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【秘】 プレイスユアベット ヴィオレッタ → 郵便切手 フラン>>フラン 「えぇ、その時は」 微笑ってみせる。 本音かブラフかを隠した顔で。 今、賭け金もなく、配当もないのなら、 これはただのカード遊び。 弱っていても、それくらいには応じることができる。 温かなミルクが、あなたとの他愛の無い話が、沈み切った心を それができるくらいに引き上げてくれたから。 空になった皿にフォークを置く。 「美味しかったです。 フランはよくこの店に来るのですか?」 軽く店内を見回しながら、尋ねる。 店に入った時は、そんな余裕すらなかった。 ……そういえば、今日は何も口にしていなかったな、 なんて今更思い出しながら。 (-25) 2022/08/25(Thu) 22:09:10 |
【秘】 郵便切手 フラン → プレイスユアベット ヴィオレッタ「……そうですか。……そうなるといいな」 気の利いたことがいつも言えるわけではない青年は、それだけを返した。 本音や建前を気にしない信頼が生まれる頃にも、互いに息をしているといい。 これからがあるかはあなた次第なんだろうけれど。 「……ええ。落ち着く場所なので」 ふくよかな中年女性が切り盛りしている個人経営のカフェは、洒落た印象よりは家庭的な雰囲気を感じさせる。 店内を見回せば他にも仕事終わりに立ち寄ったような客がいるだろうか。 入店時に『デートかい』、なんて聞かれてあたふたと否定する姿があったのを思い出すかもしれない。 会計用の伝票は青年の手元にある。 付き合わせたのは自分だから、それくらいは持つつもりだ。 傷だらけの心が、せめてひと時でも安らぎを得たことを願うばかりだった。 (-36) 2022/08/26(Fri) 7:19:11 |
【秘】 プレイスユアベット ヴィオレッタ → 郵便切手 フラン>>フラン 女は肯定も否定もせず、にこり笑うだけ。 つかず離れずの関係。 他人というには互いに会うのを楽しみにして、 友人になるには女の抱えたものが多すぎる。 あなたが無理に距離を詰めない限り、 女が様々なものを棄てない限り、 この関係は続くことだろう。 「ここは……お酒も出るのでしたよね?」 視線があなたへ戻り、尋ねる。 伝票がそちらの手元にあることに気が付いて眉が下がる。 「それなら、暫くは通ってみることにします。 タルトも美味しかったですし」 もし次の”偶然”があるのなら、その時には今日の礼を。 そう思いながら、バッグを手に取る。 「今日はこのあたりで帰りますね。 フラン、おやすみなさい。良い夜を」 女はそう言って立ち上がる。 あなたが止めなければ、そのまま去るつもりだろう。 (-43) 2022/08/26(Fri) 20:30:23 |
【秘】 郵便切手 フラン → プレイスユアベット ヴィオレッタ「? ええ、そうですが」 質問には肯定を返しつつ。 「そう、ですか。はい。 おすすめ……です」 もう会わないかもしれない、なんて後ろ向きな予感があったものだから、少し意表をつかれた。 そのまま荷物を手に取る様子を視線で追って。 いつか偶然というカードを引き当てることができたら。 また話の続きをしたいと思った。 「……良い夢を。」 引き止めることなく、その後ろ姿を見送るだろう。 (-49) 2022/08/26(Fri) 23:47:04 |
【見】 郵便切手 フラン【街中】 「集荷に来ました。 ……人が少なくなって来ましたね」 路地の裏で誰かが消えても、何一つ変わらなかった祭りの喧騒。 終わる日が近づいて、やっとお祭り騒ぎは収束していく。 纏められた荷物を確認して、サインを受け取る。 慣れない世間話を交わしながら人混みの奥へ目を凝らし、以前に見た屋台を探した。 どうやら変わらず営業を続けていたらしい。 いつの間にか、あのゴロツキたちは消えていた。 知らないところで、知らないうちに景色が変わる。 時には変わったことにも気づかない。 鉄錆や硝煙の臭いも車の排煙も人々の喧騒も、時間がろ過して元通り。 誰かが死んだ時に吐いた空気を、生きてる誰かが吸い込んで。 生きている誰かが吐いた空気を、死にゆく誰かが吸い込んで。 そうして全てが巡っていく。 それが日常なんだろう。 「良い一日を。」 胸ポケットに過去を仕舞って。 得意先が減って、また増えて。 配達員の日々は、これからもきっといつも通りだ。 (@1) 2022/08/28(Sun) 21:55:45 |
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