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【秘】 高等部 ラピス → 花信風 トットもう一度、頷く。 何度読んでも、書いてある文字は変わらない。 今日居なくなるのは、トットなのだと。 いつか来るかもしれないと、薄々は考えていたこと。 青ざめるその顔を、それよりずっと深い青色の瞳が見つめている。 『決まってしまったことです』 無慈悲に、そう伝えるしかできなかった。 (-150) 2022/05/06(Fri) 0:25:48 |
【秘】 花信風 トット → 高等部 ラピス決まってしまったこと。 その言葉に大きな瞳を揺らして、薄く開いた口から「ぅ」「ぁ」と意味の無い音が漏れる。 「だっ て」「や」 「うん、うん わかっ た 」「おれがいけばいーなら そ、やっ て」 何度も、何度も何度も、自分を納得させるように頷いて。 ここで拒めば迷惑になってしまうから、自分が素直にならなければならないと。 素直にならなければいけないんだけれど。 ──ぐしゃりと、花飾りを掴むように頭を抱える。 「お、おれ」「はっ、」 「 おれたち が」「さけなくなる」 「さけなくなっちゃう」「はな」「が」 ……浅くなっていく呼吸の合間、とぎれとぎれに。 困らせちゃだめなのに、大丈夫なのに、 巡る血がそれは駄目だと頭を揺らす。 「わ わ、かった わかったよ んふ ありがとラピス」 「あは あの いつでもついてく 、 からさ」 (-155) 2022/05/06(Fri) 0:48:00 |
【秘】 雷鳴 バット → 高等部 ラピス扉の前で暫し腕を組んで立ち尽くしている様子は、 けれども変わった人間として捉えられているのだろういつもどおりの青年からすれば、 特別変わったこととは見られなかったはずで。 つまり、目撃するものがあったとしてもそれを別の事項と紐付けられることはなかっただろう。 閉じていた目を開けて、貴方の方を向く。 変わった様子はないようだから、少しほっとしたように体の力が抜けた。 口を開きかけて、しばし。あちこちに目をやって。 「歩こうか?」 行き先は寮の建物よりかは外、特にどこと定めているわけではないけれど。 誰にでも聞かれていい話では、ないだろうから。 (-156) 2022/05/06(Fri) 0:59:43 |
【秘】 高等部 ラピス → 花信風 トット「………」 誰もが、病を治したいと考えているわけではない。 誰もが、治療を受けたいと考えているわけではない。 それはよくわかっていた。 花飾りを掴み頭を抱える様子を見る。 『無理をしなくても大丈夫です』 "あなたたち"にとっては、受け入れ難いことなのだろうから。 子どもらしく、我がままを言ってほしかった。 子どもらしく、弱音を零していてほしかった。 「………」 『花を』 『花のお茶を、飲みましょう』 『森に行く前に』 紙袋でもらった花弁。 一度、仕事をこなすために使った。 まだ余りはあるから、あなたと一緒に飲みたかった。 (-157) 2022/05/06(Fri) 1:11:35 |
【秘】 高等部 ラピス → 雷鳴 バットここ暫く、前よりも遠巻きに周囲と接しているところを見ていたから、心配する気持ちがあったのは少女も同じで。 久し振りに近くに感じる青年の姿に、安堵する気持ちがあった。 受け取った手紙を自分の言葉代わりに掲げて、『大丈夫?』と同じように尋ねる。 あちこちに視線を巡らせるのを見て、 気を遣ってくれているのだろうなと少し嬉しくなる。 後ろ暗い役目を背負ってしまったものだから。 「!」 提案に頷きを返して、部屋を出る。 いつも持ち運んでいる黒板を肩から提げて、 歩き出す青年にちょこちょことついて外に向かうのだった。 (-159) 2022/05/06(Fri) 1:26:52 |
【秘】 雷鳴 バット → 高等部 ラピス廊下から外へと出でて外を歩く。夜気はほんのりと冷えている。 向かう先は森の方――……ではなく、寮の後ろ側に回ったところの草木の茂み。 森には繋がらず、建物間を仕切るようにある人工林。 少なくとも話し声は緑に吸われて、外へは通らない。 「大丈夫?」「ええと」 じゅうぶんに人の耳からは離れただろうところまで行って改めて問い直す。 けれども少し考えてから、その内容が伝わらないことに気づいた。 どう説明すべきか。それを頭の中でなぞっている内に、 あまり良くない姿を見せた――青年はそう思っている――ことを思い出す。 先導する足が遅れて、少しばかりうつむきがちになった。 「森へ連れてってしまった」「だから、なにか」 「疑いを持たれたりしたんじゃないかなって」 (-161) 2022/05/06(Fri) 1:50:53 |
【秘】 高等部 ラピス → 雷鳴 バット『何もありませんでしたよ』 何も、疑われることはなかった。 あなたが庇ってくれたことも理由の一つだし、 森に居ても"不自然ではない"生徒だから。 少なくとも、青年が見かける範囲で少女の扱いが何か悪くなったような兆候は見当たらない筈だ。 同じように、少女の中で青年の扱いが何か変わることもなかった。 それは充分に真実を理解していないからであるかもしれないのだけれど。 『バットくんは』 『バットくんではなかったのですね』 あの森での出来事。 その時に聞いたもう一つの名前のことを指しているらしい。 ただの確認以上の意味は込められていない言葉。 つられて歩みが遅くなる。 風に合わせて、草木の枝葉が微かに揺れるのを眺めた。 (-166) 2022/05/06(Fri) 2:50:16 |
【秘】 童心 クロノ → 高等部 ラピスゆっくりと文字を綴る細やかな音に ぎゅっと涙を堪える様に瞑った目を、開き。 「…………、」 「どうにも、ならないこと…………」 綴られた文字を、小さく復唱する。 あなたの心が、石になってきてるなんて そんなの、やっぱり気のせいだ。 だってあなたは、こんなに、やさしいから。 堪えた筈の涙は、結局瞳から零れ落ちていく。 ▼ (-181) 2022/05/06(Fri) 8:34:40 |
【秘】 童心 クロノ → 高等部 ラピス「ぅ、」 「ゔえええ…………」 あなたの肩に顔をもたれて、 同じぐらい小さいあなたの身体に、 しがみつくようにしながら泣きじゃくる。 服の下に感じる硬い感触。 つらいのはわたしだけじゃない、 わたしだけじゃないんだから、 しっかりしないと、いけないのに。 そんな風に思ったとて、 あなたの優しさを突っぱねる事なんて出来る訳もない。 優しい手つきも、包み込むようなあなたの香りも、 ゆるしてくれる言葉も。今、本当に沁み込んでいくように心地好いから。 そうして、そのまま、あなたにしがみついて泣いている。 (-182) 2022/05/06(Fri) 8:45:12 |
【秘】 充溢 バレンタイン → 高等部 ラピス「……ラピスさんは、 皆が、……そうやって『良い方向』に進めると。 心の底から信じられると……思いますか? 僕は、……僕はそう思えなくて、不安だから…… 不安が溢れて止まらない、病気が……治らないんだ。 良いことなんて……悪いことの前には……無力で」 ふつふつと煮え立つ、充溢したソレは、 茶の香りと微かなチョークの音で、 押さえつけるまでもなく霧消していく。 良いことは考えられないけど、 自分でも信じられないくらいに心中は穏やかで。 「でも万が一、みんな治療を…… 受けさせられてるのだとしたら。 それは、……悪いことを考えてしまう僕、とかには。 残酷で、……優しいこと、なのかもしれないな」 暗中に背中を押している、ということなのでしょう?と、 終ぞ隠し味の正体、出どころには気づかなかったが、 最後に上げた顔の口元は僅かに微笑んでいる。 「……そう、だね。休もうかな。 やろうと思ってたことは、あるけど…… ちょっと眠った、あとでも……遅くはないだろう、し」 (-184) 2022/05/06(Fri) 10:38:20 |
【秘】 花信風 トット → 高等部 ラピス「ん」 「んう うん うん……」 息を整えて、整えて。 無理はしなくて大丈夫という言葉がありがたくて。 ──頭から手を離す。ぶらりと降ろした腕の包帯は、朝食の後にまた新しくなっていた。 「……いっしょにのんでくれるの?」 「おれ ラピスといっしょにおちゃのみたい……」 歩み寄って、あなたの袖を引く。 (-186) 2022/05/06(Fri) 11:42:09 |
【秘】 高等部 ラピス → 童心 クロノ泣きじゃくる身体をぎゅっと抱きしめて、 あやすように背中を叩いた。 心の中に溜まったものが全部吐き出されるように。 涙の沁み込んでいく服が、悪い感情も全部奪い取ってくれたら良い。 ──しっかりしなくていいよ。 甘えたいときに、弱音を吐きたいときに、我慢なんかしなくていい。 小さな身体でも、誰かを支えるくらいの力はあるのだと伝えたかった。 私は大丈夫だから、あなたがつらいときに頼ってほしい。 落ち着くまでは、ずっとそうして待っている。 (-198) 2022/05/06(Fri) 13:56:28 |
【秘】 高等部 ラピス → 充溢 バレンタイン『絶対などは無いのだろうと思っています』 善意というものは時に悪手となる。 だから、これはきっとただの傲慢なんだ。 不安を押し退けて、治療を押しつける。 許されない時が来るんだろう。 『バレンタインくんが、良いことが悪いことに勝てると信じられる時が、来てくれると嬉しいです』 『不安を見ないようにするのではなく、 不安を正面から見据えられる時が来てほしい』 それは全部、願望なんだけれど。 僅かに持ち上がる口角を見て、反対に此方は眉を下げた。 こうして罪悪感を覚えることすら、白々しい行いをしている。 背中を押すよりは、突き落とすと形容されるべきなのだろうか。 『片付けは私がやっておきます』 『もう寝てしまっても、大丈夫ですよ』 おやすみなさい。 心の中でそう呟いて、その意識が眠りという名の海に沈むのを少女はただ見つめている。 (-199) 2022/05/06(Fri) 13:57:27 |
【秘】 高等部 ラピス → 花信風 トット真新しい包帯が目に止まった。 袖を引くあなたを安心させるように微笑んで、そのまま手を引いて歩き出す。 生徒を"連れて行く"ときには、 ある程度行動に自由が与えられる。 とことこ、小さな足音が向かった先は 誰もいない調理実習用の教室。 鍵で施錠を解いて、その中へ。 「………」 広い教室の中、調理台の一角にトットを座らせると 鍋にミルクを注いで火にかける。 沸くのを待つ間に、花弁を紙製のティーバックに詰めた。 紅茶でミルクティーを作るのと同じ手順。 ▼ (-200) 2022/05/06(Fri) 14:05:24 |
【秘】 高等部 ラピス → 花信風 トット「………」 後はカップに注ぐだけというところで少し考える。 ポケットから小瓶を取り出して、 あなたに見えるように持ち上げた。 入っているのは真っ白な粉末。 一見しただけだと塩や砂糖にしか見えないそれは、 何度も"仕事"で助けられている睡眠薬。 ──使う? 麻酔と同じだ。 眠っている間に運ばれてしまう方が楽なら、そうする。 自分で向かうのなら、やめておく。 その確認を取るために、掠れた息だけであなたに尋ねた。 入れてしまえば、飲み終わる頃には睡魔が意識を奪っていくだろう。 (-201) 2022/05/06(Fri) 14:06:37 |
【秘】 童心 クロノ → 高等部 ラピスしばらくそうして、ぐすぐすとあなたにしがみついて泣いて ひとまず溢れて来たものが収まれば、 その肩に顔を擦りつけた後に顔を離す。 ……こうやって零した涙を 少しばかり勿体なく思うのは、 涙も汗も唾液も、美味しそうに食べる彼の顔を 見てしまったからかも知れない。 涙として吐き出した分は確かに軽くなって 溜息の様に口から息を漏らしては、 幼い顔のまま、小さく笑顔を浮かべた。 「……ごめん、ありがとう………」 「ちょっと、おちついた……とおもう。」 (-205) 2022/05/06(Fri) 15:39:32 |
【秘】 高等部 ラピス → 童心 クロノ幼い笑顔を見れば、 両手を頭に差し込んでわしゃわしゃ、頬を挟んでむにむに ここ数日していなかった戯れるような仕草。 後ろ髪を引くような感情がまだその内側に残っているようにも思えたけれど、僅かでも心を軽くできたのならそれで良い。 幼い良心が、都合よく利用されなければいいなと思った。 『どういたしまして』 お礼への返答だけ書いて、手帳を見せる。 (-211) 2022/05/06(Fri) 16:50:01 |
【秘】 童心 クロノ → 高等部 ラピス「ん……、へへ、」 ぴき、と小さな音。 戯れに大人びた顔が笑って、 おかえし、というように あなたの頭をわちゃわちゃと撫でる。 これもまた、よくやる事だ。 「……すっきりした、から……、 ちょっと、お散歩……してくるね。 ほんとに、ありがとう、ラピスちゃん」 (-214) 2022/05/06(Fri) 18:38:24 |
【秘】 高等部 ラピス → 童心 クロノお返しをされてふふ、と満足そうな顔をした。 こくり。 『いってらっしゃい』 またペンを走らせて、送り出す言葉をかける。 散歩に出掛けるクロノに手を振って、 その場はお別れをしただろう。 (-221) 2022/05/06(Fri) 19:00:53 |
【秘】 花信風 トット → 高等部 ラピス手を繋いで先導するあなたの後ろで、鼻をすする音が聞こえたかもしれない。 調理実習室に入れば、素直に座って。 ふつふつとミルクが鍋にかけられて泡が浮かぶのを、ぼうっとした顔で見ていた。 一つ一つの手順を、緩慢に目で追って。 小瓶を見れば。 「……………………」 「うん。おれ、ねむりたい」 「そのほうがいい」 頷いた。 「……しあわせなゆめ みてたほうが」 「おれは こころのじゅんび できるから……」 (-223) 2022/05/06(Fri) 19:14:41 |
【秘】 雷鳴 バット → 高等部 ラピス「そうか」 貴方があの場所、あの時の立会人だと知らない青年は、 ただただ貴方になんらかの疑いが及ばなかったことに安堵した。 教員棟から出ることの叶わなかった一日、 それからもう一日を経て周りの変化を目にして、やっと安心したのかもしれない。 「バット、であってる。ただ、そうじゃない呼び方をする人もいる。 人によって違う、のかな。わからない。家族は、バットって呼んだ」 日の落ちるごとに青年の動きはしっかりとしてきて、言葉も明瞭になる。 まるで陽光に押さえつけられていたかのように、背筋は真っ直ぐに伸びる。 鬱蒼と茂る木々は森ほどではないが、周りの光を遮って。 下生えの長いところまで足を進めると、木の根元に腰掛けた。 「先生の中には、そう呼ぶのを咎める人もいる、みたい」 (-225) 2022/05/06(Fri) 19:27:13 |
【秘】 高等部 ラピス → 花信風 トット「………」 頷かれれば、淹れたてのお茶に匙ですくって粉を入れ溶かして、片方をトットの前に置いた。 からん、とティースプーンが乾いた音を立てる。 しあわせな夢を見るための片道切符。 怖いことが何もなければいいのにと思う。 いつも元気なその姿が今は見えないのが寂しかった。 どうぞ、と身振りで促して、自分は両手でカップを包むように持つ。 手袋越しにじんわりと温かさが移った。 (-227) 2022/05/06(Fri) 19:42:37 |
【秘】 花信風 トット → 高等部 ラピス「ありがと」 ティーカップを貰えば、少し微笑んだ。 倣うように両手で持ち上げて、ふう、と息を吹きかける。 空気の揺らぎと小さな波に混じって、花の香りがした。 瞬きをして、そのまま一口。 甘い。 ……もう、後戻りもできない。 コク、コク、とまた飲んで、ほうと吐き出す息さえ温かい。 ……少し思考がぼやけてきた。眠る前に、と。 「ラピス」 「おれ、たぶん……だめになっちゃうとおもう」 「なおったら」 「 おれたちさかなくなったらつかわれなくなっちゃう 」「それがこわいの」 ゆっくり、まばたき。それから、もう一口。 「ラピスは」 「 さかないはなをゆるせる? 」 (-235) 2022/05/06(Fri) 19:59:49 |
【秘】 高等部 ラピス → 花信風 トット何度、微睡みに浸かっていく姿と向き合っただろう。 甘さを口の中で転がして、問い掛けに耳を傾ける。 「………」 少年にとっては、咲くことが、 使われることが存在意義なのかもしれない。 静かに黒板をチョークがなぞる。 『咲かない花があっても、良いと思います』 『世の中全てのものに、使い道は必要ないと思います』 花はただ、咲けるときに咲くだけ。 咲かないなら、そういう花だっただけ。 それが自然なことだと少女は思っていた。 使われなくても、誰が見ていなくても、花はそこにあっていい。 そこにあったことを覚えている人がいれば良い。 『私は、許しますよ』 それが答えだった。 (-240) 2022/05/06(Fri) 20:19:09 |
【秘】 高等部 ラピス → 雷鳴 バット『では、私は今まで通りバットくんと呼んで良いのですね』 人によって違う。 そこにどんな意味や目的が隠れているのかはわからない。 でも、今まで接してきた"少女にとっての青年"はバットだから、これからもそのままで良いかなと思った。 『呼び方がいくつかあるのは不思議な気分です』 『なぜ、咎められてしまうのでしょうか』 同じように、適当な木の根元にちょこんと座る。 小さな体躯はすぐに木々や茂みに紛れてしまいそう。 普段より更に低くなった目線で、また頭上の枝葉を眺める。 ぼうっと過ごす時間は嫌いではない。 (-242) 2022/05/06(Fri) 20:20:30 |
【秘】 雷鳴 バット → 高等部 ラピス「わからない。でも、理由はあるんだと思う。 ……ミゲルって呼ばれたのは、久々だったかも。 先生たちもたまに、そう呼ぶ人はいるけど」 曖昧に混在している理由は、少なくとも青年はきちんと認知できていないようだった。 どうして自分がそう呼ばれているのか、意味や実情も理解していないのだろう。 だから含みもなく、貴方と同じように首を傾げるだけ。 傍に座った貴方の横に身体を寄せて、じっと見下ろす。 視線の向いた先は自分と同じように、手袋をした手先。 しばらく黙ったまま視線だけが刺すように落ちた。 考えていることを隠すように他愛のないことで間をつなぐ、なんて、 器用なことは青年には出来ないらしかった。 不自然な間があってから、ようやくといったふうに声を出す。 「……ラピスは…… どうして、手袋をしているの。」 (-244) 2022/05/06(Fri) 20:35:11 |
【秘】 花信風 トット → 高等部 ラピス「…………、……ふふ」 蕩けていく思考の中。狭くなった視界であなたの文字をなぞって。 「よかったぁ」 「じゃあ、 おれ さけなくなっても」 「まだ さけてても」 「いーんだ」 遠のく意識の中、置いたカップは もう空だ。 「ありがと」 「……らぴす」「これ」 座っていられなくなって、机に伏せた。 おもむろに頭に──花飾りに手を伸ばして、 ぷちり、と 音がした。 「……じつは これも」 「おれ のはな……ヘヘ」 「あげる」 あなたのカップの横に、そっと置いて。 そのままふと、意識を手放した。 幸せそうな顔で寝息を立てている。 (-248) 2022/05/06(Fri) 20:39:40 |
【赤】 高等部 ラピス「………。」 夕方、誰もいない空き教室。 静かに席に腰掛けて、壁掛け時計の針が進むのを見ていた。 今日は珍しく黒板に文字を書き殴っていないらしい。 淹れた花のお茶のおかげだろうか。 手元にあるマグカップはとっくに冷めていたけれど。 少しの間ぼうっとして、中身を全て飲み干してから教室を後にした。 (*28) 2022/05/06(Fri) 20:47:54 |
【秘】 高等部 ラピス → はなわずらいの トット寝息を立てる姿を見て、黙り込む。 最初からそこに声は無かったけれど。 ゆっくり、手袋を外す。 その下にあったのは、所々が青い鉱石で覆われた肌だった。 夜空を映したようなそれは、まるで ラピスラズリ だ。眠りに沈んでいくあなたの頭にそっと、その手を置く。 きっと記憶にも残らないかな、なんて思いながら数度撫でて。 カップの側に置かれた花を指先で拾い上げて、大事に抱える。 大人たちが迎えに来るまで、少女はずっと側にいた。 ありがとう。良い夢が見られるといいね。 ………おやすみ、トット。 (-251) 2022/05/06(Fri) 20:55:26 |
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