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【赤】 ぐうたら猫じじい マオ>>1:*52 「 ん、っ…… おまえは相変わらず強がりじゃのう。体はこんなに正直なくせに……ほれ、素直に言え……」 つ、と熱を指でなぞりながら。 素直に言うまで、気持ちよくはしてやらないと悪戯っぽく笑う。 マオもまた強がりの、強がり合戦。 あなたの服の上から弄んでやろうかと、器用にズボンのボタンをはずし、緩めて汗ばんだ下着の上に指先が滑り込む。 熱に押し上げられた下着が窮屈そうだ。 形をなぞる様にさっきよりほんの少し強く刺激して煽ってみる。 「 ……ふ、……ぅ……わしが先にイってしまいそうじゃぞ……?レグナ…… 」切なげに零して、若草色が蜂蜜色を見つめて、耳元には、と熱い吐息がかかる。浅い呼吸を繰り返しながらあなたの手に腰を押し付けて、すりすりと擦る。 まるで猫が体を擦りつけてマーキングでもしているような。 (*0) 2024/04/07(Sun) 22:23:28 |
【赤】 人間に戻った レグナ「……。抜くだけ、って言った。 それに……、…………。っく、」 彼の言葉通り気持ち良くなりたいという本能と、これ以上情を残してはならないという理性が、頭の中で巡っている。 ズボンのボタンに手を掛けられれば「あ、こら」と静止する声が飛ぶが、その程度の静止で止まる様なあなたではないだろう。 先程よりも手と熱を遮るものは少ない。その分の刺激と煽りが、分かりやすく熱をより湛えていく。 「……っ、いい、だろ。……イけよ」 その浅く熱い吐息も、切なげな若草色も。今の自分には理性を溶かしていく毒だ。 擦りつけるのを止めはしない。やさしく猫でも撫でるかのように、柔らかく撫でる。 (*1) 2024/04/08(Mon) 0:54:55 |
【赤】 ぐうたら猫じじい マオ「……わしがレグナ相手に、抜くだけのつもりなわけがなかろう。 ……それに、なんじゃ………」 ここまでしてくれるくせ、そんなに頑なな理由がやっぱりマオには理解できなかった。本来の自分たちの関係値を察しているなら……誘惑するつもりなことくらいわかるだろうに。 レグニャがやらかした件はあったとて、中途半端にやさしくするなら、すっぱり断ってくれたほうがよかったなんてマオの我儘だ。 「……ゃ、じゃ……」 やっぱり、いっしょがいい。 手に押し付けていた自身の熱を、あなたの熱にぴとりと密着させて、擦りはじめた。まだ、何かが足りないのだろうと粘る。 するりと、しなやかな手があなたの胸をなぞる。 そうしながら今度は上着とシャツのボタンをはずしていく。 (*2) 2024/04/08(Mon) 13:49:48 |
【赤】 人間に戻った レグナ「…………、 だから、俺はあんたの知ってるレグナじゃないって……」 それだけではない。それだけではないが、きっともう手遅れだ。 視線が落ちる。再び目線が合わなくなる。 傷付けたい訳じゃ無かったんだけどな。 切なげな否定の言葉に、返答はなく。目の奥に欲を湛えながらも困った様な表情を返す。 「く、……っ、ふ、」 熱同士がこすれ合う感覚と、するりと胸をなぞられる感覚に。次第に此方の吐息も熱く、浅くなっていく。 抵抗しようと思えば容易いだろうに、出来ない。その理由が自分でも良く分からない。 (*3) 2024/04/08(Mon) 19:13:10 |
【赤】 ぐうたら猫じじい マオ「……でも、知ってるレグナの一部なのじゃ。 今目の前にはおまえしか、いないのじゃ……」 いくら都合の良い夢の世界でも、レグナがふたりいるわけがないのだから。 「嫌なら、さっさとわしを突き放せばいい」 熱と熱は密着させたまま、心音に合わせるように脈打つ。 はだけた服から露わになったあなたの肌を、するりとやさしく撫ぜて。指先にひっかかった突起を、くりくりと弄ぶ。 流れるように片方の突起に唇を寄せて、甘噛みしてみた。 「…… っ……ちゅ、… …っん、ふ……」唾液で濡れた舌先がつんと突起をつついて、ゆっくりと這わせていく。は、と熱い吐息がかかって。時々上目遣いで、縋るようにあなたを見つめた。 いつも何かをされたがりのマオが、必死にあなたに奉仕している。 (*4) 2024/04/08(Mon) 20:01:32 |
【赤】 人間に戻った レグナ縋る様な声。――酷く、罪悪感が胸を指す心地がした。 帰る選択肢を取る限り、彼はひとりこの世界に残されてしまう。悲しませてしまう。 かといって、残る選択は選べない。やった事が無意味になる。両親の『命を大切に』の言葉を裏切る事になる。 ――嫌なら、突き放せばいい。その通りなのに。……なのに。 「ッ……は、……ぅ、く」 最初はくすぐったいだけだった、胸への刺激が。甘く噛まれる感覚が。段々と甘やかな快楽を返していく。 ちうちうと吸う様な水音と甘い吐息が、頭の中を溶かしていく。 ――あのマオが、ここまでするぐらい。 自分は愛されていたのだ、と。実感せざるを得なかった。 (*5) 2024/04/09(Tue) 0:43:41 |
【赤】 ぐうたら猫じじい マオ「なぜ、抵抗しないのじゃ……?レグナ……なんとか言え……」 拒絶されないと、自分を愛してくれると期待してしまう。 時々あなたを見つめては、吐息交じりに縋るような言葉を紡ぐ。 「レグナとするときは、マオさまをいっぱいかわいがってくれて マオさまも、おまえをすきだといっぱいちゅぅするのじゃ。 たくさん愛しあう時だけなのじゃ…… おまえと、愛のない行為などしたくないのじゃ」 ただ性欲を処理したいだけなら、その辺の人間でもいい。 マオには都合のいい信者がたくさんいるのだから。 だけどこれは違う。本能からくる行為だと言われても。 愛するレグナとするのが、しあわせだ。 「どうしたら、今のレグナはマオさまをあいしてくれる?」 レグナはどうされるのがすきなのだろうと、必死で考える。 胸にあまい刺激を与えながら、するりと指先を熱のほうへ落として下着の上から触れる。それを追うように顔を徐々に胸から体の線を沿って、落としていく。 ▽ (*6) 2024/04/09(Tue) 2:11:54 |
【赤】 ぐうたら猫じじい マオ「あいしてくれるなら、なんでもするのじゃ……」 やがてあなたの下腹部とマオの目前が合うくらい 伏せるような形になった。まるで地を這う獣のような体勢。 しなやかな手が、愛おしげにあなたの熱を撫ぜる。 ともすれば今からすることを示唆するかのように ちゅ、と下着の上からその熱にキスを落とした。 (*7) 2024/04/09(Tue) 2:16:40 |
【赤】 人間に戻った レグナ「…………、」 わからない。わからないから、答えようがない。 縋る様な視線には、変わらず困った様な表情を返すのみ。 言葉をただ静かに聞いている様子は、例えば。いつぞやあなたの知らないあなたに見せた、罰を望む罪人の時の様なそれに似ていた、かもしれない。 するりと触れる手が少しずつ落ち、懇願の言葉と共にそこにキスを落とされてから。 漸く、静止する様にその頭を抑えて、くしゃりと髪を握る。……静止というには、あまりにも柔いそれではある。 「……あいして、しまったら」 「別れる時、傷付けちまう。あんたも、……俺も。」 答えられない、その理由の一端を吐く。 分かっている。これは唯の言い訳だ。きっと今更もう、手遅れだ。 (*8) 2024/04/09(Tue) 23:22:35 |
【赤】 ぐうたら猫じじい マオ「……どうして?」 「どうして、そんなこと言うのじゃ……? レグナはマオ様を置いてどこかに行ってしまうのか?」 頭を押さえられたまま、不安げに上目で見つめる。 レグナのそんな追い詰められたような顔を見るのは初めてで なにもわからないのに、ぎゅぅと胸が苦しくなる。 「……っ……」 「おまえが何を隠しているのかはわからないが だからって……あいしてほしいのは ずっとずっと、かわらないのじゃ…… おまえがマオさまを嫌いなら、それでいい……」 大好きな人間に、置いて行かれるのは嫌だ。 どうしてか、そんな経験なんてないのに 胸の内を支配するこの感情はなんなのだろう。 「でも、そうじゃないなら。あいしてほしい。 かわいがって、ほしい…… おまえのそのやさしさは、なんだか苦しいのじゃ」 すり、と頬擦りする。体勢も相まってまるで猫のように。 伏せた目元からほろほろと雫がこぼれて、みっともない。 今日のマオは泣いてばかりだ。 ▽ (*9) 2024/04/10(Wed) 2:06:32 |
【赤】 おまえがだいすき マオ「わしは、おまえのほんとうの気持ちがほしいのじゃ」 いつものレグナと同じ熱量をくれなくてもいい。 もし本当に別れがくるとして、わざと距離を置くのは きっとマオも、あなたも後悔してしまうかもしれない。 なんて、そんな細やかなことなど 今のマオに考えている余裕はきっとなくて、ただ ──すこしでも、いっしょにいたかった。 (*10) 2024/04/10(Wed) 2:20:45 |
マオは、レグナからもらった満月の髪飾りを今でも大事につけている。 (a0) 2024/04/10(Wed) 5:48:06 |
【赤】 人間に戻った レグナ不安げな、くるしげな、問いかけ。 ぽろぽろと落ちる涙。 宥める様に、或いは誤魔化す様にその頭をくしゃ、と撫でて。……それでも。 「……ああ」 「遠い、所に行く。行かなければならない」 「そこにあんたの事は連れていけない……いや、 もし、連れて行ったとしても。……きっともう、会う事は叶わない」 一つ、一つ。言い聞かせる様に告げる。残酷な事を告げているのはわかっている、きっとあなたを傷付けている。 もっとうまく"悪人"になれていれば、救う事が出来ただろうか。……分からない。 ▽ (*11) 2024/04/10(Wed) 16:46:22 |
【赤】 人間に戻った レグナ変わらず撫でる手を、少しだけ止める。 自分の知っているマオの外見と、一つだけ違う所。満月の髪飾り。 "見覚えのない"それに、一瞬だけ目をやって。 それから、もう一度あなたの元に向き直る。 「…………。 あんたの期待に答えられるかわからなくても。 これで最後になるかもしれなくても。 ……それでも、か?」 嫌いにはなれない。もし嫌いだったなら、ここまで付き合わずにさっさと"帰る"事が出来た筈だし、そもそも救おうだなんて傲慢な事を考えなかった。 けれど、素直に受け取る事が、きっと自分も怖いのだ。だから、そんな心が混じった問いを、投げかける。 (*12) 2024/04/10(Wed) 16:48:21 |
【赤】 おまえがだいすき マオ「レグナが、遠くに行くのはゃ、じゃぁ…… このわがままだけは、止められないのじゃ 先のことは、わからないのじゃ…………」 いやいやと首を振るたび、満月の髪飾りがきらきらと揺れた。 こうして、マオは最後まで駄々をこね続けてあなたを困らせるだろう。 「今、レグナといっしょにいたい。あいしたい。あいしてほしい」 「いっしょにいれる時だけは、離れたくない……」 これが最後だとしても、と口には出さない。 口にしたら、本当に最後がきてしまいそうだから。 ▽ (*13) 2024/04/10(Wed) 18:55:07 |
【赤】 おまえがだいすき マオ「それ以外のことは、いまは考えられないのじゃ。 この世にうまれたものはいつか終わりがくるものだ。 それをいちいち考えてたらきりがない。 そもそもわし、不老不死の仙人だし?」 「ぐうたら猫じじいだから、わかんにゃい」 考えたくない。だきしめて、ちゅぅして たくさんたくさんかわいがってほしい。 それが、あなたの考える救いなんて求めていないマオの救いだ。 「レグナ」 上体を起こして、あなたを包み込むように抱きしめる。 「やなことは、今だけ考えるのをやめるのじゃ」 「マオ様は、レグナをあいしてる」 まるでしあわせな夢にいざなうような甘言をささやく。 今はただ、それだけだ。 その幸せがいまここにあれば良い。 「おまえは、いま……どうしたい?」 (*14) 2024/04/10(Wed) 19:14:21 |
【赤】 人間に戻った レグナ不老不死の、千年を生きた仙人を名乗る癖に。 どこか猫の様に子供っぽく、わがままで。 あいする人にはこんなになるまで必死になって。 渡した記憶は自分にはないが、きっとマオの記憶の中での自分に渡されたものを。肌身離さず着ける真似をして。 包み込み、抱きしめられる。 あいしていると伝えられる。 ……ああ。 「……本っ当に、」 ▽ (*15) 2024/04/11(Thu) 0:22:56 |
【赤】 救いたかった レグナ「しょうがねえやつ」 困った様に笑う。こちらは、あなたも何度も見た表情。 あなたの知るレグナの口癖に、少しだけ似た言葉。 マオの記憶の中でのレグナは、一体どうやってマオをここまで愛されたがりにしたのだろう。 ……いや、救えなかった夢の住人ただ一人に、どうしてこんなに入れ込んでいるのだろう? 一瞬そんな何かが過ったが、今はきっと。関係のない話だ。 「……今、だけな。 今だけなら、全部忘れてやる」 「――あいして、やるよ」 ――そう言って、抱きしめ返した。 (*16) 2024/04/11(Thu) 0:24:40 |
【赤】 おまえがだいすき マオ「レグナ…………」 今目の前にしているレグナが、いつかのマオが『愛して』とわがままをねだった時のレグナと重なった。 「……レグナ……」 若草色からぽろぽろと零れるしずくをぬぐう。 今だけは嫌なことを忘れるのだから、涙はいらないはずなのに。 うれしくて零れることがあるなんて、マオは知らない。 いつからこんなに泣き虫になってしまったのだろう。 「……っ……やっぱり、おまえはレグナなのじゃ」 胸に顔を埋めて、すんと鼻をすする。レグナのにおいがする。 人間がよく使うシャンプーと、おひさまのにおい。 マオの根本は、ただの老猫だ。 猫なんてごはんと寝床と、かわいがってくれるご主人様がいればしあわせで、マオがほしがるものをくれて、あまやかしてくれるレグナがだいすきになるのは、必然といってもいい。 ▽ (*17) 2024/04/11(Thu) 5:02:52 |
【赤】 おまえがだいすき マオ「レグナ」 「……ちゅぅ、していい?」 じ、とあなたを見つめて顔を近づける。 息がかかるくらい近くて、もう唇がふれそう。 わざわざたずねたのは、まだほんの少し 引き剝がされた記憶がよみがえるからだ。 ……それともレグナからしてくれるかな。 (*18) 2024/04/11(Thu) 5:06:41 |
【置】 救いなんていらない マオマオが可愛がられたがりなのは 自由な仙人として生きながらも、性質が猫のままだからだ。 捨てられて傷を負った黒猫が、拾われて とっても大事に育てられてきたのだから。 集団生活をしていた時だって、遊んで、ごはんをくれと いろんなひとにねだっていた。 面倒見の良いレグナには特にしもべ扱いが顕著だったけれど 一緒に時を過ごすうちに、情を抱くようになった。 でも、愛してほしいと思うようになったきっかけは些細なことだった。はじめて人と喧嘩をして、嫌われたって思って、それは嫌だって気づいた。 レグナの怒った顔、苦し気な顔、刺すような瞳がくるしくて。 嫌いにならないでって愛してほしいってわがままを言った。 しょうがないなと涙をぬぐってくれて レグナの思う愛のかたちを教えてくれた。 ──マオには知らなかった愛を知ったのだ。 これは猫のする、子孫を残すためのものとはすこし、ちがう。 あこがれる人間のする、 恋 なのかもしれなかった。 (L0) 2024/04/11(Thu) 5:19:40 公開: 2024/04/11(Thu) 5:20:00 |
【赤】 救いたかった レグナ「……そっか」 宥める様に、受け入れる様に。再びふわふわとした紺色の毛を撫ぜる。 やっぱりと言われて、しらない未来に思いを馳せて、少しだけ恥ずかしい様な、くすぐったい様な。そんな気持ちになりつつ。 散々あなたを猫の様だと称してきたが、まさか本当に猫である事は、このレグナも知らぬ話。 じ、と見つめられる。……漸くきちんと、あなたの目を見返して。 「いいよ」 頷く。もしそれでも恐れる様であれば、こちらから口付ける事だろう。 (*19) 2024/04/11(Thu) 14:40:42 |
【赤】 救いなんていらない マオ撫でられると嬉しそうに目を細める。それこそ猫のよう。 その蜂蜜色に見つめられるだけで、マオは胸が高鳴った。 まぶたに一回だけちゅ、と口づけて、 「……レグナ。これはレグナが教えてくれた愛の形なのじゃ」 そう言ってから、あなたの手をきゅっと握り、そっと唇を重ねる。 しばらく重ねたままの、長く甘い口づけ。 そうして、長い沈黙に慣れてきた頃、やわく唇を食み、角度を変えながら、湿った舌先があなたの口内へそっと入り込んだ。 「……………ん………」 握った手にぎゅっと力を込めて、あなたと呼吸をする。 (*20) 2024/04/11(Thu) 19:51:25 |
【赤】 救いたかった レグナぎゅう、と抱きしめているものだから。お互いの心臓の音もわかってしまう。 あなたの心音が伝わっている様に、こちらもまた……緊張交じりの、けれどもそれ以外のものも混じった音が、伝わっているのだろう。 瞼に落とされた口づけに、また少しくすぐったそうな様子を見せた後。 「……。俺が、か……」 呟いて、そうっと重ねられた唇を受け入れる。記憶は違うものの、改めてそう言われると猶更照れくさい様な。 暫くその温度に浸った後、入り込んできた舌に応える様に、ゆっくりと舌を絡めていく。 変わらずあなたの頭を撫で続けたまま。 (*21) 2024/04/12(Fri) 0:37:54 |
【赤】 救いなんていらない マオ「……ちゅ……」 跳ねる心音をさらに熱く加速させるように しあわせなのに、切ない胸の熱を分けあうように ──あなたがどこかに行ってしまわないように 首元にぎゅ、としがみついて、もっと体を密着させる。 はじめはゆっくり、じっくりと味わうようなキスだった。 それも、段々と激しくあなたの口内を侵していく。 「…… ふ、っ ……ん……はっ ……」夢中で舌を絡ませあって、角度を変えるたび、口端から吐息と共に声が漏れる。 まるでこの行為自体が、まぐわいのように深く、甘く、あなたの緊張を解きほぐすように。ちぅ、れろ、ぴちゃ、と頭の中までとろかすような音がいやらしく響く。 髪を撫でるあなたの手が心地よくて、だいすきだ。 マオは今だけの幸せな心地に委ねるようにまぶたを閉じた。 (*22) 2024/04/12(Fri) 5:02:34 |
【赤】 救いたかった レグナ縋るように密着させられれば、より温度も心音も強く伝わって来て。あなたがこんなにも自分をあいしてくれている事を、思う。 一瞬だけ過ぎった、これから起こさなければいけない"やなこと"を。今は、今だけは置き去りにして。 「…………、は、……ん……」 少しずつ、もっともっとと追い求める様なそれに変わっていく口づけに。 "自分が教えた"らしい、蕩かす様な感覚も。いやらしい水音も。聞こえてくるあなたの甘やかな吐息と声も。 段々と頭どころか、心の奥まで溶かしていくような心地になる。 ぼんやりとした、けれども心地いい、知らない筈なのに知っている様な幸福な時間。 (*23) 2024/04/12(Fri) 12:27:52 |
【赤】 救いなんていらない マオふしぎだ。目前にいるレグナはいつもと違うレグナのはずなのに、いつもの"レグナ"がほんとうにここにいる気がして、胸が満たされる気持ちになって、じわと涙が滲む。 「はぁ…… っ……ん………… 」ぎゅっと抱きしめる腕を強めて、乱れた呼吸を時々ふは、と零しながら長く深いキスを続けている。言葉はなないのに、レグナ、レグナと名を繰り返し呼ぶように。 「…………………っん、 ふ……… 」すり、と熱を共有するみたいに身体を擦り付けて くしゃりとあなたのやわらかな髪を撫ぜる。 ずっと、このままでいたくて、離れられない。 思わず前のめりになって、あなたに体重をかける。 ふかふかのベッドの上だから、もし倒れても問題はなかった。 (*24) 2024/04/12(Fri) 14:35:23 |
【赤】 救いたかった レグナこの場所に来る前の会話を除けば、こんな風に愛を伝えられるのも、こいびとの様に甘えられるのも、それに応え返すのも。初めての筈だ。 それなのになんとなく懐かしい様な、そんな心地になって。少しだけ目を細める。 「……ん、…………はっ、ふ、……」 伝わる温度が、撫でてくる手が、暖かい。 体重を掛けられれば、ぽす、と軽い音と共にベッドに受け止められる。 それから暫くして、あなたの目から流れ落ちた温い涙が、ぽた、と自分の元に落ちる感覚がした。 ――ああ、この寂しがりは。本当に。 (*25) 2024/04/12(Fri) 19:41:21 |
【赤】 救いなんていらない マオ「…… ふ、 は……」長い長い口づけのあと、ようやく名残惜しそうに口を離す。 銀の橋がふたりの間をつないで、あなたは解放された。 といっても、マオは上に乗っかったままあなたは動きを封じられているのだが。 する、と頬を撫でじっと見つめるその瞳の奥には熱を湛えていた。 「レグナ、すき……」 今度は、首筋に触れるだけの口づけをひとつ。 このままずっと、キスだけしているのも飽きないくらいだけれど。マオはごろごろと喉を鳴らす猫のような、甘ったるい声を喉から出す。 「……レグナ。さっきのつづき、さいごまでしたい?」 しなやかな指先が下腹部にやさしく触れた。熱を確かめるように。 だけど返事もきかないうちに、もぞもぞと下まで移動して 下着の上からくすぐるように触れて、そこにすりすりと頬擦りをしながらうっとりと微笑んだ。 マオはあなたに"したい"と言わせたい。 (*26) 2024/04/12(Fri) 20:58:04 |
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