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【人】 オーナー 敷島[庭先に置いた発泡スチロール製の猫ハウス。 その近くに屈み3枚の餌皿を並べる。] シロ、クロ、ダイダイ どうぞ、召し上がれ [中から出て来た3匹はそれぞれ 便宜的に毛色で呼んでいる。 飼い猫ではなく所謂地域猫というものだ。 如何に野良猫と言えどこの雪の中では凍えてしまう。 敷地内に温かな居場所を提供するのは この辺りにおいて何も珍しい話ではなかった。] ふふ……ゆっくりお食べ [男は口元に微笑を浮かべて3匹の様子を暫く眺めていた。 食べ終わり別の"あったかスポット"を目指す頃には 頬や鼻がすっかりと赤く色づいていた。] (1) 2024/03/07(Thu) 18:51:20 |
【人】 オーナー 敷島[皿を重ねて引き返す先の自宅はペンションを兼ねている。 少ししたら朝食の時間であるから支度をしないと。 とは言え朝は簡単なものだからそう手間ではない。 手を良く洗いエプロンをつけ厨房に立つ。] おはようございます 部屋は寒くなかったですか? [トーストとサラダとコーンスープにヨーグルト、 日替わりの卵料理はスクランブルエッグ。 起きてきたお客様に挨拶するとともに配膳していく。 今日はバイトの子がくるのは午後からだが 前のオーナーから譲り受けて数年、 一人でも難なくこなせるようになったと思う。 たった4部屋きりの小さなペンションでも 最初はそれはもう大変だったのだが。] (2) 2024/03/07(Thu) 18:52:07 |
【人】 オーナー 敷島[安さと小さいが掛け流しの温泉が売りの宿だ。 今日は宿泊は何組だったか、 連泊の部屋は清掃が必要だったか、 頭の中で数えながら食後の珈琲を挽く。 飲み物は選択制で希望者には紅茶を出している。 ちょうど、シーズン前に行った海外旅行では 土産として良い茶葉を買ってきていた。 卵を焼いた時のバターの香りに苦さと甘さが混じる。 窓の外は一面真っ白く染まっていた。**] (3) 2024/03/07(Thu) 18:54:43 |
【独】 オーナー 敷島/* 遊んでもらう時軽率にショタにして 好いてもらいにいこうとする(下心)から ショタじゃないのするのはドキドキするよ…… おじいちゃんする気満々マンでしたが オールバック好きって噂をきいたので オールバック?ほぼバック?の男にかえました 結局あざといやんな!! (-0) 2024/03/07(Thu) 19:07:52 |
【人】 オーナー 敷島[連泊のお客様は1組だけで朝は姿が見えず。 まだ寝ていられる可能性を見て 全ての部屋の清掃は後回しにした。 寝ているなら静かにしてゆっくり休んでいただきたい。 とは言え午後には取り掛からないと間に合わないのだが。 フロントで宿泊予約の確認をし 玄関周りの掃除を済ませ 再び厨房に戻ってきて食材の在庫を確認していると そのお客様が食堂にいらっしゃった。 もうすぐ昼なのに"良い朝"と言うから相好も崩れる。 四角くくり抜かれた壁越しに会釈した。] おはようございます月代様 いえ、朝食は無料のサービスですから構いませんよ 少々お待ち下さいね [水差しからグラスにミネラルウォーターを注ぎ シルバーのトレイに載せると 厨房の暖簾をくぐって食堂側へ出た。] (5) 2024/03/09(Sat) 9:47:48 |
【人】 オーナー 敷島[コトリ、彼の前にグラスを置く指が微かに震えて 水に波紋が広がってしまう。 失礼、と一言いい、粗相をした手を もう一方の手でトレイごと握り締めた。] それは良かったです ……もし簡単なものでよろしければ 食事をお出ししますが? 私も何かお腹に入れようと思っていましたので [12、3分も歩けば観光の要である湯畑があり そこを中心に立派な宿も食事処も沢山ある。 自分が提供できるのは賄い程度のクオリティゆえ 積極的には勧めまいが。 宿帳の記載より時折幼く見える気のする彼には つい構ってあげたくなるようなものがある。**] (6) 2024/03/09(Sat) 9:48:26 |
【人】 オーナー 敷島畏まりました すぐ用意しますね [厨房に入り手早くパングラタンと サラダとコーンスープを作る。 賄いなので殆ど朝食の残り物である。 自分にとっては昼食、彼にとっては朝食の、 少なめの一人分をトレイに載せて席へ運んだ。 すると相席を提案される。 そちらは何の不都合もないが。] 私の話、ですか そうですねえ………… [小説家先生に聞かせられるような話──、 何かあっただろうか? 厨房から己の分の食事を運んできて向かいの席につく。] (9) 2024/03/09(Sat) 18:30:51 |
【人】 オーナー 敷島あ、お熱いのでお気をつけて うぅん…… 取材って緊張しますね [困り顔でフォークでサラダを口に運ぶ。 地元紙に宿のことで取材を受けることはあるが 自分自身のことを聞かれるのは中々ないので お茶を濁してしまう。 こういうのはもう一人のバイトの子の方が得意だ。 食器を持ったままの手をテーブルにおろす。 最近の失敗談を話すことにした。] ……先日、イギリスに旅行に行ってきたんです あそこはレディーファーストの国ですから エレベーターでもドアでも必ず女性に先を譲るのが マナーなんですけれども (10) 2024/03/09(Sat) 18:31:45 |
【人】 オーナー 敷島土産店で買い物して店を出る時 女性とタイミングが被ったので ドアを開けて譲ったんです それが団体客さんだったようで 後ろに二十名ほど続かれて…… 皆さんお礼を言って下さるから 全く悪い気分ではなかったんですけど ずっとドアを開けていた自分は 狙いのバスに乗り遅れて 次を1時間待ちました [こんな話でもよかったんだろうか。 反応を伺いつつ、質問する。] 失礼ですが月代様は どの様な小説を書かれているんですか? [小説は久しく読んでおらず。 恋愛なら余りに役に立てないなどと考えながら。**] (11) 2024/03/09(Sat) 18:33:50 |
【人】 オーナー 敷島[話はお気に召した様で 笑い声を聞きながらホッと息を吐いた。] 良い子。そうなんでしょうかね [作品を存じ上げないことを 申し訳なく感じつつ質問をしたが こんな機会でもなければ一生触れることの なかっただろうジャンルの作家先生であった。] 官能小説ですか 私のような一知半解の者が 頂いても宜しいのでしたら、是非 [提案を有り難く受け入れた。] (13) 2024/03/09(Sat) 23:26:18 |
【人】 オーナー 敷島少し意外でした てっきりミステリーか何かかと [尤も雪に閉ざされたペンションで殺人事件──、 なんていうのはとうに時代遅れなのかも知れない。] その道を志したきっかけとか……あるんですか?** (14) 2024/03/09(Sat) 23:26:26 |
【人】 オーナー 敷島えっ冗談? それは失礼しました…… 空気が読めないとよく言われるんです [職業に貴賤なし。 大袈裟に反応することは性産業を軽んじている かに見えそうで控えたのが実情であったが 己は揶揄われていたそうだ。 ぽりぽりと頬を掻いた。 彼が真に手がけるジャンルを聞く。] 残念です [持ち歩いてはいないらしく、肩を落とした。 怪異小説であればロビーにも置きやすく……、 単純に、青年が認める物語を読んでみたかった。] (17) 2024/03/10(Sun) 9:07:17 |
【人】 オーナー 敷島いやいや大したことですよ 賞を貰う才能も それを仕事にして続けることも 誰にでも出来ることじゃない ご立派です [出版業界が斜陽産業であるとは度々話題になる。 規模が縮小傾向にあるのは事実で ライターとあれば更に狭き門だろう。 素直に賞賛に値する。 うーんと眉間に細い皺を寄せ 暫し悩んでから口を開いた。] 実は私はここに移ってきて浅い余所者なんです 人気の観光スポットや評判のご飯屋さんなんかには 明るいんですけども……お役に立たず申し訳ありません [心当たりがないと告げ謝罪した。] (18) 2024/03/10(Sun) 9:08:12 |
【人】 オーナー 敷島[謝罪したいことはもう一つ。 午後の作業があるのでとことわって 残りの食事を急ぎめに掻き込んだ。 パングラタンはまだ熱かったが猫舌ではないので。 一人で食べるのはつまらないと言っていた彼を 置いていくのは気が引けたが……。] 業者が来るもので慌ただしくてすみませんね 月代様はどうぞごゆっくり召し上がって下さい 食器は後で片付けますから そのまま置いておいてください それでは失礼します [自分のトレイを下げ食堂を去る前 一度だけ立ち止まった。 振り返らぬまま忠告を吐き出す声は苦しげに。] (19) 2024/03/10(Sun) 9:09:14 |
【秘】 オーナー 敷島 → 小説家 月代[客室は101、102、103、105とナンバリングされ ロビーから客室への道すがらに「104号室」は存在する。 ダンボール片に手書きの部屋番号プレートが 他と比べて年季の入った扉に貼り付けられている。 その奥からは微かに「タスケテ」と聴こえる。**] (-7) 2024/03/10(Sun) 9:10:20 |
【人】 オーナー 敷島[ホテルやマンションの部屋番号には 死や苦しみを連想する忌み数として 4や9が使われない慣習がある。 このペンションもそれに則って作られていた。 だけどいまは104号室が存在する。 その部屋のことを考えると 頭が 痛くなる。] (23) 2024/03/10(Sun) 22:19:09 |
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