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編笠は、メモを畳んで、りょーかい、とだけ言ってそれをパーカーに仕舞った。 (a11) 2021/08/15(Sun) 19:56:05 |
【人】 少年 編笠「よーう、アオ。 いうと思った馬子にも衣装。 お前のために言わずにとっておいたからな」 それなりに祭りを楽しんでいる様子の親友に、 雰囲気だけで笑いながら言う。 「そういや花火とかも打ちあがるらしいな。 なんか毎年限られた予算のなかで頑張るよな……」 (32) 2021/08/15(Sun) 19:58:19 |
【人】 少年 編笠>>35 百千鳥 ハハ、と。愉快に。 誰にも見せたことのない笑顔で笑う。 心から笑う顔を見せたのは、貴方にだけ。 「そうかい。 そりゃ、随分聞き分けがねえ子供だな。 大人に見つかったらきっと怒られちまうんだろうなぁ」 空に静かに、もうすぐ花火が打ちあがるらしい。 いよいよ、花火がこの祭りをクライマックスにしてくれる。 さっきクジで外れが出てもらった、出来の悪い水鉄砲を置く。 「そうだな。 じゃ、通りすがりのアンタよ。 お互い最後まで祭りを楽しもうぜ。 これ、やるよ。多分次の一回しか撃てねえけど。 俺は十分遊んだから。やる。 さて……俺もちょっと、 抱えきれないくらいのメシ、屋台で買ってくるかな。 ……我慢できねーらしい」 んじゃな、とベンチから離れた。 (37) 2021/08/15(Sun) 20:22:47 |
【人】 少年 編笠「いやたこ焼きは分けろよ。 悪かった。超似合ってる。 可愛すぎて目が潰れそうで直視できねえし、 正直これが本当の「孫にも衣装」と思って悪かった」 たこ焼きは食べたい。なぜならたこ焼きは美味しいので。 「そうだな。 大人になるとなんか仕組みとかが気になって、 純粋な気持ちで楽しめなかったりするんだな。 やっぱあの時が一番楽しかったな……ジジくさいか」 (38) 2021/08/15(Sun) 20:37:27 |
【秘】 現実に背を向けて 竹村茜 → 少年 編笠花火が終わるより少し早めに、人通りの少なくなった境内に足を運んだ。 手には、花火を見ていて食べきれていなかったりんご飴を持っている。 多分気付いてくれてるよね、とそのまま飴を舐めながら。 まだ空に打ち上げられている花火に目を向けた。 (-83) 2021/08/15(Sun) 21:24:53 |
【人】 少年 編笠「子どものころもっとりんご飴って でけーもんだと思ってたがそうでもないことに気づいたり、 フランクフルトとかもここじゃなく、 都会のコンビニで買った方が安いなとか考えると 気持ちが後ろ向きになるのが大人になるってことか……?」 そんな大人のなり方嫌すぎるので。 「なるほどな、大人はちゃんと考えてくれてるんだな。 ……まさかこうやってまた四人で 夜空見上げるとは思ってなかったな。 もうすぐ打ちあがるんかな、花火」 夜空の方を見上げる。 (42) 2021/08/15(Sun) 21:27:23 |
【秘】 少年 編笠 → 現実に背を向けて 竹村茜人気のない境内へと足を運ぶ。 昔からこの付近の"ヒミツキチ"といえばこの境内だったので、 恐らくここで待ってるだろうなと思ったらやっぱり居た。 昔馴染って便利だし不便だ。 と、花火で照らされるアカネの手に持つ赤を見て呻く、 「うーわ……そこまで被るかい。 よお、奇遇だな。アカネ」 再び冗談を言いながら手に持ったりんご飴を振った。 (-85) 2021/08/15(Sun) 21:36:30 |
【秘】 現実に背を向けて 竹村茜 → 少年 編笠足音の方へ目を向けると、ああ 覚えててくれた。と目を細めて。 「やっほ。来てくれなかったらどうしようかと思った。 って、りんご飴オソロじゃん」 やっぱりお祭りって言ったらこれだよね〜と同じようにりんご飴を振って。 動きに合わせて小さく頭の尻尾が揺れる。 「ここ、昔から静かでさ。 皆で祭りの人混みに疲れた時とか、内緒の話がある時なんかよく来てたよね」 ぴょん、と軽く跳ねるように貴方の隣に向かい、 遠くから聞こえる、人々の喧騒に口元を緩めた。 (-86) 2021/08/15(Sun) 21:44:37 |
【秘】 少年 編笠 → 現実に背を向けて 竹村茜「……まぁ、そうだな。 長い階段の先なんで、大体誰にも見つからないしな、ここ」 アカネの認識は正しい。二人にとってはそういう場所だ。 でももともと自分にとってはここは、嫌なことがあったときや、 一人になりたかったときの隠れ場所だった。 ……カッコ悪くて子どものときは尚更言えなかったが。 「ああ、じゃあ、今更内緒にしておきたい話があるってことか? それか祭りでの人ごみに疲れたか……? 無敵のアカネ様が」 いや、そんなタマじゃないよなと笑いながら 境内の俺たちが昔『大皿』と呼んでいた大きな石に腰かけた。 そのまま、花火が上がるのを見る。 (-87) 2021/08/15(Sun) 21:52:58 |
【人】 少年 編笠そのアオの言葉を、無言で聞いている。 そのアカネの言葉を、無言で聞いていた。 「おい、せっかくの祭りなんだ。 祭りが終わった後のこと考えるの、早いんじゃないか。 ……なあ、卯波」 ギシと。 何かが歪む音がする。 「アオ、お前が呼べば俺はいつでも帰ってくるよ。 アカネ、まだまだずっと、ここにいられるはずだろ。 卯波だって、ずっと見たいモノ見せてやるよ」 「だから。 もう。頼むから。 ――どこにも行くなよ……」 大きな花火が上がって、小さく囁いた言葉は掻き消される。 (45) 2021/08/15(Sun) 22:00:15 |
【秘】 現実に背を向けて 竹村茜 → 少年 編笠小さな頃は、親や子供達と喧嘩をした時に一人で耐えきれず泣きに来ることもあって。 それは茜にとっても、幼馴染には見せたくない姿だったから きっと見せる事はなかったのだろう。 「まさか。あのくらいで疲れるなら都会で暮らしていけないって。 …そうだね、内緒話。人がいるところだとちょっと恥ずかしいからさ」 もうそろそろ数が少なくなってきた花火を背にして、あなたの方へ向き直る。 「ねえ、アキラは……この村が好き?」 (-91) 2021/08/15(Sun) 22:11:23 |
【秘】 少年 編笠 → 現実に背を向けて 竹村茜好きかという問いに、好きだと答えろと囁く誰かがいた。 ただその言葉はすぐに出てこなかった。 「………」 花火の光を背にすると、その表情は見えない。 姿かたちも変わってしまっているから、 まるで知らない他人に問われているようだと思った。 もう一度だけ、耳元で誰かが囁くから。 後押しされるように言った。 「ああ、好きだよ。 ……俺は叶うなら。 ずっと"ここ"にいたいと思ってる」 それくらい"ここ"は――。 自分にとって居心地がいい場所のはずだから。 「アカネは――どうなんだ。この村が、好きか?」 それは問うのが、心の底から怖かったけれど。 俺はそれを聞かずにはいられなかった。 (-93) 2021/08/15(Sun) 22:21:06 |
【秘】 現実に背を向けて 竹村茜 → 少年 編笠「……そっか、良かった」 に、と笑う。花火が一瞬途切れたその時に、少女の笑顔が貴方の視界に映るだろうか。 「あたしも、この村が好き。 この村で出会った人も、ここにある自然も、思い出も。 ずっとここにいたいって思うくらい、好きだよ」 ずっとここにいたい、そう口にすることは簡単だった。 少女は望んでいたから。 胸の痛みからは、目を背けたまま。 「それに―――それにね、アキラ。 あたしは、昔この村に置いてきたものがあったの。 あの時は気付かなくって…後で気付いて取りに帰らなきゃって思ったくらい、大事な言葉」 (-95) 2021/08/15(Sun) 22:31:50 |
【秘】 あの頃の気持ち 竹村茜 → 少年 編笠きっとあの頃からそうだった。 ちょっかいを出されて追いかけたのも、 それに対して毎度毎度仕返しを考えたのも、 それが嬉しくて、たのしかったのも。 (-97) 2021/08/15(Sun) 22:36:36 |
【秘】 少年だったもの 編笠 → あの頃の気持ち 竹村茜「――――。」 花火が打ち上がる。 随分と綺麗になった、アカネが真っすぐ。 真っすぐ俺を見ている。 今俺はどんな顔をしているだろうか。 どんな顔が出来ているだろうか。 どんな顔を、取り繕えてるだろうか。 多分、普通女子にこんなことを言われたら、 心が温かく、救われた気持ちになるのが普通なんだろうけれど。 俺の心には、今確実に深く、決定的な罅が入った。 静かに、目を閉じた。 これが、永遠を望んだ罰だというなら、 もう一度を望んだ、忘れ物を取りに来たことが罪だというのなら そりゃ、あまりにも残酷じゃねえかな――慈姑のばあちゃん。 (-99) 2021/08/15(Sun) 23:06:15 |
【秘】 少年だったもの 編笠 → あの頃の気持ち 竹村茜卯波を拒絶し、夕凪を騙し、 青嵐を欺き、誰に恨まれたとしても、 それでもどうにか突き通して来た"嘘"の外殻が。 べきべきにへし折れる音がした。 それはもう、自己を保っていられないほどに。 右手で顔を覆う。ばあちゃん。そしてもう一人の俺。 ――多分、もう無理だ俺は。 このアカネの気持ちが。 俺のことを好きだと言ってくれたこの気持ちも。 この村に留まりたいと願わせる俺たちの仮初なら。 ――この想いだって、俺には"本物"かどうか理解らないんだ。 だってその郷愁すら、埋め込まれたものなんだから。 俺が、俺の欲望がそうさせているのなら。 この構造の残酷さはむしろ、好意によって破壊を齎す。 ズタズタに、夢の叶え手としての心が、引き裂ける音がした。 (-100) 2021/08/15(Sun) 23:08:20 |
【秘】 少年だったもの 編笠 → あの頃の気持ち 竹村茜こいつは、アカネは、 こんな真っすぐな気持ちを持つやつで、 紛れもなくいいやつで、 もうどこでもやっていけて、 きっと男にもモテて こんな村にいなくても誰かをこうやって好きになり、 ちゃんと気持ちを伝えて、人並みに幸せになれるやつで。 それを。 俺が、俺の手で――ここに閉じ込めたんだ。 こいつの意思なんて関係なく――俺だけの我儘で。 ――駄目だ。俺はもう。 この夢を――自分のために続けることが出来ない。 俺も、お前や、アオや、卯波のことが必要で、 でも同じくらい 幸せになってほしい と願ってしまったから。 (-101) 2021/08/15(Sun) 23:09:27 |
【秘】 少年だったもの 編笠 → あの頃の気持ち 竹村茜顔を上げる。 「そっか……」 俺も好きだったんだ。いや、俺の方が先に好きだったはずだ。 「悪い……なんか急な話でさ、ちょっと混乱してるから」 永遠に共にいたいくらい、ずっと。 「少しだけ返事、待ってくれねーかな……」 そうすればこの夢はもう覚めるから。 「男らしくなくて、格好悪ぃけど」 それが俺には似合いの罰だから。 「ごめんな」 お前たちのことを、好きになってしまって。 「――本当に、ごめん」 ――本当に、ごめんなさい。 花火が、最後の一発を、打ち上げた。 夏が、祭りが、夢が終わる、その合図のように。 (-102) 2021/08/15(Sun) 23:11:28 |
編笠は、ずっとずっとこの時間が続いてほしいと、思っていた。 (a17) 2021/08/15(Sun) 23:18:00 |
【秘】 あの頃の気持ち 竹村茜 → 少年 編笠この時間が続けばいいと思ったのは、本当だ。 けれど、この村で過ごして。 自分の置いていったものを伝えずにはいられなくて。 最後まで夢に浸ることも、この胸の痛みが許さなかった。 全部知っていて。 ここに留まることが、停滞であることも分かっていたから。 一歩を、踏みだしたくて。 後ろ髪を引かれるよりも、確かな力で。 (-106) 2021/08/15(Sun) 23:39:24 |
【秘】 あの頃の気持ち 竹村茜 → 少年 編笠「―――ん、いいよ」 今更虫が良すぎるかな。 「まだしばらくいるし。ゆっくり考えてくれていいから」 好きな人、いるんじゃないかな。 「謝んないでよ、急にそういうこと言ったの、あたしの方なんだから」 将来の夢だってあるのに。 「待ってるよ。アキラ」 でも、拒絶されなかった事は嬉しくて。 少しだけ期待してしまって。 ああ、今どんな顔になってるんだろう。 ―――貴方の気も知らない少女は、小さく微笑んでいた。 (-107) 2021/08/15(Sun) 23:43:59 |
【置】 少年 編笠ある日家に帰ったら母親がいなくなっていた。 誰もその理由を教えてくれなかったし 俺宛の手紙や言葉も何一つ残されてなかった。 だから想像するしかなかったんだが どうやらどう考えても子供の俺には 悪者が世界のどこかに連れ去ったんだって そんな想像しかできなかった。 でもどうせそうやっていつか皆んな 黙って俺の元からいなくなるんだって思ったら いつからか上手く笑えなくなってた だってそうだろ… 母親がいなくなって泣けないやつに 誰が笑うことを許してくれるんだよ。 例え誰がいなくなっても泣けないかもしれないやつに 誰が手を差し伸べてくれるってんだ。 あの時独りで見上げた空と同じ空が 今ここには広がっている。 (L13) 2021/08/16(Mon) 10:23:20 公開: 2021/08/16(Mon) 12:00:00 |
【秘】 少年 編笠 → 夢との決別 竹村茜/* アカネへ。 エピローグに入って、アオと話をしたら、 1ロールだけお付き合いください。そこで答えを出します。 (-146) 2021/08/16(Mon) 20:26:11 |
【人】 少年 編笠>>78 夕凪 視界の中の風景は、過去を移す。 憧れであり、淡い思いを抱いていた相手の姿が、 憧れであり、追いかけていた背中である誰かが、 今の夕凪に重なる。 「でも、ごめん。 俺はここで、嘘を吐くことに決めて。 だから、その嘘に今縛られてんだ。 ……ここにきて。 俺のことを好きって言ってくれたやつがいるんだ。 でも俺は、応えられなかった。 答えすら与えてやれなかった」 それはもう実感としてあるかもしれない。 この世界が、誰かの思いで紡がれていることを。 「"夢"が"夢の中"である限り。 俺にとっては、それは"夢のような言葉"なんだよ。 黙ってようと、思ったんだけどな……」 そしてそれを自覚した今。 この夢の時間が綻び始めていることにも気づいている。 (79) 2021/08/16(Mon) 20:42:14 |
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