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【赤】 従業員 ルミ[ 優しい嘘という言葉がある。 あれは言う側ではなく言われた側に許された例えだが、 今この場で「可愛いと口にしたことはない」などと 嘘を言われても、自分は優しさと捉えなかっただろう。 言った経験くらい推察できる。 インターネット越しに見て来たのだから。 なにも考えずにただ眺めていたなんてあるわけがない。 ] ふふ、それはもちろん ──……ほんと、大きくなったね、お兄さんも [ けれどネットとリアルは違うものだ。 いくら分かった気になっていても、 直に触れて初めて" 実感 "としてそれを得る。 過去の亡霊が大人になったような感覚が、 輪郭を伴い、温度を連れ立ってやってくる。 ] (*81) 2024/05/13(Mon) 23:04:17 |
【赤】 従業員 ルミ[ 何でも知りたいと願って糸を巡らせても、 秘められてしまえば分からないもので。 長い睫毛を瞬かせ、呆けたような顔を浮かべた。 ] ──────……おにい、さん、って そのときから、かわいいって 思ってくれてたの? ……わたしのこと、面倒になったとか そういう理由じゃなかったんだ……。 [ よかった、と消え入るような声で呟いて、 彼の肌へ頬をすり寄せた。 例え知っても嫌いになんかならなかったのに、と 悔しいような気持ちにもなるけれど。 ] (*82) 2024/05/13(Mon) 23:04:21 |
【赤】 従業員 ルミ[ 縛り付けられていることが我慢ならず別れた、 という事情までは知る由も無いが。 その過去があって尚「ずっと傷をつけていい」と 自分に許しをくれたのは、 他の誰よりも痛くて尊い特別だ。 ] ……ん、……うん。 …………うん。 うれしい、お兄さん、──だいすき。 [ 痛みも甘やかな毒にして、 ふたりしかいない世界で一緒にいられればいいのに。 出来ないならせめて、ここにいるときだけは、 自分のことしか見えなくしてしまいたい。 ──……ぎゅう、と一度、彼をやわく抱き締めて。 ] (*83) 2024/05/13(Mon) 23:04:25 |
【赤】 従業員 ルミ[ 運命の出会いには可愛いドレスが付き物だ。 再会を演出する道具にうってつけの気に入りの服。 鮮烈に記憶を彩って、 忘れがたい程の色を植え付けるための。 傷んでしまっても良かった。 わたしが可愛く在りたい理由は結局のところ、 貴方の目に入りたい一心だったから。 ] (*84) 2024/05/13(Mon) 23:04:40 |
【赤】 従業員 ルミえー……うーん……。 だってそれだと、お兄さんがいない時、 思い出すばっかりで寂しくなっちゃう…… ……んん、いかない。 わたしばっかり思い出すなんてずるいもん。 お兄さんもこのソファ座る度に、 思い出してよ、わたしのこと。 [ 可愛さを武器に生きてきた自覚はあるし、 言葉や態度が男性にどう刺さるかも知っている。 が、これは計算でデコレートされた甘さではない。 そんなことが出来る余裕はとうに奪われた。 ベッドで熱を思い出すなんてのも良いけれど、 せっかくなら、彼の日常に潜む記憶でありたい。 ] (*85) 2024/05/13(Mon) 23:04:52 |
【赤】 従業員 ルミ[ 部屋を暗くしたがるような初々しさは無いけれど、 慣れたような素振りを見せることもない。 ゆっくりと与えられる刺激へあまやかに鳴いて、 身体を跳ねさせ、内側に熱を燻らせた。 触れられずともぴんと立った右胸の先へ、 彼の舌先のぬくもりが触れれば ] ────……ッひぁ、あっ!? [ やわらかな舌の感覚が妙に心地よくて、 なのにはっきりと分かるほどに舌があつい。 かわいく表情を作ることも出来ていないのに、 それでも彼には自分が可愛く映るのか。 ] (*86) 2024/05/13(Mon) 23:04:55 |
【赤】 従業員 ルミンぅ、あ、──ッひぁ、ア、ん……ッ や、それ、やだ……ぁ…っ おなか、きゅうって、なる……っ [ 刺激に慣れる前に別の愛撫が施されて、 すっかり力の抜けた手で彼にしがみついた。 胸を揉まれたことなんて幾度かあるのに、 あの時とはまるで感じ方が違うのだ。 尾骶骨と脇腹の間へ軽く吸い付かれただけで、 大きく震える体を抑えられない。 本当に嫌というわけでもないのに それ以外に例える言葉を知らなかった。 ] (*87) 2024/05/13(Mon) 23:05:51 |
【赤】 従業員 ルミ[ 言葉で「やだ」と紡ぎながら、 身体は決して彼から逃れようとはしていない。 しがみつくのと同時、 初めて味わう快楽を「もっと」と求めるように、 彼へねだっている。** ] (*88) 2024/05/13(Mon) 23:07:22 |
【赤】 従業員 ルミ[ 愛しているから何でも知りたいような、 傷付けることすら出来てしまうこの愛はきっと 無理矢理に犯す愛を持たない彼とは 根本から違う色を帯びている。 ] あは、……お兄さんはそれで傷付いてくれるんだ。 うれしいなあ。 でも今ここでおあずけするの、 わたしがヤだから、大丈夫。 [ 本当に夢から醒めたと嘘を吐いたとして。 彼を傷つけることが出来ても、 それで離れて行かれては元も子もない。 ───日常に根差す毒花である方が わたしのことを忘れられないでしょう? ] (*96) 2024/05/14(Tue) 18:44:29 |
【赤】 従業員 ルミ[ わたしにとっての愛は優しくない。 目に見えないくせに形すらまばらで歪で 日常のどこにでもあるような色をして、 世界から隔絶されたような鮮烈さを残して。 縛っても呪っても抑え込んでも構わない。 だからずっと憶えてね。 わたしが貴方を傷付けた数だけ、 わたしが貴方で傷付いたこと。 ────これじゃまるで人魚姫だ。 ] …………ずるいよ、お兄さん そんなこと言われちゃったら、許したくなる。 ────────……。 [ もっと早く教えてよ、と肌に縋った。 彼が一番にかわいいと言ってくれていたら、 彼だけにかわいいと言って貰えたら。 もう手に入らない夢のたられば話だ。 ] (*97) 2024/05/14(Tue) 18:44:46 |
【赤】 従業員 ルミ[ あの頃は、同じ気持ちなどひとつも返って来なかった。 好きなのも一緒にいたいのも離れ難いのも自分だけ。 それでも良いなんて健気な女のフリをして、 諦め悪く惨めに夢へしがみついて。 ふらりと足を踏み入れた夜の街は綺麗だった。 満たされてない人ばかりの雑踏に紛れれば わたしの痛みも昇華されると思っていた。 時折金を貢いで気を引こうとした男は、 どれもみんな思い出の中の彼に似ている。 傷の中でしかもう会えなかった好きな人。 ──これからはもう、全部、わたしだけの。 ] (*98) 2024/05/14(Tue) 18:45:03 |
【赤】 従業員 ルミ………………、……… ……お兄さんだけで満たされるように、 これからずっと、いっぱい言って。 [ この承認欲求が歪んでいることは分かっている。 数多の人に愛想を振りまいて、色をかけ、 薄っぺらな愛を得ようとする不健全さ。 一時だけ満たされるために始めた仕事も、 彼しか充たせない心の隙間が埋まった後なら 辞める決心もつくだろうから。 そうなれば。 その時ようやく、彼の好きだという気持ちを 微塵も疑わずにいられるのだろう。 ] (*99) 2024/05/14(Tue) 18:45:17 |
【赤】 従業員 ルミ[ ソファを見る度押し倒された記憶が蘇ってくれるなら、 あのシュガーポットも警戒するだろうか。 捨てはせずとも仕舞い込む予定ではあるけれど。 ] すごいの……? …あんまりえっちなこと、分かんないけど お兄さんの好きにしていいよ。 ……いいって言い方、だめかな してほしい、のほうが正しいかも… [ 体から始まる恋もあるというし。 手放すのが惜しい体だと思われれば御の字である。 最悪顔で留めてはおけないものか。 ] (*100) 2024/05/14(Tue) 18:45:32 |
【赤】 従業員 ルミ[ すぐさま体と顔に頼ろうとする悪癖を頭に過ぎらせたが、 与えられた刺激が即物的な思考を追い払う。 強くはないどころか、ただ甘くて優しい触れ方なのに 声がこぼれ落ちるのが止められない。 彼の熱が太ももに当たり、粘性の液体が肌へ伝った。 ──それだけの刺激さえ甘いような、 ] ン、ゃ、おにいさ…っ [ 吐いた息は体温を乗せたようにあつい。 時折肌にかかる彼の呼吸も同じように熱を帯びていて、 堪らないような心地になり、軽く頭を抱いた。 ] (*101) 2024/05/14(Tue) 18:45:48 |
【赤】 従業員 ルミ[ お腹がきゅうとなるような感覚は、 これが“ きもちいい ”ということらしい。 薄っぺらな生白い下腹部をやわく摩り、 ぽや、と半ば蕩けた目で彼を見た。 ] これ、が、きもちいい……なら もうお兄さん、挿れてくれる、の? [ 確か最初、そんなことを言っていたような。 必死に頭を回し、あやすような柔いキスを追い掛ける。 甘える子どものようにキスをねだり、 乱れた息を落ち着けた。 ] (*102) 2024/05/14(Tue) 18:46:03 |
【赤】 従業員 ルミ[ 差し込まれた指が軽く動かされるだけで、 いやらしい水音が立って鼓膜を揺らす。 ローションも使っていないのに、 気付けば下着は粗相でもしたように濡れていた。 ] ぅ……や、だめ、みないで…… [ 彼の視線の先に気が付いて、 思わず手で秘部を隠しては俯いた。 生まれつき薄い陰毛は大事な場所を隠すにはやや足りず、 卑猥な糸がとろりと太ももへ伝い落ちる。 どう見ても不感症のそれなどでは無い。 それくらい自分にも嫌ほど理解が出来て、 今しがた秘部を隠そうとした手を動かし直して 今度は彼の目を覆うようにあてがった。 ] (*103) 2024/05/14(Tue) 18:46:18 |
【赤】 従業員 ルミ……えーと、えへへ…… か、かくれんぼ……。 [ 何とも色気のない言い訳だった。 幼い頃かくれんぼをふたりで遊んだ記憶が蘇り、 どこか懐かしいような気持ちになる。 そのまま彼の髪へ顔を埋め、目を細めた。 砂や太陽の匂いがしていた昔と違って、 匂い立つのは大人の男としての色。 ずくりとお腹の奥が重くなって、熱が疼いて、 それを隠すようにまた息を吐いた。** ] (*104) 2024/05/14(Tue) 18:46:34 |
【赤】 従業員 ルミ[ 虐げられるのが好きなら最初から喜んでいるだろう。 さすがの自分でも、まさか被虐趣味かと疑ってはいない。 いや、もしそうなら受け止めるつもりではあるが、 SNSも現実の彼もそんな片鱗は見えないので。 許されるつもりなどないまま、毒林檎を手向けた。 ふたりを結ぶのはもう過ぎた過去の青さでも、 陽だまりの柔さでもないと知っていたから。 呪って縛って、 血よりも赤い糸で彼と自分の世界を繋ぐ。 ] …… [ わたし以外の誰のものにもならないで、と祈るのも愛で わたしを忘れられないくらい傷付いて、と呪うのも愛で わたしとずっと一緒の地獄にいようよ、と願うのも愛だ 日常の色に紛れた呪いは愛の顔をしている。 ] (*113) 2024/05/14(Tue) 23:02:46 |
【赤】 従業員 ルミ[ 大人になっただけのただの男女ではなく、 恋人よりも強く結びついた唯一の関係というのは 傍目に見れば正しいものではないのだろう。 正しくないことを「おかしい」と糾弾するのは簡単だ。 自覚している。理解だってしている。 けれど、" おかしい "からなんだと言うのか。 わたしは狡いから、きっと許したくないと言う。 傷を主張すればずっと償わせて傍に置けるから。 過去のふたりも、捨てたくないから。 ] (*114) 2024/05/14(Tue) 23:02:51 |
【赤】 従業員 ルミ[ イミテーションの愛はもう飽きてしまった。 どれだけ与えられても満たされない。 求めた本物のひかりをいつか素直に受け入れられたら、 きっと、縋り続けた偽りだって手離せるのだろう。 愛される存在を演じて、そして向けられた愛は 手離す間もなくやがて朽ちるかもしれないが。 ] ────ん。 お兄さんの今の言葉、忘れないでね。 何かある度に突き付けてやるんだから。 [ その度に腕を切って脅すことも躊躇いがないのだ。 都度罪悪感で転げ回って欲しい。 彼となら初めても、それを越えたあとだって どんなことも特別ないろになる。 ──雪は何色にだって染まるものだ。 ] (*115) 2024/05/14(Tue) 23:02:55 |
【赤】 従業員 ルミ…………? りんごあめ食べ切れなかったのはおにいさ、 ────ンむ、 [ なるほど……と神妙な顔で頷こうとしたが、 思い返さなくてもりんご飴ギブアップは彼ではないか? わたし泣いたことないもん、と 異議を申し立てようとするより先にキスが降る。 ────まあ、いいか。 途端に思考を溶かして目を閉じる。 薬が抜けきったなら、交わる体液にも影響はない。 白雪姫はキスで目が醒めたのに、 今はまるで真逆のような。 ] (*116) 2024/05/14(Tue) 23:02:59 |
【赤】 従業員 ルミ[ 喉が鳴る音が近くから聞こえるのが居た堪れなくて、 まるで幼い頃に戻るように戯れを重ねた。 したいと言った思いに嘘はないのに 許容量を越えそうな現実が、判断を鈍らせる。 ] えっ、えと、じゅう……? [ 十秒しか猶予がない遊びだったか、あれは。 今この場では至極どうでもいい二人のルールを、 必死に思い出そうと海馬に潜る。 いや三十秒だったじゃん!などと言ったとしても、 どのみち時間制限があることに変わりないのだが。 ] (*117) 2024/05/14(Tue) 23:03:04 |
【赤】 従業員 ルミ……あぅ……。 [ 恥ずかしいからといって反射で動かなければよかった。 着実に進み続けるカウントダウンに、 むしろその時を意識してしまう。 今更やめた、など通用しない空気になってしまった。 身を守っていたショーツが横に避けられ、 もう意味も無い可愛いだけの布一枚になる。 触れられる距離にいるのに、触れられない。 お預けに似たことをしたのは自分なのに そのくせ落ち着かない気持ちになりながら。 律儀に数え続ける彼へ、つい昔の影を── ] (*118) 2024/05/14(Tue) 23:03:12 |
【赤】 従業員 ルミ────ッは、反則……! [ 見なかった。 素直な少年は狡い大人になり、早口でカウントを終え 面影を辿る時間を奪っていく。 そのまま彼の手が自分の手に重なって熱を帯びる。 幼子のじゃれあいのようなやり取りは終わって、 ここにあるのは、体温を融かしあう二人の男女だけ。 ] (*119) 2024/05/14(Tue) 23:03:17 |
【赤】 従業員 ルミ[ 息を吐く。 少しの間忘れられていた腹部の熱が重く疼いて、 そろりと彼の目から手を離した。 見つかってしまったら、鬼は交代。 ────けれど今回に限っては、 ありきたりなルールは返上になるだろうか。 ] ……みつかっちゃった。 ふふ、懐かしい 昔はよくこうして遊んでた、けど。 [ 今と全く同じ言葉を紡いで、 彼を見つける側に回ったものだった。 夜の匂いなど無かった頃の話。 ] (*120) 2024/05/14(Tue) 23:03:23 |
【赤】 従業員 ルミ…………ああもう、…だめかも。 はずかしいと、わたし、言葉が多くなっちゃう。 ……お兄さん。 あのね、……しゃべれないくらい、きもちよくして。 [ ぎゅ、と彼に再び抱きついた。 そのまま首へ吸い付いて痕を残そうとしたけれど、 経験が足りないのか、上手く赤がつかなくて。 代わりにかぷりと首筋を噛む。 ふふんと笑って、「浮気防止」と呟いた。* ] (*121) 2024/05/14(Tue) 23:05:41 |
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