人狼物語 三日月国


179 【突発R18】向日葵の花枯れる頃【ソロ可】

情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


楯山 一利 霧ヶ峰 友紀に投票した。

【独】 楯山 一利

/*
お疲れ様でした!
立て込んじゃって顔出せず申し訳ないです。
体調悪い方はお大事にしてくださいね

エピ2回延長把握しました。助かります!
のんびり過ごさせてもらいます。

皆さんロル拾ってくれたり生やしてくれて
とても嬉しかったです。ありがとうございました!
(-10) 2022/10/20(Thu) 9:10:59

【独】 楯山 一利

/*
室生さんの今後がどうなるのか
俺も見守る姿勢です。

各方面拾いたいし話進めたいところだけど
本日も時間取れず、無念…

遅れちゃいましたが
智恵さんロル反応ありがとうございました!

>>-12
同じく。俺も絡みたかったです…!
(-13) 2022/10/20(Thu) 22:50:38

【独】 楯山 一利

/*
灰チラリ。
孤独のグルメに笑った。>>0:-12
古寺さんのロルが五郎ボイスで再生されてしまうw**
(-14) 2022/10/20(Thu) 22:53:46

【人】 楯山 一利

─カフェ─


"いつも"だったなら、こんなに遅れる事はない。

アイツへ送ったチャットは、未読のままだ。>>2:*10
送信してから1分しか経っていなくても
5分以上経過したようにさえ錯覚するぐらい
待ち時間はとても長く感じた。

いつまで経っても姿を現さない
返信も寄こさない……。
やはり俺と合うのを直前になって拒絶したのか

───それとも…。


胸騒ぎがする。
まさか、アイツの身に何か……。

いやそんなはずない。
過る悪い想像を払拭するように、首を振った。
その後、智恵さんと目があったかもしれない。>>2:109

いつものアイツの様子を知っているだけに
智恵さんも、少し不審がっているのか
こちらを心配するような顔をしてるように見えた。>>2:110

マグカップをテーブルに置いて
俺は、智恵さんの傍まで近寄った。
(18) 2022/10/21(Fri) 19:09:28

【人】 楯山 一利


「あの……。
 
 アイツ……えっと、俺といつも一緒にいる子。
 今日は、来店しましたか?」

ワンコインランチを食べに来るのは
アイツの気分次第。
特に曜日とかは定まっていないと思う。

だからもしかしたら、今日来ていたかもしれない。
その時のアイツはどんな様子だったのか
気になって、智恵さんに問いかけるが
それに意味があるのかどうかは分からない。

もしも智恵さんから、何か聞けたとしても
何も情報を得られなかったとしても
俺はすぐに、金を置いて店から出るだろう。

……アイツを、探しに。*
(19) 2022/10/21(Fri) 19:09:59

【人】 楯山 一利

─カフェを出てから─


家に見に行く前に、
アイツの行きそうな場所を先に潰そう。

最初はカフェの近辺を探し回った。
だが、何処にも見当たらない。

次は繁華街へ足を運ぶ。
本屋、雑貨屋、馴染みのアパレルショップ
ゲーセン、ファーストフード店
……ありとあらゆる所を探し回ったが
アイツの姿を見つける事は叶わなかった。

ガキの頃から近くに居たのに
こんな時に、アイツの居場所さえ分からない。
そんな自分がとても情けないと思った。

何度もライン電話を入れる。
…だがアイツは出ない。

変な心配を掛けさせたくないから
アイツの家に電話をするのを躊躇っていたが
他の行き先が思い浮かばず、気持ち的にも限界だった。
(20) 2022/10/21(Fri) 19:31:44

【人】 楯山 一利


観念して、アイツの家に電話を掛ける。
すぐにお袋さんが出た。

『あらカズくん。
 ウチに電話なんて珍しいわねぇ。

 ……え?あの子と一緒じゃないの?
 出かけてから随分経つわよ。』

つまり、今家にはいない。
もう5時間は経っているとの事だった。
ちょっと心配し始めたのか、どうしたのかと聞かれて
なんて答えれば良いかも分からず
適当に言い訳をして、なんでもないって電話を切った。

暗くなったら、余計に探しにくくなる。
それに夜道を女の子が一人で
ブラブラと出歩くのも危ない。

早く見つけなきゃ……。
無事なことを祈って、俺は街中を駆けまわった。
(21) 2022/10/21(Fri) 19:34:48

【人】 楯山 一利


時間的に気温も下がって来ていて
少し肌寒くなって来ているというのに
走っているせいでメチャクチャ暑い。
ダンスバトルで、5ムーブはしたぐらいの過酷さ。
疲労感も半端ないが、そこには楽しさがある。

だが今は、ダンスとは違う。
何も楽しくないし、ただただ苦痛で
アイツの姿が見えないことに焦りしかなく
連絡がないことも、不安が募っていく一方だ。

「クソッ…!
 何処に居るんだよ……!!」


走り過ぎて、呼吸が乱れながらも
見つけられない事への焦りと不安を
冷たい空気にぶつけるみたいに、叫んだ。*
(22) 2022/10/21(Fri) 19:38:43

【独】 楯山 一利

/*
智恵さんへのロル返信めちゃくちゃ遅くなりました。
来店したかを聞いてますが、
反応はあっても無くても大丈夫なように〆てます。
色々拾ってくれてありがとうございました。

こんな時じゃなかったら
もっとカフェの雰囲気を堪能したかったなぁ…。
(-27) 2022/10/21(Fri) 19:42:59

【独】 楯山 一利

/*
高峰さんも友紀さんもお疲れ様です。

>>-26
応援ありがとうございます!
どうなるのかは…まだ考え中ですが
時間かかってもしっかり〆を投下したい。

>[]の扱いについて
そうなんですね。
ちょっと珍しい感覚だなぁって思いました。

俺は以下のウィキに則って今まで遊んでたので。
[]使わない村も始めてだったので新鮮でした。

https://w.atwiki.jp...
(-29) 2022/10/21(Fri) 19:53:26

【独】 楯山 一利

/*
室生さんもお疲れ様です。
>>-19読みました!
お褒めの言葉をいただきめちゃ照れました。
ありがとうございます。
実際PCを動かしてみたり、対話(今回は友紀さん)したり
で設定が生えて来るってのもあったりですね。
こちらこそ拾ってくださって感謝感激でした!

室生さんのロル綺麗…!
に、俺も激しく同意します。
言葉選びが上手ですね。それでいて読みやすい。
終始安定感があってスゴイなぁと思って見てました。

俺も頭が回らずリアルもまだ落ち着かず
明日以降頑張ろう…。**
(-30) 2022/10/21(Fri) 20:02:56

【独】 楯山 一利

/*
うぉぉ…室生さん…せつねぇ……。
相手の気持ちも分かるし、でもズルいとも思う……。

まだまだ今後の二人の行く末が気になる。
(-41) 2022/10/22(Sat) 22:37:34

【独】 楯山 一利

/*
智恵さんめちゃくちゃ心配してくれてた…!!
話し広げて下さってありがとうございます。
こちらも乗っかりたいところ。
ちょっといい感じの繋げ方思いついたんで
お言葉に甘えて好敵手さん動かさせて貰うと思います>>-35

あとそれ関連で、室生さんの大会の話も拾いたい>>2:15
(-42) 2022/10/22(Sat) 22:50:19

【独】 楯山 一利

/*
友紀さん本当に体調お大事にです…。
具合が悪くても娘さんのために
動物園に連れて行ったのはスゴイです。

メントスコーラw謎
(-43) 2022/10/22(Sat) 22:54:28

【置】 楯山 一利

─回想:半年前─


半年前、ブレイクダンスの大会があった。>>2:15
それなりに大きい大会だったから
個人戦は無理だったけど、
チーム戦には出られる事になったんだ。

だから、アイツに俺の勇姿を見て欲しかったし
ブレイクダンスの良さも知って貰いたかったから
「観に来て欲しい」って、大会のチケットを渡した。
アイツは怪訝そうにしながらも、
拒絶することなく受け取ってくれた。

…当日は、緊張感が半端なかった。
それは大会に出場することに対してもだが
アイツが観に来てくれるかもしれない、と
そっちの方に意識が傾いてしまっていたと思う。

チームメイトからは、
『カズが緊張なんて珍しいな』って言われたし
よく会う好敵手>>2:70の奴からも
『カズさんだいじょーぶ?』
って心配されるほど露骨だったんだろう。

差し入れされた焼き菓子を
とあるダンサーからお裾分けされた。>>2:17
この日ばかりは、緊張を和らげたくて
藁にも縋る思いで頂いたのを憶えている。
(L1) 2022/10/23(Sun) 1:17:49
公開: 2022/10/23(Sun) 1:20:00

【置】 楯山 一利


後で知った話だが
あのダンサーは、最近噂になっている
ダンスがメチャクチャ上手いと評判の人だった。
惜しくも、この大会で優勝までは出来なかったが>>2:18
噂の通り良い所まで勝ち上がっていた
と、記憶している。(俺の記憶が確かなら、だけど)

いよいよ本番。
俺たちのチームが次に呼ばれるという頃
まだ、アイツは観に来ていなかった。
『ごめん。用事が終わらなくて、遅れる。』
と連絡は入ってたんだけど…ガッカリしたね。
俺よりも優先される用事って、なんなんだよ……。

でも俺は、目の前のダンスバトルに集中した。
踊っている間は、アイツの事を忘れて
一生懸命やれるだけの事を精一杯出し切った。

結果は、一回戦落ち。惨敗だった。
気落ちもしたけど、また頑張ろう!って
チームメンバ同士励まし合えたし
俺たちのダンスを見て評価してくれる人たちも
少なからず居てくれたから、嬉しかったなぁ。

それからは、他のダンサーたちのバトルを
最後まで観覧していたかったから
アイツを待ちながら、俺はずっと会場に居た。
(L2) 2022/10/23(Sun) 1:18:58
公開: 2022/10/23(Sun) 1:20:00

【置】 楯山 一利


で、結局アイツが来たのは
大会が終わる1時間くらい前だった。

「おいおい。おっせーよ!
 もう大会終わっちまうぞ。」

まだかまだかと待ち望んでいた苛立ちを
そのままアイツにぶつけちまった。
でもアイツはそんな事をお構いなしに
『ごめんごめん。どうしても抜けらんなくて。』
ってケロッとした顔で返してたから
なんとも思わなかったんだろう。と思いたいが
多分……。
今にして思えば、実はそうじゃなかったのかも。


来てくれたアイツを、とりあえず
チームメイトや他のダンサーたちに紹介。
その時、『もしかしてカズさんの彼女〜?』
って茶化されたんだけど
俺はすぐに「い、いや違う!ただの幼馴…いや、隣人!」
と、気恥ずかしさが募って強めに否定した。

当の本人は否定することも肯定することもせず
ただただ俺らのやり取りを
冷ややかな目で見ていて
社交辞令の挨拶を済ますだけに終わっていた。
(L3) 2022/10/23(Sun) 1:20:32
公開: 2022/10/23(Sun) 1:25:00

【置】 楯山 一利


大会が終わってからは、
ダンサー皆と打ち上げをした。>>2:18
打ち上げはダンサーに限らず、
友人や家族とかも招くことは出来たから
アイツにも参加してくれるように頼んだんだけど
最後までは、居てくれなかったな。
それに終始不機嫌そうだった。

遅れた事もあってか、会場の盛り上がり方とか
周囲の雰囲気についていけなかったみたい。
(そもそも生真面目なアイツと
 ノリが合わない部分があったのかもだが)

そういうのも察せなかったせいか
アイツの態度も気にくわなくて、面倒臭くなっちゃって
もう勝手にしろよ、と投げやり気分で
一人で帰らせたんだった。

それから俺は、アイツのことを気にも留めず
色んなダンサーたちと交流を深めていたし
全員とまではいかないものの、
一部のダンサーたちとラインも交換出来た。>>36
アイツの事がなけりゃ、もっと楽しめたと思う。
(L4) 2022/10/23(Sun) 1:21:53
公開: 2022/10/23(Sun) 1:25:00

【置】 楯山 一利


打ち上げの帰り道、アイツからラインが来た。

『あの人たちとの付き合い
 考え直した方がいいんじゃない?

 それにいつまでもこんな事やってると
 お父さんもお母さんも心配するよ。』

俺は酔っているのも相まってムッとした。
アイツらのことやブレイクダンスを
悪く言われたような気がして。

それに、最初から観に来てもくれなかったし、
俺のダンスだって見ていない癖に…。
なんにも知らない癖に……!

そんな怒りもあってか、そのラインを境に
俺はアイツと衝突することが増えたように思う。
(L5) 2022/10/23(Sun) 1:23:41
公開: 2022/10/23(Sun) 1:25:00

【人】 楯山 一利

─現在─


アイツはランチタイムに来ていた。>>33
と、店を出る前に智恵さんから聞いていた。
普段ならランチの後は大学の講義を受けに戻ると思うが
今日は俺との待ち合わせ時間に合わせてくれたし、
さっきお袋さんとの電話では
『出かけてから』と言っていた。>>21
つまり、講義はない日なんだと思う。
(まさかアイツの性格上、講義サボる訳ないしな?)


ならば、ランチの後に行くとしたら何処か?
と考えながら、思い当たる場所を探し回ったんだが
一向にアイツの姿を見つけられないでいた。>>20

『元気がなかった』>>34

智恵さんから聞いた言葉を思い出す。
それは、昨日の俺との喧嘩のせいかって
最初は軽く考えて終わっていたんだけど
そもそも、今日のアイツの様子が
"いつも"と違っていたという事なんだと
今更になって気付く。

それはすなわち、俺が今の今まで探し回った
"アイツが行きそうな場所">>20になんか
そもそも行かないんじゃないか…って事だ。
(48) 2022/10/23(Sun) 1:37:08

【人】 楯山 一利


ならば何処なのかって、
そんなのもやっぱり見当がつかなくて
それにもう、体力も限界だ……。

俺はふらつきながら、道の端で足を止める。
走り過ぎて疲れて呼吸が荒いせいもあるが
焦燥感と不安に圧し潰されそうだ。

「亜由美………。」


会えない想い人アイツの名を呼んだ。
それは、自分でも分かるくらい
誰の耳にも届かない程に、
か細くて弱々しいものだった。
(49) 2022/10/23(Sun) 1:50:25

【人】 楯山 一利


最後に名前を呼んだのは、いつだったっけ……。

ガキの頃は「亜由美お姉ちゃん」だった。
アイツを意識し出してからは、そう呼ぶのを止めた。

かと言って、「亜由美ちゃん」はしっくり来ないし
「亜由美」の方が良いとは思いつつも
羞恥心に負けて、滅多に名前を呼ぶ事もなくなって
「お前」呼ばわりする方が、多かったように思う。

だから、思い出せなかったんだ……。

でも……
もしも、また会えたなら
ちゃんと、名前を呼びたい。

              
亜由美───…。


そして「好きだ」と……
しっかり、伝えたい。
(50) 2022/10/23(Sun) 1:52:43

【人】 楯山 一利


あの時、もっとちゃんと話せていたら……。
あの時、素直になっていれば……。

あの時、謝っていれば……。>>0:24>>0:25

今になって、色々と後悔している。
もう何もかも手遅れなんじゃないか、って
そんな嫌な想像しか出来なかった。

でも、どんな形であれアイツの姿を見るまで
まだ諦めちゃダメなんだ……。

連絡はないだろうか。
淡い期待を胸に、スマホをポッケから取り出す。
だが、画面を開いて見えたのは
アイツからの通知ではなくて
意外にも、好敵手からのチャット。>>37>>38
(51) 2022/10/23(Sun) 2:11:46

【赤】 楯山 一利


『カズさん。急ぎで、ちょっと話せませんか?』

…こんな連絡して来るなんて、一体なんだろう?
ダンス関連のこと?
でもそれなら別に急ぎでもないだろうし……。

送られて来てから、随分経ってしまったかも。>>37
今はもう話せるような状況じゃないかもだから
チャットだけでも返信しておいた。

「なに?どうした?」

その後、1分も経たない間に既読になった。
これは話せるってことで良いのか?

なんて考えていたら、電話が掛かって来た。
(*0) 2022/10/23(Sun) 2:12:32

【人】 楯山 一利


『急にゴメン。
 高山さんから伝言頼まれちゃって。』

"高山さん"という名前。
あまりピンと来なくて。
ダンサーの誰かだっけ?なんて考えてたら

『ああ、カズさんが普段から
 智恵さんって呼んでる人ね。』

「智恵さんって、カフェの店員の…?」

あれ?なんで知ってるんだ?
と、疑問を口にするんだけども
向こうは要件を早々に済ませたいらしく
それには応えないまま、話を続けた。
未だこの時点でも、この人が
あのカフェでバイトしてるとは気付けなかった。
(52) 2022/10/23(Sun) 3:33:50

【人】 楯山 一利


『"もしものことがありそうなら
 大人でも警察でも頼れ"、ってさ。』

「えっ?智恵さんが……?」

急いで店を後にしちゃったから、
智恵さんが、そこまで気に掛けてくれていた
とは知らなくて驚いた反応を示した。

…同時に、俺は一人で何とかしようと
突っ走り過ぎていたことにも気付かされた。
少しだけ、冷静になる。

「…分かった。
 ありがとうございます。
 って、伝えといてくれる?
 
 俺、智恵さんの連絡先知らないからさ。
 悪いんだけど…宜しく。」

好敵手といえど、そこまで親しい訳ではないから
こんな風に伝書鳩扱いするのは
ちょっと気が引けるんだけど…。
というか、二人はどういう繋がりなんだ?
まさか、この人もあのカフェの常連だった?
なんて想像するけど、そこまで訊ける余裕はなく。
(53) 2022/10/23(Sun) 3:34:23

【人】 楯山 一利


俺の頼みに、向こうは快く応じてくれた。

『ああ、良いよ。

 それより、本当にだいじょーぶ?
 あの子って…大会の時に紹介してくれた
 隣人の子だろ?』

そう。半年前のブレイクダンス大会で
チームメンバやこの人にも紹介したんだった。>>L3
この人にまで変な心配を掛けさせて情けなくも思うが
否定したところで、無意味だから
素直に「うん…。」と頷いた。

『実はさ……。
 これ、高山さんにも話してないんだけど

 俺、昨日会ったんだよ。あの子に。』

「……は? え?」

なんでこの人と、アイツが?
会ったってどういうことなんだ?と
混乱しているのを他所に、向こうは話を続ける。
(54) 2022/10/23(Sun) 3:35:29

【人】 楯山 一利


『カズさんに内緒にしてくれって
 口止めされちゃって……。
 だから、連絡しなかったんだ。

 でも、高山さんに伝言頼まれちゃったし
 なんか様子も尋常じゃなかったしさ。
 黙り続けるのも、無理だなぁって。
 …ごめん!』

ちょっと、何を言っているのか
理解が追い付かなかった。

そもそも、なんでアイツが
この人と会ったんだ?
俺のチームメイトではないし……
って、ああ。そうか。
アイツはこの界隈の事をよく知らないんだ。
だから、あの場に居たこの人の顔を憶えてて……?

それで、ストリートダンサー
一人一人を訪ね回って、探し出して……?
(55) 2022/10/23(Sun) 3:36:30

【人】 楯山 一利


『あの人たちとの付き合い
 考え直した方がいいんじゃない?』>>L5

あの日、アイツが俺に送って来た内容は>>L5
ブレイクダンスのことも、ダンサーたちの事も
否定するような言い方だった。

昨日の喧嘩別れだって、
俺がブレイクダンスしているのも
ダンサーたちとの付き合いを続けてるのも
気に入らないから口を出して来た。
ってのが理由だし。

だからきっとアイツは……
この人に文句を言いに行ったんだろう。

…いつもの如く。
姉気取りの、お節介を焼きに。
(56) 2022/10/23(Sun) 3:36:57

【人】 楯山 一利


「もしかしてアイツ……。
 気ぃ悪くするような事言ってた?
 それだったらごめん。本当に……。

 アイツ、ブレイクダンスにあんまり
 良い印象持ってないみたいでさ。
 なんにも知らない奴だから……。」

そんな想像だけで、相手に詫びを入れる。
でも、向こうからは意外な言葉が返って来た。

『あ〜。違う違う。寧ろ逆!

 丁度、道端でダンスの練習してたところでさ。
 カズさんがいつもどんな風に過ごしてるのか
 教えて欲しい、って言われたんだよ。

 でも俺たち、バトルぐらいしか会わないじゃない?
 だから普段のカズさんなんて知らないけど
 多分、俺らと同じように
 練習頑張ってると思いますよーって
 ダンスの練習風景、見て貰ってたんだよ。』
(57) 2022/10/23(Sun) 3:38:16

【人】 楯山 一利


俺は、その話を聞いて
頭を強くぶつけたような衝撃を受けた。

……アイツが?
あんな喧嘩別れをした後で?

ブレイクダンスを……。
俺の事を、知ろうとしてくれた……?

アイツがそんな行動をするなんて
半ば信じられなかった。

『何があったか分かんないけど……。
 早く、会えるといいね。』

そう言い残して、『じゃあ、バイト中だから』と
好敵手の彼は電話を切った。
(58) 2022/10/23(Sun) 3:39:18

【人】 楯山 一利


電話で聞いた話が、上手く整理出来ないでいた。
…いや、受け入れるのが困難というべきか。
まさか、って気持ちが大き過ぎて。
俺はその場に立ち尽くしていた。

でもこの人がこんなウソついても
なんのメリットもないだろうし…。
多分、本当の事なんだろう。

ただ、今日会えなかった事と
連絡が取れないことが、まだ結びつかない。

昨日ブレイクダンスについて聞いて
実際に練習風景を見てみたけど
やっぱり、認められなかったってこと?

……分からない。
兎に角、アイツと話をしなければ。
(59) 2022/10/23(Sun) 3:40:49

【人】 楯山 一利


再びアイツを探しに回ろうとしたところで
智恵さんからの伝言を思い出す。>>37

警察……は、まだ気が早いかな。
その前に、まずは親だ。
さっきはお袋さんに変な心配かけさせたくなくて
なんでもないって電話切っちゃったけど
連絡があったかどうかぐらいは
聞いておけばよかった…。
そんな発想にすら至らない程
俺の頭は冷静なんかじゃなかったから
智恵さんと伝言をしてくれた好敵手に感謝した。

『あらカズくん。
 まだあの子と一緒じゃないの?

 そういえば、1時間くらい前に
 "今日はちょっと遅くなる"って
 連絡が入ってたわよ。』

…良かった。
と思うのと同時に、アイツが俺の連絡を
意図的に無視してたってのも分かって
ちょっとしょげる…。
やっぱり、会いたくないって思われたんだろうか。
でも理由は依然として分からずだ。
(60) 2022/10/23(Sun) 4:02:26

【人】 楯山 一利


『あの子も大人だし、
 あんまり煩く言うつもりはないけど
 遅くなり過ぎるのは心配だから…ね。

 カズくん、宜しくね。』

お袋さんとの電話を切った後、
俺はふぅ…と安堵にも似た溜息を吐いた。
直近の安否確認ができて、少し不安が取れた。

あとは何処に居るか……だな。

また昨日と同じ目的で動いているなら
全く見当違いなところばかり探していたかも…。

かと言って、ダンサーたちの練習場所を
一つ一つ探し回るのは、つらいものもある。
(気候や状況によって変わることが多いから)
(61) 2022/10/23(Sun) 4:02:52

【人】 楯山 一利


とりあえず、手近なところから探そう…。

歩き出していたら、少し先に公園が見えて来た。
それは昨日、友紀さんと一緒に飲んだ公園だった。

昨日はダンサーたちの姿はなかったが
今日はもしかしたら……?

目的通りに動いていないとしても
未だここは見ていない所だし
一応、様子を見てみるか…。

俺は、その公園に真っ直ぐ向かう。
(62) 2022/10/23(Sun) 4:04:26

【人】 楯山 一利

─公園─


…もう、日が暮れて来ていた。
カラスの鳴き声が聞こえてくる。

昨日のような子連れの家族は居ない。>>1:76
もう帰った後なのかもしれない。
ダンサーたちもいないようだ。

かと言って、人っ子一人いない訳ではく
東屋の下や二人掛けのベンチ。
それから、ブランコに人影があるのが見えた。

夕陽が逆光になっていて、見えにくかったけど
俺は、すぐに気付いた。
アイツの姿……見間違いなんかじゃない。
(63) 2022/10/23(Sun) 4:58:23

【人】 楯山 一利


「亜由美───!」


急いで走り寄る。
俺の声が聞こえて、俺の姿を捉えたのか
向こうは一瞬身体をビクつかせて、俺の名を呼んだ。

『か、カズ……!?』

どうして此処に?
そう驚いたような顔をしてるのが
分かるくらいの距離まで、近寄った時。

今まで募らせていた不安とか
鬱憤とか、苛立ちとか、怒りとか
心配とか、見つかった嬉しさとか
…好きな気持ちとか。
全部の感情が、一瞬にして
訳が分からないくらいグチャグチャになって。
(64) 2022/10/23(Sun) 4:58:46

【人】 楯山 一利


「お前……ふざけんなよ!
 連絡ぐらい寄こせっつーの!」

拳を震わせながら怒鳴っちまった。
ああ、本当に俺ってバカだ…。
会えたら名前を呼んで、好きだと伝えたいって
思っていた筈なのに……。
またこうやって、強く言っちまうんだ。

でも、こうやってまた会えたことは嬉しかった。
何にもなくて、無事で本当に良かった。

「どんだけ心配、したか……。
 分かってんのかよ。」


ああ、もっと他に言い方はないのか。
こんな時でも天邪鬼を発揮する自分に嫌気がさす。

ちゃんと伝えなきゃ、意味がない。
そう教えてくれた人の言葉を思い出し
冷静になれと、一息吐いて。
(65) 2022/10/23(Sun) 4:59:46

【人】 楯山 一利


「……亜由美が。
 無事で、良かった。」

素直な言葉を伝えた後って、とんでもなく恥ずかしい。
でもその気持ちに嘘はないんだ。

俺は、彼女を抱き締めた。
きっとガキの頃以来。
でも今は、あの頃とは違う。

好きな人にやっと会えた。
無事で居てくれた。その安心感と嬉しさ。
愛おしい気持ちを伝えるような抱擁。

伝わったかどうかは分からないが
彼女は俺を拒むことなく受け入れてくれた。
(66) 2022/10/23(Sun) 5:00:23

【人】 楯山 一利


『カズ……。ごめんなさい。

 合わせる顔がないって、思っちゃったの。』

逆に、彼女の方から謝って来た。
涙声になっていたのもあって、俺はビックリする。

「なんで……?
 昨日、俺が酷い事言ったから?」

『ううん。違う。
 ……私が酷いことを言ってた。
 
 なんにも、知らなかった癖にね。』

彼女は、ぽつぽつと自分の心境を語り始めた。

最後に喧嘩した時、俺から言われた言葉>>0:23
聞いた瞬間は悔しいとか悲しいとか
そういう気持ちでいっぱいだったけど
別れた後、少し冷静になってから
どうしてそう言って来たのか考え直したらしい。
(67) 2022/10/23(Sun) 5:21:07

【人】 楯山 一利


彼女は、一度も俺に歩み寄ろうとしなかった。
今になってやっと、それに気付いた。

その癖、俺の為と思って
ブレイクダンスやダンサーたちを
否定するようなことを言って。>>L5
俺の事を傷付けてしまっていた。

今までそんなことにも気付かずに
ずっとお姉さんぶって口を出して
お節介を焼いてしまっていた。

でもそれは全部、独り善がりだったんだと。

気付いてから、謝ろうとしたけれど
もう半年以上前のことだし……
今更。と言われるのも怖かった。
かと言って、何もしないままも気持ちが悪く
(68) 2022/10/23(Sun) 5:29:57

【人】 楯山 一利


…そんな時、あの大会で紹介して貰った
あの人たちを思い出して>>L3
本当に、今更ではあるけれど
少しでも歩み寄ってみた方が良い。と
普段の俺がどんな様子なのか知るためにも
(俺に知られるのは気まずいからコッソリと)
一人で、ダンサーたちを尋ね回ったんだとか。

それでようやく見つけたのが、あの人。>>54

話を聞いて、ブレイクダンスの
練習風景を見せて貰って>>57
やっぱり……と
自分の過ちを再認識したのだとか。

そして俺からの「会えない?」と連絡が来た時>>2:*0
『わかった』と返事はしたものの>>2:*5
もう俺と合わせる顔がないな…と
強く思い始めていたらしい。
(69) 2022/10/23(Sun) 5:31:55

【人】 楯山 一利


いよいよ今日になって
会うのも怖気づいているし。
もう俺から連絡が来ても反応しないで
このままフェードアウトを決め込もう。
と思っていたのだとか。

(まぁ親同士付き合いあるし、家も隣同士だから
 すぐに全部ってわけにはいかないけれど
 近いうちに独立しようとも考えていたのだとか)


「……………。」

俺は、最後まで黙って
彼女の懺悔にも似た告白を聞き届けた。
(70) 2022/10/23(Sun) 5:33:42

【人】 楯山 一利


話を聞いて、やっと色々と腑に落ちたのだが。
それでもやっぱり、いきなり無視は酷過ぎる……。
せめて会いたくないって連絡くれよ。
余計な心配掛けさせやがって…。と
恨み言を言ってやりたくもなったんだけど

「……確かにさ。
 何も知らない癖に!って
 ムカついたこともいっぱいあったよ。

 でも、考えてみたら
 俺だって……。
 何にも伝えられてなかったんだ。」

ブレイクダンスへの熱意も。
お前への、気持ちも───。

お互いちゃんと言葉に出来なかった故に
起きてしまった、"すれ違い"。

言葉にして伝えるだけでよかった。
…簡単なことだったのに。
それさえも出来なかった。
(71) 2022/10/23(Sun) 5:54:50

【人】 楯山 一利


「もっとちゃんと、真剣にダンスやってる
 って、俺も伝えるべきだったんだ。
 
 ……だから、俺もゴメン。」

もう二度と、そんな過ちは
繰り返したくないから。
素直な気持ちを言葉に乗せて
しっかりと、彼女に謝った。
(72) 2022/10/23(Sun) 6:02:14

【人】 楯山 一利


そうして、お互い謝ることが出来てから
少し微笑み合えるようにもなった。

今度は、俺の気持ちを伝えるんだ……。

「……あのさ。
 さっき言ってたことだけど。>>70
 もう勝手に……消えようとすんなよ。

 俺、お前と離れるのは……イヤだから。」

『うん…分かった。
 もう、そういう事はしないよ。

 でも……どうして?』

俺は真剣な表情で、彼女の瞳を見据える。
彼女は、そんな俺を見つめ返す。
本当に分からないのだろうか。
…それとも、俺の言葉を待っているんだろうか。
表情だけでは分からなかった。

だが、いずれにせよ
俺のすることに変わりはない。
(73) 2022/10/23(Sun) 6:30:42

【人】 楯山 一利


「"好き"───なんだよ。
 ……亜由美のこと。

 姉ちゃんとしてじゃなくて。
 一人の、"女の子"として。」

俺の告白を聞いて、彼女は目を見開いた。
お前にとって予想外の言葉だったのか、
それとも別の意味だったのかは
読み取ることはできなかったから。

「亜由美は……?
 俺の事、どう思ってんの?」

やっぱり"弟"みたいな存在なのか。
少しは異性として見てくれてるのか。
お前が俺に抱いている気持ちを知りたくて、
でも不安も隠せないまま訊ねた。*
(74) 2022/10/23(Sun) 6:32:34

【独】 楯山 一利

/*
色々拾いたいとあれこれ考えて書いてたら
めちゃくちゃ長くなってしまった…!

智恵さん、室生さん
生やして頂いたもの色々と
好きに使わせて貰っちゃいました。(感謝感激!)

よし。寝よう。**
(-44) 2022/10/23(Sun) 6:34:58

【独】 楯山 一利

/*
こんばんはー
今夜はロル投下できそうにないけど
灰に感想とか書こうと思って覗いたら
室生さんの感想が見えて照れました…(てれてれ)
めちゃくちゃベタ褒めされて嬉しいです!ありがとうございます!

深夜から早朝まで考えて書いていたから
眠気が酷くていつもより文章おかしくなってるし
上手くまとめられなくて、
余計に長たらしくなったなぁ…とか
悲惨過ぎて色々と反省していたんですが安心しました。

室生さんも話を広げたり設定拾うのがとてもお上手で
一つ一つのロルの細部にこだわりみたいなものを感じました
それでいて丁寧さを忘れない。
読み手にも鮮明にイメージしやすい書き方になっているから
本当にすごいなぁと感嘆とさせられてましたね。
特にカフェの食レポは読んでるだけで食欲そそられたし
片想いの相手に対する心情描写は、切ない気持ちが
ドンと胸にくる感じがしてとても感情移入しやすかったですね…。

〆のエンディング、切ないけど最後まで綺麗で素敵でした!
(-57) 2022/10/23(Sun) 23:43:55

【独】 楯山 一利

/*
>>-53
ご指摘されて気付きました。こういうのって相手の力量に拠るんですね…!
こちらの自覚はあまりなかったかもしれません。
幼馴染がカフェに来ていたことにして貰っても
来ていなかった事にして貰っても
万が一、拾って貰えなかったとしても
ロルの内容はいくらでも変えられるように
何があっても大丈夫なようにはしていた部分もあり。

ただ仰るように、智恵さんも拾い方がお上手だし
想像以上に話を膨らませて下さる御方だなぁと分かったので
安心感を持って投下していたのは事実ですね。

そしてやはり想像以上の返しを頂けていた…!
本当にたくさん感謝の気持ちでいっぱいになりました。
(-58) 2022/10/23(Sun) 23:57:50

【独】 楯山 一利

/*
智恵さんの想い人ナナさんが
まさかの既婚者と…?!
という展開には俺も度肝抜かれました。

本当にそれは事実なのか
智恵さんの思い過ごしなのか
今後の展開が気になりますね〜!
(-59) 2022/10/24(Mon) 0:00:38

【独】 楯山 一利

/*
遅くなりましたが
友紀さんの室生さんは早朝見守って下さってて
ありがとうございました…!

あれからちゃんと寝ました。5時間くらい!
今日は夜更かししません。
(-60) 2022/10/24(Mon) 0:02:21

【独】 楯山 一利

/*
友紀さんの室生さんってなんだww
意味が変わってしまう酷い誤字…

友紀さん と 室生さん です!
(-61) 2022/10/24(Mon) 0:03:41

【独】 楯山 一利

/*
片想い相手のNPCは最後まで名前を付けようか
迷いに迷ってました。

ただ、ロルを書いているうちに
好きな子に対してずっとアイツとかお前呼ばわりは
さすがに酷くないか?名前でちゃんと呼んでやれよ
って思って来ちゃいましたね。

あと名前がある方が、ロルのも書きやすいなぁ…と。
完全にPL感情と都合でした。
(-62) 2022/10/24(Mon) 0:08:05

【独】 楯山 一利

/*
友紀さんや高峰さんの〆ロルとか、
古寺さんの孤独のグルメとか
じつは個人的に楽しみにしてるんですけど
皆さん体調やら都合やらで難しいですかね?
お大事になさってくださいね。
(-63) 2022/10/24(Mon) 0:11:07

【独】 楯山 一利

/*
カズが幼馴染の亜由美を何故好きになったのか
何故ずっと好きでいるのか
そのあたりをまだちゃんと深掘り出来てないせいで
亜由美が性格悪過ぎるサイコパスみたいになっちゃってるなぁ
ってPLは困っているなうです。

どうにか名誉挽回したいんだけど
今日はもう書けないから明日こそは…!

と、一方的に灰にだらだらと書いて
本日はお休みします。**
(-64) 2022/10/24(Mon) 0:18:24

【独】 楯山 一利

/*
チラっとしたら
わー!?!
ってなりました(日本語能力行方不明)

智恵さんも素敵なエンディングでした…!
お疲れ様でした。
(-70) 2022/10/24(Mon) 15:18:43

【置】 楯山 一利

─恋心─


中学になると、恋愛に対して関心が強くなり
それまでなんとも思っていなかった異性が
一人の女性として、すごく綺麗に見えるようになる。

俺もそうだった。
亜由美の事を、ずっと姉みたいな存在で
俺は弟みたいなポジションなんだと思っていた。
それは、家族愛にも似た温かな感情。

だけど家族愛は
               ───"恋"に変わった。
(L6) 2022/10/24(Mon) 20:54:48
公開: 2022/10/24(Mon) 20:55:00

【置】 楯山 一利


中学のスキー合宿。

俺にとっても、亜由美にとっても
初めてのスキーだった。
だから俺たちは、初心者コースから
始める事になったんだけど……。

合宿当日、スキーのグループが
"男女"で分けられた。
アイツとは別のグループになったんだ。

小学生の時の林間学校や、修学旅行でも
男女部屋を別々にさせられるけど
それとは訳が違う。

スキーはスポーツだ。
なのに、わざわざ男女を分ける必要があるのか?
当時そんな疑問が湧いた。

だって小学生の時は、運動会も体育も
男女で分けられた事なんて一度もなかったし
いつも、亜由美と競い合っていたんだ。

ところが、このスキー合宿では
それが許されなかった。

最初は意味が分からなかった。
(L7) 2022/10/24(Mon) 20:55:38
公開: 2022/10/24(Mon) 20:55:00

【置】 楯山 一利


でも、周りの男子たちと話していると
『〇〇さんが可愛い。』だとか
『××さんの胸が大きい。』だとかの話になって……。
それまで全く何も思わなかったけど
男女の違いや、性について初めて知ったんだ。

そして、亜由美お姉ちゃんは、
"女の子"だったんだ、と……。

…月日は流れ、俺の身長が伸びて来て
遂にアイツを追い越した時。
それを再認識させられたんだ。
(L8) 2022/10/24(Mon) 20:58:32
公開: 2022/10/24(Mon) 21:00:00

【置】 楯山 一利


それからは、女子の中でも
亜由美が一番綺麗で可愛く見えていた。
アイツが他の男子と話してるのを見たり
アイツに気がありそうな男子がいると知ると
モヤモヤしたり、ムカついたりもした。

でも亜由美は、最後はいつも俺の所に来てくれる。
他の奴には話さないことも、俺には話してくれた。
苦手な勉強だって、付きっ切りで教えてくれた。
ガキの頃から毎年贈ってくれた、
バレンタインチョコ(義理)だって
中学になっても変わらずくれたし。
俺との約束は、絶対に守ってくれた。

俺という存在が、他の誰よりも
優先順位が高かったことが嬉しかった。
(勿論、俺の一番はずっとアイツだった。)
(L9) 2022/10/24(Mon) 21:01:12
公開: 2022/10/24(Mon) 21:05:00

【置】 楯山 一利


そんなだから、周りからは
付き合っているんじゃないかって
何度も冷やかされたこともあった。

それが恥ずかしくて、
碌に会話出来なかった時もあったけど
それでもずっと、亜由美は俺の事を気にかけてくれた。
だから、俺はまた向き合う事が出来たし
アイツと同じ高校に行きたいって、思えたんだ。

この気持ちは、俺だけじゃないはず。
亜由美だってきっと……って。
期待を持つことも増えて行った。

『カズのことが心配だからね』

あの言葉>>1:2を、聞くまでは……。*
(L10) 2022/10/24(Mon) 21:01:59
公開: 2022/10/24(Mon) 21:05:00

【人】 楯山 一利

─告白─


もう今更、好きだなんて言えない。
…そう思ってずっと伝えられなかった気持ちを
やっと口にすることが出来た。

言葉にした後は、恥ずかしさよりも
不安の方が勝っていた。

「……なぁ。どうなんだよ。」

まだ答えない彼女に痺れを切らして、
もう一度どう思っているかを訪ねる。
今、何を思っているのか。
俺に告白されて、どう感じているのか。
イヤだったのか嬉しかったのか……。

それでもまだ口を噤んだままだった。
彼女は、膝元に置いていた手で
スカートの裾を握り締めている。
(123) 2022/10/24(Mon) 23:19:25

【人】 楯山 一利


そうしたまま、どれくらい経ったろう。
…とても長く感じた。
30分以上は経過していたような感覚だった。

『………ごめん。』

やっと口を開いた彼女だったが
出て来たのは、謝罪の言葉だった。

「なに、謝ってんだよ……。
 
 俺の気持ちには応えられないってこと?
 だったら、そう言ってくれよ。」

『………。
 
 ごめん。
 どう、言ったら良いのか。
 上手く言葉が見つからなくて。』

「なんだよそれ……。
 別に、俺を傷付けないようにとか
 そういう気遣いはいらないからな?」

フラれたらそりゃショックだけど。
ハッキリしないままの方が不安を煽られる。
だったらスパッと無理と言って、
この硬直状態をなんとかしたい…。
(124) 2022/10/24(Mon) 23:19:53

【人】 楯山 一利


『ううん、そうじゃないの…。

 私もね。
 カズの事、好き…… なんだと思う。』

「だと思う、って…。どういうこと?」

俺と同じ気持ちなのかと期待が膨らむ反面、
曖昧な言い方で終わった事に、モヤモヤとする。

『自分でも、よく分からないの。

 ずっと、私はカズのこと
 弟みたいな子だと思って接してた。
 でも……時々、分からなくなった。

 カズが、智恵さんとか…
 他の女の子と楽しそうに話してる時も
 ブレイクダンスの話をしている時も
 胸が苦しくて仕方なかった。

 心配とかそんなんじゃなくて
 "寂しい"って思ってたの。』
(125) 2022/10/24(Mon) 23:20:27

【人】 楯山 一利


「寂しい……?」

その気持ちの意味は何なのか?
何処から来るものなのか?
それが分からないと言った口ぶりだった。

『でもそれは、カズが私の元から
 巣立って行っちゃうことなのかなって。

 でも、そうじゃないのかも……。
 カズの気持ちを聞いてたら、
 嬉しいって気持ちもあるし。
 …分からないの。』

ごめんなさい。そう付け加えて
亜由美は苦い表情で俯いた。

なんだろう……コレ。
ストレートにフラれるより辛いかも。
男として好きとも言って貰えてないし
かと言って、否定もされていない。
(126) 2022/10/24(Mon) 23:20:49

【人】 楯山 一利


『…ちょっと、時間が欲しい。
 一人で考えたい。』

なんだよそれ。変に期待しちゃうじゃんか。
でも結果的にやっぱり無理でした。
ってなったら、崖下に突き落とされるのと
同じくらいショックがでかいと思う…。

それでも、俺は待つんだろうな。
彼女の中で答えが見つかるまで……。

「……分かった。待ってる。」

それからは、二人一緒に互いの家に帰って
連絡は取らないまま、眠れない夜を過ごした。

想いは実る事も、枯らす事もないまま
今日という日が終わりを迎えようとしている……。
(127) 2022/10/24(Mon) 23:21:09

【赤】 楯山 一利


俺は友紀さんに、幼馴染へ告白したことと
その結果どうなったかを報告するために
スマホを取り出して、トーク画面を開いた。

「友紀さんこんばんは。

 さっき、アイツに告白しました。
 でもYESもNOも貰えませんでした。

 ちょっと考えたいみたいです。
 だから、それまで待ってみます。

 以上、報告でした。
 また進展あったら連絡しますね。

 勇気を、ありがとうございました!」*
(*1) 2022/10/24(Mon) 23:21:45

【独】 楯山 一利

/*
ギリギリ〆投下出来てよかった……。

村建てさん、同村して下さった皆さん
楽しい村をありがとうございました!
りおでした。

一期一会の出逢いに感謝。
(-74) 2022/10/24(Mon) 23:23:03

【独】 楯山 一利

/*
友紀さんのエンディングも見れて良かった!!
タイトル回収素晴らしい…。

本当にお疲れ様でした!
皆さんお大事に。またどこかで。
(-76) 2022/10/24(Mon) 23:29:26
 




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