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【秘】 朝日元親 → 俺 シオン・グレイヴズ「僕の他にも誰か来た? よかったね。好かれてんだよ、あんた」 まあ良くないだろうけど。 親愛程度の感情で、満足するような奴とも思っていない。 「まあ、僕は例外かな。 流石に目の前で倒れられたら世話を焼かずに居られないだけで。 恩知らずにもなりたくはないしね」 枕元の袋に気付くと中を取り出した。 飲んだ方がいいよ、とはちみつレモンを見せる。 (-120) 2021/11/05(Fri) 10:11:36 |
【秘】 俺 シオン・グレイヴズ → 朝日元親「……好かれてはいないよ。アイツは……何だろうな、俺も知らん。あっちも世話焼きが身にしみてるだけかもな」 上半身を起こしてはちみつレモンに口をつけて、この場にいない人のことを少し、話して。 「今朝から、おかしいんだよな。……俺じゃない誰かの、いろんなもんが入り込んできて、情報過多で頭が痛い。お前が言ってた、俺の“共感”の逆、になってるっぽい。 こん中にお前のもあんのかね……」 唐突に語り始める。薬の効果は強化のみならず、異能を変質させているらしい。 (-123) 2021/11/05(Fri) 11:02:37 |
【秘】 朝日元親 → 俺 シオン・グレイヴズ「でも別に嫌われてるわけじゃないだろ。 僕だって、嫌いな奴が熱で寝込んでても────」 世話を焼かないと、言い張れるか? 「……前言撤回。相手によるな」 嘆息しながら、傾くペットボトルを見ていた。 「触れてなくても、見つめてなくても? ……困ったね。それは。 市販の異能抑制剤なら持ってはいるけど」 効くかどうか、と僕は肩を竦める。 色んな人の感情が流れ込んで、きっとシオンの頭の中は地獄の釜のようだろう。 僕の頭の中もいつもそんなもんだから、そう思った。 絶望も希望も諦観も不屈も癒しも痛みも、何もかも全て矛盾しながら僕の中にある。 だから僕は余程でないと表に感情は出さない。出せない。 そして激情なんかより、シオンの中の凪に安らぎを覚えた。 (-126) 2021/11/05(Fri) 13:53:08 |
【秘】 俺 シオン・グレイヴズ → 朝日元親「いや」 口角が上がる。頬に差す朱の色は発熱のみによるものだろうか。目元こそ隠れているが、恍惚としているようにも見える。 「治したくない。 今まででいちばん……みたされてる、自分がここに存在してるって、気がする。胸の中いっぱいに、ギチギチに詰め込まれて、ズタズタに引き裂かれて溢れて、締め付けられるみたいな……。 でも俺のじゃない。薬の効果が切れたら、ひとつも俺の中には残らない」 は、と力ない笑いと吐息の中間のような声が漏れた。 「交換できればさぁ……よかったよな。“共感”じゃなくてさぁ……」 片や激情を求めて、片や空虚に安らぎを見て。ままならないものだと自らも含めて嘲笑した。 (-130) 2021/11/05(Fri) 14:50:03 |
シオン・グレイヴズは、熱のせいで妙な夢を見た。2足歩行の天馬が大勢でタップダンスをしている。 (c26) 2021/11/05(Fri) 15:17:50 |
シオン・グレイヴズは、異能が無軌道に変質している。アパートの下の住民が同じ夢を見た……。 (c27) 2021/11/05(Fri) 15:18:24 |
【秘】 勝利への渇望 御旗栄悠 → 俺 シオン・グレイヴズうるせー冷蔵庫を閉じて。 お茶を拭きまわって。 ちょっとしてから戻って来る。 「まったく、人騒がせなやつ。 多分俺が原因の一端でもありそうだけどさ」 その横とかに適当に座り込んで。 (-136) 2021/11/05(Fri) 16:05:06 |
【秘】 俺 シオン・グレイヴズ → 勝利への渇望 御旗栄悠顔は壁際に向いたままで、横に来た相手に向けないままだ。 「 くだんない日常とか青春はもう気にすることも無くなった んじゃなかったの。のみものほしい、しか言ってないぜ、おれは。どういう理屈で、どういう感情で、せわやきしてるわけ?」 そんな事を告げた。生気がない以外はいつもとおんなじ調子で。 自分じゃない誰かの感情や思考、感覚が流れ込んできている。それらは部分的だったり、どこの誰かもわからないことも殆ど。その中で一部だけ“聴こえた”。 でも、だから、なんでわざわざ自分なんかの世話を焼くのかわからない。わからないことは、知りたい。 (-139) 2021/11/05(Fri) 16:35:27 |
【秘】 勝利への渇望 御旗栄悠 → 俺 シオン・グレイヴズ「分かんないのか?」 ああそういや、コイツは。 コレでも人の気持ちには疎いんだった。 というか盗み聞きされすぎだろあそこの話。 「どうでもいいんだよ、どうでもよくなった。 何に報われてほしいとか、上手くいってほしいとか、 そーいうこと考えないようになった」 結局得た答えはそれだ。 緩やかな諦観。でも、確かに前向きなこと。 「だから やりたいことをする。 心が引かれる道を選んで、とりあえず走っていく。 それで誰が得しよう損しようと関係ないわけ。 理屈なんかない。感情も多分めちゃくちゃ単純なんだ。 なあシオン。気付いてないようだから教えとくけど」 (-142) 2021/11/05(Fri) 16:46:38 |
【秘】 勝利への渇望 御旗栄悠 → 俺 シオン・グレイヴズ「人の心ってさ、よくわかんないものなんだよ 自分のも言われなきゃ気付かないし、 他人のものなんかとても分かったもんじゃない」 浮かべた表情は。確かに、初めに見せたそれで。 名前があるとするならそれは、暗く優しい『共感』だ。 何処か投げやりで、諦めがあって、親しみも込めて。 「輝くスポットライトが向かないんだったら、 その分やりたい放題したらいい。俺はそうするんだ」 (-143) 2021/11/05(Fri) 16:50:32 |
【秘】 俺 シオン・グレイヴズ → 勝利への渇望 御旗栄悠「……わかんないのか」 「わかんないのか。みんなわかんないもんなのか。わかんないけどこれはお前のやりたいことなのか」 繰り返した言葉はシオンの中で、決定的な気付きになるには足りなかったが、目の前の相手を理解するには少しだけ足りた。 「やりたいことの中に、おれってまだいるんだ。それはちょっとわるくないな……たぶん」 今の自分は誰かの色々なものが入り込んでいる状態だから、その“わるくない”も明日になれば消えてるかもしれないけど。 (-145) 2021/11/05(Fri) 17:09:21 |
【秘】 勝利への渇望 御旗栄悠 → 俺 シオン・グレイヴズ「今はそれでいいんだよ。 お前の頭の容量余計なモンでいっぱいだろうし、 調子悪い今は尚更難しいこと考えるな」 嫌がられないだろうか、なんて思いながら。 妹にするように、そっと頭を撫でようとした。 (-146) 2021/11/05(Fri) 17:24:22 |
【秘】 俺 シオン・グレイヴズ → 勝利への渇望 御旗栄悠「ん……。お兄ちゃんヅラしてんなぁ……」 目は開かなかった。余計な異能の働き方をして、余計なモンがうつってしまったらめんどうだから。 額は怪我したばかりなので少し痛むかもしれないが、甘んじて御旗の手のひらを受け入れた。発熱しているので、酷く熱い。 「……もうひとつたのんでいい? その……」 珍しく歯切れが悪い。 (-147) 2021/11/05(Fri) 17:38:15 |
【秘】 俺 シオン・グレイヴズ → 勝利への渇望 御旗栄悠「ぬれてきもちわるいので、体拭いてきがえさせて欲しい……んだけど」 数秒の間。 「むりだよなぁ……」 (-149) 2021/11/05(Fri) 17:48:37 |
【秘】 朝日元親 → 俺 シオン・グレイヴズ「……そう」 こればっかりは分からないな、と僕は静かに思う。 今共感でもしてもらえれば、その喜びでも分かるのだろうか。 ────分かっても、やっぱり理解出来る気はしなかった。 「でも、分かるよ。 自分の異能が少し違ってたら、って。 そう思うこと、あるよね」 (-157) 2021/11/05(Fri) 19:40:11 |
【秘】 勝利への渇望 御旗栄悠 → 俺 シオン・グレイヴズ「…………………………」 難しい顔して葛藤。 やっぱり、難しい様子である。 「どれくらい自分でできるかにもよる。 着替え持ってくるくらいならしてやれるけどさ」 (-159) 2021/11/05(Fri) 19:56:32 |
【秘】 俺 シオン・グレイヴズ → 勝利への渇望 御旗栄悠「だよな」 わかってた。 「着替えだけでいいや…………着替えさえ出来ればたぶん、なんとかなるしょ……」 体を拭くのは諦めるらしい。「服、あっち」と部屋に積み重ねられた服をゆるゆると指差した。 (-160) 2021/11/05(Fri) 20:05:08 |
【秘】 俺 シオン・グレイヴズ → 朝日元親「あ、引いたな今」 くつくつと笑っている。そこに理解が得られないことは、そう気にしていない。 「ま……最初からそんな“少し違ってた”異能だったら、こんな奴にはなってなかったんじゃないの。俺も、お前も。 ……てか、なにか用事とかあったんじゃ? まさか、本当に見舞いにだけ来たってことはないよな」 あなたがただ様子見に来ただけ、とは思っていない。あなたにそこまでされる理由がシオンはわかっていない。 (-161) 2021/11/05(Fri) 20:30:20 |
【秘】 朝日元親 → 俺 シオン・グレイヴズ「そりゃそうだね。 結局このクソ異能も僕の一部だし。 無い物ねだりしてないで、精々役立てる方法探すしかないんだと思うよ」 受け売りの言葉を、僕は告げる。 「──ああ、何だっけ。 そうだ、連絡先くらい交換しようと思ったんだっけ」 僕はスマートフォンを取り出す。 部活の連絡と、その他細々とした形でしか使われたことのないメッセージアプリを開いて。 「ついでに見舞いに来た感じ。 迷惑なら、別にいいけど」 (-163) 2021/11/05(Fri) 20:42:17 |
【秘】 俺 シオン・グレイヴズ → 朝日元親「……ごめん。今朝スマホ、水没した」 重苦しい口調で切り出されたのはそんな言葉だった。 「麦茶飲もうとして、あのアレ……ピッチャーっていうの……?アレ持ったまま倒れて気絶して……フタ外れて水浸しになって、そのまま……。 で、でんわばんごうなら教えれる。家の固定電話」 (-165) 2021/11/05(Fri) 20:46:08 |
【秘】 朝日元親 → 俺 シオン・グレイヴズ「……水没。 いや、今どき固定電話とかあるんだ……」 僕の実家はとうの昔に契約を解除していたように思う。 「そっちでもいいけどさ。 でもそれなら、スマホ修理したあとまた交換する方がいいな。それより……」 周囲を見回した。 ピッチャーで麦茶が溢れた後、あるだろうか。 目が覚めた時自分で片付けたのか、こいつ。災難だな……。 (-166) 2021/11/05(Fri) 20:54:39 |
【秘】 俺 シオン・グレイヴズ → 朝日元親「……? あ、いや御旗が甲斐甲斐しく片付けてくれたから大丈夫。じゃあ、うん、修理したら声かける」 流し台の横に洗いたてのピッチャーが置いてあるとか、濡れた布巾が干してあったりとか、そういった痕跡は残っているかも。 (-168) 2021/11/05(Fri) 21:01:05 |
【秘】 朝日元親 → 俺 シオン・グレイヴズ「……御旗?ああ、仲良いんだっけ?」 よく知らないけど。 何せもともと人と関わるつもりがなかった。 異能がバレた今、その必要もないだけで。 スマホについてはよろしく、とだけ言った。 (-170) 2021/11/05(Fri) 21:05:34 |
【秘】 俺 シオン・グレイヴズ → 朝日元親「たぶん……?」 なんとも要領を得ない返答だがさておき。 「……まあいろいろ、たすかった。帰り気をつけろよ」 と見送るのだろう。 (-171) 2021/11/05(Fri) 21:07:47 |
【秘】 朝日元親 → 俺 シオン・グレイヴズ「……?」 本当に要領を得ない。 まあいいか、と僕は思う。 あんまり関係ない事だし。 「ああ、それじゃあ。ゆっくり休めよ」 急に部屋に来た僕が言うことでもないけど。 まあ、薬の作用ということならそのうち落ち着くんだろう。 ────シオンにとって、それがいい事かはさておき。 そんな事を薄ぼんやりと思いながら、僕はシオンの家を離れていった。 (-172) 2021/11/05(Fri) 21:21:03 |
シオン・グレイヴズは、今日一日だけは、ちょっとだけ、満たされている。 (c32) 2021/11/06(Sat) 0:28:15 |
【秘】 俺 シオン・グレイヴズ → 勝利への渇望 御旗栄悠着替えの為に布団の上で上半身を起こそうとして、起こして、「どぁぁ……」と謎の声を上げながら再度倒れ込んだ。 「むりだわ……。きがえ、むり。詰みですね……。のみものと片付けだけでも、たすかったし……」 諦め。 (-224) 2021/11/06(Sat) 2:31:53 |
【秘】 勝利への渇望 御旗栄悠 → 俺 シオン・グレイヴズ適当な服とタオルを持ってきて。 「ゾンビかよ。 まあ無理なら無理すんな…… でも濡れたまんまじゃ身体冷えるし、少しは吹いた方がいいか。脱がさんでもええところは拭いとく」 葛藤のうちに出た答え。多分これならまだギリ。 (-233) 2021/11/06(Sat) 4:37:33 |
【秘】 勝利への渇望 御旗栄悠 → 俺 シオン・グレイヴズ最大限葛藤しながら、一番気になるであろう首や背中周りをガシガシ拭いた。こいつはペット、こいつはペット(自己暗示)・・・ (-309) 2021/11/06(Sat) 19:19:57 |
【秘】 俺 シオン・グレイヴズ → 勝利への渇望 御旗栄悠「いだだだだえ、うお、えっ?」 こすられて赤くなった。背中の時だけ黙った。 「背中は……良いのか……やーいへたれ童貞ってあおるつもりだったのに……」 終わった時の感想。 (-317) 2021/11/06(Sat) 20:32:58 |
【秘】 勝利への渇望 御旗栄悠 → 俺 シオン・グレイヴズ「病んでる人間に妙な気起こしてたまるか……」 煽られんのも癪だったし。 病的な色気とかうなじとか自己暗示でクリアしてやる。 (-318) 2021/11/06(Sat) 20:36:49 |
【秘】 俺 シオン・グレイヴズ → 勝利への渇望 御旗栄悠「あ、あぁ……うん。良識……」 あらゆる全てはクリアされた。綺麗さっぱりの体になりました。 いつの間にか開いていた目を慌てて逸らして、 「健康な時なら、起こす?とか、いつもなら言うところだったのに……。普通に無理だと思ってたから、反応、用意してなかった。ばか……ぼけ……」 布団にぐったり横たわりながらの弱々しい罵倒。 (-323) 2021/11/06(Sat) 20:46:59 |
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