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【秘】 従業員 ルミ → 会社員 雷恩……あ、でも、ルミしってるよ! こいびとどうしじゃないと、けっこんできないの! しょうらいのゆめ、それにする! (-42) 2024/05/09(Thu) 23:09:10 |
【赤】 従業員 ルミ………………これ以外の方法なんか、しらない わたしは、新しいふたりで始めたかったわけじゃない わたしと、お兄さんで、……そうなりたかった [ ほら。もうこれでいいでしょう。 叶わなかった夢を語るほど、苦しいこともないのに。 ひどいひと。 今も昔も、──わたしの柔いところを刺し続ける。 ] (*115) 2024/05/09(Thu) 23:12:20 |
【赤】 従業員 ルミ答えたんだから、今度こそ離してよ。 どうせもう動けるんでしょう。 ……いじわるだね、お兄さん。 [ そんなところもやっぱり嫌いになれなくて、 わたしは ぐ、と腕に力を込めた。* ] (*116) 2024/05/09(Thu) 23:13:47 |
【秘】 会社員 雷恩 → 従業員 ルミ けっこん?とかよくわっかんねーけど、 つきを食べるのは賛成。 こないだどっかの土産でもらったんだよ、 黄色くて甘いクリーム入った奴。 あれ一緒に食おうぜ! [当時は結婚や恋人という単語に馴染みがなく、 月を食べるという話題で銘菓のことで頭がいっぱいになった。 情緒の発達がもう少し早ければ、結果は違っていたかもしれない。 だがそれではルミが惚れた「笹倉雷恩」ではなくなってしまう。] (-43) 2024/05/10(Fri) 0:13:27 |
【赤】 従業員 ルミ[ 騙しても犯しても傷付けても手にしたかった。 恋が実にならずに落ちるだけなら、 愛が返ってこずに抱えるだけなら。 責めて詰って喚いて足掻いて 忘れ去られる透明な存在になってしまうのではなく 思い出さずとも痛む傷になりたかった。 その後自分が生きるか死ぬかなんてこと、 心の底からどうでもよくて。 積年の恋を殺して執着を埋めてしまったら わたしはわたしじゃなくなるから。 いっそ本当に目の前で死んでやる方が 深い心の傷になれただろうか。 ] (*122) 2024/05/10(Fri) 18:57:56 |
【赤】 従業員 ルミ[ 抉らなければ傷は治る。 その言葉が出てくる時点できっと、 生涯の傷にはなれなかったのだろう。 ] 責任…… ……責任、じゃ、ない わたしの責任を取って欲しいんだったら それこそ子どもでも作って縛ってる。 …………好きだから、忘れて欲しくないから こうするしかなかっただけ…… [ いや、それもある意味責任のひとつなのか。 貴方が好きで忘れられたことが悲しくて、 こうするしかなかった責任を取って 傷付いてくださいと言うようなものかもしれない。 結局安易で安直だった子どもの計画は、 そうやって穴だらけのまま終幕を、 ] (*123) 2024/05/10(Fri) 18:58:30 |
【赤】 従業員 ルミ[ おしまいを迎え──── ] ………………? ……………………ずっと生きて お兄さんに突きつけ…… 罪を突きつけられるべきは、わたし、じゃ…? [ 理解出来ずに数瞬固まって、 俺に罪を突きつければという言葉を飲み込み 今度は戸惑いながら首を傾ぐ。 脳内処理が追いつかない時にぎこちなくなるのは 幼い頃から変わらない癖だった。 罪には罰が伴うもの。 わたしの罪への罰はこの恋を殺すこと。 彼の忘却が罪だと言うのならば、 その罰は今与えられているのでは無いか。 探るように彼の目を覗き込んだ。 未だなお恋に囚われた亡霊のままで。 ] (*124) 2024/05/10(Fri) 18:59:05 |
【赤】 従業員 ルミ[ 矢継ぎ早に彼の口から言葉が紡がれる。 声が音になって、音が輪郭を持ち わたしに恋の種が降り注いで芽生えて。 執着の果ては絶望のはずでは無いのか。 終着の果てで過去が現在に塗り変わる。 ──なんて、そんな、都合のいい夢は。 ] ……、な、んで? 間に合わない方が、お兄さんにとっては 関わらずに済んで良いんじゃないの……? わたしがかわいそうだから? 罪悪感があるから? [ 睨むような目の色で思わず声が萎む。 間に合うと言いたげな様子を見て、 疑問符ばかりが頭上に浮かんだ。 新しい2人で始めたかったわけじゃない。 昔のわたしたちを無かったことばかりにして 平気なふりが出来るわたしと、 平気なふりをさせるあなたなんてものじゃなくて。 ] (*125) 2024/05/10(Fri) 19:00:01 |
【赤】 従業員 ルミ[ わたしが一緒にいたかったのは、 関わらない方が良いような子どもにも笑ってくれて 冷たい雨から連れ出してくれて たくさんのことを教えてくれたお兄さん。 優しいお兄さんが好きだった。 同時にひどく憎かったのだと思う。 あそこでわたしを放って大人になるのなら、 ずっとなんて無理だと突き放してくれたら。 ────今この場で言ってくれたなら。 このどろどろに煮詰まった貴方への愛を きっと正しく罪悪として扱えた。 これは手離したくない愛執で、 けれど手放さねばならない妄執なのに ] (*126) 2024/05/10(Fri) 19:00:46 |
【赤】 従業員 ルミた、…たかが10年ちょっとって何よ! わたしには永遠に近い時間だったんだから! 死ぬまでとか、ずっととか、 そういう……そういうのっ いまさら信じろって!? [ まるで子犬が噛み付くように言葉を返し、 今度はこちらが彼をき、と睨んだ。 なんの気の迷いかは知らないが 少なくとも正気じゃないと叫びかけて、 ] (*127) 2024/05/10(Fri) 19:01:09 |
【赤】 従業員 ルミ─────────…………っ、 [ 自分で傷付けておいて、傷を勝手に食べて、 どうして今更そんなことを言うのだ。 なんとも傲慢な「俺の」という呟きに、 何故か力が抜けて暴れる気力も失った。 ──記憶の補完なんて。 都合のいいことばかり吹き込まれたらどうするのか。 ずっと、がいつか重荷になる日がくるのに、 唇を噛んで、錆びた鉄の味を感じながら わたしは大きく息を吐いた。 ] (*128) 2024/05/10(Fri) 19:01:33 |
【赤】 従業員 ルミ……………… ……………………どういう心変わりか知らないけど… 死ぬまでの間、ずっとずっと 他の女を好きになった分だけ腕切ってやるから。 わたしを捨てようとしたら死んでやるし、 その言葉を裏切ろうとしただけで気付くし…っ ────分かってるの? わたしにそうやって捕まったらもう二度と 普通の人生送れないんだよ。 (*129) 2024/05/10(Fri) 19:02:06 |
【赤】 従業員 ルミお兄さんの痛みも、傷も、 人生ごと一緒にわたしが食べちゃうんだよ? [ これが最後通牒だ。 蜘蛛の毒で目を回していたとしても、 今ならまだ逃げられる。 逃げて欲しいのか、逃げて欲しくないのか 問われてもきっとすぐには答えられない。 わたしに残ったただひとつの明瞭は 今なお抱え続ける恋心だけ。** ] (*130) 2024/05/10(Fri) 19:02:33 |
【秘】 会社員 雷恩 → 従業員 ルミ[ふつうだと思っていたが。 もしかすると自分はふつうではない感覚の 持ち主なのかもしれない。 もしかすると最初から。 ――――捕まったのはどちら?] (-45) 2024/05/10(Fri) 21:39:08 |
【赤】 従業員 ルミ[ 自分の傷は自分にしか分からない。 なのに心の傷は自分だけでは癒せない。 ずっと消えない傷になりたかった。 そうすれば彼の中で、彼の人生の中で、 彼に恋していたわたしが生きてる。 ] ……自分の目でって、いわれても、こまる……。 そんな、 ………… [ なにが" 困る "? 願ってもない、自分にとって都合の良い話じゃないか。 通報もされず突き放されもせずに 一生かけて彼の傷を抉って生きて行けるなら。 そのずっとがもしも訪れなければ、 今度こそ本当に彼のせいだと罪を詰ることが出来るし そうする権利も得られるだろう。 ] (*136) 2024/05/10(Fri) 22:22:36 |
【赤】 従業員 ルミ[ 目を逸らさず言葉を続ける彼になにも言えぬまま、 ただ呼吸だけを繰り返す。 何も変わっていない。──そうだろうか。 あの時無邪気に誓った貴方の痛みの食べ方が、 正しく優しくそうする方法が。 分からないままここにいるのに。 ] ……お兄さん、変わんないね……。 ………………。 ずっと一緒にいるなんて言われたこともないし、 未来の約束なんか、したこともなかったし できないことを言われたことも、ほんとは、ないよ… [ ライ。 周りの人が呼んでいるお兄さんの名前。 同じ呼び方で呼びたくないって嫌だった二文字。 でも今は、気付けばわたしが、一番最悪な意味を込めて お兄さんを嘘つきって呼んでる。 ] (*138) 2024/05/10(Fri) 22:22:49 |
【赤】 従業員 ルミずっとルミって呼ぶって言ってくれたのも 痛いの食べてくれるって言ってくれたのも。 嘘になんか、なってない、のに ────……ごめんなさい、 お兄さん、 [ 何を謝っているのか、自分にも分からなかった。 理不尽な理由で傷付けたことなのか。 信じようともせず嘘つきと詰っていることなのか。 こんなことをしておいて、 見捨てられない自信がないから不安がっている。 愛されることも恋が叶うことも諦めたから、 不確かな糸が、まだ続いたことに怯えているだけ。 ] (*139) 2024/05/10(Fri) 22:22:53 |
【秘】 従業員 ルミ → 会社員 雷恩[ かくして。 日常と同じ色で作り上げられた蟻地獄で 肉食獣を食べ切れなかった蜘蛛がいっぴき。 ] (-47) 2024/05/10(Fri) 22:23:05 |
【赤】 従業員 ルミ[ 傷付け続ける許可を出すなんて普通じゃない。 自分がそうしてしまったのか、 或いは元からそうだったのか。 分からないなら、この先で知れるだろうか ──ほんとうにまだ道があるのなら。 ] ……わかった、自分の目で確かめる。 やっぱ無しとか聞かないから。 逃げても追い掛けて捕まえて、 ──────ッ ゎ、 [ もはやお得意になった脅しのような羅列を連ね ──ようとして、言葉が止まる。 突然彼の身体が起こされるのを止められず、 反動で後ろに倒れそうになったのを堪えると 見上げた先には貴方がいる。* ] (*140) 2024/05/10(Fri) 22:26:44 |
【秘】 会社員 雷恩 → 従業員 ルミ[1人で痛い想いはさせない。 手首を切る腕はずっと繋いでおく。 いつかそれが離れるのが怖いなら、 糸でぐるぐる巻きにすれば良い。 小指と言わず、ルミが望む場所全てを縛って。 他の誰かとの道があったとしても 見えなくさせるだけの力を今の彼女は持っている筈。] (-49) 2024/05/10(Fri) 23:01:29 |
【赤】 従業員 ルミ[ 物語、は。 ハッピーエンドのその先がどうなっているのかを 仕事中にふと考えたことがある。 たとえば、いじわるな継母たちから離れて 王子様のもとに嫁いだシンデレラ。 あのまま彼女たちは不幸などひとつも知らず、至らず、 生きていくことが出来るだろうか。 " 恋愛の成就 "で大団円、終幕になるのなら その先がどうなっても読者に知るすべはないけれど。 結ばれて終わるのがおとぎ話の運命ならば。 ] (*145) 2024/05/10(Fri) 23:30:56 |
【秘】 従業員 ルミ → 会社員 雷恩[ 終わらせない現実がひとつくらいあってもいい。 運命で縛って、結んで 毒のない林檎の甘さに視界を霞ませて ────ほかの何も見えないように。 ] (-50) 2024/05/10(Fri) 23:31:02 |
【赤】 従業員 ルミ…………ぅん。 [ 忘れてたわけじゃない、と言うのはやめた。 飲み込んだ罪の味。 気付かないフリをしていたふたりの過去。 記憶の残り香が頬を撫でる。 匂い立つような昔の思い出が部屋に漂う。 変わったね、と貴方を詰ったこのなかで 変わらない、と優しいままの貴方を見つめた。 痛みも恨みも苦しみも煮詰めてしまったその後に それでも消えないふたりの今が残っている。 ] (*146) 2024/05/10(Fri) 23:31:07 |
【赤】 従業員 ルミッいきなり起きると、危ない…… [ もうほとんど薬が抜けたらしい。 油断して転びそうになった背中を支えて貰いながら、 「ありがとう」と言おうとして。 呆けたわたしの顔が、貴方の水晶に映り込む。 ] ぇ、 [ 唇は赤い。 おとぎ話の白雪姫よりも真紅に濡れて りんごよりも苦くて錆びた味で満ちて。 ] (*147) 2024/05/10(Fri) 23:31:12 |
【赤】 従業員 ルミ──────…、 [ 言い終わると同時に奪われていく鉄の味。 睫毛を震わせ、瞳を瞬かせるのも忘れて瞠ると いよいよわたしの思考は現実に追いつかない。 こいびと。 なる。 だれの? ────わたしの。 だれが。 ────お兄さん? 言ったからには、嘘には、ならない。 ] (*148) 2024/05/10(Fri) 23:31:26 |
【赤】 従業員 ルミお兄さん、わたしのもの? ……もう他の女のところに行かないんだよね? ────死ぬまでずっとずっとずっと わたしに縛られて生きててね、お兄さん。 [ 笑う。 痛みを誤魔化すためでもなく、 無邪気だったあの頃のにおいを連れ立って。** ] (*150) 2024/05/10(Fri) 23:35:38 |
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