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【人】 会社員 雷恩偶然、最近になって、あの子今どうしてんのかなーって 思い出したんだよ。 だから公園通って実家に帰るつもりの今なんだけど。 元気だったか? って、ストーカーに遭ってんだっけ、 じゃあこんなとこで男といるの見られたら拙いな。 送ろっか。 [言われたことを疑いもしない。 ストーカーがいると聞いて納得の顔立ちの可愛さだ。 記憶の女の子は化粧をしておらず、 どちらかというと汚れている時もあったように思うが、 成長した彼女は髪の先まで綺麗にケアされていて、 「可愛い」を保つために頑張っていることが伺える。 可愛くなったらなったで大変なんだなと 他人事のように呟いて、リュックを前抱きにすると 背を向けてしゃがんだ。] (43) 2024/05/06(Mon) 0:08:54 |
【人】 会社員 雷恩[肩を貸すにも身長差の所為で上手く支えられそうにない。 腕を支えにするくらいで歩けるなら、そもそも 他者の善意の延長を頼んだりしないだろう。 それならばおんぶをするのが一番足に負担が少ない気がして。] 公園でよく会ったなってとこまでは覚えてんだけど、 家がどの辺とかまでは覚えてないから ナビは頼むよ。 [自分との繋がりを残す為に彼女が取った手段だと気づかない。 「偶然」の再会を純粋に喜んでいた。**] (44) 2024/05/06(Mon) 0:09:22 |
【秘】 従業員 ルミ → 会社員 雷恩[ どいつもこいつも都合よくわたしを消費していく。 短期間でわたしを捨てていく。 他のキャストに指名替えしたあの客も。 金が必要な時だけ呼び寄せてきたあのホストも。 自分は他の男とは違うと言って寄って来た男も。 その優しさや温もりに救われたことは一度もない。 わたしが掬われたのは、お兄さんにだけ。 小さな生き地獄以外の世界を見せてくれた。 ] (-6) 2024/05/06(Mon) 1:10:12 |
【人】 会社員 雷恩[いつからだったか、公園に一人でいる女の子を 見かけるようになった。 2歳上の兄が友達と遊ぶようになって、 自分はそれに混ぜて貰えなくなったから周囲を見る 習慣が出来たから気づいたのだろう。 自分よりも随分小さい――小学校入学前に見えた。 そんな小さな女の子が、保護者といるのでもなく 誰かと遊ぶでもなく、ただ、「居る」。] 『なーなー、アイス食う?』 [最初に話しかけたのは、兄と食べていた時の癖でつい買った 半分に割るタイプのアイスの片割れをあげた時。] 『知らない人にものもらっちゃいけないって 母さんには言われてるけど、俺があげるのはいいよね』 [相手の子にとって自分も「知らない人」なのに。] (53) 2024/05/06(Mon) 19:48:07 |
【人】 会社員 雷恩[どんなことを話していたか、すべては思い出せない。 ただ、ちょうど遊び相手がいなくて寂しかったから、 自分より小さい女の子に兄貴風を吹かせることで 気持ち好くなっていただけ。 優しさだったかと言われたら首を傾げてしまうが、 与えた側がどんな気持ちでいても、与えられた側が それを優しさと捉えるのなら、そう呼んでも差支えはないのだろう。] (54) 2024/05/06(Mon) 19:48:55 |
【人】 会社員 雷恩『雨じゃん!傘持ってねーの?!』 [日を重ねれば、彼女が家に帰れない事情があると 子ども心にもわかる。 雨が降った日も、そうではないかと公園に立ち寄って、 濡れている子を見て慌てたっけ。 家に帰ればなんて言えなかった。 強引に手を引いて同じ傘に入れた。 家に連れ帰って] 『母さーん!友達ずぶぬれ!!』 [どこの子かわからずとも、濡れた少女を放っておけない 優しさを持っている母親は、温かい風呂と牛乳を用意してくれた。] (55) 2024/05/06(Mon) 19:49:17 |
【人】 会社員 雷恩[経験していないことに関する危機感は薄い。 スマホを盗み見ようと思ったことはないし そうしようとした人とつきあったこともない。 指先の動きが数字を打刻する時、視線に気づくことはなかった。] あー、そうだよな、「お兄さん」って 呼ばれてたんだっけ……。 いま聞いたら恥ずいななんか……。 [むず痒い気分になるのは、あの日々以外自分が 「お兄さん」であった時がないからだ。 懐かしさに緩んだ頬が羞恥に染まり、 少しだけ強張る。 「昔の知り合いなんて、お兄さんしかいない」>>46 ああやはり、あの子は「ひとり」だったのか。 友達がいなかった理由は、大人になった今ならば 色々推測することは出来る。 よくここまで生きて来れたものだ。 物理的に守ってくれる相手に恵まれず、 心を護る為に呼べる相手にも恵まれず。] (57) 2024/05/06(Mon) 19:50:30 |
【人】 会社員 雷恩おーおー元気だよ。 本当、俺で良かったな? 人気のない道端で足挫いたって聞いたら 悪いこと考える奴もいるだろうからな。 [さて、「悪いこと」を考えているのはどちら?] (58) 2024/05/06(Mon) 19:51:29 |
【人】 会社員 雷恩飲み会の後に酔っ払いを担いだこともあるし、 落とさないから安心していーよ。 [どう見ても軽そうだが、社会人となった男は 女の子に「軽そう」と言うことがセクハラ案件になるという 人権教育研修も受けているので触れない。 女性の身体に触れること自体に対しては 彼女からの依頼ということで大目に見てほしい。] 遠慮して掴むのが弱かったら逆に危ないからな? しっかり捕まってろよ。 [予想通り軽い。 だが、速く動けばスカートが風に舞うかもしれないから 慎重に歩を進める。] (59) 2024/05/06(Mon) 19:52:15 |
【人】 会社員 雷恩……へえ。 この町は出なかったのか。 [実家を出られて良かったなという言葉は飲み込んだ。 彼女にとって実家は毒だったというのは 自分の推測に過ぎない。 ただ、実家を出られる「力」は得られたのだなと 何となく安堵の溜息を吐いた。] (60) 2024/05/06(Mon) 19:53:01 |
【人】 会社員 雷恩[マンションまでの道では、会話を途切れさせないように。 もし人とすれ違っても、このおんぶは双方合意の元と わかるようにのリスク回避。 ただ、愚かな男は、背負った軽い身体の中にある リスクには気づかずに、既に彼女が知っている 自分の個人情報を明かしていく。 好きなビールの銘柄、1歳の甥がいること、 実家に買っていくプリンは最寄り駅近くのケーキ屋。 そして着いた場所は、あの頃一人でいた少女の身なりを 思えば意外な程家賃が高そうな。 「カフェ」とはそんなに高給なのか、或いは] (61) 2024/05/06(Mon) 19:53:45 |
【人】 会社員 雷恩……誰かと住んでたりするんじゃないの? シングル向け物件じゃなさそう。 一人暮らしなら一人暮らしで、 昔の顔なじみだからって簡単に男を部屋に呼ぶのは 危ないよ。 俺が「その気」になったらどうすんの。 [彼女にとって自分はまだ10歳かもしれないが、 自分にとって今の彼女は、背中に当たる柔らかさを持つ「女性」だ。 無理矢理襲ったりはしないと誓って言えるが、 こんなに好意的な態度で来られると、 下心を持たないと言い切れない。] (62) 2024/05/06(Mon) 19:53:57 |
【人】 会社員 雷恩カフェで働いてるって言ってたよな? 今度、そこに客として行くよ。 どこにある何て店? [この機を据え膳としないだけの理性を見せて、 10歳の頃よりも上手くなった手つきで頭を撫でた。*] (63) 2024/05/06(Mon) 19:54:26 |
【人】 会社員 雷恩[唐突に話しかけた相手に上手く言葉を返せないのは 女の子がまだ小さいからだと解釈する。 自分は「弟」で、自分よりも小さい子をあまり知らないが、 幼稚園児くらいだろうか? 女の子が喋れないなら自分が喋れば良いと思う程度には 純粋に育った少年だった。] ルミな。うん、覚えた。 [それだけは10年以上経っても記憶にあり] 俺はー、うーん、みんなは「ライ」って呼ぶよ。 「雷恩」って名前だとみんなあの動物のことだと思うだろ。 遠足で揶揄われたからヤなんだよねー…… [最初に名前呼びを渋ったのは自分だという記憶はなく。] (75) 2024/05/06(Mon) 22:41:23 |
【人】 会社員 雷恩[初めに買ったのはただの間違い。 次は、ルミという名前の年下の友達にあげる為に買った。 バニラ味も、コーヒー味も、ソーダ味も、 ルミと分け合った。 冬になるとおやつはアイスではなくなったから、 屋台から買った焼き芋を半分こにした。 雨の日に傘を持っていなかった子は 冬には寒そうな恰好のことがあったから、 母に甘えて家に連れて行く日も増えた。 自分が大人になってから思うのは、 みんなができる行動ではないということ。 ルミが帰る時には母はいつも付き添っていた。 その「親」がどういう人物なのか、あんなに小さい子を 公園に放置する人間に対しての悪口を 子には決して聞かせなかった。] (76) 2024/05/06(Mon) 22:42:15 |
【人】 会社員 雷恩大きく……? そーだな、この辺に住んでるなら 同じ学校に通えるだろきっと! [歳の差が幾つなのかも気にせず、何歳差まで同じ学校に 通えるかの知識もなく。 「大きく」で想像する姿はルミのランドセル姿くらいのもので。 「もっといっしょ」が意味するのは、公園に行かなくても 校内で会える、程度の感覚。 多くの少年がそうであるように、 少女と出会った当時の少年は恋を知らなかった。] (77) 2024/05/06(Mon) 22:42:51 |
【人】 会社員 雷恩[思春期の訪れでよそよそしくなっても、 女の子を家に連れ帰ることで噂になることを恐れても、 何か明確なきっかけがあって彼女を拒否した訳ではない。 ただ、習慣というものは途切れれば再開は難しく、 反芻しない記憶は薄れて行く。 「大きくなったら」――過ごす時間は短くなった。 クラスが変わった友達とあまり遊ばなくなるのと同じ感覚で 公園に行かないならルミと遊ぶことはないという日々。 それでも高校くらいまでは何となく気になった時に 何度か公園を覗いたことがある。 授業を何となくサボった時、部活が急に休みになった時、 ルミだってその頃には学校に通う年齢だっただろうに、 相変わらず一人でいた。 酔っ払いのおじさんが近寄ろうとするのを牽制するように ベンチの近くに座ってみる。 高校生になって増えた小遣いは、もう分け合うアイスではなく ほかほかのコンビニの肉まんも買えるようになっていた。] (78) 2024/05/06(Mon) 22:43:29 |
【秘】 会社員 雷恩 → 従業員 ルミ[男には選択肢があった。 公園に行かないという。 少女があの公園で自分をいつまで待っていたのか―― 実家を出ても公園が見える部屋に住むというのは、 もしかして。 ――穿ち過ぎだろうか。] (-12) 2024/05/06(Mon) 22:44:02 |
【人】 会社員 雷恩んーいや、どっちでも。 名前自体そんな呼ばれないしな、 どっちでも恥ずいならルミの呼びたい方でいいよ。 [喋り方はこんな感じだったか? どうにも男心を擽るようなトーンに聞こえてそわそわする。] ストーカーもいるんだろ、 危機感持ってくれよ……。 [流石に数日後に彼女がストーカーにどうにかされたなんて ニュースを見たら立ち直れない。 どこかの誰かが殺されるニュースにいちいち感情は揺れないが それが知り合いなら話は別だ。 ストーカーは今どこかで彼女を見ているのだろうか。 自分が触れていることで、逆上しないと良いのだけれど。] (79) 2024/05/06(Mon) 22:44:33 |
【人】 会社員 雷恩[ルミはもう小さな子ではなく、扱える言葉も沢山あるだろうに、 接客業の癖なのか、道中は殆ど此方が喋っていた。 振り返ってみれば、ルミのことを殆ど知らないままだ。 好きな食べ物も知らない。 公園で縁日があった時に自分は甘くて食べられなかった りんご飴の残りを美味しそうに食べていたのは覚えているが、 りんご好きなのだろうか。] 俺ももう小学生じゃないからな? そこまで無条件に信頼すんなよ〜頼むから。 [苦笑する。 レイプ魔扱いは御免被るが、人畜無害と思われるのは 男のプライドが廃るというやつだ。 ――そういえば、思い出した。 ]食べかけのりんご飴を渡した後になって、 「間接キス」と気づいて内心狼狽えたことを。 意識した過去があるなら、自分はやはり 彼女にとって人畜無害ではないだろう。 (80) 2024/05/06(Mon) 22:48:47 |
【秘】 従業員 ルミ → 会社員 雷恩[ 公園に来ない選択肢すらも 奪って、わたしを刻んで、────忘れられないように。 だって、お兄さんが言ったこと、守ってるんだよ。 このあたりに住んでいればって あの時確かに、そう言ったよね。 ] (-14) 2024/05/06(Mon) 23:29:52 |
【秘】 従業員 ルミ → 会社員 雷恩[ わたしが白雪姫をどうして選んだか、 仕事も分からない貴方は知らないでしょう? ────毒林檎を齧って死んだ哀れなお姫様。 あの時お兄さんがくれたりんご飴。 解けない恋の呪いごと呑み込んだ蜜の味。 ] (-15) 2024/05/06(Mon) 23:30:53 |
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