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【赤】 人間に戻った レグナ「……。抜くだけ、って言った。 それに……、…………。っく、」 彼の言葉通り気持ち良くなりたいという本能と、これ以上情を残してはならないという理性が、頭の中で巡っている。 ズボンのボタンに手を掛けられれば「あ、こら」と静止する声が飛ぶが、その程度の静止で止まる様なあなたではないだろう。 先程よりも手と熱を遮るものは少ない。その分の刺激と煽りが、分かりやすく熱をより湛えていく。 「……っ、いい、だろ。……イけよ」 その浅く熱い吐息も、切なげな若草色も。今の自分には理性を溶かしていく毒だ。 擦りつけるのを止めはしない。やさしく猫でも撫でるかのように、柔らかく撫でる。 (*1) 2024/04/08(Mon) 0:54:55 |
【赤】 人間に戻った レグナ「…………、 だから、俺はあんたの知ってるレグナじゃないって……」 それだけではない。それだけではないが、きっともう手遅れだ。 視線が落ちる。再び目線が合わなくなる。 傷付けたい訳じゃ無かったんだけどな。 切なげな否定の言葉に、返答はなく。目の奥に欲を湛えながらも困った様な表情を返す。 「く、……っ、ふ、」 熱同士がこすれ合う感覚と、するりと胸をなぞられる感覚に。次第に此方の吐息も熱く、浅くなっていく。 抵抗しようと思えば容易いだろうに、出来ない。その理由が自分でも良く分からない。 (*3) 2024/04/08(Mon) 19:13:10 |
【赤】 人間に戻った レグナ縋る様な声。――酷く、罪悪感が胸を指す心地がした。 帰る選択肢を取る限り、彼はひとりこの世界に残されてしまう。悲しませてしまう。 かといって、残る選択は選べない。やった事が無意味になる。両親の『命を大切に』の言葉を裏切る事になる。 ――嫌なら、突き放せばいい。その通りなのに。……なのに。 「ッ……は、……ぅ、く」 最初はくすぐったいだけだった、胸への刺激が。甘く噛まれる感覚が。段々と甘やかな快楽を返していく。 ちうちうと吸う様な水音と甘い吐息が、頭の中を溶かしていく。 ――あのマオが、ここまでするぐらい。 自分は愛されていたのだ、と。実感せざるを得なかった。 (*5) 2024/04/09(Tue) 0:43:41 |
【赤】 人間に戻った レグナ「…………、」 わからない。わからないから、答えようがない。 縋る様な視線には、変わらず困った様な表情を返すのみ。 言葉をただ静かに聞いている様子は、例えば。いつぞやあなたの知らないあなたに見せた、罰を望む罪人の時の様なそれに似ていた、かもしれない。 するりと触れる手が少しずつ落ち、懇願の言葉と共にそこにキスを落とされてから。 漸く、静止する様にその頭を抑えて、くしゃりと髪を握る。……静止というには、あまりにも柔いそれではある。 「……あいして、しまったら」 「別れる時、傷付けちまう。あんたも、……俺も。」 答えられない、その理由の一端を吐く。 分かっている。これは唯の言い訳だ。きっと今更もう、手遅れだ。 (*8) 2024/04/09(Tue) 23:22:35 |
【赤】 人間に戻った レグナ不安げな、くるしげな、問いかけ。 ぽろぽろと落ちる涙。 宥める様に、或いは誤魔化す様にその頭をくしゃ、と撫でて。……それでも。 「……ああ」 「遠い、所に行く。行かなければならない」 「そこにあんたの事は連れていけない……いや、 もし、連れて行ったとしても。……きっともう、会う事は叶わない」 一つ、一つ。言い聞かせる様に告げる。残酷な事を告げているのはわかっている、きっとあなたを傷付けている。 もっとうまく"悪人"になれていれば、救う事が出来ただろうか。……分からない。 ▽ (*11) 2024/04/10(Wed) 16:46:22 |
【赤】 人間に戻った レグナ変わらず撫でる手を、少しだけ止める。 自分の知っているマオの外見と、一つだけ違う所。満月の髪飾り。 "見覚えのない"それに、一瞬だけ目をやって。 それから、もう一度あなたの元に向き直る。 「…………。 あんたの期待に答えられるかわからなくても。 これで最後になるかもしれなくても。 ……それでも、か?」 嫌いにはなれない。もし嫌いだったなら、ここまで付き合わずにさっさと"帰る"事が出来た筈だし、そもそも救おうだなんて傲慢な事を考えなかった。 けれど、素直に受け取る事が、きっと自分も怖いのだ。だから、そんな心が混じった問いを、投げかける。 (*12) 2024/04/10(Wed) 16:48:21 |
【赤】 人間に戻った レグナ不老不死の、千年を生きた仙人を名乗る癖に。 どこか猫の様に子供っぽく、わがままで。 あいする人にはこんなになるまで必死になって。 渡した記憶は自分にはないが、きっとマオの記憶の中での自分に渡されたものを。肌身離さず着ける真似をして。 包み込み、抱きしめられる。 あいしていると伝えられる。 ……ああ。 「……本っ当に、」 ▽ (*15) 2024/04/11(Thu) 0:22:56 |
【赤】 救いたかった レグナ「しょうがねえやつ」 困った様に笑う。こちらは、あなたも何度も見た表情。 あなたの知るレグナの口癖に、少しだけ似た言葉。 マオの記憶の中でのレグナは、一体どうやってマオをここまで愛されたがりにしたのだろう。 ……いや、救えなかった夢の住人ただ一人に、どうしてこんなに入れ込んでいるのだろう? 一瞬そんな何かが過ったが、今はきっと。関係のない話だ。 「……今、だけな。 今だけなら、全部忘れてやる」 「――あいして、やるよ」 ――そう言って、抱きしめ返した。 (*16) 2024/04/11(Thu) 0:24:40 |
【赤】 救いたかった レグナ「……そっか」 宥める様に、受け入れる様に。再びふわふわとした紺色の毛を撫ぜる。 やっぱりと言われて、しらない未来に思いを馳せて、少しだけ恥ずかしい様な、くすぐったい様な。そんな気持ちになりつつ。 散々あなたを猫の様だと称してきたが、まさか本当に猫である事は、このレグナも知らぬ話。 じ、と見つめられる。……漸くきちんと、あなたの目を見返して。 「いいよ」 頷く。もしそれでも恐れる様であれば、こちらから口付ける事だろう。 (*19) 2024/04/11(Thu) 14:40:42 |
【赤】 救いたかった レグナぎゅう、と抱きしめているものだから。お互いの心臓の音もわかってしまう。 あなたの心音が伝わっている様に、こちらもまた……緊張交じりの、けれどもそれ以外のものも混じった音が、伝わっているのだろう。 瞼に落とされた口づけに、また少しくすぐったそうな様子を見せた後。 「……。俺が、か……」 呟いて、そうっと重ねられた唇を受け入れる。記憶は違うものの、改めてそう言われると猶更照れくさい様な。 暫くその温度に浸った後、入り込んできた舌に応える様に、ゆっくりと舌を絡めていく。 変わらずあなたの頭を撫で続けたまま。 (*21) 2024/04/12(Fri) 0:37:54 |
【赤】 救いたかった レグナ縋るように密着させられれば、より温度も心音も強く伝わって来て。あなたがこんなにも自分をあいしてくれている事を、思う。 一瞬だけ過ぎった、これから起こさなければいけない"やなこと"を。今は、今だけは置き去りにして。 「…………、は、……ん……」 少しずつ、もっともっとと追い求める様なそれに変わっていく口づけに。 "自分が教えた"らしい、蕩かす様な感覚も。いやらしい水音も。聞こえてくるあなたの甘やかな吐息と声も。 段々と頭どころか、心の奥まで溶かしていくような心地になる。 ぼんやりとした、けれども心地いい、知らない筈なのに知っている様な幸福な時間。 (*23) 2024/04/12(Fri) 12:27:52 |
【赤】 救いたかった レグナこの場所に来る前の会話を除けば、こんな風に愛を伝えられるのも、こいびとの様に甘えられるのも、それに応え返すのも。初めての筈だ。 それなのになんとなく懐かしい様な、そんな心地になって。少しだけ目を細める。 「……ん、…………はっ、ふ、……」 伝わる温度が、撫でてくる手が、暖かい。 体重を掛けられれば、ぽす、と軽い音と共にベッドに受け止められる。 それから暫くして、あなたの目から流れ落ちた温い涙が、ぽた、と自分の元に落ちる感覚がした。 ――ああ、この寂しがりは。本当に。 (*25) 2024/04/12(Fri) 19:41:21 |
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