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【秘】 探偵 キエ → 逃亡者 ポルクス「おや、誰かと思えばポルクス君か。さてさて僕の声が聞こえるかなァ…? ま、先ずは遊覧としようかね」 果たしてポルクスが今何処を見ているのか、何処に居るのか、何を思うのか。キエは其れを覗く事にした。 遠くから樫で造られた一隻の船がやって来る。山羊の頭蓋を模した船首が人語を発した。 声も姿も全く似つかないが、聞こえたのならば何故だかキエだとわかる筈だ。 「……自らを定め行動に移す君は矢張り賢者だねェ。報いを欲する気持ちはよく判らないが其処は君も人間という事か。奉仕と呼べば聞こえは良いけれど」 たとえポルクスが魂だけになっていたとしてもキエは見つけ出す。 此処は夢なのだから。 ポルクスという意識の傍で船は漂っている。 (-179) 2021/10/22(Fri) 23:40:50 |
【秘】 夜の一族 チャンドラ → 逃亡者 ポルクスわたしは探す。 あなたの部屋や、広間や、中庭。 不思議と消えない ぬくもり を感じながら、あなたの姿を探している。 (-181) 2021/10/22(Fri) 23:46:19 |
【秘】 逃亡者 ポルクス → 探偵 キエ「奉仕をしてるつもりはないよ、探偵」 夢を観られているというのに不思議と嫌悪感はなく、さっぱりした顔をあなたに向けた。 おかしなことだ。 探偵には夢を支配する力でもあるのだろうかと。 「双子の魂はもともと一つのものだ。 であれば、より優れた方へと吸い寄せられて行くのは当然の理ではないかな。 まぁ……ぬくもりだけはお気に入りの彼女に残してきたけれど、それくらいで怒る兄ではないしね」 (-184) 2021/10/23(Sat) 0:07:57 |
【秘】 探偵 キエ → 逃亡者 ポルクス「ふゥん、其れは君の理かね。其れともそう教わった理かね? 後者ならば君を過大評価していた事になってしまうなァ」 透明な船員が船を休む事なく櫂を動かし別の船員は古い樫を新しい樫に交換する。全ての船乗りが透明だった。 「ついでだから乗せて行こうか。どうだい?甲板なら誰の邪魔にもならないだろうよ」 少しだけ組み替えられた船はポルクスとの距離を縮めた。手を伸ばせば届く距離だ。 (-188) 2021/10/23(Sat) 0:52:20 |
【墓】 逃亡者 ポルクスポルクスは目を覚ました。 泡沫の夢のよう。 宙に漂いながら俺は見た。 ――被害者の顔をして泣く少女。 可哀想だ、ごめんねと思う。 ――夢の中でも何かを探しさまよう夜の少女。 ありがとう、その温もりを手放さないでと思う。 神隠しの顛末にしては陳腐だろうか。 俺の身体は一線を画するこの空間にすら降り立てないらしい。 (+10) 2021/10/23(Sat) 0:54:44 |
【秘】 逃亡者 ポルクス → 探偵 キエ「誰がそんな事を教えると思う? 子供の頃を知る大人たちに聞けば、十中八九そのようなことがあるならば、俺が全て奪い取るべきだと言うだろうさ。 まぁ、そんな事聞きもしてないけれど」 小さく肩をすくめ船の上のあなたを見上げた。 その船に乗れば、俺は俺を消す事ができるんだろうか。 「……君は探偵から船乗りに鞍替えでもしたのかな。 でも、良いね。 なんだか知らないけれど……この海の向こうには、半身の残り香が続いている気がするよ」 迷いはなく俺はあなたに手を伸ばす。 その向こうに俺を、連れて行ってほしいと。 (-197) 2021/10/23(Sat) 1:02:54 |
【秘】 探偵 キエ → 逃亡者 ポルクス「聞けば聞く程悲劇なのに食指が伸びないなァ…矢張り脚本の在る劇など美味しくないね。特に君に課せられた脚本は大人が付け足した付箋だらけだ。 しかし、余った最後の数頁に新たな物語を書き足した其の意思は良かったよ」 頭蓋の船首がかたかたと音を立てると透明な船員達の動きが変わる。 透明な船員の1人がポルクスの手を掴み甲板へ引き上げる。その感触は間違いなくかつて其の頭を柔らかく撫でた手だった。 「さてポルクス君、風向きを教えてくれるかな。船は自ら進む事などできないからね。 君から見て風は何方へ吹いている?」 山羊の船首は当然前しか見れない。背後など見える筈も無いがポルクスが指し示した方へ船は迷う事なく進んで行くだろう。 どんな景色も止まる事無く過ぎ去っていく。中にはきっと暖かい思い出だって在る筈だ。 (-201) 2021/10/23(Sat) 2:03:47 |
【秘】 逃亡者 ポルクス → 探偵 キエ「俺の思うままに進んでくれるの? じゃあ…………あっちかな」 兄の残り香を辿ってほしいんだ。 塔に閉じ込められた兄からたった一つ落とされた紙飛行機は。 兄が俺をずっと見ている証拠だと、嬉しくて、ずっと大事にした宝物。 俺も兄へと沢山紙飛行機を飛ばしたけれど、下から上に届くはずがなくて、全てが地に落ちて途切れた。 愛された王子がたった一つ手を伸ばしたのは、決して手が届かない半身だったという話だ。 それでもポルクスは残り香を辿っていくだろう。 決して兄自身へは届かないとわかっていても、見たい景色があるからだ。 船はまっすぐに進んでいく――― (-220) 2021/10/23(Sat) 8:41:41 |
【墓】 逃亡者 ポルクス――人はポルクスを称賛した。 心優しい王子様だと。 ――人はポルクスを称賛した。 見目麗しく天才だと。 ――人はポルクスを称賛した。 神の血を受け継いだ特別な子供だと。 そんなものは嘘だ。 俺は優しくはないし、努力をしただけで天才などではない。 ましてや神の子だなんてありえるわけがない。 俺はただの王の子であり、人間である。 全て特別な力を持って生まれた兄が受けるべき称賛だったはず。 兄が受けるべき寵愛だったはず。 死者に干渉する力というだけで忌み嫌った者たちが自分にはわからない。 我が半身は、力を持った特別な人間だったというのに。 (+17) 2021/10/23(Sat) 8:47:37 |
【秘】 探偵 キエ → 逃亡者 ポルクス宙の海を縫う様に進んでいく。速度は上がり続けついには光の速さを超えた。 されど其れはカストルが過ごした刻よりも短かい。 しかし甲板には頬を撫でる心地よい風が吹いている。 速さに耐え切れず破れた帆は新たに張り替えられ、軋み割れた船底は直様新たな樫で埋められた。 「僕ァ目的地が判らないから君が案内してくれよ? 何処を到達点とするかは君が決めなさい。 此れが航海かどうかも君が決めなさい。 決定ができない程君は愚かではない筈だ………さァ、どうだい?」 そう話す船首は祭の際キエが被っていた山羊の頭蓋骨によく似ている。キエの姿は船の何処にもいないのに、其処には確かにキエが居た。 「素直に自分の思った事を言葉にしよう。自分の思っている事など案外人は気付かぬものだから」 (-221) 2021/10/23(Sat) 9:35:26 |
【秘】 逃亡者 ポルクス → 探偵 キエ航海は続く。 生 き た い 終わらないのはきっと、自分が行きたい場所が定まらないからだ。 兄の残り香がわかるのはどうやら自分だけらしい。 どうか俺に、あなたの足跡を見せて欲しい。 ――そう願った瞬間、揺蕩う海が弾けた。 「あぁ、探偵。 あそこだ……あの場所で俺を降ろしてくれ」 弾けた海の先はなんのことはない、館の中庭の外れだ。 あれだけ進んだように感じていたというのに不思議な話だが、ただ一点、現実の館の中庭とは違うところがある。 そこには…… 大輪の桜の木がそびえ立ち、 その周りにはおびただしい血の跡が残されていた。 (-226) 2021/10/23(Sat) 12:29:59 |
【墓】 逃亡者 ポルクスようやく俺は地に足が着いた。 そこは館の外の中庭の、あまり人目につかない外れの方。 兄の残り香が……強い。 本来のそこにはないものが、この空間には確かに残されている。 薄紅色の花びらが舞う大輪の桜の木。 そして残されたおびただしい――――――血の跡が。 (+20) 2021/10/23(Sat) 12:50:53 |
【墓】 逃亡者 ポルクス「これは兄さんのものではないな」 では何故だろうか。 血の跡を一瞥し、桜を見上げると、 ひらりと舞う桜が一枚、鼻の上に止まった。 ――――――あ。 「これだ……」 桜の花びらから確かに漂う残り香と、兄の気配。 木に背を預けて目を閉じると、不思議と知るはずもない成長した兄の姿が映し出された。 やはり兄は、この館に来ていた。 「――――――ずるいよ、兄さん」 何に対してそう形容したのだろうか。 ただわかるのはカストルという双子の青年は、必要としあえる相手と出会ったということ。 そしてポルクスという双子の青年は、ひとり残されたということだけだった。 (+21) 2021/10/23(Sat) 12:52:06 |
【秘】 探偵 キエ → 逃亡者 ポルクス「相分かった、此処で到着だね」 音も無くぼろぼろの船が桜の木の前に止まる。見えない船員が舷梯を下ろすとポルクスへ促す様な視線を向けた。 ポルクスが降りれば後から骨だけの山羊が二足歩行でついてくる。骨は不規則な音を鳴らす。 死体でも埋まってるのかねェ。 からから、からから。 其処から兄君が見えるかい? からから、からから。 木に背を預けて目を閉じるカストルを横目に骨の山羊は血の跡を見つめている。 キエに家族などいないし欲しいとも思わない。どんな関係の相手を示すか知ってはいるが其れだけだった。桜の1枚程も今ポルクスが抱く感情を理解していないし、しようとも思わない。 (-229) 2021/10/23(Sat) 13:20:07 |
【秘】 逃亡者 ポルクス → 悪食 キエ「君にも兄さんが見える?」 着いてきた山羊に声をかけた。 ポルクスには兄が見えていた。 何年も会ってない兄の今の姿など知るはずもないのに、ひと目で大人になった兄だとわかった。 だって。 俺達は同じ魂を分け合った双子なのだから。 「兄も館に居たらしい。 兄が館で何をしていたのか、どうやって出ていったのか……この花びらが教えてくれたよ」 (-246) 2021/10/23(Sat) 16:56:24 |
【秘】 悪食 キエ → 逃亡者 ポルクス嗚呼、君のお陰で今見えた。 からから、からから。 頭蓋骨がぐるりと動きポルクスの視線を追った。骨の間を桜の花弁が通り抜けても山羊は音を鳴らし続ける。 そうか、教えて貰えたか。そして君はどう思った? からから、からから、からから。 兄君の到達点からは何が見える? からから、からから。 案内人は只思考を促すだけで助言らしい事は言わなかった。不要だという事はポルクスの表情を見れば判るからだ。 (-270) 2021/10/23(Sat) 19:09:41 |
【墓】 逃亡者 ポルクス>>+28 チャンドラ 「俺達は死んだのかな。 神隠しに遭った者が帰ってくることはあるようだから、生きてるのかな。 これが死後の世界だというのなら、悪くない」 痛みも苦しみもなく死ねたというのなら、これ以上の死に方はきっとないだろう。 「けど……俺だけじゃなくて君もここにいるというのは良くないね。 思い出してもらえたのは嬉しいけど……君は、もっと生きるべきだ」 底冷えする寒さがあるわけではないが、今、自分には一欠片の ぬくもり も存在していはいない。自分の魂は兄のものだけど、 ぬくもり だけはあなたに遺して行こうと思ったことは後悔もしていない。そこに取引も駆け引きも欲望も、ひとつもありはしない。 ただただ一方通行の感情でしかなかった。 (+29) 2021/10/23(Sat) 19:40:22 |
【秘】 逃亡者 ポルクス → 悪食 キエ「兄さんはずるいな、と」 そう思ったよと話す。 俺の前には姿を表さず、何も言わず、やりたいことをやって そして手を取り合える人を手にしてしまった。 そこにもう俺という半身は必要ないらしい。 俺の行き場は、どこにあるんだろう。 「俺の到達点はどこにあるんだろうなと……考えている」 (-275) 2021/10/23(Sat) 20:01:49 |
【秘】 悪食 キエ → 逃亡者 ポルクス―――がしゃん。 骸骨が崩れ落ちる音がすると其処には見慣れた姿のキエがいる。山羊の頭蓋だけを持ったまま立っていた。 「なァんだ、一寸無理して幽霊船に成ったのに。しかも僕ァ“何処を到達点とするかは君が決めろ”と言ったんだがね。てっきり此処がそうだと思ってしまったじゃないか」 「此処に無いなら違う何処かだろうよ。君はどうやら外をあまり知らない様だし実際に自分の目で確かめて来たらどうだい。少なくとも此処が終いじゃあないんだろう?」 祭でそうしていた様にキエは頭蓋を頭に被ると、空いた手を未だ賢者に至らぬポルクスへ伸ばした。 そうしてキエは微睡みから覚める刻を定める。 「君には未だ、」 「 歩く脚が在るのだから。 」 (-278) 2021/10/23(Sat) 20:28:57 |
【秘】 逃亡者 ポルクス → 悪食 キエ「無理をしていたの? 君は俺を買いかぶり過ぎだったようだね。 胸に空いた穴は塞がりようがないんだ。これは、兄さんにしか塞ぐことが出来ないものだから」 ここはひとつの到達点であり、通過点だ。 どちらかが命を失えば、正しく一つになろうと魂は導かれていくだろうけど、今その選択権を持つのは兄ではなく自分なんだろう。 「次の……到達点には、自分で歩いて行けと、そういうことかな……」 (-281) 2021/10/23(Sat) 20:39:42 |
【秘】 悪食 キエ → 逃亡者 ポルクス「当たり前だろう? 死者だと思ってサービスをしてしまったからねェ、頑張って貰わないといけないな」 キエは人の手を掴まない。先程船に乗せた時は死んでいると考えたから引っ張り上げた。 今は違う様だ。 「どうするんだい、君。君自身で決めなさい。僕は決めてあげないよ」 (-282) 2021/10/23(Sat) 20:49:46 |
【墓】 逃亡者 ポルクス>>+32 >>+33 チャンドラ 「ここに来ることが俺の到達点だったとしたら、何も悔いなんてありはしないんだ」 兄と分かれた魂を一つにしようと思ったことも、君にぬくもりを遺したことも。 「ここが通過点だったとしても、 自分がやった事に悔いはないけど。 だけど……俺は兄さんと違って、何も見つけてやしない」 半身を捨てて、手にできるものは何もない。 俺の中に空いた穴が大きすぎて、それは塞ぎようもない傷痕。 兄に返そうとしたもの全てが、きっと今の兄には一つも必要がないものだ。 「……そうだね、これから生きる時間があるのなら…… 生きる理由を探すために生きてみるのは悪くないかもしれない」 (+34) 2021/10/23(Sat) 20:53:23 |
【秘】 逃亡者 ポルクス → 悪食 キエ「俺も死んだものだと思ってたんだけどね」 どうやら神隠しにあってなお未だ生きているらしい。 どうやって帰るのだか方法はわからないけど。 「そうだね……」 くすりと笑う。 「まずは目的もなく歩いてみようか」 生きる理由も、死ぬ理由もありはしないから。 (-284) 2021/10/23(Sat) 20:57:44 |
【独】 逃亡者 ポルクスサラマンダー早瀬(ゲイザー) :無垢 脳内お花畑パニック野郎(ポルクス) :あわっこ ヤス(ゾズマ) :かのう 4 等分のPL(キエ) :ポルティ 作ったおいしいパスタマジギレ大貧民(キンウ):ベルト記念デー(本家) 魚川武NEO(ミズガネ) :やい ベルト記念デーry(テラ) :わざき ポリエチレン手袋100(ユピテル) :もちぱい アクアボディミルクマイルド(アマノ) :ことり 忘れないこと、絶対やぞ(チャンドラ) :おはる (-288) 2021/10/23(Sat) 20:59:58 |
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