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【秘】 遊惰 ロク → 発熱 ニエカワ 震えた花瓶、靡く髪。 あァやはり最早ヒトでは無いのだなと、 怯えより先にそんな事を考えた。 それから、直ぐに落ち着いた様子の彼を見て。 ガシガシと頭を掻く。 「……怒鳴って、悪かった。 シカシ、ンなことして助かったって――て、 ぇ? 」“好きな人”。友愛、親愛、尊敬の念。 そういう相手にも使う言葉だ。 けれども、今のは。 例えば教室の片隅、密めきあう女学生が用いる様な、 そういう意味で発せられたかの様に感じた。 「……、アー、お前サン。 あの医者のこと。…………好いてん、のか」 (-9) 2021/07/07(Wed) 22:12:29 |
【秘】 発熱 ニエカワ → 遊惰 ロク「………、うん……大好き」 素直に気持ちを吐露した。 ニコリとほほ笑む顔は年相応のあどけなさを残していて。 「アキラも、友達なんだ。 ほかの人を殺したことはいいけど、俺を殺したことについては二人を責めたりはしないでほしい、かな」 死者からの細やかな願いだった。 「ロクもちゃんと生きてここを出てもらいたいから。 ちょっと気持ち悪いかもしれないけど、ちゃんと栄養取ってほしい」 (-23) 2021/07/08(Thu) 2:34:57 |
【秘】 遊惰 ロク → 発熱 ニエカワ「……そうかい。 ほかでもねェお前サンがそう言うんだったら、 マ、おれがとがめてもしかたねェわなァ」 毒気を抜かれた顔をして、物分かりのいい事を口にして。 その実腹の中では、一遍くらいなら恨み言の一つも 言っちまっていいかなァ、などと思っている。 それから、カラリと笑って否を返す。 こればっかりは口先ですら頷く事が難しい。 「ハハ、そいつは無理なハナシだなァ。 お前サンを食うこたできねェよ」 (-31) 2021/07/08(Thu) 9:21:40 |
【秘】 発熱 ニエカワ → 被虐 メイジ椅子の上で膝を抱える友達の傍へ近寄る。 「………」 自分とは対照的なく白く柔らかな髪を触れ、そっと撫でた。 貴方には触れられた感触など伝わらないだろう。 生きていたとしても友達の慰め方なんて知らないから、何もできないかもしれない。 けれど、自分が辛い時、こうして貰ったら嬉しかったから そんな幼稚な理由で貴方の頭を撫でていた。 (-32) 2021/07/08(Thu) 10:52:24 |
【秘】 発熱 ニエカワ → 遊惰 ロク「いじっぱり……お腹へってるくせに」 少し拗ねた様な物言いをするも、貴方の意思が曲げられないと理解をすれば無理に押し付けようとはしない。 自分だって先生の肉を食えと言われたら空腹でも無理かもしれないし 「ロクは、頑張って生きてね」 (-33) 2021/07/08(Thu) 10:57:50 |
【秘】 被虐 メイジ → 発熱 ニエカワメイジには、霊感がない。信じてもいない。 だからあなたがいることには気づかない。 慰めようとしていることも 髪を撫でてくれていることも あなたがそうされて嬉しかったからそうしていることも 知らない。 あなたはもう死んでいるからだ。 (-39) 2021/07/08(Thu) 14:43:22 |
【秘】 遊惰 ロク → 発熱 ニエカワ 減ってねェよ、そんな嘘を押し通すには分が悪い。 ヘラリと笑って誤魔化しかけて―― 続く言葉に、少しばかり強張った。 「……坊チャン、なンでそンなこと言うんだろ。 哀れみ情け、他力本願。はたまたヒトゴトだからかねェ」 三日月の口から軽い調子で飛び出す言葉。 しかしその響きと裏腹、男は心から問うている。 「――なァ、一足先に死んじまったお前サン。 おれァがんばってまで、生きなきゃならねェモンかなァ」 (-42) 2021/07/08(Thu) 16:44:13 |
【秘】 発熱 ニエカワ → 遊惰 ロク「俺が生きられなかったから……。 殺されたからとかじゃなくてさ。 俺はずっと病院と家ばっかりの人生だったし… 健康で生きてるなら、生きて欲しいなって」 苦々しく微笑み視線を落とした。 「自分の夢、代わりに押し付けてるみたいだけど」 (-48) 2021/07/08(Thu) 18:01:02 |
【秘】 遊惰 ロク → 発熱 ニエカワ「……そうかい」 少年の願いに是も否も返せず、曖昧に保留する。 一人分欠けた死ぬ理由は、直ぐには埋まらず覆せない。 窓を見遣る。打ちつけられた板か、雨戸か。 恐らくそういったもので、外は窺えないのだろうけれど。 ――それから、少年の顔を見て。常の笑顔で話を逸らす。 「坊チャン、せっかくこうして話ができンだ。 今度こそ東京の話でもしてやろうか。 お前サンの話、思い出バナシでも夢物語でもいいや。 そんなのを聞かせてくれるンでもいいけども」 (-61) 2021/07/08(Thu) 21:33:27 |
【秘】 発熱 ニエカワ → 遊惰 ロク「俺の話なんてきっとつまんないよ」 ゆるく顔を横に振る。 少年には、人に話せるような楽しい思い出も、波乱万丈な苦労話も何もないのだ。 「トウキョウの話、ききたいな」 もういけなくなってしまったけど、話を聞くだけで満たされるものもあるだろう。 (-72) 2021/07/09(Fri) 0:26:40 |
【秘】 遊惰 ロク → 発熱 ニエカワ「お前サンの話も聞かせてくれや。 ホントにつまんねェかどうか聞いてやらァ」 次ンときでもいいからさ、と、 あるかも分からぬ先の事を口にし乍ら、 冗談めかし、笑い混じりにそう前置いて。 「そンじゃ、おれから話すとするかねェ」 都会の街並み、行き交う人々。 見聞きした様々のうち、愉快で明るいことばかりを。 多少の脚色と誇張を交えながら、面白おかしく―― 少年が耳を傾ける限り、時間の許す限り。 あれこれと語って聞かせたことだろう。 (-77) 2021/07/09(Fri) 1:55:03 |
【秘】 発熱 ニエカワ → 被虐 メイジ「殺したくないなら、殺さなくていい…… アキラは全部忘れていいんだよ」 隣で、一緒に話しているかの様に貴方の独り言に答える。 (-82) 2021/07/09(Fri) 9:50:07 |
【秘】 被虐 メイジ → 発熱 ニエカワ「……殺したくないけどね、それ以上に死にたくないんだ」 あなたの言葉に応えているようだったが その実、独り言だった。 「生きてたら、オレにもさ、いつか、…… 幸せな未来あるかもって夢見てしまうんだ」 誰も聞いていないとわかっていながら ただの独り言をつらつらと。 (-92) 2021/07/09(Fri) 16:57:44 |
【秘】 発熱 ニエカワ → 被虐 メイジ「……なれるよ。 アキラなら大丈夫……生きてればちゃんと幸せになれる」 病室のベッドに寝転がって二人で話をしたことを思い出す。 いまはなんだか、その時の雰囲気に似てる気がした。 あの時と違って、お互いの声は届かないけれど。 「俺……アキラには生きててほしいんだ。 俺を殺して、その肉を食べてでも。 最後に話した時……もし"食料"にしていいかっていわれたら……俺はいいよって言ったと思う。 それで好きな人と友達を助けることができるなら……こんなポンコツな体でも、生まれてきた意味あったなって思うし …………だから、できるだけ頑張って生きてほしい」 (-93) 2021/07/09(Fri) 17:38:36 |
【秘】 被虐 メイジ → 発熱 ニエカワ「リョウが生きてたら、なんて言ったかな」 病室のベッドに寝転がって二人で話をしたことを思い出す。 この嵐がなければ、きっとああやって語り合う相手なんて いなかっただろう。 ほんのわずかな時だったけれど、嬉しかった。 あれが、今でなければよかったのに、と思ったこともある。 「ウソなんて、つかなくてもよかったのかな。 わかんないや……もう死んじゃったんだから」 ああしていれば、こうしていれば、一人でいるとそんな ことばかりが脳裏に駆け巡っていく。 「勝手に食料にしたからには、ちゃんと食べるからね」 なにもない空間に語り掛けながら、悲し気に、薄く笑った。 (-97) 2021/07/09(Fri) 18:20:42 |
【秘】 発熱 ニエカワ → 被虐 メイジ「……ありがとう」 食べてくれるという言葉に嬉しそうに笑った。 全部本当の事を言ってほしかったのは本音だけど、彼にも事情があったのだろう。 嘘をついたことも、殺したことも、責めるつもりはない。 もし、また言葉を交わせる時が来たら色々聞いてみたいな…… そんな事を考えながらふわりと隣にいた少年の気配は消えた。 (-100) 2021/07/09(Fri) 18:57:46 |
ニエカワは、幸せだ。 (c7) 2021/07/11(Sun) 20:45:07 |
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