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【人】 【麿】中納言 石上麿呂足[中納言 石上麿呂足は、脇息にもたれ御簾ごし中庭を眺めていた。 つまらんのぅ。 [傍では、畳んだ扇をぱちんぱちんと手のひらで鳴らす。 平穏な日々。争いのない世の中。世界は、平和に日々が過ぎていた。 そんな日々は、麿呂足には物足りなく味気ないものだった。 屋敷の中庭は、庭師の手入れが行き届いており、季節折々の花が咲き綻ぶ。今は、山茶花(さざんか)が満開になっていた。 山茶花は、寒い時期に咲く花だ。耐寒性があると言われている。 麿呂足は、懐紙を取り出しさらさらと和歌を書き留める。] (1) 2021/12/18(Sat) 0:37:52 |
【人】 【麿】中納言 石上麿呂足ーー凍れるを 耐えて忍ぶ 山茶花も 弥生終わりし その身堕つーー [「寒い日を耐える山茶花も、三月が終わる頃(暖かくなる頃)には、花を地面に落とし命尽きるのだ」 という意味の歌だが、和歌には、他の意味を持たせる言葉遊びの文化がある。 麿呂足は、自身を山茶花に見立て歌を読んだ。 「辛い苦しいことでも耐えられるわたしだが、安穏な世の中になると、輝きを失い死んだも同然だ 」] 何か、面白いことが起きんかのぅ。 [その頃、とある野山に光る竹があった。>>0 それはのちに美しい姫となり、麿呂足自身も、その姫の争奪戦に加わることになるのだが、なんなことは知るよしもない、麿呂足なのであった。] (2) 2021/12/18(Sat) 0:38:22 |
【人】 【麿】中納言 石上麿呂足若!大変でございます!若! [側近の融(とおる)が袴の裾を蹴つまずきながら、部屋に入ってきた。] なんじゃ。雅でないぞ。融。 [じろりと嗜めるように、麿呂足は睨み付ける。] 雅なぞ、言うとる場合じゃございません! 都に謎の巨大生物が現れて、町を破壊しつつあるんです! 若も、早く避難の準備を始めてくだされ! [確かに、外が騒がしいなと思っていた。それに、先程、爆発音のようなものも聞こえた。>>58] ふむ。面白い。 融、父上と母上の誘導を頼む。 まろは、鬼討伐に出向くのじゃ。 馬の準備を頼む。 [麿呂足は、刀を腰に差して意気揚々と部屋を出た。] (82) 2021/12/19(Sun) 10:34:25 |
【人】 【麿】中納言 石上麿呂足[麿呂足は、騒ぎの中心へ馬を走らせていた。 突然進行方向に人が現れる。>>86 慌てて手綱を引き、馬を止める。ドウドウと馬を驚いた宥める。] なんじゃ、お前は。まろの愛馬、爆進桜が驚いてしまったではないか。 [麿呂足は、妨げられたことをたしなめるように、騎乗からじろりと睨んだ。] 戦?ふむ。お前は、都の騒動を知らぬのか? これも何かの縁じゃ、教えてしんぜよう。 どうやら、都の中心で巨大な鬼が暴れまわっているらしい。 この中納言 石上麿呂足様が直々に討伐してやるのじゃ。ほっほっほ。 して、お前。名をなんと言う? [身なりは、お世辞にも綺麗ではなかった。おそらく、身分は低いのだろう。 しかし、男の麿呂足に物応じしない態度を、麿呂足は気に入った。]* (94) 2021/12/19(Sun) 17:02:29 |
【人】 【麿】中納言 石上麿呂足[男は、梁亜人と名乗った。>>95] 梁亜人とな。 ほう、まろを超えるか。 面白い奴じゃ。 まろを超えても上には上がおるぞ。 まろら貴族が仕える宮廷の彼のお方じゃ。 [梁亜人は背を向けた。] さらば。 また縁があれば会おう、旅の者。 [麿呂足は、颯爽と爆進桜を走らせその場を去っていった。] (138) 2021/12/19(Sun) 23:26:46 |
【人】 【麿】中納言 石上麿呂足待っていた。 波乱の日を。 待っていた。 和歌を読む日々に別れを告げる。 「出たな、鬼め。」 >>136 [麿呂足は、走る爆進桜の上に立ち、腰の刀を握る。 そして、爆進桜のスピードを借り、宙に翔ぶ。] 石の呼吸!石の上にも麿呂の足! [謎の言葉を発しつつ、重力に任せて、鬼の首に一太刀を突き立てた。 果たして、鬼はどうしただろうか。]* (139) 2021/12/19(Sun) 23:36:44 |
石上麿呂足は、訂正:突き付けた (a1) 2021/12/19(Sun) 23:50:12 |
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