【秘】 エン → ハチヤ[とろとろと意識が浮上する。 したけど、俺はまだ動けそうにないからそのままベッドに突っ伏したままだった。だって…だって、あんなにすごいものだって知らなかった。体のあちこちが痛いし、なんか、うん。ありていにいうと、なんかまだはいってる、みたいな。いやないけど。喉も痛いし、腰に力入らないしたぶん立ち上がれない] ぁ。あーー…… [試しに声を出してみたら、すげー酷い声だった] (-8) 2021/04/03(Sat) 2:21:32 |
【人】 ハチヤ[ここがいつもの部屋じゃないってことはわかった。 じゃあきっと隣で寝てる人の部屋で、おれが迷い込んだのかなって過ったんだけど──… パーティーで知らない女の子から変なものを食べさせられて、それから先がもやもやしてるんだけど…… 今起きてきたのは髪型とか顔だけなら女の子で通るかもしれないけど、体つきはどう頑張っても女の子じゃない。 おれの名前を呼ぶかすれ気味の声も、女の子のものじゃない。 んで、この人はおれの隣で寝かせられてた。 状況的にこの人はおれと同じってことなんだと思う。 …………つまり] ……おれら、誘拐されたの? [って、ことだと思うんだ。 あの子の被害者おれが1番、この人2番。 この人ひどい目に合わされたみたいだから順番逆かもしれないし、他の部屋にもおれ達みたいな人がいるかもしれないから、ほんとはもっと番号があるのかもしれないけど…… 今はそういうことにしとこう。 そういえば、この人なんでおれの名前知ってるんだろ?] (22) 2021/04/03(Sat) 12:12:41 |
【人】 ハチヤ[学園に放り込まれてすぐの頃、何が原因だったのかは思い出せないけど、 おれが大事にしてたものが盗まれて、ぼろぼろになって返ってきたことがあったんだ。 きちんと宝物がぼろぼろにされた分、犯人もぼろぼろにしたけれど、先生にはめちゃめちゃ怒られたし、一部の授業は出れなくなっちゃって。 それ以来、わからないヤツとは付き合ってもいいことなんてないだろうから、おれは必要最低限の人以外と関わらないようにしてたんだ。 だから、えっと、ほんとに] ごめん、きみ、だれ? [知らない=交流がないって言ってもいいから、2番の人に心当たりが無さすぎた**] (23) 2021/04/03(Sat) 12:21:20 |
【念】 ハチヤ[ おれの疑問に2番の人はだんまりで、でもぐるぐるして泣き出しそうなのはわかっちゃった。 ねえ、すごい気になるんだけど。 ちょっと落ち着くまで待つ必要があるっぽい?そんなに2番の人の事情って複雑なのかな。 ……ねえ、おれ、すっごい気になるんだけど! ふるふるしてる布の塊っていつ落ち着くんだろ? おれ、めちゃめちゃ気になるんだけど!! 目の前に答えがあるのにおあずけなんてしたくない。 だから、おれが2番の人の布団を引っぺがしにかかるのは仕方がないことだと思うんだ! ] (!1) 2021/04/03(Sat) 22:55:45 |
【念】 ハチヤ[ 2番の人は服こそ着ている状態だったけど、それでもそこからのぞく首筋や腕にうっ血のあとがあったんだ。 それがなんの痕なのかってことくらい、おれにだって──…ちがう、おれだから、わかる、から。 ] ──ごめん、おれ、お湯持ってくる…… [ これって、他人に見られたくないものだよねって、おれはわかるから、 それを暴いちゃったおれは、ばつが悪くなってその場を去ろうとしたんだけど…… ] (!3) 2021/04/03(Sat) 23:10:06 |
【念】 ハチヤ[ 『旦那さんが旦那さんになった時の匂いがあった』 ──ふと、意識を失う前におれが食べたものを思い出してしまったんだ。 だから、去ろうとした足は止まるし、2番目の人の布団どころか服も脱がそうとするよ、おれ! だって、もしおれが考えたとおりのことがあったなら、この人にもおれみたいな 鱗 が生えちゃうってことだよね!!鱗そのままにしてたら死んじゃうもん!ちゃんと確認しなくっちゃ!!* ] (!4) 2021/04/03(Sat) 23:11:37 |
【念】 ハチヤ[ 『記憶、ないん、じゃ』 2番の人がボタンに手をかけたおれの手を押しとどめなら言った言葉に。 旦那さんの時と同じだっておれはわかっちゃったんだ。 あの時と同じってことは、おれはきっとこの人を手酷く抱いたんだろうなってことだから、必死の抵抗も仕方ないって思うんだ。 おれはしちろが旦那さんだったからまだマシだったけど、この人はおれが覚えてられないほどに面識がないおれが旦那さんになっちゃったんだ。 それは、つらいことだってことぐらいはわかるから。 ] (!8) 2021/04/04(Sun) 0:23:58 |
【念】 ハチヤ[だから、泣きたいだろう2番の人より先に、俺は泣き出してしまうし] ごめん。 おれ、おれのせいで、君に、うろこ、死んじゃうから……。 おれ、覚えてないけど、 君を無理矢理、抱いたんだと思う。 おれの、時が そうだったから……。 ごめん、ほんとうにごめん…… [ぐしぐし泣きながらも、鱗を確認するという鉄の意志は揺らがない*] (!9) 2021/04/04(Sun) 0:24:34 |
【念】 ハチヤ……いたい [ ボタンに集中してたのもあって2番の人の拳骨は、見事におれの頭を捉えたから。 ぐわんぐわんとする痛みに、俺は手を止めちゃうし、もう一回はくらいたくないから、両手で頭を覆いながら2番目の人の顔を見たんだ。 ] (!11) 2021/04/04(Sun) 1:09:38 |
【念】 ハチヤ[ ……うん、ちょっと落ち着いた。 襲われたヤツに服を剥かれかけたら普通は怒るよね。 ちゃんと説明しなくっちゃ。 ] えーっと。んーーー… おれがお嫁さんになったから鱗が生えたんだってしちろが言ってて。 一週間くらい番ってれば血が安定して鱗なくなるって言ってたんだけど、その前にしちろが死んじゃっておれはこうなっちゃった。 あ、しちろはおれの旦那さんのことだよ。 今度はおれが旦那さんになったから、君にも鱗が出るかもって思って、 鱗出たらちゃんとやらないとおれみたいになっちゃうから…… だから鱗あるか確認しなきゃって、おれ思って…… [うまく言葉を選べなくて、でも言いたいことが伝わらないとだめだから。 おれはいろいろぶっちゃけた。ぶっちゃけすぎたけど仕方がない、人命が最優先だからね**] (!12) 2021/04/04(Sun) 1:14:26 |
【念】 ハチヤ条、件……ごめん、頑張って思い出す。 [ お嫁さんになる前に条件があったらしいけど、頑張って思い出そうとしても、きれいさっぱり消えてしまったおれの記憶が戻ることはないみたいで。 思い出して満たさないと2番の人を抱けなくて、 このままじゃおれと同じになっちゃうから、頑張ってみたさないといけない。 そうなるまでは…………そうだ。 ] じゃ、じゃあ、今度から鱗出たら教えてほしい。 鱗出なくなるまで、おれが君の鱗剥がすから! [ 応急処置にしかならないけど、やらないよりはずっといい。 お風呂の手伝いはもちろんするよ!鱗のチェックもしたいもん* ] (!17) 2021/04/04(Sun) 10:10:41 |
【念】 ハチヤ[ 2番の人を湯船につける前に、その衣服を解いていくんだけと… ] …………っ! [ うっ血噛み跡、丹念に舐めたんだろうなって唾液黙りまである状態に、きちんと洗ってやってから寝かせなよ昨日のおれ!!!って、なるよね。 なっちゃうのはしかたないよね。 ] どんだけだったんだおれ…… [ 残された痕は行為の激しさを雄弁に物語っていたから、ごめんねって言わずにはいられない。 真っ赤になったり真っ青になったり、おれの顔はちょっと酷いことになっていただろう。 ] (!21) 2021/04/04(Sun) 10:47:04 |
【念】 ハチヤ[ 言われるままに左手を出したら、その指が2番の人の、おれのお嫁さんの口に含まれた。 ] ──っ! あー… [ 昨晩のあとをそのままにそんなことするのって、おれの理性試してるのって聞きたくなったけど、おあずけされてる真っ最中だから。 それは我慢するつもりだから、尖った歯でかりかりするのはくすぐったくて変な気持ちになるので止めてほしいなあって思うんだ。 ……って、尖った歯の存在を主張されれば、おれにだってお嫁さんが吸血鬼だってわかるんだ。 それがわかれば、この行為も血のおねだりなのかなって気がするから。 ] お嫁さん、吸血鬼なの? 血、吸う? [ おれは、真っ赤な顔のままでお嫁さんに確認することにしたんだ。 名前は聞いていないし教えてもらえなかったけど、お嫁さんはお嫁さんだから、お嫁さんでいいかなって** ] (!22) 2021/04/04(Sun) 11:00:43 |
【念】 ハチヤ[ え、ん。 お嫁さんの名前はエンっていうらしい。 確かめるように名前を口にしていると、エンはおれの手を離して服も着ないでおれに抱きついてきた。 お風呂だから服着てないのはあたりまえだけど、あたりまえだけど! 意地悪って自覚はないんだろうな! なんかぽやぽやした顔をしてるけど、おあずけまるっと無視して襲われるとは思わないのかな。 エンと一緒にいたおれってそんなに信用されてたのかな。 エンの隣にいたおれってどんなヤツだったのかな、エンの隣でどんな顔してたのかな……。 そんなことを考えてたのもあって、腕力の差があるのもあって、ろくな抵抗もできないまま、おれはエンの手によって湯の中に引き込まれてしまったんだ。 ……着替えってあるのかなぁ] (!26) 2021/04/04(Sun) 15:28:06 |
【念】 ハチヤ[濡れた服は脱がせにくいと思うんだけど、それでもエンはおれの首元に牙をたてることができたみたいだ。 しちろみたいに、がぶっと噛むと思ってたから、おれはぎゅっと目を閉じてくるだろう痛みに備えていたわけだけど、なんか空回りしたっぽい] ……んっ [ぴりっとした痛みのあと、滑ったものが首から下を這う感覚に、おれは体を捩って逃げようとするんだけど、 上に乗ったエンがそれを許してくれなくて。 舐める音に混じるような弱々しくて切実な願いに、 おれは頭を捻って応えようとするんだけど、 手強いにすぎる記憶の蓋がそれを許してくれない。 逃げ場なんて見つからないまま、おれはエンが大人しくなるまでされるがままになるしかなくて。 やっとのことでエンを寝かし付けると、おれは一人で部屋の外に出ることにしたんだ*] (!27) 2021/04/04(Sun) 15:44:23 |
【人】 ハチヤ[しっとりした髪のまま、おれは一人で部屋を出たんだ。 おなかすいたからなにか食べるものを探さなきゃって思ったし] 記憶、戻さなきゃ… [やらなきゃならないことがわかったから。] 頭を打つ、 電気を通す、 あと今出来そうなのはなんだろ…… [ 目的はわかったけど方法はわかんないから、それっぽいことは全部試そうって思ってるんだ。 エンが起きたらエンにも聞いてみるつもりだけど、一番いいのは起きる前に記憶を取り戻すことだと思うから。 まあ、起きたらおなかすいてるだろうから、最優先は食べ物なんだけどね**] (27) 2021/04/04(Sun) 15:56:25 |
【秘】 ハチヤ → エン[そりゃ、記憶戻したいって思うよ。 このままじゃ、おれはエンに殺されちゃうもん。 生殺しって殺しっていうくらいだから、続いたら絶対死んじゃうよ! どんな死に方になるかは見たことないからわかんないけど、 あれが続いて殺されるって、絶対ろくな死にかたじゃない] (-32) 2021/04/04(Sun) 16:00:29 |
【人】 ハチヤ[ ──その屋敷はよく似ていた。 ほとんどが焼け落ちて柱のみで間取りを示していたのなら、瓦礫でふさがれた地下に続く隠し通路なんてものがあったなら、ハチヤは気づいただろうけど。 館の形をしていた頃の館の姿を、地下で生まれ地下で育ったハチヤが知ることはないし、 こちらには地下室なんてものは存在自体していないから、きっと偶然の産物なのだろう。 健在のころの屋敷を知るであろう人物は招かれていないのだ。 きっと偶然の産物なのだろう。 ] (29) 2021/04/05(Mon) 1:46:54 |
【人】 ハチヤ[部屋を出たおれはふと窓の外を見てみたけど、真っ暗で何も見えなかったんだ。 吸い込まれそうな黒を眺めていたら、自分がどこを見てるのかわからなくなって気持ち悪くなってきちゃったから。 できるだけ窓から離れて階段を降りていこう。 こういうお屋敷って一階中央に広間があってその奥とかに厨房って感じだろうだし] (30) 2021/04/05(Mon) 1:47:38 |
【人】 ハチヤ[やっぱりね! エントランスホールについたら、大広間って感じのでっかい扉があったから、おれはさっそくお邪魔した。 広間自体もテーブルの上もやたら豪奢だったし、並べられた料理からは湯気がたっていたけれど、 料理に用はなかったのでおれは果物籠だけもらって、 厨房に続く扉に耳を当てて物音がしないのを確認してから、中に滑り込んだんだ] …… [温かい食事が並んでいたのに、滑り込んだ厨房には誰もいないなんて状況、おれだってさすがに変だって思うから] (31) 2021/04/05(Mon) 1:48:27 |
【人】 ハチヤ[オレンジとメロンにご退場いただいた果物籠に、皿とカトラリー、ついでにマグも突っ込んで…… それからほかにも何かないかって冷蔵庫をあけたんだ。 そして、閉めた] (32) 2021/04/05(Mon) 1:50:42 |
【人】 ハチヤ[それからおれは、果物籠をひっつかんで全力ダッシュで部屋まで帰ったね! ちょっとこの屋敷ろくでもないんじゃないかな!! エンに料理は食べるなっていっとかないと。 あと冷蔵庫も開けちゃダメって言っとこう! どっちも、 ごはん を見たことないエンには、ちょっとどころじゃなく刺激が強すぎる!!**] (33) 2021/04/05(Mon) 1:51:46 |
【念】 ハチヤ[勢いよく扉を開け、部屋に転がり込んで、 おれはすぐさまエンの眠ってたベッドを見たんだけど] ……エン? [枕を被ってぷるぷるしてるエンがいるんだけど、一体何があったんだろう。 厨房のあれを見た後だと、震えるエンに不安になるから。 おれは枕をひっぺが──…せるかはわからないけど、エンの安否を確認したいから頑張る] (!34) 2021/04/05(Mon) 2:00:21 |
【念】 ハチヤ[弱弱しい声と一緒に差し出された手を取って、遅れてやってくるエンの体も抱きとめると、エンの顔がこんなにも近い。 今にも零れそうだった涙がぴんとまつ毛に弾かれて、雫となって流れるのを、おれは、とてもきれいだなんて思ってしまったから。 だからおれは──… 額に落とす唇に許可なんてとらない。 頬を撫でる唇に許可なんてとらない。 耳を緩く噛む唇に許可なんてとらない。 エンを宥めるようにあやすように唇を落として、きょとんとするエンを抱きしめたベッドに潜り込んでしまおう] (!36) 2021/04/05(Mon) 2:43:43 |
【念】 ハチヤ[ それにしても。 こんなに可愛くてきれいなお嫁さんを不安にさせるなんて…… ハチヤって奴はほんと悪い奴だな。 おれだったらこんな…… ……記憶が戻ったら、おれは、どうなるんだろう。 消えるのかな? それはちょっと嫌だな。 でもエンが会いたいのはきっと、おれじゃないハチヤだから。 *消えなきゃいけないんだろうな……* ] (!37) 2021/04/05(Mon) 2:50:09 |
【人】 ハチヤ[隣で眠るエンの寝顔を覗きこんで、もう大丈夫かななんて、おれはほぅと息をついて、それから起き上がって頭を抱えてしまった。 おれがしってるエンは、不安がったり怯えたりって弱ってる状態ばっかりで、 おれがエンを忘れなきゃ、エンはもっと笑ってたりしてたのかなって思ったんだ。 弱々しくじゃなく、笑う顔がみたいなって思ったんだ。 それにしても、お嫁さんのことをすっぱり忘れるなんて、ハチヤってやつは酷いヤツなんじゃないか? おれだったらエンのことを忘れたりなんてしないし、あんな風に泣かせない。 おれもハチヤだけど、酷いハチヤにエンを渡したくないなぁって思うんだ! ……おれ、記憶が戻ったら、どうなるんだろ。 エンを知ったハチヤが消えて、エンを知ってたハチヤだけになるのかな。 それは 嫌 だなって思うけど、おれが知らないエンのことを思い出したいって思うし、エンが会いたいハチヤはエンを知ってたハチヤだから…………どうしよう、おれは、エンのこと、思い出したいけど思い出したくない] (38) 2021/04/05(Mon) 11:31:46 |
【人】 ハチヤ[ わからないものを判別しようと警戒しながら近づく犬に わからないものを切り捨てる方向に割り切った男 緩やかに着実に 鮮烈に急激に ただの同室者に 番、伴侶という存在 出会い方が違うから、とっていた距離が違うから、同じ存在同士でも、抱いたものは違うもの。 別の印象、別の感情を抱いても、名前をつけるならそれでもこれらは同じ名前をもつらしい。 **] (39) 2021/04/05(Mon) 11:46:11 |
ハチヤは、メモを貼った。 (a7) 2021/04/05(Mon) 11:47:10 |
【秘】 ハチヤ → エン[飾り気のない薄暗い石壁が続く場所の一角で、検診衣にケープを羽織った少年がいる。 けほっと短く咳き込んで、足型のついた腹部を抑えて立ち上がった少年は、駆け出そうとするのだが──… 暗がりから伸びた岩のような腕が、それより先に少年の肩を捉え、腕の持ち主がいるのであろう暗がりへと、力任せに引きずり込んだ。 ──そこで場面は途切れている] (-44) 2021/04/05(Mon) 17:06:54 |
【秘】 ハチヤ → エン[金属の床の上で、検診衣の少年が嘔吐している。 えづく少年の髪を引っ張りあげ、開口器をつけた顔をあげさせる白衣の男は、どう見ても医学を志すものには見えない。 白衣の男の隣にもう一人、派手な装いの女が皿を片手に男の腕に絡み付く。 女が一歩踏み出して、人であった原型を留めた食事に匙を入れ、少年の口へと差し出した。 ──場面はそこで途切れている] (-45) 2021/04/05(Mon) 17:14:37 |
【秘】 ハチヤ → エン[鉄格子の中、白髪をはじめ全体的に色素の薄い鷲鼻の男が検診衣の少年と一緒になにかを髪に書き付けている。 書き付けられた単語を指差し、鷲鼻の男が聞きなれない言葉を口にすれば、少年も一音一音不安げに首を傾げながら、 声変わりを迎えていない声でなぞっていき──… 鷲鼻の男が少年の髪をかき混ぜている辺り、音をなぞる試みはうまくいったようである。 紙に書かれているのが口汚い罵倒文句でなければ心暖まる風景だろう。 男と少年は新しい紙を取り出して…… ──そこで場面は途切れている] (-48) 2021/04/05(Mon) 19:37:57 |
【秘】 ハチヤ → エン[真っ白い壁の部屋の中、検診衣の少年か診察台の上で眠っている。 腕に刺さる針は一つでは足りなかったらしく、二本は少年からなにかを運びだし、三本は少年へとなにかを輸送し続けている。 少年の体からは電極も生えており、それらは部屋の隅の機械のかたまりの針を休むことなく働かせているようだ。 眠る少年の周りには白衣の集団がいる。 バインダーを胸に数値とにらめっこしてるもの 針の先で輸送量の調節をしているもの、それを記録しているもの 部屋の人数にそぐわない静けさの中、少年の呼吸が荒くなり…… ──場面はそこで途切れている] (-49) 2021/04/05(Mon) 19:50:44 |
【秘】 ハチヤ → エン[鉄格子のなかで、遠い異国の顔立ちの青年になりたてのように見える男が、検診衣の少年に話しかけている。 検診衣に縫い付けられたネームプレートを指差しての言葉に、少年は最初意図をつかめぬようであったが、 次第にその顔が輝いて、にやけるのを抑えられない様子で、男が口にした言葉を小さく何度も繰り返している。 よくよく耳を済ませば、はちやと呟いているようだ。 ──場面はそこで途切れている] (-50) 2021/04/05(Mon) 20:44:19 |
【秘】 ハチヤ → エン[鉄格子の部屋の隅、異国風の男が一人、右腕全体を覆う鱗を引きちぎっている。 血が滲むのも構わずに、その行為は、その焦りは、なにかに追われているようにも見える。 鉄格子が開く音がして、男がそちらへ視線を向けると、検診衣の少年が立っていた。 少年がその場を走り去り、男は肩を落とすのだが──…走り去ったはずの少年はまた鉄格子に手をかけた。 困惑する男をよそに、少年は救急箱を机に置くと、 男に向かって傷を見せるように促した。 男が少年を抱き締めれば、少年はわけがわからないといった顔で、早く傷を見せるようにと促した。 ──場面はそこで途切れている] (-54) 2021/04/05(Mon) 22:57:58 |
【秘】 ハチヤ → エン[鉄格子のなか、男は真っ青な顔をして椅子に腰を掛けていたのだが、少年の足音を耳にすると、男は何事もなかったように振る舞った。 検診衣の少年がなにかをする度、弛い衣服から覗く肌に、 男は喉をならしかけ、咳払いでそれを誤魔化した。 がりがりと指を噛むことで、なにかを抑えているようだ。 覗く犬歯が男が何に分類されているかを物語っている。 少年が男を指差して、具体的にはボロボロの指を指差して、 それから部屋を飛び出して、救急箱を抱えてくることだろう。 ──場面はそこで途切れている] (-55) 2021/04/05(Mon) 23:08:02 |
【秘】 ハチヤ → エン[鉄格子のなか、男と少年が向かい合っている。 格子には鍵が外から鍵がかけられており、閉じ込められた二人には外に出る術はない。 男の吸血衝動は抑えられそうになさそうで、 少年も何故閉じ込められているのか察することはできたのだろう。静かに目を閉じ、食まれるのを待っている。 やがて男が動きだし、少年へと食らい付いた。 しかし、上がるであろう悲鳴は上がらず、かわりに上がったのは嬌声だった。 男の食事になって生を終えるつもりであった少年は、予想外の展開に混乱を口にしながら、男の手で暴かれ続けて、最後には甘ったるいかすれ声で男の名前を呼ぶだけに。 少年の中に何度も精を放ち、少年に鱗が生えるのを見届けたあと、男は少年の内腿に顔を埋め、血の餓えを満たすのだった。 ──場面はそこで途切れている] (-56) 2021/04/05(Mon) 23:26:50 |
【秘】 ハチヤ → エン[彼の番の番へと、見せつけられる記憶の断片は、 彼の番が何であるのか、番の番へ見せつけるもの。 彼が番に預けた彼の形見になってしまった札は、 彼の番にとっては宝物となっているそれは、 彼の意識を継いでいるのかもしれない。 見せ付けた意図は独占欲と牽制と、 それから番と番うつもりなら、番を知れという激励が少し。 本当はもっとマイルドだったはずなのに、 館の悪意とうまく噛み合ってしまったせいか、 劇薬を包んでいたはずの薬紙は破けてしまったようである] (-57) 2021/04/05(Mon) 23:36:08 |
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