応………」 と聞くと、最初に思い浮かぶのは薬だが。 何か、されたのだろうなというのだけがわかる。 ……気にしても仕方ない、そう思う。 どの道何かしてあげられることもないし。 きっと、望まれてもいない。 「戻るならまぁ、良かったかな。」 片目だけじゃお勉強もしにくいからね、と微笑んで。 それから、差し出された紙袋を受け取って。 ふわっと、花の香り。 大事なご飯。 「うん!ありがとう、すっごく欲しかったんだ。」 「………俺達って、前も言ってたけど。」 「君以外に誰かいるの?」 (-156) 2022/05/08(Sun) 16:25:03 |
【墓】 はなわずらいの トット「んふ ふふふ えへ またそだったねえ」 「がんばってえらいねえ ふふ」 園芸部の受け持つ畑に、ゆらゆらと揺れながら屈んで作物を見ている。 傍らに置かれたジョウロは空。 鼻歌を歌いながら、誰に向けるでもなく話していた。 「いーなー おれたちもかってにさきたいね」 「おれのナイフとられちゃったもんなー」 「どんなきもちなんだろーな」 「いたくもないしきもちよくもないのかな」 ふしぎだなあ、と浮かされたような声音で呟く。 自分の病気は嫌いじゃなかった。人の為になれると思って。 ホントに治ってしまったら、自分なんて何のために在るのかわからない。 おれ、なにされたんだろ。なおったのかな。 よくわかんないけど。 でも、なんだか しあわせ だからいっか。ずっとこのままでもいーや。 (+17) 2022/05/08(Sun) 16:33:35 |
【秘】 はなわずらいの トット → 司書 エルナト相変わらずトットはにこにこと笑顔を浮かべている。 にこにこと言うにも力が無く、顔が緩んでいるだけのようにも見える。 見えている左目の焦点も、傍から見れば定かじゃない。 次いで夢遊病でも患ったのではないかと思われても仕方がないくらいだ。 それでもトットは問題なかった。 とっても幸せ だからきっと気を遣われたとしても、どうしてなのかわからないだろう。 「んへへ よかったー! あんしん」 「おとどけしたかったので」 「……おれたち?」 トット以外の誰かは、勿論ここには貴方しかおらず。 それでもトットは 「いるよお」 と言う。「ほら」「ね」 指を差すのは 紙袋。それから、右目。 「おれたち、みんないるよ」「いっぱいいるよ」 「きみにたべてくれてうれしかった」「みんなによろこんでもらってうれしかった」 「おれたちずっとおもってたの みんなのやくにたちたいって」 「みんなのやくにたってみんなのなかにもさくんだ」 「ね」 「おれ おいしかった?」 (-159) 2022/05/08(Sun) 16:48:32 |
【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット夢見心地、がきっと一番正しい表現。 脳みそまで溶けてしまってるんじゃないかというほどの。 そんな印象を、抱いてしまう。 それで、君の言葉を聞いて。 指すものを見て。 想像することが正しいかどうか、分からないけど。 蛞蝓に寄生して、脳を乗っ取る虫がいるように。 君にとっての花が、そうなのかなとか。 だとしたら、それを食することは。 急に腕の中のものがなんだかおぞましく見えて。 それを。 ▼ (-161) 2022/05/08(Sun) 17:09:03 |
【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット…手放すことが出来ないくらい、 少年はもうずっと、追い込まれているから。 紙袋の中に手を入れて、掴んだ何かも分からない花弁を。 口に運んで、舌先で転がして。 よく噛んで、飲み込む。胃が僅かに満たされる。 「…うん、とっても美味しいよ………」 「…君達の事、大好き…………」 熱っぽい瞳と声でそう告げる。 お腹が減った、満たしたい、満たしたい。 「本当は、その目の花も………」 「君自身も、食べちゃいたいくらい。」 君から出るご飯を、すべて食べたらお腹いっぱいになれるだろうから。 でも、そんな事をしたら気持ち悪く思われる。わかってる。 分かってるから、紙袋のもので我慢しなきゃと、また一つ、口に運ぶのだった。 (-163) 2022/05/08(Sun) 17:14:20 |
【秘】 はなわずらいの トット → 司書 エルナト「……えへ」「んふ ふふふ」 「は、あは、ははは! ひ 、ひ、っは、あは」「ッ、あ……そ〜お? そおかなっ? あはっ、ははは」 美味しい、大好き、食べちゃいたい。なんて素敵な言葉だろう! しあわせ、しあわせだ。しあわせ。しあわせ。 貴方のその言葉で、トットは自身の身体を抱く。 けれどその仕草は全く恐怖からではなく、……過ぎた幸福感から。 泣くなって言われていたのに、トットの身体に収まりきらなかった幸せが涙となって転げ落ちて。 そこからまた、花が咲いた。 「エルナト」 「エルナトっ、おれあげる」「もっとあげる」「もっと」 「でも、ぜんぶはあげられないし」「じぶんのうでってじぶんできったらだめなんだって」 「だからね、えっと」 「……あった! ハイ!」 貴方にもう一つ、潤む瞳を向けて差し出した。 ▽ (-179) 2022/05/08(Sun) 19:08:51 |
【秘】 はなわずらいの トット → 司書 エルナト差し出したのは カッターナイフだ。 「ね」 「エルナトがさかせて」「エルナトがおれをさかせて」 「おれじゅーぶんしあわせだしさー もうさかなくていっかなっておもってたけど」 「でもほしいならあげたいじゃん?」 「あ。おれおもいだしちゃった」 「うしやぶたといっしょっていわれたことあんの! おれこんなんだし」 「ほんとにくいものになってる ふふ んふふ」 「でもおたがいきもちよくておいしいならいいよね?」 新品の、よく切れそうなカッターナイフ。 ナイフが取られてしまったから、こっそりしまってあったのを卸した。 この薄っぺらな刃一枚で、互いが満たされるかもしれない。 トットはそう思っている。 「おれのぜんぶはあげられないけど」 「エルナトのすきなときに、すきなよーに」 「おれのこと さかせていーよっていったら どーする?」 (-183) 2022/05/08(Sun) 19:18:52 |
【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット一方でこちらも、多幸感に満たされていた。 食べられる、満たされる。 食べられるものをいくらでも、いくらでも。 それがどれだけ、嬉しい事か。 花が咲いた瞬間をみれば、それが皿の上に載せられた 最高級の料理のようにも思えて。 だからもう、我慢なんてできなくて。 顔を近づけて。 咲いた花を直接齧って、引きちぎる。 「あぁぁぁ………っ!」 嬌声にも似た声をあげて、満たされる胃袋をさすって。 取り出されたものに、視線を動かして。 ▼ (-186) 2022/05/08(Sun) 19:34:10 |
【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット「………いいの?」 指を絡めるようにして、その薄い刃を取る。 手が震える。 恐怖じゃなくて、………過ぎた幸福感から。 「いいの?」 荒くなる呼吸。 まるで、ソフトクリーム食べ放題の機械の前に立たされた子供みたいに。 好きなものを、好きな時に、好きなだけ。 それより幸せなことがあるだろうか? 「いいの?」 エルナトは、人が家畜にしか見えない。 だって、全てが自分の餌を生み出す存在だから。 だから。 家畜からご飯を得ることに、何の躊躇を持つことも無くて。 「いいの?」 だから、そんな事を言われてしまったら、もう。 ……我慢なんてできない。 君の肩口に刃を宛がって。 思いっきり、引き裂いた。 そうして、君を抱きしめたまま、かぶりつくだろう。 (-188) 2022/05/08(Sun) 19:40:06 |
【秘】 はなわずらいの トット → 司書 エルナト近づいた顔に怯みもしない。反応が出来ない。 浮いた頭では反射なんて物は無いに等しい。 だから、急だった。ブチ、と音がして、身体がやっと強張った。 繰り返し問う貴方の声が遠くに聞こえて、 でもすぐに答えられなくて。 目の前が一瞬白んだ。 「…………っ、 !? 〜〜〜〜ッ、うあ 、ッ ッ あ、」血飛沫は無い。代わりにものの一瞬でトットの身体から花が咲き誇る。 切り裂かれた通りに行儀良く鮮やかに咲いた花は、咲いた側から貴方の胃へと収まる。 食い千切られる。 咀嚼される。 嚥下される。 過ぎた衝撃に、快感に、幸福に上げた声は紛れもなく嬌声の類だ。 嬉しいと幸せに塗り潰された頭じゃ自分がどんな声を上げてるかももう分からない。 無我夢中で貴方に抱きつき返して、痙攣して使い物にならなくなった身体を預ける。 「あ、 あぁ …………ッ! っ、! か、は」「える、な」「ぁ とっ ん、 ふ 」幸いか不幸か成長する前に食されていくものだから、疲弊は前より感じられなかった。"治療"の効果もあるのだろうか。咲かずに流れる血もあった。 「あ、あ」「ぅ"、ふぅ、〜〜〜〜…………!」 (-192) 2022/05/08(Sun) 20:06:09 |
【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット咲き乱れた花を食べる、食べる、食べる。 全部、ひとつ残らず、一つ逃さず。 口の中に、腹の中に収めては、悦に浸った声を出す。 君の声が、肉の焼ける音にすら聞こえるくらい、 もうエルナトは、君を食べ物にしかみれなかった。 「トットくん……好き……好きだよ………」 「君のご飯……美味しくて、気持ち良いよ………」 という愛の言葉も。 ただ、そう言えば、今までの"ご飯"はより多くの食べ物を 出してくれたからというだけの。 経験に基づく捕食行動でしかなくて。 強く強く抱きしめる。 傷口から血を絞り出すかの如く。 強く吸い付いて、互いの熱を伝え合う。 「もっとちょうだい?もっと……もっと………」 「壊れて何にも考えられないくらい…気持ちよくなって………?」 互いの快楽のために身を寄せ合う様は。 性交と何一つも変わらない様相で。 まだまだ、足りないから。 胴体をザクザクと突き刺した。 満足できるまで、ずっと。 (-204) 2022/05/08(Sun) 20:28:53 |
【秘】 はなわずらいの トット → 司書 エルナト「ぇへ」 「 あ、っ? 」「っ」「っへ、あは! あっ 、あ」もう貴方の声も聞こえていないし、なんの音も聞こえていない。 花が咲くのも、引き千切れるのも、ただ気持ちいい。 気持ちいい。 気持ちいい。 気持ちいい。 ふやけた瞳から転がる涙から花が咲く。搾り出された血からまた花が咲く。 「ぁ"〜〜っ、ゔ、はぁ、あ!〜〜ッ!ッ!」 「あ、えぅなと、 も、 えぅ、な"」怖くなってきた。何がなんだかわからなくなってきた。 どうしてこんなことになったんだっけ?目の前にいるのは誰だっけ? おれはだれだっけ? はな、 はながさいて、 きもちよくて、 あれ、 あ はなが、 「、」「ぁ」 「♡」「ぇ" へ」 不規則に身体が跳ねた。手足が人形みたいにピンと伸びて、脱力して。段々身体が弛緩して。 「えへ」 「ぁ」「おれ」 何の反応も返さなくなった。 貴方が満足したかどうかもわからないまま。 花ばかりが貴方に微笑んでいる。 (-210) 2022/05/08(Sun) 20:52:27 |
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新