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【秘】 死神 ゲイザー → 夜の一族 チャンドラ奇妙だった。 だって……普通、首に手を掛けられて。 こんなにも平静さを保っているやつなんて、居るだろうか。 リーパーは、そんなどこか常人離れしたあなたが怖い。 こんなことをして、尚受け入れようとしてくれるあなたが怖い。 怖いから、厭だ。厭だから、 「これから? 知る? どうやって?」 「オマエに明日なんて訪れない!」 「オマエはここで……死ぬんだよ!!」 ──殺す。 あなたの首を力の入らない手で絞めつける。 押し倒すように力を加え、そのままバルコニーに突進する。 もう刺殺じゃなくったっていい! こいつを黙らせたい!! さあ、あなたはこの状況をどうにかできるか? (-13) 2021/10/24(Sun) 10:17:37 |
【秘】 死神 ゲイザー → 夜の一族 チャンドラ今のリーパーはめちゃくちゃだった。 何がいいのかどうしたいのか分からなくて、 どうにかされたくて、でも全部うまくできなくて! 怒ることしかできない。 暴走、その形容が正しい。 それは決して善なる行動ではない。罰されるべき所業だ。 でも、……何もかもを受け入れ、考察する、あなたなら。 もしかしたら。 そんな希望を、胸の奥で。身勝手に、秘めている。 (-14) 2021/10/24(Sun) 10:18:38 |
【人】 死神 ゲイザー>>4:72 ゾズマ 「だろ〜?」 ”同じ”。その言葉に上機嫌さの滲んだ声色で返した。 今にもハイタッチしそうなくらいだ。 パイを食べながらなので、実際には行わないのだが、 そしてその上機嫌さは、 あなたが気弱さを露呈させても変わらない。 一度殺しかけたのだが、見事に手のひらを返している。 あるいは喜怒哀楽が激しいといっても良い。 「……そうだよ。バケモノに人格ごと食わせたんだ! 因果応報だろ? ……でも、オマエは違う。 オマエはちゃんと覚えてる。ちゃんと大事にしてくれてる」 ……イマジナリーフレンド。 小さなころだけの、頭の中のお友達。 きっとそれは、いつかお別れしなければならない存在。 あなたが、ゾズマの仮面をかぶることをやめたように。 「そうだ! 意趣返しをしてやる。 なァオマエ、ゾズマだっけ? オレの友達になれよ!」 殺人鬼はにっかりと笑った。 (1) 2021/10/24(Sun) 10:33:30 |
【秘】 夜の一族 チャンドラ → 死神 ゲイザー首にかけられた手に力が加わる。 背中をバルコニーのフェンスでしたたか打ち付けて、わたしは僅かに息を詰まらせた。 「っ……」 押し倒されるように、バルコニーから半ば身を乗り出すような形になりながら首を締められていたわたしだったけど、やっぱり何故か、不思議とこわいとは思わなかった。 懐かしい匂いがする。 わたしの手が、あなたの手に触れる。 この手にはいま、 ぬくもり が宿っている。きっと、とてもあたたかい。 そしてそれだけじゃなかった。 (-20) 2021/10/24(Sun) 11:53:55 |
【秘】 夜の一族 チャンドラ → 死神 ゲイザー多くをあたためる 篝火 に。そう導かれたわたしは、そうなりたいと思ったから、その道筋を肯定した。 必要なのは、考えること。 ──ねえ、怒ってばかりは疲れるでしょう? それはわたしの常識で道徳だ。 でもあなただって本当はそうじゃないかと思った。 他者の気持ちを想像しろと白い鴉は言っていた。 だからわたしは、わたしの道徳であなたの気持ちを想像する。 「 こわがらないで 」締められる首で、掠れた声で私は言う。 わたしは聖女じゃない。 でも、許すことは誰にでもできる。 それが、わたしの道徳。 白い鴉に導かれ、賢者に1歩近づいた、わたしの道徳。 (-21) 2021/10/24(Sun) 11:54:29 |
【秘】 死神 ゲイザー → 夜の一族 チャンドラああ、ムカつくムカつくムカつく!!! 何でもかんでも知ったふうなあの顔が!! 怖がってなんて、…………、オレをコケにしているのか!? アイツはあんな顔をしたか? あの、腹を空かせて常に眉を下げていたアイツが! 何がアイツを変えた……!? 「怖がってなんか──ない!」 それを証明するためにリーパーは、 そのままあなたをバルコニーから突き落とそうとし── ずるりと、チャンドラを抱えたまま手摺から落下した。 ⇒ (-69) 2021/10/25(Mon) 1:04:04 |
【秘】 死神 ゲイザー → 夜の一族 チャンドラ「……っ」 夜の風が真下から吹いてくる。 中庭に留まる名も知れぬ鳥が飛び立つ。 「ぁ……」 幾多の人間の命を手折った殺人鬼は その時、茫然としていた。 「(死──、)」 「(ぬ)」 (-70) 2021/10/25(Mon) 1:05:17 |
【人】 死神 ゲイザー>>27 ゾズマ 「もごッ」 手を握られて、少年は慌ててパイの欠片つきのフォークを咥える。 すこし行儀は悪い。 そのままぶんぶんとでも振られたのだろうか。 握る手に金属質の冷たさは無くて。暖かくて。 それはきっと善の一言で形容できるものではないだろう。 パイをもぐもぐと咀嚼しながら、飲み込んで。言葉を吐く。 「あー? ふたつも名前有んなんてややこしいな。 オレはリーパーだけど! じゃあ……ZosmaとAlice。 オマエの名前は”ザラ”だ!!」 それは、夜明けの意味を持つ名。 少年はふたりを粗雑な仕草で合体させ、 「ザラだザラ!」と連呼する。 それから、あなたにそのままハイタッチ。 「ああ。ただいまから、ザラとリーパーは友達になりました!」 (31) 2021/10/25(Mon) 1:20:51 |
【秘】 夜の一族 チャンドラ → 死神 ゲイザー「────」 高いバルコニーの上。 わたしの足から地面の感覚がなくなった。 だけどわたしはやっぱりこわくなんてなかったわ。 (-75) 2021/10/25(Mon) 3:28:29 |
【秘】 夜の一族 チャンドラ → 死神 ゲイザー何がわたしを変えたのか。 忠告の言葉。ビスケットの味。 あたためてくれた手。草原の思い出。 あなたの1番最初のお友達。 あなたにとって皮肉なことに。 同じ色 の声を持つあなたの協力者。そして、何より─── ──日が沈む。月が昇る。 待宵館に、夜がくる。 わたしたちの時間。 わたしたちは夜ならば、 何だって、できる 。 (-76) 2021/10/25(Mon) 3:29:03 |
【秘】 夜の一族 チャンドラ → 死神 ゲイザーどんなに衝撃を覚悟しようとも、しなくとも。 あなたの身体は地面に叩きつけられることはない。 わたしがそうはさせないから。 きらきらと、月の灯りを纏いながら。 あなたの身体は重力を忘れる。 わたしがそうさせるから。 「こわがらないで」 わたしはあなたにもう一度告げる。 月の灯りを身に纏っては、あなたの手を取りながら。 ──空を飛んだこと。あなたはあったかしら? 蜂蜜色の髪が、大好きな、大好きな、夜風に揺れる。 (-77) 2021/10/25(Mon) 3:29:38 |
【神】 死神 ゲイザー──夜明け前。 キエにぽいと投げ出されたゲイザーは、 再び自身の器の中に戻っていた。 そうしてリーパーに気付かれぬよう息をひそめ、 虎視眈々と顔を出すタイミングを伺っていたのだ。 ゲイザーは。 自分たちが、これから神隠しに遭うことを予感していた。 悪夢が、終わる。 神隠し。それは精神と器の境界が暈け、 透明人間みたいに存在を亡くしてしまう館の魔法。 ゲイザーはキエにより、人格を摘出しまた戻すという 通常成し得ない所業を経験したおかげか── 神隠しされた今、 ゲイザーはゲイザー。リーパーはリーパー。 それぞれはそれぞれに分割され、個々の体を得ていた。 ⇒ (G0) 2021/10/25(Mon) 9:18:22 |
【神】 死神 ゲイザー「 クソがあああああああああああ!!!!! オレは報われなきゃならないのに! 」この世の不条理に反抗する権利が、オレにも有る筈だ! ゲイザーをそのまま男にしたような、垢ぬけない風貌の。 14にも満たない少年は。地面を踏み鳴らし、 苛立ちを幼稚に発散する。 「誰だ!? 誰がオレをやった!? あの吟遊詩人か!? そいつはあぶりだして殺す、 ハラワタ引き摺りだして凄惨に殺す、──」 そんな彼を、ゲイザーは見ていた。 自分を守ってくれた彼を、その為に暴走した彼を見ていた。 彼女はもう、決意している。 もう泣き虫じゃない。 きっと、ミズガネが、ユピテルが、 チャンドラが、キエが──変えてくれた。 この館での日々は、特別だった。 ⇒ (G1) 2021/10/25(Mon) 9:20:17 |
【神】 死神 ゲイザーゲイザーは暴れる小さな肩を、そっと抱く。 態度よりもうんとか細い肩だった。 「あたしの為に、ずっとずっと怒ってくれてありがとう」 「あたしを守ってくれて、ありがとう」 「テメェっ、ノロマ女!! 離せよ、気色わりィんだよ!!」 「それなのに、あたし忘れちゃった。 あなたを居ないものにしてしまった」 「何にも返せなくて、ごめんね」 「……今更…………ッッ! 黙って消えてろよ!! 申し訳なさそうなふりだけして、何にも寄越さねえ癖に!」 「うん。だから、だからね。あなたに対価をあげる」 「あたしをあげる」 ⇒ (G2) 2021/10/25(Mon) 9:23:21 |
【神】 死神 ゲイザー「ッ、…………」 「もう怒らなくても良いの。 身から湧き出る怒りのために、誰かを殺す必要もない」 「ねえ。あたし達、ひとつになろうよ」 ⇒ (G3) 2021/10/25(Mon) 9:24:04 |
【神】 死神 ゲイザー少女は焼きたての朝食──スターゲイジーパイをつつきながら、 目下の悩みについて考えていた。 今なら、ありありと思い出せる。 人の内臓を裂く感触、失われていく熱。 自分は、殺人鬼だった。 その自覚は無くても。 常識的に考えれば、死刑だ。 「(罪は償うべきよ。 だって、亡くなった人々が、あまりに報われないもの)」 「(……でも、そのどれもに自覚も由縁もないんだろ? いやァヤったのはそうなんだけどさ! でも死んで、それで良いわけ? 自覚もないまま?)」 夢から覚めるか、否か。 選択の時は近い。もろもろとパイを戴く。 ⇒ (G7) 2021/10/25(Mon) 9:35:01 |
【神】 死神 ゲイザー「うわっ、何だ何だ。すごい形相で、すごいパイ食べてる」 その時、ゲイザーは知らない男に声を掛けられた。 ミズガネのような恰好で、風来坊のような風体の金髪の男。 「君、ここの招待客?」 それから話は膨らんだ。二人は暫し歓談をして── 少女はあまりに悩んでいたから、 思わずぽろりと自らについて話してしまった。 すると男は、”ああ!”と呑気な声で返す。 「君もここで働いたらどうだい」 #ソロール了 (G8) 2021/10/25(Mon) 9:36:17 |
【鳴】 死神 ゲイザー「わ、わぁわぁわぁわぁ!」 ゲイザーは思わず声を あの、頭がわななくような不思議な感覚。 共鳴による力。──久々だった。ミズガネの声だ。 「……ミズガネさん……っ! ごめんなさい、あたし、あなたを──」 首を振る。まずは質問に答えよう。 「あ、あたしですっ。ゲイザーもリーパーも、ここにいますっ。 あたしたち、ひとつになったんです!」 (=1) 2021/10/25(Mon) 9:39:11 |
【秘】 死神 ゲイザー → 夜の一族 チャンドラ「(ああ、終わる)」 「(こんなにも、呆気なく)」 「(馬鹿げた生涯は──……)」 「……──?」 逆さまの地面に見えたのは、 チープな灯りで彩られた造り物の空──ではなく。 正真正銘の夜空だ。 リーパーのの視界が一回転する。 畏ろしいほどに大きな、まんまるの月がカットインする。 同じいろの光が散らされたあなたの瞳が、リーパーを見ていた。 「……っ、空? 飛んでるッ……?」 リーパーは少女の身ならぬ膂力を持つけれど、 魔法なんか使えない。それはおとぎ話の中にあるもので。⇒ (-89) 2021/10/25(Mon) 21:45:21 |
【秘】 死神 ゲイザー → 夜の一族 チャンドラ……ならばきっと、今。少年は、おとぎの国に居た。 あなたと空を泳いでいる。 夜を舞い、滑って、 いつかゲイザーが焦がれたワルツを踊るように。 (-90) 2021/10/25(Mon) 21:46:00 |
【秘】 死神 ゲイザー → 夜の一族 チャンドラいつも興奮状態にあるリーパーは、 混乱すれば、一周まわってひどく冷静になっていた。 空を飛ぶだなんて。 これじゃ、敗走することもできやしない。 夜の匂いがする。 「……なんで……、」 「なんで助けてるんだよ」 「オマエを殺そうとしたオレなんかを……」 (-91) 2021/10/25(Mon) 21:46:56 |
【秘】 夜の一族 チャンドラ → 死神 ゲイザー「………ふふっ」 驚くあなたの声を聞いたわたしは笑っている。 ──空を飛んだこと、なかったわね。 やっぱり普通はそんなに経験しないことなのかも。 昼の民はみんな、昼は空を飛んでいるのかもなんて思ったこともあったのだけれど。 箱入りの、そんな考えを改めたわたしは、今もあなたの手を引いている。 それなら少し、お散歩しましょう。 せっかくだもの。ふたりで夜空を踊りましょう。 (-96) 2021/10/25(Mon) 22:38:19 |
【鳴】 死神 ゲイザー「ハッ! オマエのはらわた、 死人みたいに冷たくて……もごごご」 「す、すみませんっ!! まだうまく、 お互いの人格が馴染んでいないみたいです」 喧嘩はしているようだけれど。 なんとかうまくやっていけてるのは、きっと伝わるだろう。 これで大団円のハッピーエンドという程、 話は簡単では無いのだけれど。 何せ、元・殺人鬼だ。 ⇒ (=3) 2021/10/25(Mon) 22:38:32 |
【秘】 夜の一族 チャンドラ → 死神 ゲイザー結果としてそれは、あなたの敗走を遅らせる要因になるのかもしれない。 でもわたしはそんなこと、知らないもの。 だからもう少し、星と月の照らす夜を滑る。 「……なんで?」 その言葉にわたしはまたくすりと笑う。 そう、殺そうとしたわね。 でもだからって見殺しにするものでもないでしょう? それに──── (-97) 2021/10/25(Mon) 22:39:13 |
【秘】 夜の一族 チャンドラ → 死神 ゲイザー月の煌めきを身に纏い、わたしたちは夜空を駆ける。 「お友達になりたいの」 飛んだ軌跡が星屑のような尾を描く。 わたしたち、夜の一族には見慣れた光景。 「言ったでしょう? あなたの事、これから知っていきたいの。 お友達になるのが1番手っ取り早いと、そう思わない?」 それなのに、死んでしまったらそんなこともできない。 わたしはわたしのために、あなたを助けたわ。 「───勝手なこと、言うでしょう? わたしって、そういう人なの」 あなたのお友達にだってそう。 突然友達になりましょう、だなんて言ったわ。 これじゃあ教育係も頭を抱えてしまう。 でもわたしは、そんなわたしをやめられない。 (-98) 2021/10/25(Mon) 22:40:49 |
【鳴】 死神 ゲイザー「それじゃあ。 あ、……改めて、自己紹介をしますね」 「気弱で、すぐにいじめられちゃってたあたし、ゲイザーと。 何も言い返せないあたしに代わって、 怒ってくれた──話を聞いてくれていた『リーパー様!』」 「それが、あたし達です」 ⇒ (=4) 2021/10/25(Mon) 22:45:54 |
【鳴】 死神 ゲイザー「今までは、あたし、 リーパーの存在が認識できなかった」 『ひひひ、こいつ全然気づかねえんだぜ! 夜な夜な人間を殺して回ってたのにさあ……。 もごごご。もうしない、もうしないって!』 「──でも。こんなふうに、 お互い意思疎通できるようになったんです」 ⇒ (=5) 2021/10/25(Mon) 22:48:05 |
【鳴】 死神 ゲイザー「こうなったのは、べつに大した理由じゃない。 過去に特別なトラウマがあった訳でも無くて。 ……ただ、いじめられっ子のあたしは、 お友達が欲しかったから」 『でもさァこいつ、オレが世話焼いてやったのに 年取ったらオレの存在忘れやがった!』 『だから、ムカついて仕方なくって、 オレは殺人鬼になったんだ。 人間の腹を裂いて、ウサ晴らしてた!』 『オレ、まだ許して無ェかんな!』 『……ま、ちょっとはマシになったけどな、アイツも。 何か、ずっと”怒る”役目だったけど。 役目なんかなくても、居て良いって、あのノロマが』 ⇒ (=6) 2021/10/25(Mon) 22:53:04 |
【鳴】 死神 ゲイザー長い長い話を滔々と語り、少女はこう締めくくる。 「……あたし達については、これで良いでしょうか。 えへへ、あたし達。少しだけ、大人になったんですよっ」 ⇒ (=7) 2021/10/25(Mon) 22:55:45 |
【鳴】 死神 ゲイザー「──ね、あたし知ってます。 あなたが、ゲイザーを助けてようとしてくれたこと。 リーパーに、為さなければならない報いを与えようとしたこと」 「ずっと、……あなたと話したかった」 「ありがとう」 『え、これオレも言った方がいいやつ?』 『ぜってー言わねー!』 ⇒ (=8) 2021/10/25(Mon) 22:58:02 |
【鳴】 死神 ゲイザー「……何か、あなたにお礼がしたいんです。 あなた、ずっとあたしのこと心配してくれたから」 「…………」 「ば、『晩酌』……。 お付き合いしたほうが良いですか……っ?」 結局純潔のままだった少女は、 声を上ずらせて尋ねて来る。 けれどきっと、もうそれはあなたには必要ないことだ。 (=9) 2021/10/25(Mon) 22:58:45 |
【秘】 死神 ゲイザー → 夜の一族 チャンドラきっとあなたの言葉を聞いたのならば、 リーパーはひとつだって頷かない。 殺そうとされたら、見殺しにするし。 どうして自分のことを知ろうとするのかも、わからない。 あなたの論理ひとつだって理解しようとしない。 魔法使いと夜空を跳ぶ。 あなたの輪郭はきらめいて、 どこか浮世離れしたうつくしさがある。 少年のリーパーは、それひとつで── 一目ぼれしてしまいそうだった。 今、ふたりは対等だ。同じ高さで夜を駆ける。 「…………、」 「……ハッ。マジで勝手だな」 「オマエが妙になってから……。 オレの話、ぜんぜん聞きやしないし!」 それはこの殺人鬼も同じだ。 ⇒ (-103) 2021/10/26(Tue) 0:39:56 |
【秘】 死神 ゲイザー → 夜の一族 チャンドラ……怖さは不思議と、無くなっていた。 死の恐怖を通り過ぎて、奇妙な光景に囲まれて。 リーパーはなんだか笑えてきたのだ。 月の魔力に諭されて。理解不能を、許容する。 月の魔力に酩酊して、饒舌になる。 ああ、わかった。 心の奥底の欠落に気付いてくれたから。 手を差し伸べてくれるあなただから。 あなたのような性格だから。 ──聖なる月の色と、影に生きる血の色。 そのふたつは交わらない。 ……その振る舞い、言葉遣い、指先の仕草ひとつまで。 彼女が信じがたいまでの善人であるのは明白で。 だからこそ、殺人鬼のリーパーとは釣り合わない。 ⇒ (-104) 2021/10/26(Tue) 0:40:46 |
【秘】 死神 ゲイザー → 夜の一族 チャンドラだからリーパーは、べっと舌を出す。 差し伸べられた手を払い除ける。 「バーカ! オマエの言うことなんて聞いてやらねー!」 「オマエと友達になんて、なってやんねェよ!」 「知らなくたっていい。オマエがオレを知る必要はない。 バカはバカ同士仲良くしてな! ゲイザーとチャンドラで!」 ……それは、話の発端── チャンドラとゲイザーが、友達になることの許容だった。 ⇒ (-105) 2021/10/26(Tue) 0:42:40 |
【秘】 死神 ゲイザー → 夜の一族 チャンドラあなたの柔和な笑みが少年を見つめる間際、 リーパーはふいと顔を逸らした。 僅かに、たじろぐ。頬が赤いのは、興奮のせいだ。 「オマエはなんだか気持ち悪いから……。 殺すのはまた今度にしてやる!! 降ろせ!!」 あばれている。 (-106) 2021/10/26(Tue) 0:43:29 |
【秘】 夜の一族 チャンドラ → 死神 ゲイザーこどものように、舌を出して罵るあなた。 わたしは振られてしまったらしかった。 「あら。ゲイザーとわたしのことは、認めてくれるのね」 あんなに拗ねていたくせに。 くすりと笑って、わたしはありがとうと告げる。 でもあなたに許可を取る必要、本当はないのよね。 「でも嫌われてしまったみたい。 困ったわね。こういうときはどうすればいいのかしら」 あなたが暴れたところでわたしはあまり困らない。 どちらかというと困っているのは、嫌われているところからお友達になる方法がすぐに浮かばないから。 (-107) 2021/10/26(Tue) 1:34:39 |
【秘】 夜の一族 チャンドラ → 死神 ゲイザーわたしは別に嫌われたからと諦めるつもりはない。 でも嫌われているのだから、姿を見せると不快かしら。 不快な思いはしてほしくないのよね。 「まあ、いいわ。ええ、降ろしてあげる」 降ろさないという選択肢だって勿論ある。 友達になってもいいと、苦し紛れの言葉だろうと言質をとってしまうまでは降ろさない。 それくらい、わたしはしてもいいのだけど。 「 今日のところはね 」お世辞にも行儀がいいとは言えない言葉をささめいた。 そしてわたしはくすくすと忍び笑い。 降ろさなくてもいいのだけど、また次がある方がずっといい。 (-108) 2021/10/26(Tue) 1:36:36 |
【秘】 夜の一族 チャンドラ → 死神 ゲイザー中庭に向けて、ゆっくり少しずつと降りていく。 軌跡を描く星屑が、まるで夜空へ昇るよう。 地面までもうすぐというところで、わたしはあなたに尋ねることにする。 そんなに難しい問いじゃない。 「空の旅、楽しかったかしら?」 最後にこの答えさえ聞けば、その答えがどうであれ、わたしはあなたを地面に下ろす。 でもそれまでは、顔を逸らしたあなたの頬を見つめながら、いたずらっ子のように笑っていた。 (-109) 2021/10/26(Tue) 1:36:59 |
【秘】 死神 ゲイザー → 夜の一族 チャンドラリーパーは自身に選択権があると思っている。 この夜空で、絶対はあなたにあるというのに。 そして、夜の絶対者は彼を簡単には諦めてくれないらしかった。 それでもリーパーは否定する。 「ハッ! ……いいぜ」 「何度だって、オレに『友達になりましょう』と誘えばいい」 「何度だって、オレをどこかに連れ去ろうとすれば良い」 「オレは、……その度に何度だって。 そんなオマエの魂胆をめちゃくちゃにしてやる!」 ⇒ (-110) 2021/10/26(Tue) 21:21:45 |
【秘】 死神 ゲイザー → 夜の一族 チャンドラ──リーパーは、心底では、 あなたのことを決して嫌ってなどいない。 寧ろ、魅入られてしまった。一目ぼれしてしまった。 リーパーは本当に美しい花は、鑑賞に留めることこそが。 最も尊い愛し方なのだと思っている。 ⇒ (-111) 2021/10/26(Tue) 21:25:00 |
【秘】 死神 ゲイザー → 夜の一族 チャンドラ『ご感想は?』なんて。 ……もちろん、答えはひとつ。 「サイアクだ!」 助けてくれたけれど、ありがとうのひとつだって言ってやらない。 あなたを罵倒し、否定し、距離を取る。 きっとこれは少年にとって、恋だ。 実ることのない、実らせなんかさせない片思い。 どうしたって友達になろうとする夜の魔女。 そして好きだから、近づかない。 その全てを否定し続ける殺人鬼。 歪でおかしなふたりの関係。 でも、どっちも”ヤバいヤツ”なんだから、 これくらい許されるだろう。 今日のところはね。 (-112) 2021/10/26(Tue) 21:26:48 |
【秘】 夜の一族 チャンドラ → 死神 ゲイザー「まあ。それは楽しみね。 どうやってわたしの魂胆を、めちゃくちゃにしてくれるのかしら」 楽しげに笑うわたしは、何も虚勢を張っているわけじゃない。 冒険が好きで、好奇心が強い。 だからこれから追い続けるのも、きっと楽しいと思っている。 そしてその先で、いつか分かり合える日が来ると思ってもいる。 甘いと言われたわたしは健在で、そしてわたしはやっぱり箱入り娘らしかった。 わたしはもう夜だというのに夢想する。 あなたと友達になる未来を夢想する。 もちろん、ゲイザーも一緒。 きっと楽しいはずと、確信だってしていた。 (-113) 2021/10/26(Tue) 22:40:46 |
【秘】 夜の一族 チャンドラ → 死神 ゲイザー「お気に召さなかったかしら。残念ね」 ありがとうなんて言葉が欲しくて助けたわけじゃないから、それはいいんだけど。 言葉とは裏腹に、わたしはやっぱり笑っていて、また夜の空にゆっくりと浮かんだ。 「それじゃあ。 また会いに行くわね、リーパー」 月の灯りを纏い、星屑の尾を描きながら、あなたに手を振った。 あなたと踊るより、少し速度を上げて夜を駆ける。 あなたがそんなわたしを、見送ってくれたかは分からないけど。 そのうちあなたは気付くことになるだろう。 利き手の怪我も、きれいさっぱり、なくなっていることに。 だってその手がそんなんじゃ、ゲイザーも館のお手伝いができないじゃない? (-114) 2021/10/26(Tue) 22:41:10 |
【鳴】 死神 ゲイザーその声色にゲイザーは、”まるで憑き物が落ちたみたい”と思った。 同時に、”今のあたしたちの関係のほうが、きっといい”という、 曖昧な印象も。 「あなたってひとは」 「年頃の女の子の、純潔を奪おうとして置いて」 その癖、幾らでも代わりのいる筈の下女を心底心配してしまう。 照れ隠しのような仕草に、ゲイザーはくすりと笑った。 ねえ、あたし。 あなたになら、初めてをあげてもいいと思っていたんですよ。 「ほんとう、憎み切れない、ろくでなし」 ⇒ (=12) 2021/10/27(Wed) 17:15:06 |
【鳴】 死神 ゲイザー「良いですよっ。あたし、暫くこの館にいますし。 そう、あたしっ。 お手伝いじゃなくて、正式に雇用されたんですっ」 だからこそ、何度でも次はあるのだ。 ゲイザーは贖罪をする必要が有る。 しばらくこの夢から覚めることはできない。 ……けれど、どうやら退屈はしなさそうだ。 ⇒ (=13) 2021/10/27(Wed) 17:17:51 |
【鳴】 死神 ゲイザー「だから『お誘い』は、いつでも。 あたしももっと、あなたのこと知りたいから。 どうでもいいことをお話しましょう」 「……茶飲み友達して、ね?」 ゲイザーは大人になって、少しだけ悪戯ができるようになった。 『えっ!? オレこいつと茶飲むのなんかゼッタイイヤだぜ。 あとジュースがいい!』 あまのじゃくの騒々しい一声と共に、ゲイザーは通信を切る。 きっと、この通信を使うのは最後になるという予感があった。 だって、普通に顔を合わせればいいのだから。 ⇒ (=14) 2021/10/27(Wed) 17:18:42 |
【鳴】 死神 ゲイザー日の光が降り注ぐ、中庭に隣接した通路で、 ゲイザーとリーパーは”そのあと”の話をしていた。 『あっっっっりえねえ!! オマエ、けっこうアイツのこと”イイ!”って思ってたんだろ。 知らんやつに取られて、それで良いわけ!?』 「良いわ。……だからこそ、良いの。 あたしは、あのひとに光を掴んでほしい。 いつも酒に溺れて、誰でもいいから女のひとに助けを求めて。 そんなあのひとが、あんなに穏やかな声色で言ったんだもの。 あのひとを”悲しい目”から引き揚げてくれるのは、 きっとそのひとだわ」 (=15) 2021/10/27(Wed) 17:28:56 |
【鳴】 死神 ゲイザー「相手が誰だって、あたしは祝福する」 「ああ、でも。──優しい人が良いわ!」 ゲイザーは日の光を眺めて、笑っていた。 『はーぁ。オマエ、マジで救いようのないバカだよな』 『ちょっとは分かるけどさ』 これはきっと、二人だけにしか聞こえない内緒話。 さあ、今日はどんなパイを焼こうか。 (=16) 2021/10/27(Wed) 17:29:36 |
【赤】 パイ焼き ゲイザーリーパーは、館の協力者の役目を終えた。 誰かを襲う画策をすることもない。 館の魔力によるこの声も、もう届くことはない。 それにリーパーはべつに、キエのことを 特別だともなんとも思っちゃいない。 これは、刹那の繋がりだ。 だから、別れを告げなければ。 ⇒ (*0) 2021/10/28(Thu) 16:51:40 |
【赤】 パイ焼き ゲイザー「ようキエ! まだこれ、聞こえてるか? いやあ、オマエには世話になったな。 オマエが居なければ、あんな謎は作れなかった」 ⇒ (*1) 2021/10/28(Thu) 16:52:00 |
【赤】 パイ焼き ゲイザー「それに何より、オマエには恩が有る。 あの時は、オレが”下”だったんだ。 オレは副人格だった。 棄てられて、なかったことにされて。 認識すらされなくて」 「……だからひとときでも あいつの躰を奪ってやれたのはスカっとしたぜ! それに、あのお陰で今みたいに対等になったんだし。 何より、ゲイザーのあの顔! あの悲鳴! ギャハハハハ!!! (*2) 2021/10/28(Thu) 16:52:46 |
【赤】 パイ焼き ゲイザー「でもオマエやっぱムカつくわ」 「いつだって人を食ったようなツラしてさ。 オレは誰のいいなりにだってなりたくない!」 (*3) 2021/10/28(Thu) 16:53:16 |
【赤】 パイ焼き ゲイザー「そういやオマエ、最初は探偵だって名乗ってたよな。笑える!」 「……じゃあ、待宵館殺人事件はこれでおしまい。 オチは探偵と犯人の結託による完全犯罪だ。 陳腐で、趣味の悪い、最高のミステリー!」 (*4) 2021/10/28(Thu) 16:54:07 |
【赤】 パイ焼き ゲイザー「捕まえてみろよ、インチキ探偵!」 さよならなんて素直な言葉、言ってやらない。 リーパーはリーパーらしく。 最後に行ってやるのは捨て台詞。 もう殺人なんてする気はないのだけれど。 統べる者に歯向かうのが愚かな殺人鬼の最後の矜持だ。 ……さて、気に入ってくれただろうか、あなたは。 さあ、ご感想は? (*6) 2021/10/28(Thu) 16:55:45 |
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