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【秘】 中等部 バラニ → 夢見る乙女 シャルロッテ「父上が、私に早く戻ってきて欲しいとのことでね……」 「病気の治療も……これからは、積極的に行おうということになった」 つい先日、あんなことを言ったばかりだと言うのにね、と少し気恥ずかしそうに笑う。 その姿はすっきりと晴れやかなものにも見えるが、どこか空虚なものであり。 「背が伸びたのは、きっとその影響だと思う」 「私の抱えている病気は精神と身体が密接に関わりあってるものだったから」 クロノくんの抱えるものと、似たようなものかなと。 下級生を引き合いに出して、背が伸びた理由を語って見せたのだった。 (-66) 2022/05/05(Thu) 9:33:52 |
【秘】 中等部 バラニ → 司書 エルナト「……ああ、エルナトくん」 どこかぼんやりとしている様子だったが、あなたの驚く声と小走りでこちらに詰め寄ってくる姿を見れば少し申し訳無さそうに笑みを浮かべて。 「先生たちと大切な話をしていたのだよ……それが少し長引いてね」 「心配させてすまないね……置き手紙でも残していけばよかったか」 何しろ急な出来事だったものだからと、気まずそうに頬を掻く。 寝台に腰掛けていたところから立ち上げて、アピールするように両手を広げて。 「もちろん大丈夫さ、ご覧の通りね!」 「そして…… ふふ、それだけでないのだけれど……わかるかな、エルナトくんに」 昨日の意趣返しだと言わんばかりにどこか悪戯っぽく笑いながらあなたに問いかける。 今まで座っていたからはっきりわからなかったけれど、明らかに背丈があなたより大きくなっていることなんて、すぐにわかることだ。 (-67) 2022/05/05(Thu) 9:52:57 |
【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 中等部 バラニあの日あたたかかった少■の手は、今、酷く冷えている。 跳ね回る心臓が厭な音を立ててうるさい。 おんなじように手を握っているのに。 それは、勇気を出して触れたあの瞬間の心地よさとは、あまりにもかけ離れた感覚だった。 「……『酷いこと』は、なかった?」 やっぱり先生は、いつも正しい。 ————本当に? 「家族に認められると、バラニはうれしい?」 望まれるなら、それはいいことだ。 ————本当に? 「バラニの病気って、何? 早く治ると、バラニはうれしい?」 跡を継ぐためには病を治さなければと、そのためにあなたはここへ来たのに。 快方へ向かっていると言うのなら、それは喜ぶべきことの筈なのに。 ————本当に? 息がくるしい。 (-83) 2022/05/05(Thu) 13:08:33 |
【秘】 司書 エルナト → 中等部 バラニ「大事な話って…………そんな夜通し……」 それだけのわけが無いじゃないか、と。 思いはすれども口には出せない。 傷を抉ってしまいかねないから。 それから、立ち上がる君を。 見つめた時に、いつもより首が痛いことに気づく。 わかるかなって。 わからないわけがないでしょう。 昨日もお話したのに。毎日見てるのに。 「……どうしたの、その体。」 笑う君とは対称的に、少年は眉を下げたままだった。 (-84) 2022/05/05(Thu) 13:25:42 |
【秘】 中等部 バラニ → 夢見る乙女 シャルロッテ酷く冷えたその手。 息を詰まらせて苦しそうな表情を浮かべる君を見れば、力にならなければと思う。 けれど、昨日まで感じていたような胸が裂けそうになる苦しみは、今はどこにも。 君が嬉しければ、私も嬉しい。君が悲しければ、私も悲しい。 そのように感じていたはずの気持ちを、どこか他人事を見るような感覚すらある。 力になりたいと思う気持ちは嘘ではない。 けれど、心から湧き上がり、身を焦がすような熱が君の身体を暖かくなどしない。 「……なかったとも、安心したまえよ」 優しい調子で、努めて君を安心させようと微笑みながら言葉を紡ぐ。 「嬉しいとも、家督を継ぐに相応しい立派な男にならねばと思っていたのだから」 つい先ほどのように、少し気まずそうには言うけれど。 そこに籠っていたはずの強い想いは感じられない、どこか軽い調子のままだ。 けれども。 ▼ (-87) 2022/05/05(Thu) 15:06:54 |
【秘】 中等部 バラニ → 夢見る乙女 シャルロッテ「…………」 自らの病症について尋ねられると、ようやく少しばかりに困ったように眉を顰める。 「それは、言えないことなんだ……すまないけれどね」 何か言えない事情があるのか、言いたくない理由があるのか、そこまでは伺い知れない。 いずれにしても、君からそう尋ねられて、バラニがそれを拒んだのは紛れもない事実だ。 「嬉しいかどうかは、少し……わからないけれど。 これでも、よかったのかもしれないとは思うよ」 (-88) 2022/05/05(Thu) 15:08:36 |
【秘】 中等部 バラニ → 司書 エルナト「ふふ、やっぱり君にはすぐ気付かれてしまうね」 流石に30とまでは言えないがね、と肩を竦めながら。 その背丈は目測でも、10cmほどは大きくなっている。 一晩で成長したと言うには、あまりに奇妙だけれど。 「父上が、私に早く戻ってきて欲しいとのことでね」 「病気の治療も……積極的に行うことになったんだ」 大事な話というのも間違いではないだろうと、言葉を添えて。 「背が伸びたのも、きっとその影響なのだろうね。 私の抱える病は……精神が身体に影響を及ぼすものなのだから」 そう語るバラニの様子は、一見すればいつも通り……ともすれば、いつも以上に快活なものに見える。 けれども、嬉々として語った話の内容は、あなたと昨晩語りあったことを思えば違和感を感じさせる。 それはまるで、彼が言った魔法の薬を飲んだかのようで。 飲まないと強く宣言していたはずのバラニの言動を考えると、これほど不自然なことがあるだろうか。 ▼ (-91) 2022/05/05(Thu) 15:40:09 |
【秘】 中等部 バラニ → 司書 エルナトそして、不意に何かを思い出したようにあなたの方を確かに見つめて。 「そうだ、エルナトくん」 「……君は冗談だと言っていたけれど」 「もしそれが本当だったのなら、考えさせてくれと言った件、私は構わないよ」 にこりと笑顔を浮かべながら、何の躊躇いもなく言い放った。 考えさせて欲しいと言ってから、さほど時間も経ってはいないというのに。 「君は私の大切な友人だもの、苦しい思いをしているのなら力になりたいんだ」 その言葉には間違いなく、あなたを親しく思う気持ちと力になりたいという意思が籠っている。 けれど、昨日まではそこにあった不安や躊躇いは、綺麗さっぱりなくなってしまったかのよう。 どこか様子がおかしいまま穏やかに微笑んで、あなたの返事が如何なるものかを、待っている。 (-92) 2022/05/05(Thu) 15:40:53 |
【秘】 司書 エルナト → 中等部 バラニ10cm。 少しだけ見下ろしていた目線が、今は少しだけ見上げるものに。 友が、宣言通りに成長している。 その事象は喜ばしいものなのに、それにかかった時間があまりに短すぎるから、何一つと喜べない。 柱に傷をつけて、互いの身長を競い合うような。 そんな数年を経て、見上げたかった。 「積極的にって……なにをしたのさ。」 「君が立派な大人になりたがってるのは知っていたけれど。」 「そんな簡単になれるものじゃ……なりたいわけじゃなかったはずでしょ。」 だって、そんなすぐに大きくなれるなら。 君は何のために、存在を隠してまで初等部の頃からここに居て。 中等部まで、健気に地道に、立派になろうと努力してきたのか。 "そんな風になりたくなかった"から、頑張ってきたんじゃないのか? 「……なんでそんな元気でいられるの。」 何も分からない。 不気味さすら、感じてしまう。 ▼ (-96) 2022/05/05(Thu) 17:33:54 |
【秘】 司書 エルナト → 中等部 バラニそれから、唐突に言われる言葉に。 尚更に少年は怪訝そうに眉を顰めて。 鷹の目が、じっと見据える。 「…言ってる意味が分かってるの?」 偽りのない言葉だという事は分かる。 元々君は、あんまり嘘が付けないタイプだと思ってる。 だから、不気味だ。 昨日とあまりに違いすぎる。 まるで別人になったのか、あるいはまっとうな感性が消えてしまったのか。 「……汗も、涙も、口の中に溜まった唾液も。」 「血液も、尿も…………精液だって。」 「僕に捧げられるって事?何の戸惑いもなく?」 ゆっくりとした口調で、羅列する。 普通なら吐き気すら催すくらいの内容だ。 昨日までの君なら、気持ち悪そうな顔を浮かべたかもしれない。 「……君が何でそうなったのか、わかるまでは。」 「いらないかな。」 今、気持ち悪そうな顔を浮かべているのは。 少年の方だった。 (-97) 2022/05/05(Thu) 17:34:18 |
【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 中等部 バラニあなたはやっぱり優しい。 酷いことがなかったのなら、それに越したことはない。 言えないにしろ、言いたくないにしろ、それならそれで、無理に尋ねるつもりはない。 けれど。 冷えた指先に力を込めて、きゅっとあなたの手を握る。 昨日のことを気にしている風でもないのに、どうして今日、あなたはこんなにも違ってしまっているのだろう。 未来の話をするあなたは、昨日、もっと強い想いを、確かな意志を持っていた筈だ。 少■へ向けてくれた感情はともかく、それさえ見当たらないのはどうしてだろう。 「――バラニ、やっぱりへんだよ」 病が早く治ることをうれしいのかどうかもわからないだなんて。 これでもよかったのかもしれないだなんて。 そんな曖昧な言い方しかできないのなら、それは。 少■には、納得できないことだった。 (-113) 2022/05/05(Thu) 20:18:01 |
【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 中等部 バラニ/* こんばんは! ところでこちら、反魂師ですので反魂される準備をしておいてください。 今のところ考えている手段は、シャルロッテが大人に働きかけて回り、そのうちの誰かがたまたまお願いをきいてくれて、バラニの治療が中和されるといったような方向です。 シャルロッテの独断によって断行されるので、この秘話がどう転がっても反魂は行われる見込みです。 (-114) 2022/05/05(Thu) 20:20:03 |
【秘】 中等部 バラニ → 司書 エルナト「何を、と言われれば色々、と答えざるを得ないのだが。 今の状態を診てもらったり、薬を飲んだりはしたかな」 それだけで、これ程までに時間を要するはずはない。 彼が多くを語らないだけで『大事な話』とやらには、様々なものが含まれているのだろう。 「ああ、うむ、そうだったね……確かにそうだった、のだけど」 そんな風になりたいはずじゃなかったのだろうと。 そう尋ねられれば、その言葉を肯定しながらもどこか、気まずそうにしながら。 (-128) 2022/05/05(Thu) 22:33:22 |
【秘】 中等部 バラニ → 司書 エルナト「……わからないのだよ、今は。 どうして私はあんなに悩んで、不安になっていたのか」 ぽつり、と不思議だとでも言うように言葉を漏らして。 ”そんな風になりたくなかった”から、ずっと頑張ってきたのを忘れてしまったわけではない。 けれど、わからなくなってしまったのだ。 どうしてそう思っていたのかが。 あんなに苦しく思っていたのか、嫌だと思っていたのか。 彼の抱いた想いと地道な努力はいともたやすく踏みにじられた。 どうしてその想いを抱いていたのかも、深い霧の中に隠されてしまったのだ。 「……まあ、これも、病気が良くなったからなのかも知れないね」 だからこそ、このように能天気な事も言えてしまった。 何も分からないのは、あなたと同じなのだが。 (-129) 2022/05/05(Thu) 22:34:50 |
【秘】 中等部 バラニ → 司書 エルナトいらないかな、と聞けば、そうかね、とだけ返事をする。 気持ち悪そうな顔を浮かべられても、今の彼は特別何かを思うわけでもないようで。 「もし気が変わることがあれば、いつでも申したまえよ」 と、それだけ。 その後、彼から改めてそのような提案がされることはなく。 まるで人が変わってしまったかのように気味が悪いものがあるが。 その中で何かひとつ、特別に以前のバラニとは違うことがあるとすれば。 何やら薬のようなものを飲んでいることだろうか。 あなたが知る限り、バラニが今までそんなものを服用している姿を見せたことなど、一度たりともなかったのだが。 (-130) 2022/05/05(Thu) 22:36:46 |
【秘】 中等部 バラニ → 夢見る乙女 シャルロッテ/* ご連絡ありがとうございます、あなた反魂師でしたのね。 もちろん、甘んじて反魂を受け入れますわよ……(お嬢様化) 現状は、その方法でも大した支障はありませんわ。 今のバラニは不安や恐怖のようなストレスになる感情を無理矢理押さえつけられている状態なので、中和されれば戻った反動で少し不安定になるかもしれませんけれど…… それと、もう薄々察してらしてるかもしれないけれどPL発言でCOしておくと、バラニの病気は不安や恐怖で身体が女の子になっていく類のものですわ。 もしも地雷だとしたら、まだ軌道修正はできますのでお申し付けくださいまし。 反魂に関して何か良いアイデアが思い浮かびましたら共有致しますわね。 返信にはまだまだお時間をいただきますから、ゆっくりお待ちになってね。 それでは、ごめんあそばせ…… (-131) 2022/05/05(Thu) 22:50:01 |
【秘】 司書 エルナト → 中等部 バラニ「良くなった…かも、しれないけれど………」 良くなることが、良い事なのか。 わからない。 君が変わってしまったことが。 過去の苦悩を、努力を、何もかもを忘れることが。 そうして今を明るく過ごすことが。 良い事かが分からない。 少年はやっぱり、悲し気に眉を下げた。 それは、親愛なる友人が、変わってしまったという、 どうしようもない喪失感から。 ではない。 「……まぁ。」 「………それでも、元気なら良かったよ。」 「おかえり。」 もう帰ってこないのかもと思っていたから。 随分遅れた言葉を、ようやく告げた。 ▼ (-135) 2022/05/05(Thu) 23:07:00 |
【秘】 司書 エルナト → 中等部 バラニ以前はこんな表情をすれば、そっけない態度を取れば、 何かと慌てて詰め寄ってきてくれたものだけれど。 今はまるで、大人たちのような。 暖かくも冷たくもない反応ばかりが返ってくる。 その中で、見つけたとびきりの変化。 「……バラニ………それなに?」 見覚えのない光景。 いつだって何かを飲む姿を見せるのは自分の方だった。 じっと、君を見つめて答えを待つ。 (-137) 2022/05/05(Thu) 23:10:01 |
【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 中等部 バラニ/* やった〜♡ なんかココ性別がベキボキになっててサイコーですわね……サイコーですので、何も問題ございません。 反魂の方法についても、より都合のよいものがあればエモやら何やら追求して参りましょうね。 こちら常に置き気味ですのでゆっくり考えて下さいまし。 お付き合いありがとう……kiss……。 (-147) 2022/05/06(Fri) 0:18:29 |
【秘】 中等部 バラニ → 夢見る乙女 シャルロッテ「そ、そうだろうか……? まいったね……私としては絶好調だと言えるくらいなのだけれど」 変だと言われても、自分自身ではよくわからなかった。 昨日までの自分と違うことは理解しているのだが、今のバラニにとってはこの状態こそが本来の姿のように思えて仕方がないからだ。 こちらの手を握った君の手を見る。 不安も緊張も何もない、これがいけないと言われればどうすればいいのだろうか。 「……へんな私は、好ましくはないか? シャルロッテくん……」 納得出来ないと雄弁に語るその顔を見て、気になったことを尋ねて。 (-163) 2022/05/06(Fri) 1:56:07 |
【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 中等部 バラニ視線が下る。 握り合った手を、滲んだ視界に映す。 あなたがあなたの意思によって考えを変えたのなら。 立派な跡継ぎになるために、まずは病を治し、それから学ぶことに集中するのだと、そう決めたのなら。 それは、仕方のないことだと思う。 けれど。 少■はかぶりを振った。 結局のところ。 あなたを案じるふりをして、期限付きの蜜月の終わりを先延ばしにしたいだけかもしれない。 それでも。 ▼ (-192) 2022/05/06(Fri) 13:18:02 |
【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 中等部 バラニ「――ううん」 あなたを見つめて、少■は微笑む。 腫れた瞼で。涙に濡れた頬で。乾いた唇で。潰れた声で。 「だいすきだよ、バラニ」 少■は、あなたを愛している。 ▼ (-193) 2022/05/06(Fri) 13:18:37 |
【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 中等部 バラニ「でも、昨日までのバラニの方がかっこよかった」 「今のバラニに、大切な話はできない」 あなたが先生たちと話をしてこうなったのなら。 先生と『話』をしよう。『お願い』しよう。 あなたの手を引き寄せて、甲に口付けをひとつ。 それは覚悟の宣誓。 (-194) 2022/05/06(Fri) 13:19:18 |
【秘】 中等部 バラニ → 司書 エルナト悲し気に眉を下げる姿を、どこか不思議そうに見つめて。 けれども、その理由も、そうかもしれないと思う原因もあまりわからなかった。 「ああ、うむ」 「ただいま、エルナトくん!」 告げられた言葉を聞いて、こちらもそういえば、と言うかのように目をぱちりと開いて。 明朗な調子で返す言葉を向ける。何かがあったのが、元気なのは間違いないことだった。 (-212) 2022/05/06(Fri) 18:25:20 |
【秘】 中等部 バラニ → 司書 エルナト「ん……これかね?」 何かを飲んでいる最中、こちらを見つめて問われれば一度手を止めてそちらに視線を返す。 「先生から貰った薬だよ、これも治療に必要なものだと言われてね」 あっけらかんとした様子で、何事もないかのようにただそれだけを答えた。 (-213) 2022/05/06(Fri) 18:25:38 |
【秘】 中等部 バラニ → 夢見る乙女 シャルロッテ「────」 何よりも聞きたかったはずのその言葉にも。 不意に落とされる、この手の甲にする口付けにも。 自分で思っていたほどの感情が湧き上がってくることもなくて。 「そうかね……昨日までの、私の方が……」 そんな事を言われているのに、嫌だと思うこともできなかった。 昨日までならば、そんな事を言われれば酷く動揺しただろうに。 わからない。 どうしてこんなにも何も思えなくなってしまったのか。 「…………」 それ以上の言葉が出てこなかった。 ただ口付けをされた手の甲を呆然と見つめてから、視線を上げて君を見た。 (-218) 2022/05/06(Fri) 18:55:09 |
【秘】 司書 エルナト → 中等部 バラニ「薬って……………」 だって、今までそんなもの、飲んでなかったじゃないか。 治療に必要なら、なんで今頃? 明確に以前と変わった行為。 明確に以前と変わった姿。 明確に以前と変わった精神。 それらをイコールで結びつけるのは、仕方のない事で。 「…ねぇ、その薬、見せて。」 薬学の本くらいは読んだことがある。 どんなものなのかと、仮にそれがわかったとて。 自分には辞めさせるような権利はないのだけれど。 ただ、気になったから。 (-226) 2022/05/06(Fri) 19:28:05 |
【秘】 恋の呪い シャルロッテ → 中等部 バラニ「—— 私 、やることができたから、行かなくちゃ」戸惑うようなあなたの視線を、真正面から見つめ返す。 泣きじゃくっていた少■は、もう、どこにもいない。 「明日また、話をしよう」 「またね、バラニ」 少■は再びあなたの手を離す。 けれどそれは以前のように、そうしていられなくなったからではなくて。 成すべきことを成すために。 少■は踵を返すだろう。 あなたの心は、きっと、今ここにはない。 だから、それを取り戻しに行かなくちゃ。 (-230) 2022/05/06(Fri) 19:47:16 |
【秘】 中等部 バラニ → 司書 エルナト「?」 「構わないけれど……そんなに気になるのかね」 不思議そうにしながら、容器に入ったままの錠剤を無防備に手渡す。 あなたの事を信頼しているから、滅多なことはしないだろうと思っているのだ。 「見終わったらちゃんと戻してくれたまえよ?」 それはどうにも、抗不安薬のようなものらしい。 バラニは今まで、このギムナジウムが掲げる理念の通り、生徒同士の交流による病症の緩和を目指していた。 こんな薬には頼らず自らの努力によって克服しようとする姿勢を考えれば。やはり、どこかおかしいものだ。 (-238) 2022/05/06(Fri) 20:05:30 |
【秘】 司書 エルナト → 中等部 バラニ渡されたそれを見る。 ラベルがあるならそれを見て。 無いなら多分、見た目などで。 それの正体を看破するのだろう。 抗不安薬。 それは、無理やり精神を安定させるための薬。 もちろん、治療の一環として普通に使われるものではあるけれど。 でも。 「………こんなのに頼って、不安を払拭したって。」 「…何の意味もないんじゃないの………。」 これは、いうなれば"治った気になる"だけのものだ。 実際には治ってないのに、もう大丈夫だと自他に思わせるだけのもの。 飲んでる内はいいかもしれない。 でも、やがて効き目が薄くなり、もっと強いものを……となれば。 絶対に今よりひどくなる。絶対に。 「……これを飲まないと酷い事されるの?飲まなきゃいけないの?」 「ねぇ、バラニ………こんなの飲んじゃ駄目だよ………」 ぎゅっと、薬を握り締めて。 懇願するように告げた。 (-241) 2022/05/06(Fri) 20:20:02 |
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