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【雲】 サルコシパラ嫌な予感は当たるものとよく言う。 噎せ返るような心臓の痛みを覚えながら サルコシパラはウユニの名を呼ぶ。 一体何が起こっているのだろうか。 ウユニの身体に咲く花が昨夜と異なっていることは 見ればすぐに分かる。 しかしそのきっかけとなる原因が まるで分からないまま。 ふと床に落ちていた手帳を見つけて。 何気なしにそれを手に取ると。 (D9) 2022/08/14(Sun) 8:09:15 |
【雲】 サルコシパラ「……っ!」 サルコシパラは驚きを隠せずに息を飲む。 しかしそれと同時にウユニのことも心配で。 混乱する頭をなんとか動かしながら 座り込むウユニの元へと歩み寄り。 「ウユニさん…… 大丈夫です。大丈夫……。」 まるで自分に言い聞かせるように 小さくなったその身体を抱きしめることしか 出来ないまま、ウユニが事情を話してくれるのを 今は待つことになるだろう。* (D11) 2022/08/14(Sun) 8:12:06 |
【雲】 サルコシパラばらばらの鎖が円を成すように繋がり 点と点が結ばれていく。 本来なら心地いいはずのこの瞬間が いまはただ、恨めしい。 聞かずとも推測するに十分な情報があっても サルコシパラはウユニの口から語られる事を 望んでいた。 勇気と信頼を持って、 自身を受け止めて欲しいと願っていたから。 (D20) 2022/08/15(Mon) 21:46:19 |
【雲】 サルコシパラ「貴女の病気のことを 貴女が抱えているものを 私に教えてくれませんか。 貴女の病気のことを 貴女のことを、私には知る義務がある。 貴女に添い遂げると誓ったのですから。」 (D22) 2022/08/15(Mon) 21:47:50 |
【雲】 サルコシパラあの手記には病気のことが記されていた。 思い浮かぶの昨夜のこと。 自分の犯した過ちの断罪などいつでも出来る。 今はそれどころではないのだ。 でもその先のことは記されておらず 彼女の口から直接聞かなければならない。 サルコシパラは強い決意で ウユニの左目の花に触れた。* (D23) 2022/08/15(Mon) 21:50:24 |
【秘】 ウユニ → サルコシパラ 「昨日…貴方に愛されて。 私はね、とても幸せだったのよ。 今まで生きてきた中で、一番、幸せだって。 …止めたくなかったの。こうなるって、 予測できないわけじゃなかったのにね。」 空いている方の手で左目の花に触れた。 そして、 貴方のせいじゃないと伝えるように 貴方の頬を軽く撫でて、微笑むの。 (-6) 2022/08/16(Tue) 0:31:14 |
【雲】 サルコシパラ語られていく花の歴史は 想像していたよりも重く 共感と呼ぶにはあまりに絶する痛み 独りで居たいのではなく 独りになるしかなかったのだと そんな叫びに聞こえてならなくて。 共感とは程遠い理屈としての理解が サルコシパラの顔に陰りを見せた。 (D35) 2022/08/17(Wed) 10:00:15 |
【雲】 サルコシパラ彼女を受け止めたいと。 彼女の全てを受け入れたいと。 青い少年の戯言のような誓いが あまりに無力で滑稽であることを サルコシパラは思い知る。 自分が彼女にしてあげられることが 何も無いことに気づいてしまったのだから。 (D36) 2022/08/17(Wed) 10:00:42 |
【雲】 サルコシパラ家族は皆自分を置いて逝ってしまった。 置いていかれたと嘆いた事がないわけではなく。 そういう意味では彼女の言うことは正しい。 このままでは辿る未来が いつかの悲劇と同じであることも。 (D38) 2022/08/17(Wed) 10:02:44 |
【雲】 サルコシパラいまだ幼かった頃 かつて小言のように言われた言葉を思い出す。 独りとなったサルコシパラに浴びせられた同情は 身勝手に家族を非難する言葉に乗せられて。 こんな小さな子を捨てて死んでしまうなんて なんて酷い家族なんだ、と。 赤の他人が憶測で家族を語るその様は 当時サルコシパラの怒りを買うのに十分だった。 (D39) 2022/08/17(Wed) 10:05:19 |
【雲】 サルコシパラ「私の家族を悪く言うのは たとえ貴女でも、許さない。」 それがたとえ彼女自身の自己卑下であっても 家族 を否定されるのはいい気がせず。仮面を外した姿のまま 「私は貴女を信じています。 私を悲劇の子供と決めつけ情けを口にする ような下劣な人々を知っているからこそ 貴女のような人が、私は好きなんです。」 そう、己の胸の内を明かすことになる。 (D42) 2022/08/17(Wed) 10:07:23 |
【雲】 サルコシパラ「私には、理解者も、家族もいない。 この痛みを知る人など この街には決して居ないでしょう。 だから私はこの痛みを知る人を その痛みを慈しめるような人を ずっと探していたんです。 私が貴女の傍で力になりたいと願うことに これ以上の大きな理由など要らないでしょう?」 (D43) 2022/08/17(Wed) 10:08:37 |
【雲】 サルコシパラサルコシパラは伸びた手に指先を絡めて それから小さく笑うとウユニの頭を撫でて。 「この病気の治療法…… あなたが知らないのであれば 私は今からでも探すために全力を尽くします。」 そう言って立ち上がり 荷物をまとめようとするのだ。 残された時間は少ないのだから。 (D44) 2022/08/17(Wed) 10:10:10 |
【雲】 サルコシパラとなれば選べる選択肢は 全て最善とも最悪とも遠い ズレた折衷案しか残されておらず。 「もちろんです。 貴女を独りになんてしません。」 まるで迫る現実から逃避するかのように 立ちくらみに揺れる彼女を支えて。 サルコシパラは外へと出るのだった。 (D55) 2022/08/17(Wed) 23:45:12 |
【雲】 サルコシパラ 心の奥底では理解していた。 この先に望む未来などないことなんて。 もしその時になれば自分は選択を迫られる。 愛する人を死なせて悲哀に突き落とすか。 愛する人を救いあげて、悲哀に晒すか。 その事を全て承知の上で サルコシパラはこの未来を選んだのだ。 (D56) 2022/08/17(Wed) 23:45:41 |
【雲】 サルコシパラとはいえ行先をこの街にしてしまえば 花がわかりやすく目立ってしまうウユニが 忌避の目に晒されることは容易に想像がつく。 サルコシパラは仮面をつけ直し 少し迷った素振りを見せたあと。 「そうだ。 この帽子、よければ使ってください。」 そう言って自分が愛用していた帽子を差し出す。 少しでもその姿が周りに晒されないためには 必要なことだったから。 (D57) 2022/08/17(Wed) 23:50:01 |
【雲】 サルコシパラそれから サルコシパラはウユニから視線を逸らすように 蒼空を見上げると。 「実は……隣町で行きたい所があるんです。」 いつもは彼女に伺いを立てる配慮をするのに 今は何も言わずに彼女の手を引く。 有無を言わさずに、彼女を連れていくために。 (D58) 2022/08/17(Wed) 23:50:48 |
【雲】 サルコシパラそうして歩いて数十の刻 辿り着いた先にあったのは 店先に色々な花が飾られている しかし花屋ではない、古ぼけた店だっただろう。* (D59) 2022/08/17(Wed) 23:51:18 |
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